ステンレス多段深絞り容器の表面粗さの低減 内面しごき加工による ステンレス多段深絞り容器の表面粗さの低減 塑性加工研究室 池口真人 0.5mm カム 中空バルブ 軽量化:エンジンの 高出力化,低燃費化 多段深絞り加工 内面性状の悪化 バルブ ピストン ガソリンエンジン
多段深絞り加工により得られた容器の外観写真 ステンレス鋼板SUS305 直径:50mm, 板厚:1.0mm (b)1段 (c) 2段 (d) 3段 (e) 4段 (a)素板 10mm (f)5段 (g)6段 (h)7段 (i)8段 (j)9段 対象容器
多段深絞り加工により得られた容器の表面粗さ 0.5mm 1 6 しごき絞り 1 2 粗さ増加 内面 周方向平均最大高さ Rz /μm 8 4 外面 1 2 3 4 5 6 7 8 9 絞り段数
内面平滑化を目的としたしごき加工法 ストリッパ ポンチ(SKD) 容器 φ8.99 φ7.39 ダイス(SKD) ポンチ(SKD) 3° 15° 1 ポンチ(SKD) ストリッパ 容器 ダイス(SKD) しごき率 r=5,20,40% 塩素系 プレス油 塩素系 プレス油 ポンチ(SKD) しごき率r=5,10% 容器 コンテナ (SKD) φ8.99 φ9.03 コンテナ (SKD) ポンチ(SKD) 54 容器 15° 1 (a)内面しごき加工 (b)外面しごき加工
加工後断面写真と肉厚分布 加工後の肉厚分布 (a)内面しごき (b)外面しごき - . 1 肉 厚 ひ ず み 未加工部 未加工部 - . . 1 加工前 内面しごき 外面しごき 肉 厚 ひ ず み 未加工部 未加工部 - . 2 - . 3 クリアランス 5mm - . 4 1 2 3 4 5 未加工部 カ ッ プ 角 部 か ら の 距 離 / m 加工後の肉厚分布 (a)内面しごき (b)外面しごき
内面しごき加工と外面しごき加工の比較 0.5mm 周方向平均最大高さ Rz /μm カップ角部からの距離 / mm 2 1 5 加工前 r=5%内面しごき r=20%外面しごき 1 5 (a) 加工前 r=40%外面しごき 周方向平均最大高さ Rz /μm 1 5 (b) r=5%内面しごき 1 2 3 4 5 カップ角部からの距離 / mm 0.5mm (c) r=40%外面しごき
シミュレーションによる しごき加工の半径方向応力解析 (b)外面しごき(r=40%) (a)内面しごき(r=5%) σr/MPa -2500 しごき加工の半径方向応力解析 σr/MPa -2500 0 500 -500 -1000 -1500 -2000 -3000 ポンチ ポンチ コンテナ ダイス (a)内面しごき(r=5%) (b)外面しごき(r=40%)
バルブ部品への内面しごき加工の適用 押込みポンチ(SKD) ボール (超硬-TiCN) しごき率r=18% バルブ部品 (14段) 支え 分割コンテナ 押込みポンチ(SKD) バルブ部品 (14段) 支え ボール (超硬-TiCN) 87 57 分割コンテナ R0.5 Φ3.85 (SKD) Φ4.98 (バルブ部品) 5mm Φ5.01 (コンテナ) バルブ部品(14段)
加工後断面写真と肉厚分布 加 工 前 内面しごき加工後 (r= 1 8 %) 加工後の肉厚分布 肉 厚 ひ ず み カ ッ プ 角 部 か ら の 距 離 / m 加 工 前 内面しごき加工後 (r= 1 8 %) 2 3 4 5 6 7 - . クリアランス 5mm 加工後の肉厚分布
ボールによるバルブ部品の内面しごき加工結果 0.5mm (a) 加工前 (b) r=18%内面しごき 最 大 高 さ R z / μ m カ ッ プ 角 部 か ら の 距 離 加 工 前 内 面 し ご き 後 ( r = 1 8 % ) 2 3 4 5 6 7
まとめ 多段深絞り加工により得られた容器の内面粗さを比 較的低いしごき率の内面しごき加工で大幅に低減で きた. 外面しごき加工では,高いしごき率を用いても内面 しごき加工より内面粗さを低減できなかった.これは 内面に発生する半径方向応力が小さいためである. 中空エンジンバルブ部品に対してTiCN処理した超硬ボー ルを用いて内面しごき加工を行い,内面粗さを大幅に低 減できた.