事例研究(ミクロ経済政策・問題分析 I) - 規制産業と料金・価格制度 -

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事例研究(ミクロ経済政策・問題分析 I) - 規制産業と料金・価格制度 - (#404 - 意志決定モデルの応用) 2017年 12月 戒能一成

0. 本講の目的 (手法面) - 企業・家計の行動を分析する際に有益な、意志 決定モデルの典型的な手法を理解する ・ モデルの選択基準 (離散 or 連続・反復, 1財 or 2財以上, 相手方との相互作用の有無) ・ 典型的な意志決定モデル (行動原理型, Tobit, 線形型, CD型など) (内容面) - 意志決定モデルの基礎的考え方を理解する 2

1. 意志決定モデルの選択 1-1. 意志決定の種類 (1) 離散 or 連続・反復 - 企業・家計が何らかの意志決定をする行動を モデルで記述する際、最初に考えるべき問題は 当該意志決定が「離散」型か「連続・反復」型か、という点である ○ 離散型 - 大学や就職先の選択 - 高額耐久消費財の購入 (住宅, 自動車・・・ ) ○ 連続・反復型 - 日用財の選択 (「和洋中」選択, 消費量選択) - 経路・行先選択 (頻繁に行く買物先,行楽地) 3

1. 意志決定モデルの選択 1-2. 意志決定の種類 (2) 離散型 - 「離散」型の意志決定は、1財の選択 と 2財以上の選択が存在するが「1財の選択」で表現可能 ○ 離散型 – 1財 - 自動車, 住宅購入 など 「Yes / No」 で決定 → 当該財の「消費 / 非消費」が検討対象 ○ 離散型 – 2財以上 - Windows / Linux / Mac など 「N択」 で決定 → 階層化することにより 1財型で表現可能 (例: Windows or それ以外, それ以外中 Mac・・) 4

1. 意志決定モデルの選択 1-3. 意志決定の種類 (3) 連続・反復型 - 「連続・反復」型の意志決定は、通常は 1財の消費量を決定するか、2財以上の消費量・選択比 を決定する問題に分類される ○ 連続・反復型 – 1財 - ガソリン, 電力など「必需品」の消費量 → 1財の量に関する部分均衡を考えれば可 ○ 連続・反復型 – 2財以上 - 食費支出のうち「和食」の頻度・比率 - 工業生産の投入要素選択 (資本・労働・・・) → 2財以上での最適選択を考える必要あり 5

1. 意志決定モデルの選択 1-4. 意志決定種類とモデル選択 [重要] - 意志決定の種類に応じたモデル選択 ○ 離散型 → 「行動原理型」モデル → 「Tobit型」モデル (Logit, Probit, Heckit ・・) ○ 連続・反復型 – 1財 → (対数)線形型モデル ○ 連続・反復型 – 2財以上 → 「行動原理型」, 「ゲーム理論形」モデル → Cobb-Douglas型モデル, CES型モデル 6

2. 離散型: 行動原理型モデル 2-1. 行動原理型モデルとは - 企業・家計が何らかの意志決定をする際に、当該企業・家計がどのような主観的行動原理に従っているかを仮定し観察結果を分析するモデル - この形態のモデルでは通常「相手」との相互作用は仮定しない (← cf. ゲーム理論「支配戦略」型) - モデル化に用いる行動原理には、下記の典型的な 6分類があるが、期待値型と Mini-Maxが多い ・Laplace型, 期待値型 ・Mini-max型, Maxi-max型, Hurwicz型 ・Mini-max-regret型 7

2. 離散型: 行動原理型モデル 2-2. Laplace型 (「無情報型」) - 意志決定に際し、状態の発生確率に関する情報が得られないことが判明している場合に、全ての状態が同一確率で発生すると仮定したモデル (例: 家計による行楽選択: 効用は既知(要調査)) 状 態: 晴天 雨天 効 用 / 発生確率: (不明; 50%と仮定) 日光紅葉鑑賞 + 90 + 10 (E= 50) ○○○ーランド + 60 + 40 (E= 50) → 晴天:雨天の確率は 50:50 と推定した上で、 現実の行楽客の行動を分析 (ex イベントの影響) 8

2. 離散型: 行動原理型モデル 2-3. 期待値型 - 意志決定に際し、状態の発生確率に関する情報がある程度得られ、期待値の大小に従って意志決定が行われていると仮定したモデル、最も普遍的 (例: 家計による行楽選択) 状 態: 晴天 雨天 効 用 / 発生確率: 80% 20% 期待値 日光紅葉鑑賞 + 90 + 10 (E= 74) ○○○ーランド + 60 + 40 (E= 56) → 日光:ランドの基礎客足は 74 : 56 (期待値の 比)と推定し他の影響を分析 9

2. 離散型: 行動原理型モデル 2-4. Mini-max型 (最悪状態重視型) - 意志決定に際し、当該主体が最悪の状態に陥った際の効用が最も高い(= Mini-max)よう保守的に意志決定を行っていると仮定したモデル (例: 家計による行楽選択) 状 態: 晴天 雨天 効 用 / 発生確率: 80% 20% 期待値 日光紅葉鑑賞 + 90 + 10 (E= 74) ○○○ーランド + 60 + 40 (E= 56) → 日光:ランドの基礎客足は 10 : 40 (雨天の効用 比)と推定し他の影響を分析 10

2. 離散型: 行動原理型モデル 2-5. Maxi-max型 (最善状態重視型) - 意志決定に際し、当該主体が考え得る最善の状態での効用が最も高い(= Maxi-max)よう射幸的に意志決定を行っていると仮定したモデル (例: 家計による秋の行楽選択) 状 態: 晴天 雨天 効 用 / 発生確率: 80% 20% 期待値 日光紅葉鑑賞 + 90 + 10 (E= 74) ○○○ーランド + 60 + 40 (E= 56) → 日光:ランドの基礎客足は 90 : 60 (晴天の効用 比)と推定し他の影響を分析 11

2. 離散型: 行動原理型モデル 2-6. Hurwicz型 (最善状態・最悪状態混合型) - 意志決定に際し、当該主体の楽観度α を仮定(測定)し、最善状態の効用 * α + 最悪状態の効用 * (1-α) が最も高いよう中庸的に意志決定を行っていると仮定したモデル (例: 家計による秋の行楽選択, α = 0.6) 状 態: 晴天 雨天 α=0.6 効 用 / 発生確率: 80% 20% H指数 日光紅葉鑑賞 + 90 + 10 (H= 58) ○○○ーランド + 60 + 40 (H= 60) → 日光:ランドの基礎客足は 58 : 60と推定 12

2. 離散型: 行動原理型モデル 2-7. Mini-max-regret型 (後悔最小化型, Savage型) - 意志決定に際し、最善の状態からの差(=後悔度)が最小化されるように意志決定を行っていると仮定したモデル (例: 家計による秋の行楽選択) 状 態: 晴天 雨天 効 用 / 発生確率: 80% 20% 後悔度 日光紅葉鑑賞 + 90 + 10 (R= 80) ○○○ーランド + 60 + 40 (R= 20) → 日光:ランドの基礎客足は 20 : 80 と推定 13

2. 離散型: 行動原理型モデル 2-8. 行動原理型モデルの選択 - 6分類形態のどのモデルを当てはめるかという「モデル選択」問題については、実績値を用いた検討・検証が望ましいが、実際には調査が大変なので演繹的・先験的に選択される場合がある (演繹的検討) - 高齢者世帯 → Mini-max型 (最悪状態重視) - 土日休日 → Maxi-max型 (最善状態重視) (帰納的検討) - 関連統計解析, アンケート調査 - シミュレーション, 比較分析 14

3. 離散型: Tobit型モデル 3-1. Tobit型モデルの種類 [復習] (単純選択型) - 二項選択型 Binary Outcome Model - 多項・多段階選択型 Multi-nominal/-Stage M. (不連続(切断)型) ← 選択が原因側 - Tobit型モデル Tobit Type Model (内生的選択型) ← 選択が結果側 - Heckman二段推計型モデル “Heckit” Model (計数型) ← 超低頻度事象の分析 - 計数型モデル Count Data Model 15

4. 連続・反復型 4-1. 線形モデル(1財) - 意志決定の対象として 1財の消費量など連続・反復的な選択のみを考えればよい場合、影響因子を説明変数として用いた線形モデルが適用可 - 通常は対数線形型を用いる場合が多い ( → 変数を定常化しやすく、かつ係数 βi が弾力 性を示すため解釈が容易 ) - 時系列データである場合、同時決定となる場合などに要注意 ln(Y(t)) = β0 + Σi ( βi * ln(Xi(t)) ) + εi(t) Y(t); 消費量 Xi(t); 価格, 所得, 天候, 年齢 ・・・ 16

4. 連続・反復型 4-2. ゲーム理論型モデル(1) - 企業・家計が何らかの意志決定をする際に、当該企業・家計が「相手」との相互作用を考慮に入れつつ、どのような行動原理に従っているかを仮定し観察結果を分析するモデル - 通常は「期待値型」の行動原理を仮定 - モデルとしては 2分類(支配戦略型 Dominant Strategy, 混合戦略型 Mixed Strategy)があるが、連続・反復型の意志決定は通常は「混合戦略型 Mixed Strategy」のモデルを用いる 17

4. 連続・反復型 4-3. ゲーム理論型モデル(2)   - 混合戦略型モデルとは、企業・家計が「相手」の反応を前提にある比率で挙動を組合せて対応することが最適な場合が存在し、当該比率に従うと仮定し観察結果を分析するモデル   (例: 家計による行楽選択+)                                            日光 100%   / 婆 日光 ランド  爺 日光 2, 1 0, 0      爺    ランド 0, 0 1, 2      ランド 100%             → 日光 1/3, ランド 1/3, 決裂 1/3     婆 (2, 1) (1, 1) (1, 2) 18

4. 連続・反復型 4-4. 空間経済モデルへの拡張; Hotelling’s Beach 問 - 2人で均衡状態にある“Hotelling’s Beach” に 3人目の氷菓売人が現れた場合どうなるか ① 価格固定条件下では3人が最適な場所を巡 り争い続ける状態が均衡 (期待値1/2→1/3) ② 場所固定条件下では 3人が異なる値段を付 ける状態が均衡 !! ♪ ♪~ a c 0km 1km 天涯海角 a,b,c 19 南天一柱

4. 連続・反復型 4-5. Cobb-Douglas(CD)型モデル; 2財以上 - 企業・家計が Cobb-Douglas型の生産・効用関数 を持つと仮定し、最大化問題の解に従い各財を 投入・消費していると仮定するモデル (家計消費) max Πi ( Xiαi ) (Σi αi = 1 ) s.t. Σi ( pi * Xi ) = I ⇒ Xi = αi * I * pi-1 - CD型モデルは、簡単で計測容易な利点があるが、価格弾力性-1, 所得弾力性 1, 交差弾力性 0 など先験的に強い前提条件を置くことに注意 ( → cf. CES型) 20

4. 連続・反復型 4-6. CES型モデル; 2財以上 - CD型モデル同様の枠組で、財間の代替性を考慮して CES型生産・効用関数を用いたモデル max (Σi ( αi * Xi(σ-1)/σ )) σ/(σ-1) s.t. Σi ( pi * Xi ) = I σ: 代替弾力性, 0 ≦σ ⇒ Xi =αiσ* pi(1-σ) *(Σi (αiσ* pi(1-σ)))-1 * I * pi-1 - CD型の問題点である「弾力性の前提条件」を、簡素性を殆ど犠牲にせず解決できるため多用される - 対数をとって解くとほぼ「線形」型となる点に留意 21

5. 例1: 行動選択 “新聞売子問題” 5-1. 問題設定 - 某国某鉄道駅の売店では、1日当たりに新聞が 10部前後売れるとする - 新聞の仕入値は日本円で \90/部、売値は \100/部である - 独占禁止法の例外規定と新聞社の圧力により値引きはできず「売残り」の場合新聞社が無償で引取 - 「広報協力金」・「販売奨励金」・「押紙」などの不公正を疑われる取引慣行類は存在しないものとする - 当該売店の新聞の仕入数は如何に設定すべきか? 22

5. 例1: 行動選択 “新聞売子問題” 5-2. モデル選択・前提条件設定 - 前提条件(1) 販売数 「10部前後売れる」; 販売数については平均 10, 標準偏差 2 の正規分布を仮定(厳密には要実測) - 前提条件(2) 機会損失 売切れによる機会損失は、1) 0円 (再訪確率 ほぼ0、ex 著名観光地)、 2) 50円(再訪確率 50%、高級住宅街)の 2通りを試算する - モデル選択 当該売店は「期待値型」の意志決定を行う 23

5. 例1: 行動選択 “新聞売子問題” 5-3. 試算-1 機会損失 0 の場合 → 機会損失 0 と仮定した場合、利益期待値を 最大化する最適な仕入れ部数は 8 , → 機会損失がないので「売切れ」は損失 0 だが 「売残り」を出すと 1部 \90- 損失する (利益は 1部 \10- であることに注意) 1) 機会損失 0 購入客数  利 益  期待値 7 8 9 10 11 12 13 70.0 仕入部数 -20.0 80.0 75.7 -110.0 -10.0 90.0 71.4 -200.0 -100.0 0.0 100.0 47.3 -290.0 -190.0 -90.0 10.0 110.0 -8.6 -380.0 -280.0 -180.0 -80.0 20.0 120.0 -84.3 -470.0 -370.0 -270.0 -170.0 -70.0 30.0 130.0 24

5. 例1: 行動選択 “新聞売子問題” 5-4. 試算-2 機会損失 \50/部の場合 → 機会損失 \50/部と仮定した場合、利益の期 待値を最大化する最適な仕入れ部数は 10 , → 「売切れ」, 「売残り」を出すと共に「損失」となる (但し機会損失は直ちには実現しない点に注意) 2) 機会損失 \50- 購入客数 利 益 期待値 7 8 9 10 11 12 13 70.0 20.0 -30.0 -80.0 -130.0 -180.0 -230.0 仕入部数 -20.0 80.0 30.0 -70.0 -120.0 -170.0 -26.4 -110.0 -10.0 90.0 40.0 -60.0 12.0 -200.0 -100.0 0.0 100.0 50.0 -50.0 21.0 -290.0 -190.0 -90.0 10.0 110.0 60.0 -18.0 -380.0 -280.0 120.0 -86.4 -470.0 -370.0 -270.0 130.0 25

5. 例1: 行動選択 “新聞売子問題” 5-5. 感度分析 (機会損失 \50/部の場合) → 実際の分布が不明であるため、仕入値と機会 損失について ±5% の変動を仮定 → 最適な仕入数(10部)は安定的であるが、当該 売店の経営上最も影響の大きい因子は「仕入値」 感度分析 仕入値 -5% 仕入値 +5% 機会損 機会損 +5% 7 -80.0 -45.0 -115.0 -72.5 -87.5 8 -26.4 13.6 -66.4 -21.3 -31.5 9 12.0 57.0 -33.0 15.0 9.1 10 21.0 71.0 -29.0 22.3 19.6 11 -18.0 37.0 -73.0 -17.5 -18.4 12 -86.4 -146.4 -86.3 -86.5 13 -170.0 -105.0 -235.0 26

6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-1. 問題設定 - 某国の国道では、ゲリラが出没するため貨物輸送に高額の保険金が掛けられているとする - 国道毎の距離と保険料率は下記のとおり - 当該国の運送会社は各トラック運転手に対し如何なる経路選択を指示すべきか? 100km #2 都市 20km 0.04 #4 都市 40km 0.01 0.02 25km #1 出発都市 0.03 #6 目的都市 60km   最危険 経路 #3-5  15km #3 都市 10km 0.07 #5 都市 START GOAL 27

6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-2. モデル選択・前提条件設定 - トラックの速度は一律で、燃料と運転手の労賃合計(輸送費)は積荷に関係なく一律 $ 5.0/km とする - トラックは同じ都市を 2回通らずに #1 出発都市から #6 目的都市に向かうものとする - 積荷は総額別に以下の 3種類とし、保険料率は現実のゲリラによる損失を概ね反映しているとする a: 石 炭 $ 1,250- b: 香 料 $ 12,500- c: 金 塊 $125,000- - 運送会社は「期待値型」の意志決定を行う 28

6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-3. 選択可能な経路の選定 累計保険料率 距離 Ⅰ #1→#2→#3→#5→#6 0 6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-3. 選択可能な経路の選定 累計保険料率 距離 Ⅰ #1→#2→#3→#5→#6 0.12 145km Ⅱ #1→#2→#3→#5→#4→#6 0.14 195 × Ⅲ #1→#2→#4→#6 0.07 160 Ⅳ #1→#2→#4→#5→#6 0.07 160 Ⅴ #1→#3→#2→#4→#6 0.11 140 Ⅵ #1→#3→#2→#4→#5→#6 0.11 140 Ⅶ #1→#3→#5→#6 0.10 85 Ⅷ #1→#3→#5→#4→#6 0.12 135 29

6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-4. 各経路の総費用 (輸送費($5 6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-4. 各経路の総費用 (輸送費($5.0/km)+保険料) 保険料率・距離 総費用 a石炭 b香料 c金塊 Ⅰ 12356 0.12 145 875 2225 15725 Ⅱ × Ⅲ 1246 0.07 160 888 1675 9550 Ⅳ 12456 0.07 160 888 1675 9550 Ⅴ 13246 0.11 140 838 2075 14450 Ⅵ 132456 0.11 140 838 2075 14450 Ⅶ 1356 0.10 85 550 1675 12925 Ⅷ 13546 0.12 135 825 2175 15675 30

6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-5. 感度分析 (輸送費(労賃上昇$10 6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-5. 感度分析 (輸送費(労賃上昇$10.0/km)+保険料) 保険料率・距離 総費用 a石炭 b香料 c金塊 Ⅰ 12356 0.12 145 1600 2950 16450 Ⅱ × Ⅲ 1246 0.07 160 1688 2475 10350 Ⅳ 12456 0.07 160 1688 2475 10350 Ⅴ 13246 0.11 140 1538 2775 15150 Ⅵ 132456 0.11 140 1538 2775 15150 Ⅶ 1356 0.10 85 975 2100 13350 Ⅷ 13546 0.12 135 1500 2850 16350 31

6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-6. 経路選択モデルの選択・展開(1) (離散型) - 年数回の低頻度での輸送や国営運送公社1社の選択の場合など、当該経路選択が「離散型」であると見なせる場合 ・ 行動原理型モデル: 期待値型 → 5-4. の費用が最小となる経路を常に選択 ・ Tobit型モデル: Logit型 → 5-4. の費用を変数とした確率分布で選択 経路分岐毎に Nested-Logit 構造を仮定 32

6. 例2: 経路選択 “駅馬車問題” 6-7. 経路選択モデルの選択・展開(2) (連続・反復型) - 年間数百回の高頻度での輸送や運送公社が多数存在する場合など、当該経路選択が「連続・反復型」であると見なせる場合 ・ CD型モデル, CES型モデル → 5-4. の費用を変数とし、「利得」が最大化す るよう 2経路を選択 (ゲリラ側対応は固定) ・ ゲーム理論型モデル → ゲリラ側の対応が変化することを与件とし 経路(又はその組合せ)を選択 33