人口過密な大都市でいかに合理的に水を循環させるか?

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水の話 水分子の特徴 水分子は分極している 常温で液体である NH3やCH4と比較して沸点高い 水から氷になると 体積が大きくなる
大成企業株式会社 環境事業部 新活性汚泥技術研究会会員 〒 東京都府中市八幡町2-7-2
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9 水環境(4)水質汚濁指標 ・人の健康の保護に関する環境基準 (健康26項目) 環境基本法 地下水を含む全公共用水域について適用
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アミノ酸の分解とアンモニアの代謝 タンパク質やアミノ酸はどこにでもあるありふれた食材ですが、実は分解されるとアンモニアという、体に非常に有害な物質を産生します。これは、普段われわれが何も気にせずに飲んでいる水が、実はH+(酸)とOH-(アルカリ)で出来ているのと似ているように感じます。今回、アミノ酸の分解に伴って産生されるアンモニアを、生体はどのようにして無毒化しているかを考えましょう。
大成企業株式会社 環境事業部 新活性汚泥技術研究会会員 〒 東京都府中市八幡町2-7-2
環境表面科学講義 村松淳司 村松淳司.
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2015年4月9日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
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廃PVC中有害金属の 最適な処理方法の評価
環境触媒グループ ガソリン車と比べて ディーゼル車の利点 現在ディーゼル車の走行台数が増加している ディーゼル車排ガス中での汚染物質 危害
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2019年4月19日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
電子システム専攻2年 遠藤圭斗 指導教官 木下祥次 教授
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2019年4月19日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
物質とエネルギーの変換 代謝 生物体を中心とした物質の変化      物質の合成、物質の分解 同化  複雑な物質を合成する反応 異化  物質を分解する反応 
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リサイクル工学特論 ~imai/recycle/recycle.html
講義の目的 講義の方法 講義予定 「生物リサイクル工学特論」について 2019年4月19日 大学院生命体工学研究科 生体機能専攻 白井義人
カッセーチップ堆肥化工法 施工事例 一般社団法人循環型社会研究協会.
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人口過密な大都市でいかに合理的に水を循環させるか? 戦略目標達成のための戦術 河川汚染      ・ 下水の未整備   ・ 汚泥の増加 ・ 埋立地不足 ・ 水不足 ・ 住民意識の未熟 ・ ・下水の普及(分流型) ・埋立地の改善 ・自然の再生 ・汚泥の資源化 ・メタン発酵の普及 ・正しい生活排水知識の普及 ・行政の努力 人口過密な大都市でいかに合理的に水を循環させるか? 生体における循環系は?

生体の循環系 都市の循環系 心臓 運輸系 商品 廃棄物 肺 都市機能 諸器官 焼却炉 下水処理場 腎臓 最終処分場 肝臓

下水の普及(分流型) ・分流型と合流型の下水 合流型 雨水、浴槽等の排水とトイレ・台所の排水を 分けない形式の下水 分流型 雨水、浴槽等の排水とトイレ・台所の排水を 分ける形式の下水 低濃度と高濃度の排水に分けられる  ・後の処理が容易  ・後の資源化が容易  ・下水管が資源輸送媒体になる (分流型でも雨水菅にトイレ下水がオバーフローする構造に  なっていることがある)

ディスポーザによる生ゴミの分別 便利で快適な生活ができる 「ディスポーザは反対!」になりがち ・ディスポーザとはキッチンシンクに取り付けられた  生ゴミを粉砕して排水するミキサージューサー  生ゴミの水洗便所  (米国では一般的に普及している) @現在、下水への直接廃棄は認められていない @異物を入れると装置が壊れるため生ゴミがほぼ  完全に分別できる @水の使用量や装置の製作を考えるとエネルギー  的にもコスト的にもマイナス 下水へ 便利で快適な生活ができる とは言え 環境のためにライフスタイルを変えようという考えに立てば 「ディスポーザは反対!」になりがち

ディスポーザー +下水道直投(人口100万、CO2) 現状ケース(脱水汚泥焼却) 現状ケース(脱水汚泥堆肥化) ディスポーザー機器導入ケース (脱水汚泥焼却) ディスポーザー機器導入ケース (脱水汚泥堆肥化) ディスポーザー機器導入ケース (消化ガス発電+焼却) Kg-C/人 消化ガス発電(暫定試算)

埋立の問題点 ・重金属、毒物が環境に漏れる ・雨水によりゴミ中の窒素がNOxになって 環境に漏れる ・もはや候補地がない 埋立地の改善と自然の再生 埋立の問題点 ・重金属、毒物が環境に漏れる           ・雨水によりゴミ中の窒素がNOxになって            環境に漏れる           ・もはや候補地がない 生ゴミや汚泥が問題 屋根で雨水を防ぐ 管理型埋立地 防水シートで有毒物の 地下水への漏出を防ぐ 山間 埋立地 海岸沿い

・一般的に有機物は酸素のない条件(嫌気)で様々な微生物に より有機酸(酢酸)、炭酸ガス、水、アンモニアに分解される。 メタン発酵について ・一般的に有機物は酸素のない条件(嫌気)で様々な微生物に  より有機酸(酢酸)、炭酸ガス、水、アンモニアに分解される。 ・メタン菌は絶対嫌気条件で有機酸をメタンに変える。 水素とメタンの物性比較                     水素      メタン 分子量 2.016 16.04 沸点 -252.6 -161.2 密度(気体) 8.2×10-5 7.17×10-4 発熱量[25℃, kcal/m3] 2580 8562 [25℃, kcal/kg] 30972 12843 可燃混合率[%](空気中) 4~75 5~15 最小点火エネルギー[mJ]     0.02 0.3 酸素中最高温度[℃] 2800 2600 燃焼速度[m/sec] 2.87 0.31

第2班 まとめ ■ 全ての化石資源はバイオマス由来→有機物は石油関連製品に転換可能です 亜臨界装置 消化汚泥 下水処理場 生ゴミ 下水管 家庭、食品関連事業所 下水処理場に隣接する 石油製品化の工場 吸着塔 アンモニア 反応器 (固体触媒) 燃料電池用 H2 (Fe触媒) ケトン化:化学原料の製造 BTX化:ガソリンと 化学原料の製造 (ゼオライト触媒) 活性炭 熱 エネルギー 供給 ■ 全ての化石資源はバイオマス由来→有機物は石油関連製品に転換可能です 炭 H2O CO,CO2,H2 500~700℃で元気 になった水が微細 な孔を開ける 炭素:C ~~~ 汚泥 汚泥の微細化 消化しやすいなぁ 前処理 メタンガス 量の増加 消化 30~60℃ 可溶化 水 可溶性有機物 結合を切る 濃縮:水を除いて濃縮 吸着 脱着 ガソリン、化学原料 下水汚泥254万トン/年 処理費:16000円/乾燥汚泥 食品破棄物と合わせると炭素量は 原子力発電所数基分(数百万kW) 1gでほぼ学校の運動場 の面積を持ち,有害物質 を強く吸い着けます。 活性炭の拡大写真 ダイオキシンの除去 環境ホルモンの除去 居住空間の改善 水処理 など (Ni/炭素触媒) 250-300℃ 350℃ 触媒 活性点 水素 メタン 窒素 有機物ガス化 (水素製造) アンモニア分解 ケトン アルコール ベンゼン トルエン キシレン オイル 450℃ 第2班   まとめ

汚泥からガソリンをつくるプロセス エネルギー 可溶性有機物 ベンゼン トルエン キシレン メタン発酵 ケトン 可溶性 有機物 下水処理場 下水汚泥 鉄触媒 消化汚泥 水 隣接 ゼオライト触媒 消化汚泥 汚泥ガソリン化工場 250-300℃ ハイオクガソリン (ベンゼン・トルエン  キシレン) 亜臨界反応器 250-300℃ 450℃ 鉄触媒反応器 ゼオライト触媒 反応器 汚泥からガソリンをつくるプロセス

日明浄化場におけるディスポーザ生ゴミによる消化汚泥の増加予測 (165) 負荷量:1.65倍 消化汚泥量:1.58倍 消化汚泥

水可溶性有機質炭素としての炭素収率  (処理温度・処理時間の影響) 産総県九州研究所内 実験装置

鉄触媒による有機物の水蒸気分解 ケトン 20nm R1 R2 低級炭化水素 鉄触媒 FeOx 鉄 触 媒

パームシェルオイルの組成 OH 1. C = O H CH3 9. 17. = O OH 2. CH3 C CH3 OH = O 18. O 2.55% 9. 17. = O 0.861% OH 0.949% 2. CH3 C CH3 1.74% OH = O 18. O 10. = CH3 O O CH3 O CH 3.90% 3. CH3 C OH = 25.0% 1.33% O O = 19. 11. 4. CH3 C CH2 OH 1.03% 1.73% = 8.61% O O 12. CH3 C O CH = CH2 = 5. CH3 CH O CH2 CH2 CH3 O 0.832% Others 16.2% CH3 13. OH 2.94% 19.9% 6. HC CH2 CH2 CH CH3 = = O O 14. 1.06% 0.918% OH 7. O CH3 CH2 = CH CH2 O C CH3 = 15. O OH 3.72% 4.69% O CH3 8. CH3 CH2 CH2 CH2 CH 16. CH3 OH 1.37% = O パームシェルオイルの組成 0.561%

様々な有機化合物の鉄触媒による分解 反応が進行 OH phenol gases C = O H CH3 acetone acetic acid acetaldehyde C = O CH3 反応が進行 acetone gases CH3 C = O OH acetone CH3 C = O CH2 butanone 20 40 60 80 100 Yield / wt%

消化汚泥由来有機物の生成物収率 反応原料:日明下水処理場(北九州市)の 消化汚泥を亜臨界分解して得た液 生成液 北大のベンチ実験装置 酢酸        消化汚泥を亜臨界分解して得た液 北大のベンチ実験装置 生成液 酢酸 MEK アセトン 20 40 60 80 100 収率/%

消化汚泥由来のケトンからつくったガソリン 北大のベンチ実験装置 20 40 60 80 100 0.4 4.2 Composition [ %mol carbon ] WHSV [ hr-1] Benzene Toluene Xylene other mono-aromatics other hydrocarbons (<C6) ぜオライト触媒 100nm 消化汚泥からつくった ハイオクガソリン

107t 173t BTX : 3.54 t/d (5.72 t/d) 消化工程 可溶化工程 濃縮工程 ケトン化工程 水熱ガス化工程 エネルギー投入 消化工程 エネルギー生産 148.6×103MJ/d 消化ガス 282.1×103 (439.7×103) 107t 173t 消化工程のボイラー効率:70% それ以後の工程の熱回収:70% (赤字はディスポーザー使用時) 単位:MJ/d エネルギー投入 73.8×103 (116.4×103) 可溶化工程 濃縮工程 エネルギー投入 エネルギー投入 3.57×103 (5.63×103) 43.8×103 (69.0×103) エネルギー投入 37.0×103 (58.2×103) ケトン化工程 水熱ガス化工程 NH3分解工程 エネルギー投入 製品 エネルギー生産 0.66×103 (1.06×103) 燃料ガス 4918 (8002) m3/d → 124.6×103 MJ/d (202.8×103 MJ/d) H2 : 1416 m3/d (2232 m3/d) BTX化工程 製品 投入エネルギー合計 307.4×103MJ/d 398.9×103MJ/d BTX : 3.54 t/d (5.72 t/d) 余剰分:94.3×103 (243.6×103) MJ/d 消化汚泥からのガソリン製造に伴う物質・エネルギー収支

トピックス アンモニア(NH3)を水素と窒素に分解する触媒を開発 Fig.2 触媒活性の比較(水蒸気の影響)