高齢者の救急搬送に係る意見交換会 資料7-1 1  意見交換会開催に至る経緯  平成26年度    病院連絡会議にて,高齢者の救急搬送に関して,患者及び家族の延命治療 に関する意向確認ができているかという課題提起がなされた。  平成27年度   (1) 介護サービス事業者協議会主催研修会・施設ごとの講演会(救急課)                  

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高齢者の救急搬送に係る意見交換会 資料7 1 意見交換会開催に至る経緯と今年度の取り組み  平成26年度    病院連絡会議にて,高齢者の救急搬送に関して,患者及び家族の延命治   療の希望確認ができているかの課題提起がなされた。  平成27年度   (1)介護サービス事業者協議会主催研修会および施設ごとの講演会の開催.
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高齢者の救急搬送に係る意見交換会 資料7-1 1  意見交換会開催に至る経緯  平成26年度    病院連絡会議にて,高齢者の救急搬送に関して,患者及び家族の延命治療 に関する意向確認ができているかという課題提起がなされた。  平成27年度   (1) 介護サービス事業者協議会主催研修会・施設ごとの講演会(救急課)                         (2) 救急要請時の対応マニュアル及び傷病者情報メモ案(救急課)             (3) 各施設に延命治療に関する意向確認状況調査を実施(地域医療推進室)                                                       平成28年度    (1) 第3回顔の見える関係会議にて「高齢者の救急搬送と課題について」を     テーマに医療・介護・救急のスタッフが現状と課題について情報共有する     とともに,意見交換を実施。   (2) 第1回高齢者の救急搬送に係る意見交換会を開催     (柏市医師会,介護サービス事業者:各種別の施設職員,消防局,保健福祉部)     入所者及び家族の延命治療の意向確認状況とその課題について意見交換を実施。      平成29年度   (1) 各施設ごとに,救急搬送時の課題,医療との連携体制等への意見をヒアリング   (2) 第2回高齢者の救急搬送に係る意見交換会を開催     ヒアリングにより確認された課題への対応について意見交換を実施。  1

2 第2回高齢者の救急搬送に関する意見交換会 平成29年5月29日(月) 柏地域医療連携センター 【開催日】  2  第2回高齢者の救急搬送に関する意見交換会 【開催日】    平成29年5月29日(月) 柏地域医療連携センター 【趣旨】   高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせる「地域包括ケアシステム」の  構築を目指し,病院・介護施設・救急隊が,救急搬送に関する課題を共有し  相互理解を深め,課題解決に向けた方策を検討するために開催するもの。 【出席者】    ○柏市医師会   ○介護サービス事業者    ・特別養護老人ホーム ・老人保健施設 ・グループホーム     ・サービス付き高齢者向け住宅 ・定期巡回随時対応型訪問介護看護   ○柏市    ・救急課 ・高齢者支援課 ・地域医療推進課 2

施設へのヒアリングで得られた主な意見 ○救急搬送時の課題について ○医療との連携体制について ○取組みへの意見・提案   ・慌ててしまい,うまく情報が伝えられないため,救急隊員に怒られてしまう   ・救急要請か外来受診かの判断がつかない   ・夜間帯は職員が少ない体制のため,救急車への同乗の問題が大きい   ・若いスタッフは医療知識が少ないので対応力が十分でない   ・医療職が不在の時は,マニュアルがあっても判断に迷う ○医療との連携体制について   ・病院と家族の「延命治療」の認識には差がある   ・看取りの同意書をもらっていても主治医から救急搬送の指示がある   ・夜間帯は医師と連絡が取りにくい   ・医療職から求められる情報が確認できず意思疎通がうまくいかない  ○取組みへの意見・提案   ・延命治療をする・しないことをうまく家族に説明するガイドラインが必要   ・柏市共通の対応マニュアルや意向確認の様式があると助かる   ・救急要請について,介護職員でも判断できる指標や確認事項があるとよい   ・緊急時の初期対応の訓練や人工呼吸の研修を行ってほしい 3

意見交換会で得られた主な意見 ○医療 ○介護 ○救急 ・救急隊員に各施設の実情を学んでほしい   ・急変時と看取り期の対応は別の視点,整理して考える必要がある   ・意思決定は病状のステージごとに変わる。家族と何度も話し合う必要がある   ・日本臨床救急医学会の提言:主治医の判断,MC協議会との連携が必要 ○介護   ・介護職員には急変時・看取り期の対応に恐怖感,精神的なストレスがある。    夜間何があっても,朝まで待っても大丈夫という知識と安心感が必要   ・看取り期の病状や見通しの説明が家族と介護職員にあれば安心して対応できる   ・介護職員は若い世代も多く看取りの経験も身近な死の経験もないので対策必要   ・高齢者が入所する施設では同じように対応できる体制づくりが必要   ・施設が24時間相談できる体制があることが必要   ・本人と家族が話し合える機会を作ることが大切 ○救急   ・救急隊員に各施設の実情を学んでほしい   ・救急車の使い方について市民への啓発が必要   ・介護施設が訓練を実施することは重要,施設の所在地の管轄の消防署が来て    くれることで施設職員と救急隊員の顔の見える関係ができる 4

今後の具体的な進め方については,関係団体と協議し検討します ヒアリングと意見交換から見えてきたこと 今後進めるべき方向性 ○学会提言に対応できるように,主治医の理解と  メディカルコントロール協議会との連携が重要 ○施設・主治医・救急隊員・医療機関が本人の意  向を確認・共有できる方法 ○多職種間の十分なコミュニケーションが必要 ○各施設の介護度も状態も違う状況を考慮した意  向確認の仕組みづくり 本人の意思を多職種で 共有できるルールづくり ○急変時に対応ができるように介護職員でも判断  できる指標や確認事項の共有 ○急変時や看取り期の対応に必要な知識を学び,  安心して対応できるようにする ○死への経験の少ない若い介護職員への対策と支  援が必要 介護職員への研修 ○救急車の正しい使い方について市民への啓発が  必要 ○日本人は死に対して忌み嫌う風潮があり話題に  することも不謹慎ととらえやすいため,家族同  士で話をすることもできていない 市民への啓発 今後の具体的な進め方については,関係団体と協議し検討します 5