3.宇宙はどんな世界 天文学、宇宙物理学に関する基礎知識
1 星の一生 1. 星の誕生 * 恒星がガス(気体)でできていること * 宇宙空間にある気体(星間ガスと呼ばれる)の 密度の特に高い部分(分子雲と呼ばれる)が重力で集まり星になること * 星が輝くエネルギー源は星内部でおきる核融合反応であること * 散開星団について知る 2. 星のしくみと寿命 * ガス圧と重力がバランスして星の構造を保っていること * HR図の説明 * 星の寿命が星の質量に依ること 3. 星の最期 * 赤色巨星について * 比較的軽い星の最期(白色矮星、惑星状星雲) * 重い星の最期(超新星爆発、中性子星・ブラックホールの形成) 2 銀河について * 銀河が星の大集団であり、大別して渦巻(うずまき)銀河と楕円銀河に分かれること * 銀河の形が銀河内の星の運動に関係していること * 楕円銀河では、星が重力で集まろうとすることに星の無秩序な動きで対抗し その形状を保っていること * 渦巻銀河は、円盤の形状をしており、円盤に沿った星の回転運動によって、 星全体が重力で集まろうとすることに対抗していること * 球状星団について知る
3 宇宙の進化 1. 宇宙膨張と宇宙の始まり * ハッブルの法則を紹介し、このことから宇宙膨張を知ったことを紹介する。 * 時間をさかのぼって考えビッグバンを導入する * 宇宙に始まりがあることから宇宙の地平線をしめす 2. ビッグバン後、わずかな物質密度揺らぎが重力で成長し 天体を形成したことをしめす 3. ビッグバン後、初期に存在していた元素はほとんどが水素であるが、 星の内部で元素が合成され、それらが星の死とともに宇宙全体にひろがって いった。その結果、宇宙に存在する水素より重い元素は徐々に増えていった。 私たちのからだや地球、そして太陽系、宇宙全体に存在する多様な元素が 星の中で作られた。 4 太陽系 1. オールトの雲、海王星以遠天体(今後、名称が決まり次第変更;太陽系外縁天体)、 彗星等を紹介し、太陽系が単に惑星だけの集まりではなく多様な天体から 構成されていることとその広がりを示す。 2. 太陽からの距離により惑星の性質(タイプ)が異なることをしめす。
星(star) ここでは、太陽のように自ら光り輝く恒星(恒星)のこと。 星座の星々は恒星です。遥か遠くの太陽たち、です。 ここでは、太陽のように自ら光り輝く恒星(恒星)のこと。 星座の星々は恒星です。遥か遠くの太陽たち、です。 ひとこと:地球は自ら放射をしていない、ということはない。 太陽熱のため込み以外に、地球独自の熱源がある。 考えてみよう:地震は太陽熱エネルギーが変換されたものか? そのエネルギーは、どこからやってきたものか?
宇宙に浮かぶ物質における、星という「相」 星という姿になった時、星が誕生、と表現する。 星という姿でなくなった時、星が死、と表現する。 星の姿になったりならなかったり、輪廻転生を繰り返している。
星が生まれる 重力で縮んでいく。 「外的な助け」で収縮が促進される場合がある。
星が「光る」
最終的には「圧力」と拮抗して、収縮は止まる 中が熱ければ、エネルギーが周囲に流れ出て「光る」。 しかしこれでは縮みきったらおしまい。 「光り続ける」ために、いつでも中が熱くなる「エンジン」を 持っている。→核融合反応
核融合です、核分裂ではありません! 陽子(水素原子核): (質量+エネルギー)が保存 正の電荷を持っているものどうし、 合体させるには高温高圧が必要 (質量+エネルギー)が保存
星の光度は、「桁違い」である! → 寿命は「大質量星ほど短い」 星「本来の」明るさは、本当に色々 星としての寿命 ∝ 光度 / 質量 星としての寿命 ∝ 光度 / 質量 → 寿命は「大質量星ほど短い」 金持ち程、はやく貧乏になる
星の中心部で「水素→ヘリウム」の核融合が行われている、比較的長期間安定して光り輝く段階: 「主系列星」 主系列星(太陽も、この段階)では、大質量ほど、高温であり (青白い色になる)、半径が大きい。 ただし、それは一桁程度の違いになるかどうか程度。光度は 桁違いに大きくなる(距離の効果を無視すれば、明るく見える)。
星も中年になると、老廃物がたまって太る。
ゴミ問題の下請け 赤色巨星は、表面温度は低いが(だから「赤色」)、光度は大きい。だから、太陽が赤色巨星化したら地球が干上がるのは、半径が増大(巨星化)するからではなく、光度が増大するからである。
中小質量星の最期
大質量星の最期 なかなかしぶとい。
最期は破滅的 私たちの存在は、先代の超新星に追うところ、大。 超新星爆発までに、鉄までの重元素合成を行い、 超新星の際に鉄以降のもっと重い元素を合成する。 超新星爆発は、星間物質の収縮を助ける場合もある。 私たちの存在は、先代の超新星に追うところ、大。
天文学ゼミ学生撮影
銀河系(私たちの住む、天の川として見ている系)の中、太陽系は中心から外れて位置している。
銀河形態の、ハッブルによる「音叉型」分類 銀河系はこのあたり? 扁平に見える方向からの図 円盤部分を正面に見た図
重力を「圧力」あるいは「ランダム運動」で支えると「球形」、 自転が卓越すると、遠心力がきいて「円盤状」になる。 太陽系は、銀河系円盤に乗り、銀河系中心を中心に 公転している。その周期は2億年程度。
「星空案内人になろう!」の教科書記述の訂正 p 261 問題解答 第3章の答え 問5は不要、削除