矛盾した知識 デフォルト推論 仮説を用いた推論 準無矛盾推論 デフォルト規則 デフォルト理論の拡張 → デフォルト証明 シナリオ

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立命館大学 情報理工学部 知能情報学科 谷口忠大. Information このスライドは「イラ ストで学ぶ人工知能概 論」を講義で活用した り,勉強会で利用した りするために提供され ているスライドです.イラ ストで学ぶ人工知能概 論.
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練習問題.
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矛盾した知識 デフォルト推論 仮説を用いた推論 準無矛盾推論 デフォルト規則 デフォルト理論の拡張 → デフォルト証明 シナリオ アブダクション 準無矛盾推論

デフォルト推論 デフォルト規則 「前提 が成り立ち 理由付け が無矛盾ならば, 結論 が成り立つ」 と が同一( ) 正規デフォルト規則 「前提  が成り立ち 理由付け  が無矛盾ならば, 結論  が成り立つ」 と が同一(     ) 正規デフォルト規則 閉正規デフォルト規則 と が閉式

デフォルト理論 デフォルト理論   :デフォルト規則の集合   :閉式の集合 が明示されるとこの結論は成り立たない 例外の処理

デフォルト理論 閉世界仮説 YES NO フレーム公理

デフォルト理論の拡張 デフォルト理論のもとで何が成り立つか? 拡張 E (Reiterの定義)

デフォルト証明 閉正規デフォルト理論の性質 閉式 が閉正規デフォルト理論 から導き出される. なる拡張 E が存在する. 拡張は少なくとも一つ存在する. デフォルト規則については単調である. 閉式  が閉正規デフォルト理論         から導き出される. なる拡張 E が存在する.

デフォルト証明       に関する  のデフォルト証明 Dの部分集合の系列: 無矛盾

線形導出によるデフォルト証明 線形導出L0 線形導出L1 の証明 の証明

仮説を用いた推論 知識=事実集合+仮説集合 仮説集合の要素はすべて原子式で表現できる 仮説集合 事実集合 演繹 無矛盾 知識

仮説を用いた推論 デフォルト推論は仮説推論として定式化できる デフォルト理論

仮説推論の方法(1) シナリオ (1) 知識 (2) は無矛盾 という条件を満たす極 仮説集合 大な を のシナリオという. 事実集合   (1)  (2) は無矛盾 という条件を満たす極 大な を のシナリオという. 仮説集合 事実集合 シナリオ 知識

仮説推論の方法(1) 軽信的方針と懐疑的方針 から何が得られるか?

仮説推論の方法(2) 説明(アブダクション) 閉式 G が与えられたとき G? 知識 (1) (2) は無矛盾 仮説集合   (1) (2)      は無矛盾 を満たす論理式の集合       を     からの G の説明という. 仮説集合 事実集合 G? 知識

説明の計算 結論発見問題 極小説明 説明 E のいかなる真部分集合も説明でないとき, E を極小説明という. E が説明で ならば   とGから前向き推論によってEを求めることができる 結論発見問題 極小説明 説明 E のいかなる真部分集合も説明でないとき, E を極小説明という. E が説明で ならば も説明である.

説明の計算(命題論理の場合) 極小支持節 :命題論理節集合 極小支持節の否定形が極小説明である! :質問節 (1) (2)  :命題論理節集合  :質問節 (1)  (2) を満たす節 S を  に関する C の支持節といい,S を 包摂するいかなる S 以外の節も支持節でないとき S を極小支持節という.  極小支持節の否定形が極小説明である! は無矛盾 Sからいくつかのリテラルを除去した節

説明の計算(命題論理の場合) 極小支持節の計算法 : に関するCの極小支持節の集合 : のprime implicateの集合 PからCのリテラルを除去 PとCは共通のリテラルを持つ Sが極小ならば のprime implicateである

例(ライトが点灯するのは?)  :スイッチS1がon  :スイッチS2がon  :スイッチS3がon  :ライトLがon L ?

例(ライトが点灯するのは?) 事実集合のprime implicateを求める

例(ライトが点灯するのは?) Lの極小説明を求める (自明なprime implicate) Lの極小支持節: Lの極小説明:

準無矛盾推論 極大無矛盾集合に基づく方法 議論に基づく方法 多値論理による方法 合理性の判断基準  結論の成立条件 矛盾した知識 合理的な結論

極大無矛盾集合に基づく方法 矛盾した知識 極大無矛盾集合

極大無矛盾集合に基づく方法 r を導く極大無矛盾集合は? 極大無矛盾集合を区別したい!

文脈 の極大無矛盾集合を としたとき (1) は無矛盾 (2) は矛盾 となるような論理式C を の文脈という.   の極大無矛盾集合を としたとき  (1)     は無矛盾  (2)          は矛盾  となるような論理式C を  の文脈という.      の要素の否定の連言は  の文脈である

文脈の例 矛盾

文脈 複数の極大無矛盾集合を指定する文脈  極大無矛盾集合        の文脈をそれぞれ        とすれば は を指定する文脈である.

r を導く文脈

r を導く文脈 矛盾

議論 知識 無矛盾な極小集合 :  からの議論 S の要素がすべて成り立つとき議論は健全であるという 支持 結論

議論間の関係 対立関係 反駁(rebut) 無効化(undercut) 不同意(disagreement) 弱無効化(weakly-undercut)

議論の有効性 議論 について A を無効化する議論が存在しないか,存在してもすべて健全でないとき,A は有効であるという 議論        について                    無効化する議論が存在しない ・反駁する議論が存在しない ・不同意な議論が存在しない ・弱無効化する議論が存在しない A を無効化する議論が存在しないか,存在してもすべて健全でないとき,A は有効であるという

結論の正当化条件 結論 を導く議論 A を有効にするには A を無効化する議論を健全でなくすればよい 論理式 s のもとで,結論  を導く議論の少なくとも一つが有効であるとき,s を  の正当化条件という

r を導く議論の正当化条件