電力フィードバック回路の調整による 熱音響発電機の発振余裕の最大化

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電気回路学 Electric Circuits 情報コース4セメ開講 分布定数回路 山田 博仁.
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円線図とは 回路の何らかの特性を複素平面上の円で表したもの 例えば、ZLの変化に応じてZinが変化する様子 Zin ZL
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振動体の振幅を一定とする 振動発電機負荷のフィードバック制御 長岡技術科学大学 ○ 永井 和貴 齋藤 浄 小林 泰秀
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圧電素子を用いた 高エネルギー素粒子実験用小型電源の開発
臨界温度比推定のために熱音響エンジンを 定常発振させる時変ゲインを用いた 定エネルギー制御系の安定性解析
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電力フィードバック回路の調整による 熱音響発電機の発振余裕の最大化 ○小林泰秀, 井上陽仁 (長岡技科大)

背景:電力フィードバック型熱音響発電機 従来システム … 周波数固定 提案システム … 周波数可変 ループ管:音響系の共振 廃熱 吸熱 従来システム … 周波数固定 ループ管:音響系の共振 リニア発電機:機械系の共振 最大効率の維持が困難 提案システム … 周波数可変 音響パワー → 電力 小型化、高効率化 電気回路の定数を変化 最大効率の維持を目指す リニア発電機 音響パワー 廃熱 吸熱 リニア発電機 リニアモータ 電力 電気回路

背景:これまでの結果 ナイキスト安定判別に基づく安定解析 [音響論2017.1] コア5段で発振するシステム [2017春,秋] コアとリニアモータの特性 … 実験的に取得 管路と電気回路の特性 … 物理モデル コア5段で発振するシステム [2017春,秋]  抵抗値R →小 ⇒ 音響パワー・環送電力→大 コイルを追加  ⇒         〃 TH TC 電 力 熱音響コア リニアモータ 電気回路

目的 発電機の性能向上 コイルの最適化 発振余裕を最大化するリアクタンス TH TC 電 力 熱音響コア リニアモータ 電気回路

実験装置1:コアの周波数応答測定 Gcore 436mm 768mm 34mm 34mm 768mm φ47mm 長さ 55mm TH = 300, 400℃ TC = 16℃

実験装置2:リニアモータの特性測定 396mm 45Hz

実験装置3:電力フィードバック型発電機 変更点:コイルを広く変化 5段 負荷ZL = R + jωXL R = 74Ω L = 5136mm Ltube = 2956 871 全長約6m(定在波あり) p2とp1の位相差2~3°(44Hz) 完全な進行波型:40° TC = 10℃, TH = 300℃ 変更点:コイルを広く変化 負荷ZL = R + jωXL R = 74Ω XL= 0, 29, 133, 186, 208, 229, 355mH の七通り

安定性解析手法[2015秋] コア1段の周波数応答G1を取得、Gi := G1 Gcore = G5 ★ G4 ★ G3 ★ G2 ★ G1 ZL コア1段の周波数応答G1を取得、Gi := G1 Gcore = G5 ★ G4 ★ G3 ★ G2 ★ G1 リニアモータ1個の周波数応答H1を取得、H2:=H1 回路モデル、管路モデルを仮定 コア以外の部分の周波数応答応答Gotherを算出 ナイキストの安定判別

安定性解析手法(つづき) G’core G’other 図の閉ループ系が不安定となるための必要十分条件 のナイキスト軌跡が原点に重なるか囲むこと G’core G’other

解析結果 【発振余裕と周波数】 軌跡-原点間距離 dmin ,その周波数 fr 軌跡が回転 発振余裕:大 周波数:低下 軌跡が縮小 発振余裕:小 200Hz 最適値が存在 30Hz

解析結果 【電力・音響パワー・効率】 と仮定 ⇒ 他を算出 あるXLで発振余裕最大、端子電圧・音響パワー・環送電力:大 WH WC i1 P2 vs2 vs1 P1 と仮定 ⇒ 他を算出 最大 低下 増加 最大 低下 あるXLで発振余裕最大、端子電圧・音響パワー・環送電力:大 XL増加 ⇒ 発振周波数:低下、端子電圧間の位相進み:増加            

実験結果 【電力・音響パワー・効率】 vs1, vs2, p1, p2 を 10秒間同時計測、発振周波数成分を算出 WH WC i p2 p1 P2 vs2 vs1 P1 vs1, vs2, p1, p2 を 10秒間同時計測、発振周波数成分を算出 大 大 低下? 増加 増加 最大 高 端子電圧・電流・音響パワー・環送電力:最大となるXLの可能性    発振周波数とリニアモータの効率 ... 解析に整合しない

まとめ 電力フィードバック回路のリアクタンスの最適化 今後の課題 解析:発振余裕が最大となるリアクタンスの存在 端子電圧間の位相進み:増加      端子電圧間の位相進み:増加      発振周波数:低下 実験:圧力振幅が最大となるリアクタンスの可能性      発振周波数:低下? 今後の課題 実験の精度向上(リアクタンス)