リサイクル工学特論 ~imai/recycle/recycle.html

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リサイクル工学特論 http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/recycle/recycle.html 今井 剛(環境共生系専攻)

3.3~5章は省略 6章にジャンプします。 第6章 p.85~p.99 6.1 燃焼工学の基礎 6.2 燃焼形態と装置

6.1燃焼工学の基礎 (p.85) 6.1.1 燃焼の形態 燃焼とは・・・光と熱を伴う化学反応。反応によって発生する熱エネルギー 気体の燃焼           などによって自発的に反応が継続する現象 気体の燃焼 予混合燃焼方式・・・予め燃料と空気を均一に混合して燃焼 拡散燃焼方式  ・・・燃料と空気別々に供給し、拡散混合して燃焼 予混合燃焼方式 拡散燃焼方式 特徴:未燃焼部と既燃焼部が分かれている 特徴:全体的にすすの発光により黄色い     明かりとなる

蒸発燃焼・・・表面から蒸発してきた揮発分が空気と混合して燃焼 液体燃料の燃焼 蒸発燃焼・・・表面から蒸発してきた揮発分が空気と混合して燃焼 液体燃料の燃焼方式 噴霧燃焼方式・・・燃料を微細な粒径の油滴群に霧化して燃焼 蒸発燃焼方式・・・燃料油を材料に付着させ蒸発を促進させて燃焼

ガス化燃焼・・・揮発分を含む燃料(石炭・プラスチックなど)では燃焼によって 固体燃料の燃焼 ガス化燃焼・・・揮発分を含む燃料(石炭・プラスチックなど)では燃焼によって             加熱・熱分解を伴いながら揮発分が酸素と混合して燃焼 表面燃焼 ・・・ コークスや分解燃焼後の固定炭素が表面で酸素と反応             (赤熱するだけで炎は発生しない) 固体燃料の燃焼方式    火格子燃焼・・・火格子上に広げた燃料の固定層を空気が通過する間に    (ストーカ燃焼)   燃焼する方式    流動床燃焼・・・流動させた高温の砂に燃料を接触させ燃焼     微粉燃焼 ・・・燃料を微粉砕し、バーナーから高温炉内に空気とともに噴出

(標準状態0℃、1気圧での体積を表し、「ノルマルm3」と読む) 6.1.2 廃棄物燃料の特性 燃料は化学的なエネルギーを内蔵しているが,そのエネルギーはそのままでは利用することができない.そこで,燃料を燃焼することにより化学的エネルギーを熱エネルギーに変換し,その熱エネルギーを有効に利用している. 熱エネルギー (発熱量) 燃料 燃焼 ◇発熱量・・・1kgの燃料(固体,液体)、または1m3Nの燃料(気体)が完全燃焼したときに発生する熱量 (標準状態0℃、1気圧での体積を表し、「ノルマルm3」と読む)

発熱量 高位発熱量・・・燃焼ガス中の生成水蒸気が凝縮したときに得ら れる凝縮潜熱を含めた発熱量           れる凝縮潜熱を含めた発熱量       (1)日本の総合エネルギー統計 (2)日本の火力発電所の発電効率 (3)日本のCO2 排出量計算に使用される発熱量 (4)日本の都市ガスの取引基準 低位発熱量・・・水蒸気のままで凝縮潜熱を含まない発熱量     低位発熱量 = 高位発熱量 - 水蒸気の潜熱×水蒸気量 (1)ボイラ設備の熱効率 (2)ディーゼルエンジン,ガスエンジン,ガスタービンなどの原動機の熱効率 (3)コージェネレーション設備の性能表示

温度が上昇下降したときに 変化する熱が『顕熱』 状態が変化するだけで 温度の変わらない熱が『潜熱』

・ 炭水化物 :代表としてセルロース [C6(H2O)5] 都市ごみ可燃主成分 ・ 炭水化物 :代表としてセルロース [C6(H2O)5]            C : 44.4%、H : 6.2%、O : 49.4%            => 紙類、厨芥、草木などの元素組成は類似 ・石油系製品:炭化水素化合物(ポリエチレン)、含酸素化合物(PET)            含窒素化合物(ナイロン)、含塩素化合物(PVC) 発熱量 高い: 炭水化物、炭化水素化合物 低い: 含酸素化合物 > 含窒素化合物 > 含塩素化合物

ごみの元素組成分析・・・多くの手間や労力が必要 ◇元素組成の推定      ごみの元素組成分析・・・多くの手間や労力が必要 ①基本的推算法・・・ ごみの物理組成の各成分を累積加算 ↓ 乾燥ごみ1kgに計算  水分を考慮 Pa:紙類 P:プラスチック類 Ga:厨芥類 Ce:繊維 Ba:木竹 Rr:その他  V:可燃分量 C = 0.4210・Pa +0.7211・P +0.4512・Ga +0.5179・Ce +0.4911・Ba +0.4005・Rr H = 0.0656・Pa +0.1110・P +0.0612・Ga +0.0660・Ce +0.0635・Ba +0.0511・Rr N = 0.0035・Pa +0.0055・P +0.0315・Ga +0.0367・Ce +0.0078・Ba +0.0218・Rr S = 0.0003・Pa +0.0004・P +0.0009・Ga +0.0022・Ce +0.0001・Ba +0.0007・Rr O = 0.4038・Pa +0.0693・P +0.3251・Ga +0.3449・Ce +0.4162・Ba +0.2918・Rr Cl = 0.0019・Pa +0.0337・P +0.0030・Ga +0.0049・Ce +0.0014・Ba +0.0027・Rr V = 0.8961・Pa +0.9410・P +0.8729・Ga +0.9726・Ce +0.9801・Ba +0.7686・Rr O = V - ( C + H + N + S + Cl )

講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 本日の宿題 可燃ごみを乾燥して(含水率45%)、物理組成(乾基準)が 次のように測定されたとき、湿りごみ1kg中の可燃分量V(%) 及び各元素量(%)を推定せよ。 (紙類:48.18%、プラスチック類:19.09%、厨芥類:11.82%、 繊維類:3.64%、木竹類:4.54%、その他:0.91%、大型不燃 物:11.82% )※湿りごみへの換算が必要 提出期限:次回講義日 講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 注意事項:ホッチキスでとめないこと、       折り曲げないこと、すべてのページに記名のこと

リサイクル工学特論 http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/recycle/recycle.html 今井 剛(環境共生系専攻)

燃焼性の良否の判断、処理設備の設計及び性能判断 発熱量の推定 燃焼性の良否の判断、処理設備の設計及び性能判断 ①三成分値による推定・・・ ごみの三成分(可燃分,水分,灰分) の値から低位発熱量(HL)を求める HL=α・B - 25・W α : 可燃分の高位発熱量[kJ/kg]を100で除した値 B : ごみ中の可燃分[%]  W : ごみ中の水分[%] ②物理組成による推定・・・ プラスチック類とその他の可燃物に 分けて低位発熱量(HL)を求める HL=β( B´- P ) + γ・P - 25・W β :180~190   γ : 310~340 B´: ごみ中の可燃物割合[%] P : ごみ中のプラスチックの割合[%]

Hh = 339.4( C - ( 3/4 )O ) + 1435.1h + 238.8・( 3/4 )O + 94.3・S ③元素組成による推定・・・ ごみの元素組成(炭素C,水素H,硫黄S,酸素O [%])から高位発熱量を求める Dulongの式:可燃分中の酸素はすべてH2Oの形で存在していると仮定 (デュロン) Hh = 339.4・C + 1435.1( h - O/8 ) + 94.3・S Steuerの式:可燃分中の酸素の1/2はCOとして、他の1/2はH2Oの形で          結合していると仮定。都市ごみでは、一番の適応性。 (シュトイエル) Hh = 339.4( C - ( 3/8 )O ) + 238.8・( 3/8 )O + 1435.1( h – O/16 ) + 94.3・S Steuer-Kestnerの式:可燃分中の酸素は炭素とCOの形で結合していると仮定 (シュトイエル-ケストネル) Hh = 339.4( C - ( 3/4 )O ) + 1435.1h + 238.8・( 3/4 )O + 94.3・S ④炉熱精算による推定・・・ ごみ焼却量,蒸気発生量,排ガス量などの運転データを用いて熱収支からごみの低位発熱量を求める

廃棄物1kg中 C:炭素[kg] H:水素 S:硫黄[kg] O:酸素[kg] N:窒素[kg] W:水分[kg] 6.1.3 燃焼計算 理論量の定義 理論酸素量 ・・・燃料を完全燃焼させるのに必要な酸素量 理論空気量 ・・・燃料を完全燃焼させるのに必要な空気量 理論燃焼ガス量 ・・・理論空気量によって完全燃焼させた時に生成する    燃焼ガスの量 元素 原子量 完全燃焼反応式 C H S O N 12 1 32 16 14 C + O2 → CO2 H + ¼ O2 → ½ H2O S + O2 → SO2 O - ½ O2 → 0 N → ½ N2 理論酸素量  O0 [kmol/kg-燃料] O0 [kmol/kg-燃料] = ( C/12 ) + ( H/4 ) + ( S/32 ) - ( O/32 ) 廃棄物1kg中 C:炭素[kg] H:水素 S:硫黄[kg] O:酸素[kg] N:窒素[kg] W:水分[kg] 理論空気量 L0 [kmol/kg-燃料] = O0・( 22.4/0.21 )

大 :λ λ: L(燃焼空気量) = λ・L0 [m3N/kg-燃料] 燃焼空気量 実際には空気不足が生じて未燃性ガスやすすが発生するため、理論空気量よりも多く空気を供給する ↓ 空気比(air ratio) 空気過剰率(excess air factor) :λ L(燃焼空気量) = λ・L0 [m3N/kg-燃料] 気体燃料(都市ガスなど):λ=1.1~1.3 液体燃料(重油など)  :λ=1.2~1.4 固体燃料(石炭)   :λ=1.4~2.0 λ: ごみ質が低い(低位発熱量が低い) 燃料と空気が混ざりにくい 大 排ガス中の 酸素濃度を測定 λ = 21/( 21 - O2 [%]) [O2]:乾き燃焼ガス中の酸素濃度[%]

廃棄物1kg中 C:炭素[kg] H:水素[kg] S:硫黄[kg] O:酸素[kg] N:窒素[kg] W:水分[kg] 燃焼ガス量 VW(湿り燃焼ガス量) [m3N/kg] = 22.4×( C/12 )      + 22.4×{( H/2 ) + ( W/18 )}      + 22.4×( S/32 )      + 0.21(λ-1 )・L0      + 0.79・λ・ L0 + 22.4×( N/28 ) = 1.867C + 11.2H + 1.244W + 0.7S + 0.8N + (λ- 0.21) L0 VD(乾きガス量)= 1.867C + 0.7S + 0.8N + (λ- 0.21) L0 ・・・CO2の生成 ・・・H2Oの生成 ・・・SO2 ・・・余剰のO2 ・・・空気のN2+生成N2 廃棄物1kg中 C:炭素[kg] H:水素[kg]  S:硫黄[kg] O:酸素[kg] N:窒素[kg] W:水分[kg] 元素 原子量 完全燃焼反応式 C H S O N 12 1 32 16 14 C + O2 → CO2 H2 + 1/2 O2 → H2O S + O2 → SO2 O - 1/2 O2 → 0 N → ½ N2 L0:理論空気量 λ:過剰空気率

廃棄物1kg中 C:炭素[kg] N:窒素[kg] W:水分[kg] VD:乾きガス量 L0:理論空気量 燃焼ガス組成 ・・・燃焼炉・ボイラなどの設備設計は燃焼ガス量。    ガス分析では水蒸気除去のため渇きガス基準。 主なガス組成の計算 CO2 = 1.867×(C/VD)×100  [%]  O2 = 0.21×{( λ-1 )・ L0}/ VD×100 [%]  N2 ={0.79λ・ L0 + 0.8N}/ VD×100 [%] 廃棄物1kg中 C:炭素[kg] N:窒素[kg] W:水分[kg] VD:乾きガス量  L0:理論空気量 SO2,HCl,NOx,CO,HCは微量のため無視する

= 燃焼ガス温度 入熱 HL + Cf・T0 + L・Cpa・Ta 出熱 VW・Cpg・Tg + α・HL Tg(燃焼ガス温度) VW [m3N/kg] 燃焼ガス温度 燃料 発熱量HL [kJ/kg] 顕熱Cf×T0 [kJ/kg] 放熱損失 α・HL [kJ/kg] 燃焼空気 L [m3N/kg] 入熱 HL + Cf・T0 + L・Cpa・Ta 出熱 VW・Cpg・Tg + α・HL = Tg(燃焼ガス温度)        = (HL + Cf・T0 + L・Cpa・Ta - α・HL )/(VW・Cpg) HL :ごみの低位発熱量[kJ/kg]  Cf(1.256):ごみの比熱  T0 (20):供給時のごみの温度[℃] L:燃焼空気量[m3N/kg]  Cpa :燃焼空気の平均定圧比熱[kJ/m3N・℃]  Ta:燃焼空気温度[℃]   α(0.03):諸熱損失の燃料入熱に対する割合  HL :低位発熱量[kJ/kg]  TW:湿り燃焼ガス量[m3N/kg] Cpg:燃焼ガスの平均定圧比熱[kJ/m3N・℃]  Tg:燃焼ガス温度[℃] 

燃焼ガスの平均定圧比熱 終了 Cpg = ∑(C’p × m1) Tgを計算 Tg = Tg’ Tg ≈ Tg’ No Yes Tg’を仮定 T(℃) H2 N2 O2 CO H2O CO2 SO2 Air 1.282 1.301 1.307 1.492 1.609 1.740 1.297 100 1.293 1.303 1.318 1.501 1.714 1.821 200 1.299 1.308 1.335 1.518 1.804 1.897 1.309 300 1.305 1.316 1.356 1.320 1.536 1.880 1.966 400 1.326 1.379 1.330 1.559 1.944 2.026 1.331 500 1.337 1.400 1.344 1.583 2.009 2.077 1.343 600 1.311 1.348 1.419 1.359 1.607 2.062 2.121 700 1.315 1.360 1.437 1.373 1.634 2.109 2.159 1.370 800 1.319 1.374 1.453 1.388 1.662 2.149 2.191 1.386 900 1.324 1.387 1.467 1.401 1.690 2.187 2.220 1.399 1000 1.480 1.415 1.712 2.219 2.245 1.412 Cpg = ∑(C’p × m1) Tgを計算 Tg = Tg’ No Tg ≈ Tg’ Yes 終了

講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 本日の宿題 可燃ごみを乾燥して(含水率45%)、物理組成(乾基準)が 次のように測定されたとき、このごみを1kgを燃焼させるた めに必要な燃焼空気量を求めよ。ただし、空気比λは1.7と する。 (紙類:48.18%、プラスチック類:19.09%、厨芥類:11.82%、 繊維類:3.64%、木竹類:4.54%、その他:0.91%、大型不燃 物:11.82% )※湿りごみへの換算が必要 提出期限:次回講義日 講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 注意事項:ホッチキスでとめないこと、       折り曲げないこと、すべてのページに記名のこと

リサイクル工学特論 http://ds.cc.yamaguchi-u.ac.jp/ ~imai/recycle/recycle.html 今井 剛(環境共生系専攻)

6.2 燃焼形態と装置 その他 シャフト炉式 キルン式 流動層(床)式 ストーカ式 燃焼(マスバーン)炉 廃棄物 燃焼装置 シャフト炉式 ・実績多く、技術的確立度が高い ・情報量が多く運転管理が容易 ・必要に応じて灰溶融設備が必要 ・小規模から大規模まで実績がある 廃棄物 燃焼装置 シャフト炉式 キルン式 流動層(床)式 ストーカ式 ガス化溶融炉 シャフト炉式 キルン式 流動層(床)式 熱分解炉 ガス化改質炉 ・溶融設備が一体化 ・歴史が浅く、運転管理が未知数 ・150~200トン/日の施設が稼働 (スケールアップが課題) ・ダイオキシン類など排ガス処理性能に大きな差異はない ・建設コストも同様 => 処理状況によってシステムを選択

6.2.1 ストーカ式燃焼炉 おき燃焼 ストーカ式燃焼炉の燃焼概略図 <ごみの燃焼過程> ごみ 乾燥 ガス化燃焼 火炎燃焼 おき燃焼 灰 表面燃焼は一般におき燃焼と俗称され、固体表面での酸化反応 よって行われる燃焼。表面燃焼は木炭のように可燃成分が炭素のみの固体 燃料における燃焼形態(炎を出すことのない)である。 ごみ投入ホッパ 焼却炉 CO2, NOx など ごみ 2次燃焼用空気 2次燃焼用空気 H2O HCl, CO2 NOx, SOxなど CmHn, CO, NH3など 乾燥帯 N2, O2など 定量供給装置 燃焼帯 乾燥ストーカ おき燃焼帯 燃焼ストーカ 後燃焼ストーカ 灰 1次燃焼用空気 ストーカ式燃焼炉の燃焼概略図 <ごみの燃焼過程> 水蒸気 還元性ガス 輝炎 余剰酸素 ごみ 乾燥 ガス化燃焼 火炎燃焼 おき燃焼 灰 定量供給装置 乾燥ストーカ 燃焼ストーカ 後燃焼ストーカ 灰搬出装置

攪拌によるごみの均一化 ストーカ式燃焼炉の特徴 ストーカ式燃焼炉の注意点 ・廃棄物の燃焼においてもっとも歴史が長い => 情報量が多い ・紙類、段ボールくずなど廃棄物層として通気性があり比較的発熱量の   高い固形廃棄物の燃焼に適す。 ・水分が多いものでも、燃焼調整が可能。 ・幅広いごみ質(HL = 3300~14600kJ/kg)に対応 ストーカ式燃焼炉の注意点 ・熱変性を生じる発熱量の高い物質 ・落じんの多い物質 ・高含水物質 ・機械的障害物が極度に偏在する場合 攪拌によるごみの均一化

6.2.2 流動層式燃焼炉 ①流動床式燃焼炉(バブリング流動層式) 炉体:円筒型、角型 炉床の上に砂などの流動媒体(粒径0.4~2mm程度のケイ砂)が一定の高さ(静止時500~1000mm)まで充填される 燃焼の流れ 通気孔から通風 → 流動媒体が懸濁・沸騰 →流動層形成 → ゴミ投入 → 流動媒体と接触し燃焼 → 燃焼残差は炉底部から排出(流動媒体は分離・再利用) 特徴 1.幅広い廃棄物の焼却 一般廃棄物、し尿・下水汚泥等の低カロリーごみから廃タイヤ、廃プラスチック等の高カロリーのごみまで、ごみ質を選ぶことなく処理することが可能。 2.環境負荷低減 高温燃焼によりダイオキシン類を分解するなど公害防止も万全。 3.高効率廃棄物発電 排ガス再循環を用いた高温高圧ボイラで熱回収し、高効率発電が可能。

6.2.3 回転式燃焼炉(ロータリーキルン) 特徴 ・構造が簡単 ・炉容量が比較的大きい ・広範囲の廃棄物を処理可能 油泥、塗料かす、プラスチック類などの多岐にわたる産業廃棄物処理で普及しているが、都市ごみでの採用は少ない。 並流式:低含水率で高い発熱量の廃棄物やその他の可燃性廃棄物に適用。 向流式:廃水処理汚泥などの高含水率で低い発熱量の廃棄物に適用。

炉内は高温還元雰囲気に保持されているため、鉛などの低沸点の重金属の揮散を促進することで溶融スラグを無害化する 6.2.4 ガス化溶融炉 直接型熱分解溶融方式(シャフト炉) 溶融スラグ スラグ・メタルの分解 による有効利用化 事前処理不要 溶融炉へのごみ投入にあたって事前選別・乾燥粉砕等の事前処理が不要 還元雰囲気 炉内は高温還元雰囲気に保持されているため、鉛などの低沸点の重金属の揮散を促進することで溶融スラグを無害化する 廃棄物 溶融帯 (1700~1600℃) (1000~1700℃) 燃焼帯 (300~1000℃) 熱分解ガス化帯 (300~400℃) 乾燥・予熱帯 ガス回収・エネルギー回収 空気 空気+O2 高温燃焼により排ガス中のダイオキシン類の濃度も低く、スラグ中にも含まれない。

直結型熱分解溶融方式(キルン式・流動床式) ・熱分解炉、燃焼溶融炉、選別設備から構成 ・直接型熱分解溶融方式 => 一体方式 ・直結型熱分解溶融方式 => 分離方式 基本的構造 ・熱分解炉、燃焼溶融炉、選別設備から構成 外熱キルン式、流動床式 キルン式熱分解ガス化溶融システムフロー 廃棄物 高温焼却溶融炉 排ガス処理設備 熱分解ドラム ボイラ 熱分解ガス 集じん 高温燃焼 熱回収 排気 破砕 熱分解 有害物質 加熱 選別設備 スラグ 高温蒸気 熱分解残渣 排ガス処理残渣 有価物回収 カーボン残渣 発電 鉄 アルミニウム

特徴 ①高温燃焼によるダイオキシン類低減など環境負荷が小さい ②自己熱溶融によるエネルギー費が少ない ③金属回収やスラグの利用などによる再資源化が可能 建設実績が増加 キルン式熱分解溶融炉 流動床式熱分解溶融炉

ガス化改質・・・熱分解後の可燃性ガスを回収して利用するもの 6.2.5 ガス化改質炉 ガス化改質・・・熱分解後の可燃性ガスを回収して利用するもの 特徴・・・ダイオキシン類の発生抑制       発生ガス・熱分解炭素を使って残渣を溶融可能

講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 本日の宿題 ダイオキシンの毒性について調べよ。 どのような毒性を持ち、どの程度の摂取量で致 死の危険性があるかなど。 提出期限:次回講義日 講義終了時に出席レポートの次に重ねて提出 注意事項:ホッチキスでとめないこと、       折り曲げないこと、すべてのページに記名のこと