計算機群における 「動的なインターネット接続性」の共有に関する研究

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計算機群における 「動的なインターネット接続性」の共有に関する研究 慶應義塾大学 政策・メディア研究科 修士1年 日野哲志 zenigata@sfc.wide.ad.jp 06:16

研究背景 移動体計算機が集合する環境(計算機群) 多様なインターネット接続方法 電車・自動車・この会議室・・・ 携帯電話・PHS・無線LAN・・・ 計算機群内の計算機がそれぞれ 個別にインターネットへの接続を行う環境 06:16

現状の問題点 前線基地 各小隊間の接続性が孤立している。 SOS SOS SOS SOS SOS A小隊 B小隊 C小隊 D小隊 E小隊 06:16

本研究により実現されるネットワーク 各小隊間で接続性を共有 Military Base SOS SOS SOS SOS SOS SOS C小隊 各小隊間で接続性を共有 SOS SOS D小隊 SOS E小隊 SOS Military Base 06:16

接続性を利用してインターネットと通信を実現 本研究の目的 接続性共有モデルの実現 他の計算機が持つ、インターネット 接続性を利用してインターネットと通信を実現 利点 個別にはインターネットへ接続できない計算機もインターネットとの通信が可能となる 複数の接続性を平行して利用可能 06:16

DICOS (Dynamic Internet COnnectivity Sharing) 既存技術の応用・統合により実現 特徴 既設の接続性だけではなく、動的に出現する接続性の利用 複数の接続性利用 用語 「内部計算機」いらない。 エンドノード グローバルなIPv6計算機状態 ゲートウェイ インターネットに接続し、エンドノードに接続性を提供する状態 06:16

複数ゲートウェイに関する考察 IPv6の特徴 Multi Homing, Source Address Selection Source Addressの選択により、Default Gatewayが選択可能 Prefix 取得 ゲート ウェイ:X ゲート ウェイ:Y Prefix:Xを広告 Prefix:Yを広告 Addr:X Addr:Y Source Address Selection エンド ノード 06:16

DICOS動作概要図 接続性管理機構 接続性提供機構 接続性情報広告機構 内部ネットワーク 構築機構 接続性利用機構 内部 計算機A ゲート ウェイB 内部 計算機B 接続性情報広告機構 v6では、1つのリンクに複数のアドレスがあってもよい。 右上を見てね。 Y:Addr 内部ネットワーク 構築機構 X:Addr 内部 計算機C エンド ノードC 接続性利用機構 06:16

DICOSノードの状態遷移 (1)初期状態 内部ネットワーク通信確立 (2)内部計算機 インターネット接続確立 ゲートウェイ情報広告 ゲートウェイ情報取得 インターネット接続損失 (3)ゲートウェイ (4)エンドノード 接続検査 インターネット接続確立 06:16

DICOS設計図 インターネット接続 プレフィックス委譲 I/F I/F ゲートウェイ I/F情報 接続性 確立/損失 提供機構 管理機構 接続性 確立/損失 提供機構 管理機構 プレフィックス情報 I/F情報 利用機構 情報広告機構 接続性情報 I/F 内部ネットワーク 利用機構 利用機構 利用機構 06:16 エンドノード エンドノード エンドノード

DICOSの実装(1) 内部ネットワーク構築機構 本実装では、Ethernetにより構築 接続性管理機構 定期的にインターネット接続性を監視 計算機群内での通信確立 本実装では、Ethernetにより構築 接続性管理機構 定期的にインターネット接続性を監視 sysctlコマンドを用いて,5秒に1回外部インターフェイスの状態を監視 06:16

DICOSの実装(2)-接続性情報広告機構 ゲートウェイの情報を計算機群内に広告 Versatile Flooding DataBase System(VFDBS)を利用したフラッディング ゲートウェイ情報メッセージフォーマット メッセージ タイプ メッセージ 長 外部インターフェイス名 利用可能 帯域 未使用 ゲートウェイアドレス 06:16

DICOSの実装(3)-接続性提供機構 動的に計算機群のネットワークアドレスを取得 NDP機構を拡張して,Prefixの動的委譲を実現 Router SolicitationにPrefix Request Optionを追加 Unicast Router Advertisementで,Prefixを通知 06:16

DICOSの実装(4)-接続性利用機構 複数のゲートウェイを平行して利用 「MobileIPv6を用いた複数インターフェイス支援機構」を拡張 ユーザのポリシーに基づいたSource Address Selection (プロトコル・宛先アドレス・宛先ポート) Source Address Selectionにより、ゲートウェイを選択 本実装では、インターフェイス名を利用した、スタティックなポリシーの設定 06:16

動的なゲートウェイ利用の実証実験 通信 相手 Internet GW2 GW1 Node 設定したポリシー: GW1 → デフォルト GW2 → ICMPデータ 通信 相手 Internet GW2 GW1 UDPデータ ICMPデータ ICMPデータ Node 06:16

両ゲートウェイでのスループット測定 Gateway2の登場 Gateway1 Gateway2 06:16

結論 接続性共有モデルの実現 接続性共有モデルによるインターネット接続を提案 既存技術の応用および統合により、実現 実験ネットワークを構築し、動作を検証 計算機群において,動的に出現するインターネット接続性を共有することが可能になった. 06:16

課題 ポリシーに関する考察 実用ネットワークの構築 ゲートウェイ選択に必要なポリシー ポリシー実現に必要なゲートウェイ情報 ゲートウェイ利用の認証 ゲートウェイ利用制限機構 06:16