PVMを用いた高分子材料の撥水画像解析に関する研究 平成13年2月13日 電気工学科 所研究室 11E61 尾本 裕樹
目的 シリコーンやEPDMゴムなどの高分子材料は、がいしなど屋外用電力設備の絶縁物としてその用途を拡大しつつある。そのため、それらの表面劣化過程の一指標として、材料表面の撥水性の低下を観測することは非常に重要である。 撥水画像を動的に解析するため、PVM( Parallel Virtual Machine)を用いたUNIX上の画像解析システムの開発を目指してきた。
図1 PVMにおけるマスターとスレーブの関係 ・各パラメータの設定 ・スレーブ数の設定 ・データの送受信 スレーブ1 ・画像解析 ・結果の送信 スレーブ2 ・画像解析 ・結果の送信 スレーブ3 ・画像解析 ・結果の送信 図1 PVMにおけるマスターとスレーブの関係
図2 PVMによる画像解析に用いた HTV・SIR撥水画像 図2 PVMによる画像解析に用いた HTV・SIR撥水画像
図3 水滴のラベル数と処理時間の関係
図4 中心から253個の真円度を求めるまでの画像処理時間 図4 中心から253個の真円度を求めるまでの画像処理時間
図5 UNIXとNIH直径と面積の比較
図6 UNIXとNIHの直径と周囲長の比較
図7 UNIXとNIHの直径と真円度の比較
まとめ PVMを用いることにより、多数の撥水画像の動的変化などを画像解析するのに要する時間を、激的に減少させることが可能となった。 NIHImageとPVMの2つの画像処理系とも直径の小さな水滴の画像解析指標を求める場合に、特に真円度にデジタル化による量子化誤差が大きく出るため、補正が必要であることが明らかとなった。
今後の課題 現状では水滴のエッジ部分を正確に認識していないのでより正確に水滴の形状を認識させる必要がある。 直径30[pixel]以下の水滴に対しては画像計測値の補正処理を組み入れる必要がある。