小規模水源池における 植物による水質浄化に関する研究

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小規模水源池における 植物による水質浄化に関する研究 小規模水源池における      植物による水質浄化に関する研究 都市環境科学研究科 都市基盤環境学域 小泉  明            稲員とよの       山崎 公子 荒井 康裕

上水道システム ~ 水源から蛇口まで ~

浄水施設でのろ過障害 カビ臭等の異臭味障害 水道水源としての貯水池の水質保全 貯水池の富栄養化による障害 → 藻類の異常繁殖 貯水池 ダム 浄水施設でのろ過障害 カビ臭等の異臭味障害

流域 貯水池 排出源対策 覆砂 浚渫 流域の下水道整備 藻類除去 薬剤散布 貯水循環 ばっ気 流域森林の涵養 濁水迂流 直接浄化 対症的対策 水源の水質保全対策 流域 貯水池 排出源対策 対症的対策 覆砂 浚渫 点源汚濁対策 流域の下水道整備 藻類除去 薬剤散布 面源汚濁対策 貯水循環 ばっ気 流域森林の涵養 濁水迂流 直接浄化

水生植物による水質浄化 ヨウサイ(空芯菜) 植栽筏設置のための初期費用が必要 維持管理に,エネルギーがほとんど要らない 植物を食用植物とすることで,廃棄物量が押さえられる. 収穫物の販売で収入が得られる. ヨウサイ(空芯菜) 学名:Ipomoea Aquatica Forsk、     双子葉植物綱・合弁花亜綱     ナス目・ヒルガオ科     サツマイモ属

★ 水生植物による水質浄化 湛水面堰 5520m2 総貯水量 35000m3 最大水深 11.4m P① P③ P② P⑤ P④ A B A   5520m2 総貯水量  35000m3 最大水深   11.4m C D C D B  :循環曝気装置

水生植物による水質浄化 2009年2月~ 2009年3月 2010年10月 16.5m×36.5m 筏 面 積:600m2 植栽面積:470m2 ヨウサイ採取量

植物採取量と窒素・リン除去量推定値 採取されたヨウサイのN、P、Cの含有量平均値   N:5.15mg/g,P:0.82mg/g,C:53.1mg/g            (湿潤試料1g当り) 2009年4月以降   窒素除去量:29.0kg   リン除去量: 4.6kg 1年間(2009年11月~2010年10月)   ヨウサイ採取量:4896kg   窒素除去量:25.2kg                 リン除去量: 4.0kg

窒素・リン濃度の変化 窒素濃度の変化 リン濃度の変化

クロロフィルa ・濁度の変化

今後の研究計画 多種目栽培:ヨウサイ以外の植物も導入する。 12月~春に収穫が多い植物の検討 採取した植物の食用比率を向上させる。      12月~春に収穫が多い植物の検討 採取した植物の食用比率を向上させる。      虫による被害への対策 窒素・リンの濃度が湖沼Ⅲ類型を下回ることを目標      以前は湖沼Ⅴ類型を上回る水質 ハルタマ(金時草) 窒素 湖沼Ⅲ類型基準値 0.4mg/L 湖沼Ⅳ類型基準値 0.6mg/L 湖沼Ⅴ類型基準値 1.0mg/L リン 湖沼Ⅲ類型基準値 0.03mg/L 湖沼Ⅳ類型基準値 0.05mg/L 湖沼Ⅴ類型基準値 0.1mg/L