『学術情報基盤の今後の在り方について(報告)』 の読み方

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『学術情報基盤の今後の在り方について(報告)』 の読み方 細野公男(慶應義塾大学名誉教授) 倉田敬子( 慶應義塾大学文学部) 逸村裕(筑波大学大学院図書館情報メディア研究科)

学術情報基盤の今後の在り方について(報告) 科学技術・学術審議会 学術分科会  研究環境基盤部会 学術情報基盤作業部会 平成18年3月23日 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/toushin/06041015/020.pdf  主査:石井紫郎   三WG   コンピュータネットワーキング          大学図書館          学術情報発信

科学技術・学術審議会組織図(抜粋) 科学技術・学術審議会(会長 野依良治 理化学研究所理事長) 科学技術・学術審議会(会長 野依良治 理化学研究所理事長)  研究計画・評価分科会(分科会長 澤岡 昭(大同工業大学長))    情報科学技術委員会(主査 土居範久中央大学教授)  学術分科会(分科会長 石井紫郎(日本学術振興会学術システム研究センター副所長))   学術研究推進部会(部会長 笹月 健彦(国立国際医療センター総長))   研究環境基盤部会(部会長 飯吉 厚夫(中部大学総長))     学術研究設備作業部会(主査 伊賀 健一(日本学術振興会理事))      学術情報基盤作業部会(主査 石井紫郎)        コンピュータネットワークWG (主査 伊賀 健一)        大学図書館WG (主査 石井紫郎)        学術情報発信WG(主査 土屋俊(千葉大学教授))   研究費部会(部会長 池端 雪浦(東京外国語大学長))   科学研究費補助金審査部会  大学改革連絡会

発足の意図 2004年11月15日 学術情報基盤作業部会設置 学術情報基盤全体 学術研究の国際競争力を維持向上させる,持続可能な仕組みの構築 2004年11月15日 学術情報基盤作業部会設置 学術情報基盤全体 学術研究の国際競争力を維持向上させる,持続可能な仕組みの構築  利活用の促進  我が国の学術情報流通機能の戦略的強化  国立大学の法人化・大学財政の緊縮化への対応 3ワーキンググループをおき、検討する

A.コンピュータ・ネットワークワーキンググループ  学術情報ネットワークのサービス体制の充実と運用の更なる安定化  利用者の要望や国際的な観点を考慮したネットワークシステムの構築  情報基盤センターの高度化・多様化と経費高騰への対応 B.大学図書館・学術資料ワーキンググループ  体系的な資料所在情報の整備,相互利用の促進等による図書館資源の効果的・効率的活用  情報の受・発信機能等大学図書館の新たな役割  電子ジャーナル化の進展及び電子ジャーナル経費等資料費増大への対応 C.学術情報発信ワーキンググループ  国際的な研究成果情報発信の強化  研究成果情報の受・発信の国際的なアンバランス状態の深刻化への対応  経営基盤が脆弱な我が国の学協会の情報発信機能の強化  研究評価の客観性の確保の必要性と,研究成果の主たるアウトプットである論文に対する未成熟な評価指標との関係

学術情報政策文書 1973 「学術情報流通体制の改善について(報告)」 学術審議会学術情報分科会 1973 「学術情報流通体制の改善について(報告)」      学術審議会学術情報分科会 1980 「今後における学術情報システムの在り方について(答申)」      学術審議会 1990「学術情報流通の拡大方策について(報告)」     学術審議会学術情報資料分科会学術情報部会 1993 「大学図書館機能の強化・高度化の推進について(報告)」 1996 「大学図書館における電子図書館機能の充実・強化について(建議)」     学術審議会 2003「学術情報の流通基盤の充実について(審議のまとめ) 」     科学技術・学術審議会 研究計画・評価分科会 情報科学技術委     員会 デジタル研究情報基盤ワーキング・グループ

学術情報政策とその反映 1965 文部省に情報図書館課設置 1972 国立大学図書館に参考調査業務担当員設置(10年で115名) 1965 文部省に情報図書館課設置 1972 国立大学図書館に参考調査業務担当員設置(10年で115名) 1977 「外国雑誌センター館」開始 1980 『今後における学術情報システムの在り方について(答申)』 1984 「NACSIS-CAT」サービス開始 学術情報センター設置 1987 学術情報ネットワーク運用開始・情報検索サービス開始 1990 「NACSIS-ILL」サービス開始 「SINET」サービス開始 1993 『大学図書館機能の強化・高度化の推進について(報告)』 1995 「電子図書館システム経費措置」 奈良先端科学技術大学院大学 「NACSIS-ELS」開始 1996 『大学図書館における電子図書館機能の充実・強化について(建議)』 2000 国立情報学研究所設置 2002 「電子ジャーナル導入経費」措置 「NII、学術機関リポジトリ構築ソフトウェア実装実験プロジェクト」 2006 『学術情報基盤の今後の在り方について(報告)』

1993報告と1996建議:二つの政策文書と予算の関連 1996年建議 1993年報告 1993.12 1995      1996 1996.7 1997 図書館機能高度化経費(奈良先端) 電子的情報資料購入費、CD-ROMサーバシステム 電子図書館システム経費(奈良先端平年度化) 電子図書館化推進経費(筑波、京都)

図書館経費と図書館機能高度化経費の推移

2006報告と今後 2006年報告 大学環境の変化 情報環境の変化 大学財政緊縮 国立大学法人化 高等教育実質化 学術情報電子化 書庫 図書館員 資料保存 情報リテラシ ・・・・・・ 2006年報告 どこも財政は苦しい 何を生み出せるか

コンピュータネットワーキングWG 「最先端学術情報基盤」が不可欠 学術情報基盤の整備 効率的で安全・安心な学術情報ネットワークの整備 大学等、研究機関が有しているコンピュータ等の設備、基盤的ソフトウェア、コンテンツ及びデータベース、人材、研究グループそのものを超高速ネットワークの上で共有する 学術情報基盤の整備 効率的で安全・安心な学術情報ネットワークの整備 人材の育成