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Published byこうしろう かに Modified 約 7 年前
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第4章 ABC/ABMと原価情報 原価計算・原価低減の新技法 1.ABCとは何か 2.ABCの有効性 3.ABMとは何か 4.ABMの有効性
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1. ABCとは何か ABC開発の背景: ABCは、間接費を活動(activity)と呼ばれる基準に分解した。
ABC(activity-based costing){活動基準原価計算} ABC開発の背景: →伝統的な原価計算に間接費の配賦問題を解決するために考え出された原価計算技法。 →間接費の配賦問題とは間接費とその製品への配賦基準との間に比例関係がないために、間接費を正確に製品原価に配賦できないという問題。 ABCは、間接費を活動(activity)と呼ばれる基準に分解した。 活動とは、ある機能の目的を遂行するのに必要とされる行為(桜井[1995])である。
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伝統的な原価計算とABCとの違い 図4-1 伝統的な原価計算 ABC 間接費 間接費 製造部門費 製造部門費 活動原価 活動原価 製品 製品
発生額と 配賦基準との間に 比例関係が あるかないか? 直接作業時間 などによる配賦 活動回数など による配賦 製品 製品 製品 製品 活動原価がある行為のために発生した費用であるため、行為の回数といった活動原価の発生額と比例関係にある基準を見つけやすい。
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伝統的な原価計算とABCの計算例 表4-1 原価計算の前提条件 製品A 製品B 合 計 生産個数 900個 100個 1,000個
表4-1 原価計算の前提条件 製品A 製品B 合 計 生産個数 900個 100個 1,000個 直接材料費 直接労務費 製造間接費 90万円 20万円 10万円 直接作業時間 直接作業時間/個 材料受入回数 段取回数 品質検査回数 梱包回数 90時間 0.1時間/個 10回 10時間 100時間 20回
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表4-2 間接費の配賦計算
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表4-3 製造原価 表4-4 1個当たり製造原価
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計算の結果 伝統的原価計算:配賦基準→直接作業 A:200万円/100=2万円*90時間=180万円
B:200万円/100=2万円*10時間=20万円 ABC:配賦基準→活動 ex)材料受入:200万円/4活動=2.5万円*10回=25万円 各活動別に計算し、総計はAは100万円、Bは100万円 製品A,Bの製造原価:表4-3 1個当たりの製造原価:伝統的な原価計算はABCに比べて単位原価を、製品Aの場合889円多く、製品Bの場合の単位原価を8000円少なく計算している。
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2.ABCの有効性 Column コスト・ドライバー
物流や販売にかかわる間接費を配送先や販売先別に計算できるから、物流や販売についての意思決定に有効な情報を提供できる。 Column コスト・ドライバー コスト・ドライバー(cost driver {原価作用因})とは、活動原価を増減させる要因である。したがって活動原価の配賦基準はコスト・ドライバーと考えられる。
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3. ABMとは何か 活動基準の意義 原価低減技法:原価を活動原価に分解することでそれぞれの活動原価のコスト・ドライバーを把握できる。
どの活動原価を削減することが合理的かを明らかにできる。 →顧客満足の向上に役に立つか否かによって付加価値活動と非付加価値活動に区分し、非付加価値活動を原価低減対象にする。 全体として最適な原価低減の方向性を示す。
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図4-4 PLAN DO SEE ABMのステップ プロセス分析 プロセス改善 改善効果測定 プロセスの識別 活動の抽出 活動属性の設定
活動原価の測定 コスト・ドライバー 付加価値構造の検討 改善の方向性決定 改善効果測定 PLAN DO SEE
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プロセス分析 →目的は原価低減の機会がプロセスのどこにあるのかを発見するとともに、それに向けたコンセンサス形成や効果測定のためのデータを入手である。 プロセス改善 →目的はプロセスの改善をとおして顧客満足を下げずに原価低減を果たすことである→活動の効率化や合理化 改善効果測定 →プロセス改善の効果は、原価低減額や企業利益の改善額などの財務的成果に加えて、コスト・トライバーに基づく指標といった財務的成果を生み出す要因となる尺度によって測定される。継続的な改善のために、改善効果の測定尺度が業績評価基準として組み込まれる。
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4. ABMの有効性 ABMはプロセスを構成する活動に着目して、顧客満足の向上の視点からプロセスの改善を行い、原価を低減するための技法である。 特徴 部門別予算管理に基づく管理会計技法に比べて、部門で行われる間接業務の費用対効果やそのコスト増減要因の把握を容易にする。 部門横断的なプロセス全体の最適化をにらんだ経営資源の配分を促進すること→間接費低減やリエンジニアリングの技法として注目されている。
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まとめ ABCは間接費を活動基準で分解することによって、伝統的原価計算に比べて間接費の精度が高い配賦を可能とする原価計算技法である。 →そのため、ABCは製造間接費だけでなく物流費、販売費、本社費などの間接費にも利用され、その原価情報は意思決定に活用される。 ABMはプロセスを構成する活動に着目して、顧客の視点に立ったプロセスの改善をとおして原価低減を促す管理会計技法である。
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4章で学んだキーワード ABC 活動 間接費 コスト・ドライバ 死の循環 少量多品種化 ABM 顧客満足 付加価値活動 非付加価値活動
顧客満足 付加価値活動 非付加価値活動 プロセス 活動属性 リエンジニアリン
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