千葉大学予防医学センター 臨床疫学 藤田伸輔

Slides:



Advertisements
Similar presentations
在宅医療のすすめ. 医療って何? あらためて聞かれると困りませんか? 命を救うこと 永遠に死なないってあり得ませんね! 苦痛を和らげること それは助かりますね!
Advertisements

健診時血圧 160/100 以上 ⑨ 市町村主催の 健康教室等へ の勧誘 健診時血圧 160/100 以上 健診時血圧 160/100 以上 健診時血圧 160/100 未満 かつ未治療 のもの 汎用性の高い行動変容プログラ ム 高血圧対策(案)
MSW の役割について 広島大学病院 薬剤部 藤田啓子. MSW の仕事とは? ・主に医療機関や老人保健施設、在宅介護支援センター等 に勤務し、医師・看護婦・理学療法士などと共に、 医療チームの一員として、患者さんとその家族への相談 やさまざまな援助を行っています。 ・社会福祉の専門家として、患者さんに関わる経済的、
カウンセリングナースによる 新しい治療システム -ストレスケア病棟での治療体験と カウンセリングナースの導入- 福岡県大牟田市 不知火病院 院長 徳永雄一郎.
1.高齢者の健康とその支援 2.保健・医療・福祉の連携
老後をみんなで考え、共に生きるためのシンポジウム
HOT Proj. マイカルテ サービス 共有カルテ サービス
看護師がお宅へ訪問し、 疾患や障がいを持っていても、 在宅で安心して生活してゆけるよう お手伝いします。
Ⅲ編 要介護・要支援認定特論 特定非営利活動法人ふくし@JMI 理事長 社会福祉士/介護支援専門員 小 湊 純 一.
社会福祉施設経営論.
高齢期に向けた住まいの充実と多機能化の推進
医療ソーシャルワーカーの相談・援助 医療ソーシャルワーカー 社会復帰援助 退院援助 受診・受療援助 経済的問題の解決援助 心理・社会的問題の
後期高齢者医療制度に関するQ&A Q1 後期高齢者医療制度は、なぜ創設されるのですか? ○ ○
重症心身障害児者等 コーディネーター育成研修 3 支援体制整備③ 医療・福祉・教育の連携
ホスピス外来における STAS-Jを活用した看護の実際
第3回はままつCDE研究会 アンケート集計結果
平成18年10月1日から 療養病床に入院する高齢者の 入院時の食費の負担額が変わり、 新たに居住費(光熱水費)の 負担が追加されます
9.医療制度と医療費 1.医療の供給と医療保険       2.医療費  .
後期高齢者医療制度では、生活を支える医療を目指します。
後期高齢者は、どのような医療が受けられるのですか?医療の内容が制限されるようなことはありませんか?
治療法は主に手術、薬物療法、放射線治療があります。
地域医療.
平成28年4月1日から 入院時の食費の負担額が変わり、 新たに調理費の負担が追加されます
在宅ホスピスケア実施におけるSTAS-Jの有用性
緩和ケア.
第6章 ホスピス・在宅ケアについて何を知っておくべきか?
健康寿命延伸産業分野における新事業活動のガイドライン(概要)
高齢者の救急搬送に係る意見交換会 資料7 1 意見交換会開催に至る経緯と今年度の取り組み  平成26年度    病院連絡会議にて,高齢者の救急搬送に関して,患者及び家族の延命治   療の希望確認ができているかの課題提起がなされた。  平成27年度   (1)介護サービス事業者協議会主催研修会および施設ごとの講演会の開催.
学習目標 1.在宅療養者の特徴を理解する. 2.在宅療養の成立条件を理解する. 3.地域社会やシステムの改善の必要性を理解する. 4.保健・医療・福祉の連携の必要性を理解する. 5.施設と在宅を結ぶ看護継続の視点を理解する. 6.在宅看護の継続の視点とそのしくみを理解する. SAMPLE 板書(授業終了まで消さない)
第2回 福祉の現在・現在 厚生労働省(2018) 障害者白書 厚生労働省(2016) これからの精神保健福祉のあり方に          関する検討会資料.
緩和ケアチームの立ち上げ ー緩和ケア医の立場からー
保 健 医 療 連 携 室  北海道立江差病院では、患者さまやご家族の皆様に、より良い医療・看護を効率的に提供できるように、地域における医療、介護福祉施設、関係機関と連携し、各機関・施設の機能と役割を最大限に発揮できるように、調整していくための窓口です。 ○ 診察療予約受付の流れ 報告書 □ 保健医療連携室 
特定健診・特定保健指導と 医師会の役割    平成18年12月20日 日本医師会常任理事        内田健夫.
地域医療構想と地域包括ケア 千葉大学予防医学センター 藤田伸輔 2016/7/2 新潟朱鷺メッセ.
公平・安定的な医療費助成の仕組みの構築(難病に係る新たな医療費助成の制度)
当院からのご案内 ★当院は中国四国厚生局から指定を受けた保険医療機関です。 ・ 個人情報保護法を順守しています 歯科疾患管理料について
介護保険請求 居宅療養管理指導費の請求方法
新たに在宅医療に取り組む方のための 研修教材のご案内
「“人生の最終段階における医療” の決定プロセスに関するガイドライン」
川村雄次 NHK 文化・福祉番組部 ディレクター
トータス往診クリニック 国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科 大橋 晃太
訪問診療申込書 北星ファミリークリニック行 記入者 所属 TEL: FAX:
各論1A【症例2】 訪問看護 1 痛みは緩和できているが寝たきり →本人の希望?ポート、カテーテルによる?
慢性期医療の視点から 読売新聞東京本社社会保障部 阿部文彦.
堺市二次医療圏「地域医療構想」現状と今後の方向性
交通アクセス お問い合わせ先はこちら 社会福祉法人 ヴィラージュ虹ヶ丘 神奈川県川崎市麻生区虹ヶ丘1丁目22番1-2号
PEACE Palliative care Emphasis program on symptom management and Assessment for Continuous medical Education 1.
重症心身障害児者等 コーディネーター育成研修 2 計画作成③ 重症心身障害児者等の ニーズ把握事例 ~久留米市のコーディネートの現状~
資料4 医療提供体制の現状に係る参考データ 【志太榛原医療圏】.
背景:在宅医療の現状と意義 入院・外来に次ぐ『第三の診療体系』として 入院 外来 在宅 意義 ・多様化する病態や『生き方』への対応
オフィス藤田 グループホーム燦々(さんさん) 看護師 介護支援専門員 古城順子
認知症ケアパス 在宅生活 家族 地域資源 気づき 軽度 認知症の度合い 重度 終末期 介護・福祉・住まい・住民 地域住民 保健・医療・看護
新たに在宅医療に取り組む方のための 研修教材のご案内
二次医療圏別:各種医療の自己完結率 資料3 <概要> ・各種医療について、各二次医療圏における自己完結率を示したもの
レセプトに関連する動向1 レセプトにまつわるトピック 労災レセプト 高齢者の一部負担金問題
ケアマネジャーの皆様 利用者さんのことでの悩みや困りごと ありませんか? 地域の訪問看護ステーションに ぜひ、ご相談ください ☎
先進予防医学共同専攻臨床疫学 臨床疫学とは 現在の取り組みと成果 研究材料・手法 未来のあるべき医療を見つめて改革の手法を研究します。 特徴
在宅医療施策の取組状況と今後の展開(案)
介護保険事業(支援)計画策定のための 地域包括ケア 「見える化」システム等を 活用した地域分析の手引き
模擬退院カンファレンス 退院後の療養計画立案を目指した模擬退院カンファレスを行いました。
平成24年度 診療報酬・介護報酬 W改定のポイント ~基 礎 編~
「効率的で質の高い医療提供体制の構築」と「地域包括ケアシステムの構築」(車の両輪)
老年看護学概論 第9回 「高齢者を支える社会資源」 担当:鈴木直美.
在宅医療をご存じですか? 編集:○○○○○ 訪 問 診 療 往 診 在宅医療を利用できる方(例) 在宅医療で受けられる主なサービス
目 次 第1章 大阪府保健医療計画について 1.医療計画とは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
平成18年10月1日から 療養病床に入院する高齢者の入院時の食費の負担額が 変わり、新たに居住費(光熱水費)の負担が追加されます
入退院時の多職種連携 医療機関の立場から 安佐北区介護支援専門員連絡協議会 定例研修会 2019年1月16日(水)
ケアセンターいぶきの今後、 伝えたいこと 地域包括ケアセンターいぶき  畑野 秀樹.
在宅医療をご存じですか? 編集:○○○○○ 訪 問 診 療 往 診 在宅医療を利用できる方(例) 在宅医療で受けられる主なサービス
私のカルテ 発熱性好中球減少に対する予防的G-CSF製剤使用のための地域連携パス(通称:G連携)
Presentation transcript:

千葉大学予防医学センター 臨床疫学 藤田伸輔 医療・介護のデータ解析 NDBとKDB 千葉大学予防医学センター 臨床疫学 藤田伸輔

在宅医療とは何か

LIFE 急性期医療 生命 生活 Life(生命) 医療 回復期医療 生命 生活 慢性期医療 生命 生活 Life(生活) 介護 在宅医療 生命               生活 Life(生命) 医療 回復期医療 生命               生活 慢性期医療 生命               生活 Life(生活) 介護 在宅医療 生命               生活

LIFE 看護はどこ? Life:人生 はどこ? 急性期医療 生命 生活 Life(生命) 医療 回復期医療 生命 生活 慢性期医療 生命               生活 Life(生命) 医療 回復期医療 生命               生活 慢性期医療 生命               生活 Life(生活) 介護 在宅医療 生命               生活 看護はどこ? Life:人生 はどこ?

在宅医療の種類 主治医意見書が起点 訪問介護なし 自宅療養 +外来通院 訪問介護あり 訪問看護あり 自宅療養 自宅療養 +訪問診療 施設療養 +外来通院 施設療養 主治医意見書が起点 施設療養 +訪問診療

在宅医療の対象疾患 短期医療 がん等終末期 認知症 難病医療 長期医療 脳卒中 人工呼吸器 心疾患 小児慢性疾患 精神疾患 知的障碍者

やりたい事・人生の振り返り・将来(死後)の希望・看取りの希望 がん終末期等 Life:人生 やりたい事・人生の振り返り・将来(死後)の希望・看取りの希望 Life:生活 食事・睡眠・排泄・整容・清潔 家族と患者さんの関係整備 Life:生命 安寧(肉体的・精神的苦痛の除去)

Lifeのバランスを考えよう Life:人生 Life:生活 Life:生命

https://www.youtube.com/watch?v=R-JykrXdkaw 虐待の危険はいたるところに(神戸市)

NDBとKDB ヒントはデータに。答えは皆さんの心の中に。

医療費のデータベース 社会保険、共済、国民健康保 険 国民健康保険 KDB (保険診療+特定健診+介 護) NDB(保険診療+特定健診+介護) KDB (保険診療+特定健診+介 護) 社会保険、共済、国民健康保 険 国民健康保険

第1回 医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議資料2-2(一部改変) https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000350567.pdf レセプト:医療機関が保険者(審査支払機関)に向けて発行する診療行為の月別報告書

第1回 医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議資料2-2(一部改変) https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000350567.pdf 医療:保険書通り 健診:社員証等

NDB・KDBで追跡できなくなる 保険者が変わった 勤務先を変えても保険者は同じ場合(同業者) 勤務先は同じつもりだが出向で保険者が変わる

第1回 医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議資料2-2(一部改変) https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000350567.pdf

医療費のデータベース 社会保険、共済、国民健康保 険 突合率が低い 被保険者住所 介護保険:40歳以上終末期等 NDB(保険診療+特定健診+介護) KDB (保険診療+特定健診+介 護) 社会保険、共済、国民健康保 険 突合率が低い 被保険者住所 介護保険:40歳以上終末期等 国民健康保険 突合率が高め 住民票住所 介護保険:適合率が高い

第1回 医療・介護データ等の解析基盤に関する有識者会議資料2-2(一部改変) https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000350567.pdf

https://www.kokuho.or.jp/hoken/kdb.html 2018.08.30 KDB等利活用部会 報告書

レセプト 外来レセプトは届け出診療科ごとに発行 入院レセプトは医療機関単位に発行 医療機関 審査機関 国・国保連合会 病名 診療行為実績 毎月報告 妥当性を審査 妥当:支払い 匿名化 NDB/KDB 査定支払い 異議 外来レセプトは届け出診療科ごとに発行 入院レセプトは医療機関単位に発行

NDB/KDBで得られない情報 生活保護者の医療費・介護費 小児慢性疾患の医療費 人口過疎地域のデータ 希少疾患のデータ 訪問看護の情報(紙データ) 匿名化時に少ないデータは秘匿化される

NDB/KDBを在宅の推進に利用すること 地域の医療介護の状況把握 在宅に特化せずに全体の一部としてNDB/KDBを使う おおよその傾向をつかむものとして利用 介護施設中心/施設と自宅の折衷/自宅中心 地域によって選択が必要 本来、選択するのは住民(ステークホルダーを間違わない) 病院での看取りは減らしたい 医療や介護の質をNDB/KDBで判断することは困難 そんなにたくさんする必要はない/できるはずがない

在宅医療推進で重視すべきこと 在宅死率 資源が少ない所 質の問題が大きい所 70% 90% 病院からの在宅 訪問診療 訪問看護 70% 90% 病院からの在宅 訪問診療 訪問看護 看護小規模多機能 在宅死率・(満足度)の公表

需要が変化時には病床数回復を保証:プール制 病床機能報告の推進:病床の適正化 レセプトベースで計算 後付の説明は反映されていな い 慢性期廃止への危惧 患者の評判の悪化 将来の不確実性 需要が変化時には病床数回復を保証:プール制 住民への説明 有床診療所・小規模多機能・デイへの転身