透析周辺機器の入れ替えに伴う透析液水質と患者臨床データの変化

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平成 25 年度 糖尿病対策成果発表会 金沢市における対策 金沢市医師会会長 竹田康男. 慢性腎臓病 (CKD) 予防対策事業 ( 22年度~24年度 ) 金沢市福祉健康センター ・透析患者が年々増加している ・ CKD の背景に生活習慣病が深く影響 ・ CKD が心筋梗塞や脳卒中等の危険因子となっている.
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オンライン血液濾過透析にお ける置換量と透析効率 優人クリニック (1) 東京大学医学部付属病院腎臓・内分泌 内科 (2) 、血液浄化部 (3) 冨田兵衛 (1) 、青柳直樹 (1) 、大原智香子 (1) 、根岸康介 (2) 、田中珠美 (2) 、野入英 世 (2) 、中尾彰秀 (3)
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利益相反提示方法 口演発表は演題名の次のスライドで開示 ポスター発表はポスターの最下部に開示.
第89回大腸癌研究会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
研究内容紹介 1. 海洋産物由来の漢方薬の糖尿病への応用
日機装社製 PN-180Xの性能評価 ○平賀敦司(ひらがあつし)1)  亀田康範1)  寺尾佳介1) 川口真弥1) 中村寛子1)  福富愛 1)  永易由香1)     藤井恵子1) 2) 坂田良子1)  平林晃 1)  高杉啓一郎2) 高杉敬久2) 賴岡德在3) 1)医療法人社団スマイル 広島ベイクリニック.
医療法人社団スマイル 広島ベイクリニック1)
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目的 オメガ3脂肪酸エチルは,エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を含む魚由来の製剤で,中性脂肪低下作用を持ち,抗動脈硬化作用を持つとされている. 現在までに心血管系イベントの抑制効果についての報告がなされているが,慢性腎臓病(CKD)に対する効果ははっきりしない. このため,当院でのCKD患者にオメガ3脂肪酸エチルを投与した結果について,各種疾患やCKDステージとの関連を含めて検討した.
小腸カプセル内視鏡により 診断しえた小腸出血の一例
一般社団法人 日本心エコー図学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
医療法人社団 スマイル博愛クリニック ○沖永鉄治,荒水裕,松下剛史,平賀敦司,玉置貴志 山平満浩,松見勉,田邊恒則,有田和恵 ,高杉敬久
本演題に関して、発表者の開示すべき利益相反状態はありません
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穿刺針メディキット社製ハッピーキャスSVの導入報告
利益相反提示方法 口演発表は演題名の次のスライドで開示 ポスター発表はポスターの最下部に開示.
40歳未満にも メタボリックシンドローム基準の適用を
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日本口腔科学会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
「日本性機能学会 第27回学術総会」 「第26回日本性機能学会中部総会」 「11th Japan-ASEAN Conference on Men’s Health and Aging」  筆頭発表者名: ○○ ○○ 私は今回の演題に関連して、 開示すべきCO I はありません。
1. 糖尿病による腎臓の病気 =糖尿病腎症 2. 腎症が進むと、生命維持のために 透析療法が必要になります 3. 糖尿病腎症の予防法・治療法
HF療法における 血行動態の安定化 冨田兵衛 1),2) ・青柳直樹 1) ・壱岐一平 1)
事前指示書作成における当院血液透析患者の現状意思調査
日本小児血液・がん学会 COI 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
日本臨床工学会 CO I 開示 筆頭発表者名:〇〇〇〇
演題発表に関連し、開示すべきCOI関係にある
大阪透析研究会 CO I 開示 筆頭発表者名: ○○ ○○
福岡県臨床工学会 CO I 開示 筆頭発表者名:〇〇〇〇
当院におけるエボカルセトの使用経験について
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透析周辺機器の入れ替えに伴う透析液水質と患者臨床データの変化 医療法人社団スマイル 博愛クリニック   ○沖永鉄治 寺尾佳介 山平満浩 吉田賢治 藤井恵子 大谷真帆子 山田有美 進藤稔弘 賴岡德在 高杉啓一郎

目 的 当院では昨年、透析周辺機器(RO装置・透析液供給 装置・透析原液溶解装置・患者監視装置・それぞれに 目 的  当院では昨年、透析周辺機器(RO装置・透析液供給 装置・透析原液溶解装置・患者監視装置・それぞれに 付随する配管)を更新した。透析周辺機器を更新した 前後で透析液関連の水質と患者臨床データの変化を検 討し報告する。

透析周辺機器更新の概略図 透析液供給装置 透析原液溶解装置 RO 装置 患者監視装置 赤枠内が昨年、 新規更新した箇所

対 象 維持透析患者 62 名 男女比 30:32 平均年齢 68.6±11.2 歳 平均透析歴 164.9±118.7 ヶ月 対 象 維持透析患者 62 名 男女比 30:32 平均年齢 68.6±11.2 歳 平均透析歴 164.9±118.7 ヶ月 原疾患 慢性糸球体腎炎:23名      糖尿病性腎症:20名      腎硬化症:6名      多発性のう胞腎:4名      その他:9名

方 法 透析周辺機器の更新前後6ヶ月で透析用水の生菌培養結果を比較した。 方 法 透析周辺機器の更新前後6ヶ月で透析用水の生菌培養結果を比較した。 対象患者において透析周辺機器の更新前と更新後6ヶ月目のDW・BMI・BUN・Cr・Ca・IP・Alb・CRP・β2-MGを比較した。

透析用水における生菌数の推移 更新前 更新後

透析周辺機器の更新前後における 各データの比較 n = 62 mean±SD 機器更新前 機器更新 6ヶ月後 DW (kg) 55.2 ± 12.4 54.9 ± 13.0 n.s. BMI (kg/m2) 21.9 ± 3.7 21.6 ± 3.9 p < 0.1 BUN (mg/dL) 55.0 ± 12.9 56.9 ± 16.5 Cr (mg/dL) 9.93 ± 2.28 9.84 ± 2.06 Ca (mg/dL) 8.84 ± 0.64 9.03 ± 0.68 IP (mg/dL) 4.99 ± 1.01 4.86 ± 0.96 Alb (g/dL) 3.60 ± 0.36 3.65 ± 0.36 CRP (mg/dL) 0.25 ± 0.13 0.12 ± 0.11 p < 0.05 β2-MG (mg/L) 27.0 ± 6.6 28.0 ± 6.7

ケース別におけるCRPの推移 case 1 case 2 case 3 case 4 更新前 更新後 更新前 更新後 更新前 更新後 更新前

結 果 透析周辺機器の更新前における透析用水の生菌 培養では最大6.8cfu/mlの生菌が検出されていたが、 結 果  透析周辺機器の更新前における透析用水の生菌 培養では最大6.8cfu/mlの生菌が検出されていたが、 更新後から現在まで未検出となっており、患者臨床 データではCRPが有意に低下した。

結 語 透析液の水質をある一定以上のレベルで 満たしていても、より清浄化を行うことで 患者臨床データは改善する余地があると考 える。

開示すべきCOI関係にある企業などはありません。 中国腎不全研究会 COI開示 筆頭発表者名          沖永 鉄治 演題発表に関連し、 開示すべきCOI関係にある企業などはありません。