利用者の制限領域を 最小化する施設配置問題 :中学校配置の評価 3G 023122 田中和希
利用者の制限領域を最小化する 施設配置問題とは 施設の利用領域があらかじめ決められている 制限領域:一番近い施設を利用することができな い領域 非制限領域:一番近い施設を利用することがで きる領域 小中学校、投票所、保健所など行政の管理する施設
つくば市の中学校の場合 最も近い中学校に通うことが出来ない領域=制限領域(斜線部) 問題 与えられた中学校区に対して、制限領域の中学生の総数を最小にするには、どのように中学校を配置すればよいか
制限領域の利用者数を最小化する問題 N = Nc + Nu Nc最小化→Nu最大化 ↓ ↓ ↓ 問題 制限領域の中学生の総数を最小にするには、どのように中学校を配置すればよいか ↓ ↓ ↓ 問題 非制限領域の中学生の総数を最大にするには、どのように中学校を配置すればよいか
中学校区とボロノイ図 非制限領域:網点部 制限領域:斜線部 (参考)ボロノイ図の仮定 1、施設の利用者は利用者の居場所から一番近い距離の施設を利用する 2、利用者は施設までの距離を直線距離で判断する
制限領域、非制限領域内の中学生数の数式化 中学校区Aiの非制限領域にいる中学生数Nui 地域全体の非制限領域内にいる中学生数Nu 制限領域内にいる中学生数Ncは、 Nc = N - Nu で求められる (Nは地域全体の中学生数)
問題の数学的定式化 制限領域の利用者数を最小化する施設配置問題 非制限領域の利用者数を最大化する施設配置問題
制限領域、非制限領域の 利用者総数の計算 Vi ∩ Aiの領域(非制限領域)にいる中学生数Nuiを計算する 中学生が均一に住んでいる場合 中学生が均一に住んでいる場合 →多角形Vi ∩ Aiの面積に等しい 〈面積の求め方〉 多角形を分解し、三角形の面積の 総和により面積を求める 中学生が不均一に住んでいる場合 代表点をとり、重みをつける 制限領域内の中学生数Ncは Nc = N - Nu で求められる
利用者の制限させる領域を最小化する探索的方法 解析的方法:特殊な場合(平均距離最小化の古典的方法など)のみ 探索的方法で近似解を求める
⇒ つくば市の中学校配置の検討 (左図)現在の中学校配置の場合:最も近い中学校に通うことが出来ない領域(制限領域)=20% (右図)探索的方法による再配置の場合:最も近い中学校に通うことが出来ない領域(制限領域)=10% 現状では10%の制限領域は避けられない
(参考)ボロノイ図の当てはめ 自然界におけるボロノイ図 Tilapia mossambicaという魚の縄張り図 ボロノイ図との差=全体面積の3.8% 玄武岩のひび割れ ボロノイ図との差=全体面積の4.4% ボロノイ図に近似しているが、関係性については議論が残されている。