JASMINEワークショップ March 6-7,2003 松原英雄(宇宙研) ロケット/衛星システム について JASMINEワークショップ March 6-7,2003 松原英雄(宇宙研)
打ち上げロケットについて 宇宙科学研究所(15年10月より宇宙航空研究開発機構に統合)のM-Vロケットの場合、L2点に投入できる重量は500kg程度 (これは衛星を地球周回からL2点へ運ぶのに必要な推進薬も含む) 衛星を収めるフェアリング内スペースの制約から口径2mの望遠鏡システムと収めることは大変困難 一方宇宙開発事業団(上記機構にやはり統合)のH-IIAロケットを利用する場合は、約2500kgの重量をL2点に投入することができる。
H-IIAのフェアリング
H-IIAフェアリングへの収納 Dual Launchの場合、直径3.6m、高さ3mの円柱に収める必要がある。 熱シールド板は展開構造とすれば収められる。
衛星システム 構造系 熱制御系 姿勢系・軌道制御系 データ処理系・通信系 電源系 すべての検討はまだこれからである。以下ミッションの成立に必要な衛星システムへの要求をまとめる。
構造系/熱制御系 2 枚鏡からなるビーム混合鏡同士の相対的回転変動は、10μas 以下。 望遠鏡システムの、熱的・機械的変形への許容度
振動に対する許容度 星がCCDを通過する間に微小振動により像位置が変動するが、これは以下におさえなければならない。 望遠鏡系・及びバス系と望遠鏡のジョイントは50Hz以上の固有周波数を持つように堅く設計するべきである。
熱環境の変化 太陽光の入射角 Θ:季節によって衛星の回転軸に対して30-45度の範囲で変化 Φ:軌道1周(15~20時間)で1周
熱構造解析モデル
衛星姿勢 銀河面±3.5度(360°×7°)の領域をサーベイするために、衛星の回転軸を銀極に対して3.5度傾け、回転軸を歳差運動させる 歳差周期:3ヶ月。 自転周期:15~20時間。 夏と冬は太陽が銀河面を通過する(銀緯<40度)ので、高銀緯サーベイに切り替える。
通信系(1) Kバンドの場合 Zバンドの場合 1GB程度の容量のデータレコーダに蓄積してから地上へ伝送することでデータレートは平滑化できる。 星の露光時間:9.5秒 比較的暗い星はスキャン方向の1次元情報(9 pixel, 16bit/pixel) データレート:0.22~4.2Mbps (星の密度により変化) Zバンドの場合 星の露光時間:3.8秒 データレート:0.45~12Mbps 1GB程度の容量のデータレコーダに蓄積してから地上へ伝送することでデータレートは平滑化できる。
通信系(2) アンテナ X帯(8.5-8.6GHz) 口径0.6-1mφのHigh Gain Antennaが必要。 指向性が高くなる(0.6mφの場合約4度FWHM)ため、L2点まわりのハロー軌道の場合は、antenna駆動装置が必要か?(フェーズドアレイアンテナが可能か?)
電力 電力の目標 太陽電池パドル ミッション部:検出器系200W、トータル500W バス部:姿勢系150W、通信系200W、トータル500W 1KWの発生電力@EOL 高効率(26%)Multi-Junctionセルを採用した場合、1.2m×1.2mの面積になる