Massive Gravityの基礎と宇宙論

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 宇宙は何からできてくるか ? 理学部 物理 森川雅博 宇宙を満たす未知のエネルギー:暗黒エネル ギー 局在する見えない未知の物質:暗黒物質 銀河・星・ガス 何からできているか … 2006/7/25.
Advertisements

Division of Process Control & Process Systems Engineering Department of Chemical Engineering, Kyoto University
エリスワームホール時空における ダスト流解とそのシャドウ Yamaguchi University Takayuki Ohgami, Nobuyuki Sakai ブラックホール地平面勉強会 10 月 4,5 日 湯田温泉.
相対論的場の理論における 散逸モードの微視的同定 斎藤陽平( KEK ) 共同研究者:藤井宏次、板倉数記、森松治.
ブラックホール宇宙の構成方法と その構造 阿部君, 中尾さん, 孝森君 ( 大阪市立大学 ) 柳 哲文( YITP)
AdS Branes and Symmetries
ニュートン重力理論における ブラックホール形成のシミュレーション
自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
Orbifold Family Unification in SO(2N) Gauge Theory
(Fri) Astrophysics Laboratory MATSUO Kei
スペクトル法による数値計算の原理 -一次元線形・非線形移流問題の場合-
木村 匡志 極限ブラックホール近傍の 高速粒子衝突における “バックリアクション“の影響について (YITP 元OCU)
スパッタ製膜における 膜厚分布の圧力依存性
原始惑星系円盤の形成と進化の理論 1. 導入:円盤の形成と進化とは? 2. 自己重力円盤の進化 3. 円盤内での固体物質の輸送
電荷を持つ5次元ブラックホールにおける地平線の変形と特異点
カオス力学系と重力波 木内 建太 & 前田 恵一 (早稲田大学)  PRD、 (2004)
相対論的輻射流体力学における 速度依存変動エディントン因子 Velocity-Dependent Eddington Factor in Relativistic Photohydrodynamics 福江 純@大阪教育大学.
クラスター変分法による 超新星爆発用 核物質状態方程式の作成
表紙.
降着円盤磁気流体シミュレータの開発(2) 輻射磁気流体ソルバー
重力レンズ効果を想定した回転する ブラックホールの周りの粒子の軌道
(ラプラス変換の復習) 教科書には相当する章はない
数値相対論の展望        柴田 大 (東大総合文化:1月から京大基研).
行列模型を用いたR×S3上のN=4 SYMにおける相関関数の数値的解析
大阪工業大学 情報科学部 情報科学科 学生番号 A03-017 犬束 高士
物理学セミナー 2004 May20 林田 清 ・ 常深 博.
第6章 連立方程式モデル ー 計量経済学 ー.
ゴースト場凝縮と宇宙論 向山信治 (東京大学) 平成19年5月29日
原子核物理学 第8講 核力.
電子 e 光子 g 電磁相互 作用を媒介 陽子 中性子 中間子 p n ハドロン 核力を  媒介 物質の 究極構造 原子 原子核 基本粒子
スペクトル法の一部の基礎の初歩への はじめの一歩
g-2 実験 量子電磁力学の精密テスト と 標準理論のかなた
古典論 マクロな世界 Newtonの運動方程式 量子論 ミクロな世界 極低温 Schrodinger方程式 ..
Unitarity in Dirichlet Higgs Model
理科指導法D ノーベル物理学賞.
独立成分分析 5 アルゴリズムの安定性と効率 2007/10/24   名雪 勲.
重力・重力波物理学 安東 正樹 (京都大学 理学系研究科) GCOE特別講義 (2011年11月15-17日, 京都大学) イラスト
カオス水車のシミュレーションと その現象解析
6. ラプラス変換.
川崎浩司:沿岸域工学,コロナ社 第2章(pp.12-22)
3パラメーター解の 相対論的・弦理論的解釈と タキオン凝縮について
D中間子崩壊過程を用いた 軽いスカラー中間子の組成の研究
Some Generalization of Lorentzian BLG Model
LHC計画が目指す物理とは × 1:ヒッグス粒子の発見 2:標準理論を越える新しい物理の発見 未発見!
高次元真空Einstein方程式 と 加速宇宙
東邦大学理学部物理学科 宇宙・素粒子教室 上村 洸太
Gauge-Higgs-Inflaton Unification in (4+n)D Super Y-M
弦の場の理論による 不安定D-brane系の動的記述
18th International Conference on General Relativity
pp-wave上の共変的超弦の場 における低エネルギー作用
瀬戸直樹(京大理) DECIGO WS 名古屋大学
2重井戸型ポテンシャルに捕捉された 冷却原子気体の非平衡初期分布緩和過程に対する非平衡Thermo Field Dynamics
バリオン音響振動で探る ダークエネルギー ~非線形成長と赤方偏移歪みの影響~
LHC計画で期待される物理 ヒッグス粒子の発見 < 質量の起源を求めて > 2. TeVエネルギースケールに展開する新しい物理パラダイム
LHC計画で期待される物理 ヒッグス粒子の発見 < 質量の起源を求めて > 2. TeVエネルギースケールに展開する新しい物理パラダイム
曲がった時空上の場の理論の熱的な性質と二次元CFT
インフレーション宇宙における 大域的磁場の生成
Closed String Field Theory with Dynamical D-branes
宇 宙 その進化.
格子ゲージ理論によるダークマターの研究 ダークマター(DM)とは ダークマターの正体を探れ!
定常剛体回転する宇宙ひもからの 重力波放射
大学院ガイダンス(柏キャンパス) 2011年6月11日 岸本 康宏
第3回応用物理学科セミナー 日時: 7月10日(木) 16:10 – 17:40 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
媒質中でのカイラル摂動論を用いた カイラル凝縮の解析
Closed String Field Theory with Dynamical D-branes
2016年夏までの成果:標準理論を超える新粒子の探索(その1) 緑:除外されたSUSY粒子の質量範囲 [TeV]
2017年夏までの成果:標準理論を超える新粒子の探索(その1) 緑:除外されたSUSY粒子の質量範囲 [TeV]
Massive Gravityの基礎と宇宙論
ブレーンガスを用いた ダークマターの可能性
[2] 超対称性理論(SuperSymmetry, SUSY) [4] ヒッグス粒子の階層性(微調整・不自然さ)問題
Presentation transcript:

Massive Gravityの基礎と宇宙論 吉田大介 東工大 2013.8.23 第58回 重力波交流会 Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

アウトライン 1. イントロダクション:宇宙項問題 2. 一般相対論とmassless graviton 3. Fierz,Pauliの線形massive gravity 4. 非線形massive gravity 5. ghost-free massive gravity 6. bi-metric gravity 7.宇宙論への応用 BDゴーストを消す 宇宙項問題 BDゴースト問題(1972) dRGT理論(2011) Ghost-free massive gravity 一般相対論 非線形massive gravity 線形化 非線形化(1972) 運動項を追加 線形化した 一般相対論 Fierz Pauli理論(1939) 線形massive gravity Bi-metric gravity (2011) vDVZ不連続性(1970) 質量ポテンシャルを加える Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

1. イントロダクション:宇宙項問題① 現在の宇宙は加速的に膨張している 一般相対論でこれを説明するには 負の圧力を持ったダークエネルギーが必要 Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

1. イントロダクション:宇宙項問題② massive gravity 宇宙項問題 解決案A:ダークエネルギーを見つける 真空のエネルギーが有力候補 宇宙項 しかし、 標準理論を用いて計算された 真空のエネルギーの値 観測と合う宇宙項の値 宇宙項問題 解決案B:通常の物質だけで加速膨張するような、新しい重力理論を考える massive gravity 質量を持ったgravitonが媒介する重力理論 Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

massive gravityの基礎と宇宙論 1. イントロダクション:宇宙項問題 2. 一般相対論とmassless graviton 3. Fierz,Pauliの線形massive gravity 4. 非線形massive gravity 5. ghost-free massive gravity 6. bi-metric gravity 7.宇宙論への応用 BDゴーストを消す 宇宙項問題 BDゴースト問題(1972) dRGT理論(2011) Ghost-free massive gravity 一般相対論 非線形massive gravity 線形化 非線形化(1972) 運動項を追加 線形化した 一般相対論 Fierz Pauli理論(1939) 線形massive gravity Bi-metric gravity (2011) vDVZ不連続性(1970) 質量ポテンシャルを加える Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

2. 一般相対論とmassless graviton① 一般相対論の解析力学   作用: Einstein-Hilbert作用: Ricchi スカラー     重力定数 変分 変分 Einsteinテンソル エネルギー運動量テンソル       運動方程式 Einstein方程式   Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

2. 一般相対論とmassless graviton②   線形GR:     ゲージ変換                              で作用は不変   gauge を固定する(radiation gauge)   8個の条件式     massless KG方程式 gravitonは10-8=2個のmassless場の自由度を持つ! Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

massive gravityの基礎と宇宙論 1. イントロダクション:宇宙項問題 2. 一般相対論とmassless graviton 3. Fierz,Pauliの線形massive gravity 4. 非線形massive gravity 5. ghost-free massive gravity 6. bi-metric gravity 7.宇宙論への応用 BDゴーストを消す 宇宙項問題 BDゴースト問題(1972) dRGT理論(2011) Ghost-free massive gravity 一般相対論 非線形massive gravity 線形化 非線形化(1972) 運動項を追加 線形化した 一般相対論 Fierz Pauli理論(1939) 線形massive gravity Bi-metric gravity (2011) vDVZ不連続性(1970) 質量ポテンシャルを加える Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

3.Fierz-Pauliの線形massive gravity①   質量ポテンシャルを導入 Fierz,Pauli(1939) FP理論:     真空中の運動方程式は   5個の条件式     質量mのKG方程式 この作用はゲージ変換に対して不変でない ゲージ自由度はない gravitonは10-5=5個のmassive場の自由度を持つ! Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

3.Fierz-Pauliの線形massive gravity② FP理論のテスト:質点の作る重力場 運動方程式を解くと・・・       FP理論:     GR: Gravitonの質量をどんなに小さくしても、一般相対論と一致しない(vDVZ不連続性) van Dam , Veltman (1970) , Zakharov (1970) この問題を解決するためには、非線形項を考慮する必要がある! Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

3.Fierz-Pauliの線形massive gravity③ FP理論:   非線形理論への(もっとも簡単な)拡張   (最も単純な)非線形MG: この理論で、質点の作る重力場を計算すると・・・   で非線形項を無視できなくなる!   線形項の不連続性の議論に意味はない。 Vainstein(1972) 非線形項を考慮すれば、vDVZ不連続性は問題でない! Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

3.Fierz-Pauliの線形massive gravity まとめ FP理論では、gravitonは質量を持ち、自由度は5つある。 FP理論は、質量をどんなに小さくとっても一般相対論と一致しないという問題を持つ これは、非線形項を無視していたことが原因 Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

massive gravityの基礎と宇宙論 1. イントロダクション:宇宙項問題 2. 一般相対論とmassless graviton 3. Fierz,Pauliの線形massive gravity 4. 非線形massive gravity 5. ghost-free massive gravity 6. bi-metric gravity 7.宇宙論への応用 BDゴーストを消す 宇宙項問題 BDゴースト問題(1972) dRGT理論(2011) Ghost-free massive gravity 一般相対論 非線形massive gravity 線形化 非線形化(1972) 運動項を追加 線形化した 一般相対論 Fierz Pauli理論(1939) 線形massive gravity Bi-metric gravity (2011) vDVZ不連続性(1970) 質量ポテンシャルを加える Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

ゴーストがあると、系に安定な解がなくなってしまう 4. 非線形massive gravity ① BDゴースト問題 Boulware,Deser (1972) 非線形massive gravityはゴーストと呼ばれる非物理的な自由度を持ってしまう 運動エネルギーの符号がマイナスの自由度 ゴーストがあると、系に安定な解がなくなってしまう Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

4. 非線形massive gravity ② Stuckelberg trick BDゴーストの自由度が具体的に表わせる。 Stuckelberg trick 場の数 対称性 物理的な自由度 元の作用: graviton(5自由度) ゲージ対称性なし 5自由度 新しい作用: graviton(5自由度) 新しく場を導入(4自由度) ゲージ対称性あり(-4自由度) 5自由度 具体的には次の置き換えで、ゲージ対称性を持った作用となる         Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

4. 非線形massive gravity ③ Stuckelbergスカラー場を次のように書き直すと、BDゴーストの原因が明らかになる       Stuckelbergスカラー場を次のように書き直すと、BDゴーストの原因が明らかになる             このうちの1自由度がゴーストとなっている Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

4. 非線形massive gravity まとめ   Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

massive gravityの基礎と宇宙論 1. イントロダクション:宇宙項問題 2. 一般相対論とmassless graviton 3. Fierz,Pauliの線形massive gravity 4. 非線形massive gravity 5. ghost-free massive gravity 6. bi-metric gravity 7.宇宙論への応用 BDゴーストを消す 宇宙項問題 BDゴースト問題(1972) dRGT理論(2011) Ghost-free massive gravity 一般相対論 非線形massive gravity 線形化 非線形化(1972) 運動項を追加 線形化した 一般相対論 Fierz Pauli理論(1939) 線形massive gravity Bi-metric gravity (2011) vDVZ不連続性(1970) 質量ポテンシャルを加える Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

5. ghost free massive gravity① BDゴーストを消すためには・・・     Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

5. ghost free massive gravity②         de Rham , Gabadadze ,Tolley (2010) Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

5. ghost free massive gravity③ 無限級数の形をしているため、扱いづらい 有限の和の形に書き直すことが成功 de Rham , Gabadadze ,Tolley (2011) 任意パラメーター           dRGTのghost-free massive gravity Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

5. ghost free massive gravity まとめ         ・表式が複雑だが、重要なことは     Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

massive gravityの基礎と宇宙論 1. イントロダクション:宇宙項問題 2. 一般相対論とmassless graviton 3. Fierz,Pauliの線形massive gravity 4. 非線形massive gravity 5. ghost-free massive gravity 6. bi-metric gravity 7.宇宙論への応用 BDゴーストを消す 宇宙項問題 BDゴースト問題(1972) dRGT理論(2011) Ghost-free massive gravity 一般相対論 非線形massive gravity 線形化 非線形化(1972) 運動項を追加 線形化した 一般相対論 Fierz Pauli理論(1939) 線形massive gravity Bi-metric gravity (2011) vDVZ不連続性(1970) 質量ポテンシャルを加える Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

6. bi-metric gravity① dRGTのMassive gravity: Bi-metric gravity:         Bi-metric gravity:   Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

6. bi-metric gravity② Bi-metric gravityの構造 ダークエネルギーのように振る舞うと期待                 ダークエネルギーのように振る舞うと期待 Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

これまでのまとめ ・質量を持ったgravitonの理論として、BDゴースト等の問題が解決された dRGT理論が得られた。     ・dRGT理論をさらに、相互作用する動的な2つの計量の理論へ拡張することで  bi-metric gravityが得られた。   Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

7. 宇宙論への応用 ① 新しい重力理論の候補としてdRGT理論やbi-metric gravityが得られたが 当初の目的であった 宇宙の加速膨張 は実現できているのか? 実際に我々の宇宙を表す一様等方時空(FLRW時空)の膨張を調べてみよう。     Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

7. 宇宙論への応用 ② Massive gravityで、FLRW解を調べる。 (非一様)等方だと仮定 D.Yoshida et.al.(2012)   (非一様)等方だと仮定           ((非一様)等方座標で書いたMinkowski計量)     ・ユニタリゲージ:       Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

7. 宇宙論への応用 ③ 後はひたすら計算 運動方程式は Massive Gravityの基礎と宇宙論 東工大 吉田大介     運動方程式は     Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

7. 宇宙論への応用 ④ 他のFLRW解 Massive gravityは再びゴースト問題に直面! ゴースト あり なし   ゴースト   あり なし MG:A.1に対応するopen FLRW解だけ存在 あり     ? あり(MG) ?(BG) Massive gravityは再びゴースト問題に直面! Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会

まとめ ・質量を持ったgravitonの理論を作り、理論的な問題を取り除いていくと dRGTのmassive gravityにたどり着く。  このテンソル場に運動項を与えることで、bi-metric gravityが得られた。 ・massive gravity,bi-metric gravityともに複数の種類の一様等方解が存在する。  運動方程式への補正は、確かにダークエネルギーのようにふるまう。 ・一様等方解の安定性を調べると、多くの解で、ゴーストが存在してしまう。  まだ調べられていない解の解析を急ぐことが、現在の最重要課題。 Massive Gravityの基礎と宇宙論            東工大 吉田大介 2013.8.23 第58回重力波交流会