形成期の楕円銀河 (サブミリ銀河) Arp220.

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09S1-051 若佐菜摘 1. 銀河 巨大銀河 (B バンドの絶対等級で約 -18 等より明るい ) 矮小銀河 (B バンドの絶対等級で約 -18 等より暗い ) ※ B バンドとは … 観測に用いる波長帯 ( バンド ) に固有の名前がつけられており B バンドは可視光の波長 0.445μ mが中心のバンドである。
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SSA22 領域の過大な Lyα 輝線の EW を示す LAEs 大塚 拓也 1 山田 亨 1 、松田 有一 2 、林野 友紀 1 1 東北大学、 2 国立天文台.
Sy2 & ULIRG review 粟木(愛媛大学) ASCA June12, Sy2 ASCA によるテーマ AGN の統一モデル 統一モデルの検証 AGN の構造 AGN-Starburst connection SB と AGN の共存 AGN ⇔ SB の進化
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2020 年代の光赤外線天文学 「恒星物理・超新星・晩期型 星」 サイエンス(分科会報告) 「恒星物理・超新星・晩期型星」検討 班 発表者: 野沢 貴也( NAOJ ) 2014/09/10.
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「Constraining the neutron star equation of state using XMM-Newton」
銀河物理学特論 I: 講義3-3:光度関数の進化 分光探査サンプルによる Lilly et al. 1995, ApJ, 455, 108
スケジュール 月曜2限(10:45-12:15),A棟1333号室 10月 11月 12月 1月 2月 10/01 ① 11/5 ⑤
神戸大大学院集中講義 銀河天文学:講義1 銀河を構成する星、星間物質(ガス、ダスト) 1. 太陽系から銀河系へ空間スケール 2
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電離領域の遠赤外輻射 (物理的取り扱い)      Hiroyuki Hirashita    (Nagoya University, Japan)
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WISHによる超遠方クエーサー探査 WISH Science Meeting (19 July 三鷹
銀河物理学特論 I: 講義1-1:近傍宇宙の銀河の 統計的性質 Kauffmann et al
銀河物理学特論 I: 講義1-2:銀河の輝線診断 Tremonti et al. 2004, ApJ, 613, 898
104K以下のガスを考慮したTree+GRAPE SPH法による 銀河形成シミュレーション ~Globular Cluster Formation in the Hierarchical Clustering Universe~ 斎藤貴之(北大) 幸田仁(NAOJ) 岡本崇(ダーラム大) 和田桂一(NAOJ)
神戸大大学院集中講義 銀河天文学:講義6 特別編 観測装置の将来計画
WISHでの高赤方偏移z >6 QSO 探査
Taurus-Auriga association
銀河物理学特論 I: 講義1-4:銀河の力学構造 銀河の速度構造、サイズ、明るさの間の関係。 Spiral – Tully-Fisher 関係 Elliptical – Fundamental Plane 2009/06/08.
近赤外線サーベイによるマゼラニックブリッジの 前主系列星探査
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星間物理学 講義3資料: 星間ガスの力学的安定性 星間ガスの力学的な安定性・不安定性についてまとめる。星形成や銀河形成を考える上での基礎。
神戸大大学院集中講義 銀河天文学:講義5 銀河の形成と進化 1. 銀河の金属量の進化 2. 銀河の構造の進化 3. 環境と銀河の進化
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第6章 参考資料 銀河とその活動現象 Galaxies and their activities
SFN 282 No 担当 内山.
銀河物理学特論 I: 講義1-3:銀河性質と環境依存性 Park et al. 2007, ApJ, 658, 898
COSMOSプロジェクト: z ~ 1.2 における星生成の環境依存性 急激な変化が起こっていると考えられる z ~1 に着目し、
棒渦巻銀河の分子ガス観測 45m+干渉計の成果から 久野成夫(NRO).
星間物理学 講義1: 銀河系の星間空間の世界 太陽系近傍から銀河系全体への概観 星間空間の構成要素
COSMOS天域における ライマンブレーク銀河の形態
論文紹介 Type IIn supernovae at redshift Z ≒ 2 from archival data (Cooke et al. 2009) 九州大学  坂根 悠介.
松原英雄、中川貴雄(ISAS/JAXA)、山田 亨、今西昌俊、児玉忠恭、中西康一郎(国立天文台) 他SPICAサイエンスワーキンググループ
星間物理学 講義4資料: 星間ダストによる散乱・吸収と放射 2 銀河スケールのダスト、ダストの温度、PAH ほか
銀河物理学特論 I: 講義2-1:銀河中心の巨大ブラックホールと活動銀河中心核
塵に埋もれたAGN/銀河との相互作用 今西昌俊(国立天文台) Subaru AKARI Spitzer SPICA.
セイファート銀河中心核におけるAGNとスターバーストの結び付き
大井渚(総合研究大学院大学) 今西昌俊(国立天文台)
クエーサーの内部構造はどうなっているのか? マグナム望遠鏡の威力
超高光度赤外線銀河(ULIRGs)中に埋もれたAGNの探査
Spiral銀河における星形成史について
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星間物理学 講義1の図など資料: 空間スケールを把握する。 太陽系近傍から 銀河系全体への概観、 観測事実に基づいて太陽系の周りの様子、銀河系全体の様子を概観する。それぞれの観測事実についての理解はこれ以降の講義で深める。 2010/10/05.
COE外国出張報告会 C0167 宇宙物理学教室 D2 木内 学 ascps
第12回 銀河とその活動現象 東京大学教養学部前期課程 2017年度Aセメスター 宇宙科学II 松原英雄(JAXA宇宙研)
楕円銀河の星の種族 J.-C.Cuillandre (CFHT).
銀河系内・星形成・系外惑星 系内天体の観点から
ALMAへの期待 -埋れたAGNの探査から-
銀河物理学特論 I: 講義3-6:銀河とブラックホールの共進化 Alexander et al
大規模シミュレーションで見る宇宙初期から現在に至る星形成史の変遷
COSMOS天域における赤方偏移0.24のHα輝線銀河の性質
2009/4/8 WISH 三鷹 小山佑世(東京大学) クアラルンプールの夜景.
Z~1の星形成銀河の性質  小西.
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星間物理学 講義7資料: 物質の輪廻と銀河の進化 銀河の化学進化についての定式化
ASTE搭載用ミリ波サブミリ波帯 多色ボロメータカメラ光学系の開発 竹腰達哉 北海道大学修士課程2年 Collaborators:
Z=0.24 の Hα輝線天体でみるSFR(UV), SFR(Hα), SFR(MIR) 相互の関係
楕円銀河の銀河風モデル Arimoto & Yoshii (1986) A&A 164, 260
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形成期の楕円銀河 (サブミリ銀河) Arp220

星生成率(SFR)を求めることができる。 ダストで覆われた銀河のモデル Takagi, Arimoto & Hanami (2003) MNRAS 340, 813 大規模に星形成を行っている銀河 では超新星爆発によって撒き散ら されたダストが星生成領域を覆って いる。若いOB型星から放出された UVフォトンはダストに吸収され、中間 遠赤外で再放射される。 遠赤外での輻射はバーストの年齢が 若いほど、また、星形成領域が コンパクトであるほど強くなる。 これによって、紫外からサブミリに 渡る輻射の総量がわかり、銀河の 星生成率(SFR)を求めることができる。 星形成領域の大きさの効果 SEDの進化

近傍のスターバースト銀河 Takagi, Arimoto & Hanami (2003) MNRAS 340, 813

近傍の超高光度赤外銀河 Takagi, Arimoto & Hanami (2003) MNRAS 340, 813 近傍のULIRGsは1012Lo以上の光度を持つ、赤外域で特に明るい銀河である。 星の質量は1011Mo前後、星形成領域はコンパクトで、ダストに覆われており、 光学的厚みが大きい。星形成率が非常に高く、~200-500Mo/yrにもなる。

近傍のスターバースト銀河 Takagi, Arimoto & Hanami (2003) MNRAS 340, 813 ULIRG ULIBG UVSBG UVSBG 近傍のスターバースト銀河はUVSBGとULIRGとに分類できる。 UVSBGとULIRGとを比較すると、ULIRGの星生成領域は集中して、 ダストに強く吸収されており、星形成率が非常に高い。

サブミリ銀河 (SBGs) HST images of submm galaxies (HDF; Chapman et al. 2003)

サブミリ銀河 (SBGs) Chapman et al. (2003) Nature 422, 695 サブミリ銀河は銀河形成の理解 の鍵となる。CO観測から推定さ れるガスの質量は1011Mo、平均 の赤方偏移はz=2.5にある 大質量銀河である。明るいサブミリ 銀河の星生成率は103Mo/yr にも達し、~1Gyrの内に大質量 の楕円銀河を形成するに十分な ほどである。形成期の楕円銀河と しばしば呼ばれる。 サブミリ銀河の平均の赤方偏移はz~2.5

サブミリ銀河 (SBGs) Takagi, Hanami &Arimoto (2005) MNRAS 355, 424 SED fitting of submm galaxies (burst age, compactness, EC)

サブミリ銀河 (SBGs) Takagi, Hanami &Arimoto (2005) MNRAS 355, 424 Submm Galaxies @ z>2 遠方(z>2.5) SF領域のコンパクトさ、光学的厚み、星形成率などの特徴は近傍のULIRGに類似

サブミリ銀河がそのまま進化すると Takagi, Hanami &Arimoto (2005) MNRAS 355, 424 Coma-EのCM関係 サブミリ銀河が観測された赤方偏移でなんらかの原因(銀河風?)で星形成を 停止して、そのままパッシブに進化したら、色-等級図では楕円銀河の場所にくる。 遠方(z>2.5)

サブミリ銀河 @ z=0 (Arp220) Takagi, Arimoto & Vansevicius (2003) PASJ 55, 385 サブミリ銀河は形成期の楕円銀河の星生成活動が最も高いフェイズ