イオン源ビームオンラインモニター・スキャナー

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イオン源ビームオンラインモニター・スキャナー ビームデフレクター 東大CNS 渡邊 伸一

原 理 ST:ビームデフレクター

ビームデフレクター スキャナーの監視範囲の拡大を目指す 監視範囲拡大のため軌道偏向電極(デフレクター)を設置する 期待する効果:デフレクターにより監視ビームを平衡軌道に平行化する 計算例1:ビームのΔP/P=-2 % デフレクター諸元:偏向電極長=0.1 m、偏向電極入り口位置=0.39 m、監視ビーム軌道オフセット=中心よりー0.022 m、水平蹴り角=0.0318 rad。

蹴り角=0.0 rad

水平蹴り角=0.0318 rad

計算結果合成図 青:蹴り角=0 rad 黄:蹴り角=0.0318 rad

監視ビームの内壁での損失 次頁の測定例におけるサイドビーム14N4+の幅が小さい原因は、真空槽(部品番号201、直径Φ120)の内壁への衝突によるものと考えられる。サイドビームは左(Bρ小側)に進行したが、途中に遮る物体があったものと考えられる。 遮る物体として考えられるのは、チョッパー電源導入線など。 対策:デフレクターによる監視ビームの偏向、遮蔽物の軌道からの撤去または移動。

14N4+と18O5+ のビームプロファイル測定 スキャナー 1回目 2回目 A’ B’ 左 47.18 mT 46.47 mT Br小 Br大 A’ B’ 18O5+ 左 14N4+ 2012/4/11 第6回AVF合同打ち合わせ @住友クラブ

スリット+デフレクター 使用ビームのみ通過させ、監視ビームは専用のスリットSを通した後に偏向させる方法があります。  デフレクタD中心での使用ビーム幅(図で片側⊿x)は2センチです。(Fは焦点) 使用ビームと監視ビームの運動量比が2%の場合、監視ビーム中心軌道の偏移量は約2センチです。  監視対象ビームの運動量比が2パーセント以上であれば、この専用スリットSによる監視対象ビームのコリメーション、Dによる偏向、F面におけるスキャナーによる検出が有効で す。  専用スリットSが無い場合のビーム通過量はこの運動量比2パーセントでは最小で、運動量比が2パーセントを超えてから増加します。 Ld

静電偏向(斜め入射1) y = (Uk/4d )(A/z)(1/UB)Le2 Θ Le d: 電極の間隙 0.03 m Θ: 偏向角 DP: プローブの移動距離 (Max=55 mm) y Ld Uk DSP/2 UB Lf スリット Probe z = 3, A = 7 Dp 7Li3+ 6Li3+ Uk = 0.96 kV UB= 10 kV Le = 0.1 m Lf = 0.708 m y = 0.0186 m Θ = 8.418 [deg] DSP/2 = 0.074 m Ld = 0.191 m y = (Uk/4d )(A/z)(1/UB)Le2 Dp = y + Ld tan(Θ) = 0.0469 m < 0.055 m 2012/5/11 AVF高度化打ち合わせ @CNS

デフレクター仕様(案) 監視ビーム 7Li3+ @10kV デフレクターギャップ  d = 0.03 m (2⊿x=0.09 m, 2⊿y=0.04 m 注1) デフレクター長  Le = 0.1 m 偏向電極入り口位置  Ld = 0.39 m (前ページ図よりも後方に設置注2) 監視ビーム軌道オフセット =-0.0577m (中心軌道より) 水平蹴り角        Θ = 8.418 deg (0.1469 rad) 静電偏向電圧 Uk= 0.96 kV 注1 デフレクターギャップ d はスリットS(コリメーター)の開口部及び出口部の面積に依存する。Sの開口面積を0.01m×0.01mとする。 d の最小値は0.01m+余裕間隔。余裕間隔を0.01mと仮定すると、d = 0.01+0.01+0.01=0.03m。 デフレクターの設置方式:①ビームに直交する可動式の支持柱に偏向電極を取り付け、②偏向電極の入射角は軌道オフセットに連動して制御される方式とする。 注2 真空槽201の内径を広げる(ICF203適用)。デフレクターはベローズチャンバー内に設置。チョッパーは長さを5㎝短くすることにより監視ビームとの干渉を減らす。

まとめ ΔP/P=-2%以上のビームを想定 アナライザー出射口より0.39 m の位置にデフレクターを設置(軌道オフセットはー0.022 m ) 蹴り角0.0318 rad Minで監視ビームを水平化する デフレクター仕様(案)を策定した