携帯端末向けの海洋情報 モニタリングシステム 阿部光敏・荒井修亮・酒井徹朗 京都大学 情報学研究科
研究の背景 海洋観測は様々な機関で実施 データは多種・多様・大量に存在しかつ、日々蓄積されている JODCなどの公的機関がデータを管理・提供 しかし、“海”に関心のある人(研究者・漁業者・ 市民)が手軽に利用できる訳ではない 目的 LAN等の通信環境が整っていない地域 での海洋情報の自動収集・可視化を無線通信・ ISDN等を用いて実現し、誰もが、何処でもデータ にアクセスできるシステムを構築する
本研究で使用した海洋測器 測定項目 クロロフィル(μg/l) 電気伝導度(mS/cm) 水温(℃) 濁度(ppm) “赤潮ウォッチャー“(アレック電子(株)製)のデータを使用 測定項目 クロロフィル(μg/l) 電気伝導度(mS/cm) 水温(℃) 濁度(ppm) システムの状態 (電圧・電流) 電源は太陽電池 デジタル値に変換 して無線で送信
1号池 百島事業場 大学 ISDN 無線通信 海洋測器 基地局
開発したアプリケーション 基地局 京大研究室 開発言語: Perl クライアント側アプリケーション サーバー側アプリケーション (senddat) 京大研究室 サーバー側アプリケーション (getdat)、(plotdat) 開発言語: Perl プラットフォーム、OSに依存しない
基地局側 senddat 30分間隔で データが送られる 送り先のポートとIPアドレスは 事前に申し合わせる 1日1回自動実行 最後に送った データを記憶 データ 新しいデータ だけを送信 最後に送った データを記録 前回最後に送った データを調べる 送るデータを 指示 データを送る プログラム ポート ISDN IPアドレス
京大研究室側 送り先のポートとIPアドレスは 事前に申し合わせる getdat plotdat 1日1回自動実行 ポートを見張る プログラム Text形式 データが 来るのを見張る フォーマット 変換 HTMLの表 GIFのグラフ コンパクト HTML形式 ファイル 通常の Webブラウザ用 i-モード用 ポート ISDN IPアドレス
通常ブラウザ表示(地図) 観測地点を地図の中から選ぶことができる
通常ブラウザ表示(表) 観測した全項目を表で見ることができる
通常ブラウザ表示(グラフ) 観測データは自動的にグラフにされる
携帯端末によるブラウジング パソコン等の設備がないところでデータ閲覧を可能にする i-モードサービスを利用 i-モード対応ページの制約 コンパクトHTMLで記述する 画面表示幅が小さい 1度に表示できるファイルサイズが5KBまで 通信速度 9600bps
i-モード表示(場所) 複数ある観測地点から任意の地点を選ぶ i-モードでは地図が使えないので地名を選択する
i-モード表示(目次) 最新の観測データが一番上に 表示される
i-モード表示(観測データ) 表のサイズが大きくならないように 1日ごとで別の表に書いている
携帯電話によるモニタリングの可能性 産業 レクレーション 基地局がインターネットに常時接続されれば、リアルタイムなモニタリングが可能 養殖業者の養殖場監視システム 留守中、i-モードで養殖場の様子を知ることができる安心を得る レクレーション あらかじめ条件を設定し、異変があったとき自動的にメールで通知素早い対応が可能 観賞魚モニターシステム 基地局がインターネットに常時接続されれば、リアルタイムなモニタリングが可能
IMT-2000に向けて 次世代携帯電話のスペック 世界統一仕様 マルチメディアをサポート 通信速度 移動中 384kbps 静止時 2Mbps 現行サービスの約200倍 世界統一仕様 マルチメディアをサポート 動画像配信
画像情報の利用 次世代携帯電話では、画像情報の伝送が可能 例えば、海中のCCDカメラで、海中の生物の行動を遠隔地から観察 外出先から養殖魚の様子を画像で見ることが可能 商談に有利
まとめ Webと無線通信ISDN等の組み合わせ 安価かつ効率的な遠隔地の海洋情報のモニタリング 養殖業者、漁業者が必要に応じて手軽に海洋データを収集できる 観測地点を増やして網羅的に海洋情報を収集できる 外出中でも携帯電話で観測データを即時にモニタリングできる 次世代携帯電話のアプリケーションとして有望