横国大理工 ○中津川博、木村優太朗、勢山峻平

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横国大理工 ○中津川博、木村優太朗、勢山峻平 日本金属学会秋期大会 (2012) 熱電材料 層状Co酸化物、及び、ペロフスカイトMn酸化物を用いた熱電発電素子の性能評価 横国大理工 ○中津川博、木村優太朗、勢山峻平 2012/9/18

研究背景 Bi2Te3 Mg2Si, MnSi1.75-γ CoSb3 NaxCoO2 Ca3Co4O9 CaMnO3 低温領域 中温領域 高温領域 低温領域 Bi2Te3 中温領域 Mg2Si, MnSi1.75-γ CoSb3 高温領域 NaxCoO2 Ca3Co4O9 CaMnO3 2012/9/18

研究目的 p n ・多結晶酸化物 ・高温で高い出力が期待できる ・高温で高い熱起電力が期待できる ・接触抵抗の低減により、高出力化が可能 ・高温熱源の利用が可能 2012/9/18

実験方法 n型熱電素子: Yb doped CaMnO3 p型熱電素子: Y doped Ca3Co4O9 固相反応法:Mn3O4 + CaCO3 + Yb2O3 → 固相反応法:Co3O4 + CaCO3 + Y2O3 → ③ [Ca2CoO3]0.62 CoO2 ④ [(Ca0.9Y0.1)2CoO3]0.62 CoO2 ⑤ [(Ca0.8Y0.2)2CoO3]0.62 CoO2 酸素雰囲気中920℃で焼成 ① Ca0.99Yb0.01MnO3 ② Ca0.9Yb0.1MnO3 大気中1300℃で焼成 ・X線回折測定(RINT2500, RIETAN-FP) ・中性子線回折測定(HERMES, PREMOS) ・電気抵抗率測定(ResiTest8300, ZEM-3) ・熱起電力測定(ResiTest8300, ZEM-3) ・比熱測定(DSC8500, TC-7000-R) ・熱拡散率測定(TC-7000-R) 熱電発電モジュール:①-④, ②-④, ①-③ 銀ペーストを塗布 銀シートで直列接続 6mm 6mm p n n p 6mm 6mm 6mm 6mm n p n型素子 p型素子 大気中850℃で焼成 2012/9/18

性能評価方法 n p 外部負荷 外部負荷電圧 外部負荷出力 電流 line profile 赤外線サーモグラフィー 電流 TC 銅製ヒーター 水冷ヒートシンク 外部負荷 電流 Temperature (℃) 開放電圧 line profile TC 銅製ヒーター: 100℃, 200℃, 300℃,                     400℃, 500℃   外部負荷電圧 外部負荷出力 アルミナ板 最大出力 銀シート n p アルミナ板 TC (11~13℃) 水冷ヒートシンク (2~4℃) 2012/9/18 電流 最大電流

X線回折測定 Ca0.99Yb0.01MnO3 Ca0.9Yb0.1MnO3 2012/9/18 Rwp=17.98% Rwp=11.53% Space group : Pnma a = 5.281Å b = 7.455Å c = 5.265Å Space group : Pnma a = 5.305Å b = 7.457Å c = 5.267Å 2012/9/18

中性子線回折測定 [Ca2CoO3]0.62 CoO2 [(Ca0.9Y0.1)2CoO3]0.62 CoO2 2012/9/18

熱電特性測定① 電気抵抗率 熱起電力 Y Y Yb Yb 2012/9/18

熱電特性測定② 熱伝導率 無次元性能指数 Yb 2012/9/18

熱電発電モジュール性能評価 2 np pairs 2 np pairs 2 np pairs n: ① Ca0.99Yb0.01MnO3 p: ④ [(Ca0.9Y0.1)2CoO3]0.62 CoO2 n: ② Ca0.9Yb0.1MnO3 p: ④ [(Ca0.9Y0.1)2CoO3]0.62 CoO2 n: ① Ca0.99Yb0.01MnO3 p: ③ [Ca2CoO3]0.62 CoO2 2 np pairs 2 np pairs 2 np pairs heater : 100, 200, 300, 400, 500℃ ⊿T : 51, 126, 189, 273, 355K MF = Rideal / Rreal = 0.6 heater : 100, 200, 300, 400, 500℃ ⊿T : 45, 92, 145, 218, 278K MF = Rideal / Rreal = 0.2 heater : 100, 200, 300, 400, 500℃ ⊿T : 45, 90, 145, 199, 257K MF = Rideal / Rreal = 0.5 2012/9/18

1 pair 当たりの性能評価① n: ① Ca0.99Yb0.01MnO3 p: ④ [(Ca0.9Y0.1)2CoO3]0.62 CoO2 12.8 355 355 2012/9/18

1 pair 当たりの性能評価② n: ② Ca0.9Yb0.1MnO3 p: ④ [(Ca0.9Y0.1)2CoO3]0.62 CoO2 2012/9/18

1 pair 当たりの性能評価③ n: ① Ca0.99Yb0.01MnO3 p: ③ [Ca2CoO3]0.62 CoO2 2012/9/18

2012/9/18

まとめ 熱電発電モジュールの温度差⊿Tを精確に見積もり、温度差⊿Tに基づいて性能評価することが重要である。 酸化物熱電モジュールでは、MF比の高い組み合わせでPNペアを構築する必要がある。 今回、温度差355Kで、1 PNペア当たり12.8mWの最大出力が得られた。 2012/9/18

Thank you for your kind attention. 日本金属学会秋期大会 (2012) 熱電材料 Thank you for your kind attention. 2012/9/18