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Published byみさき ちゅうか Modified 約 7 年前
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“You can not teach anyone anything, you can only help them find it within themselves.”-
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目から鱗は自分が素敵
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よくある自動思考 =向上心という名の恐喝犯 (押売りより悪質)
「名医」願望 よくある自動思考 =向上心という名の恐喝犯 (押売りより悪質)
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「名医」になれない自分 無数の代用エンドポイントを取り上げ、自分を攻撃する
中心静脈が入らない 医療面接がうまくない スタッフとのコミュニケーションが下手 挿管ができない 英文の論文を書いたことがない 留学したことがない 医療経済のことを知らない 教授になれない 神経内科が苦手
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目の前の患者さんの喜ぶ顔を見たいがために、一生成長し続けようとする素敵な自分
医師は一生勉強し続けなければならない ↑ 自分は勉強嫌いと決めつける 愚かな誤り 目の前の患者さんの喜ぶ顔を見たいがために、一生成長し続けようとする素敵な自分
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「自分が神経内科が苦手である」 と、「思っている」
私は神経内科が得意である 「自分が神経内科が苦手である」 と、「思っている」
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あなたは神経内科を苦手にする「こつ」を知っているから!
なぜ自分は神経内科が 苦手なのか? あなたは神経内科を苦手にする「こつ」を知っているから!
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神経内科を苦手にするこつ 神経内科が苦手だと思う 少し神経内科を勉強する でも苦手意識がなくならない もう少し勉強する
まだ苦手意識がなくならない もっと勉強する それでも苦手意識がなくならない やっぱり自分はだめなんだと思う
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自分が神経内科が苦手であるとするエビデンスは?
ランダム化群間比較試験なし コホート研究もなし
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エビデンスはない! あるのは,自分は神経内科が苦手であるとする「信仰」だけ
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あなたが神経内科が苦手であるとするエビデンスは無い!
苦手な神経内科を克服する 神経内科をどうやって使えば、自分と患者さんが幸せになれるか?
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非専門医の方が難しい環境に =鍛えられる&上達する
より雑多な集団を常に相手にしているから
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では学習の優先順位は? 問診←言語化なし&患者に直結 診察←問診が不可欠 検査←患者から遠ざかる 疾患の知識←どこにでも転がっている
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ー診察の嘘と問診の真実ー 問診に対する苦手意識→興味への変換
神経診断の鍵は神経診察である →嘘!病歴8割,診察2割 →嘘!問診無くして診察なし 問診は職人芸である →嘘!患者さんが教えてくれる
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神経内科を「使う」自分との出会い 問診との出会い 物語の軸との出会い 人間軸,時間軸,空間軸 空間軸(場面設定)のこつとの出会い
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神経病ほど問診が重要な疾患はないと思う。誇張ではなく、診断の八割くらいは、これでおおよその見当がつく
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患者さんが教えてくれる 「朝目がさめる。起きて顔を洗う、歯を磨き、ひげをそる。家族と話しながら朝食をとる。コーヒーを飲みながら新聞に目を通す。ネクタイを締め、洋服を着、クツをはいて出かける。いつも混んだ電車に乗り、幸い足も踏まれずに駅におりる。さあ、会社では山積みの仕事だ。こんな日常のなんでもない生活や動作の、どれひとつをとってみても、脳や神経系の働きなしにはうまくできないものばかりです。・・・」 (『日常の中の神経学』 より)
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病歴の感度 Lou Gehrigの場合 Kasarskis EJ, Winslow M. When did Lou Gehrig's personal illness begin? Neurology 39: From: OGATA, Sent: 2006年12月4日 21:01:04 To: 池田 正行 Cc: 宮武 聡子 Subject: おみやげ写真です(尾方) Auto forwarded by a Rule 池田正行先生 尾方です。11/29-12/2に,ALS/MNDの国際会議に行ってまいりました。 Closing sessionで,L.Gehrigの話がありました。1938年の映画Rawhideに出演したと きに,Gehrigに所見があったか,という内容でした。ALSFRSを呈示してウケてました。 添付はその講演のスライドの1枚です。1938年シーズン中の写真らしいです。演者は 所見がない,と言っていたようですが,左のECRLは凹んで萎縮しているように見えま す。この年は例の,Gehrigの打率が急降下したシーズンでした。 出典がわからないのですが,先生のスライドにいかがかと思い,お土産です。 (宮武先生,私の理解が間違っていましたら訂正メールください)
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43歳の男性:無呼吸を疑われ紹介来院 3ヶ月前から瞼が何となく重く(閉じるまでいかない)睡眠不足かと思っていた。 まぶたをあげようと努力しているので同僚から人相が悪くなったといわれる。左 へ振り返ったときに一瞬ものが二重に見えることが時々あり、片目をつぶればはっ きり見える。同じ頃からからつばやものが飲み込みにくいと感じる事がありのど が狭くなった(少し体重が増えたので)と思った。1ヶ月前から食事(特に量の 多いとき)の後半になると顎が疲れてうまくかめなくなり時間がかかるようになっ た。(やすめばもどる)同時にこのころからシャンプーをしていると右手が重く なり支えないと頭まであがらなくなる。(休めば治る) ところで、この病歴を聴いて学生さんはおそらく疾患を思い浮かべて聞い たのだろうと思いましたが、思い浮かべることは難しかったのでなるべくご不自 由に思っていることを一生懸命聴いたそうです。聴く態度があれば疾患が思い浮 かばなくても良い病歴がとれるものだと感心しました。 19
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問診がないと診察ができない理由 今,神経症候の診察は,じゅうたん爆撃のようにやたらめったらしまくるのではなく,検査を選ぶように診察項目を選んでやらなくてはいけないと申し上げました.その理由の一つをここに示します.これは平山恵造という,偉い偉い神経内科の先生が書いた有名な本です.全部で1300ページほどあります.ここに書いてある神経学的診察を全部やっていったら1週間あっても10日あっても足りません.医者も患者さんも1週間合宿しないと全部の所見をとりきれないぐらいです.現実には不可能です.現実には限られた外来時間の中で診察項目を絞っているわけです.しかし,それが一体どういう基準によるものか.誰も教えてくれません.なぜでしょうか?秘密にしなければならない理由があるのでしょうか? 20
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問診・診察の学び方の原理原則 患者さんに教えてもらう・助けてもらう
道徳・倫理ではなく 学習戦略!
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診療の原点としての問診・診察 患者に助けてもらう,教えてもらう存在 道徳ではなく,基本的診療戦略
問診・診察そのものが教えてもらう行為 問診:何が困っているのかを教えてもらう 診察:どうして困っているのかを教えてもらう 非言語性メッセージを引き出す 治療が始まった後も,モニタリング・評価のために問診,診察を継続し,繰り返す 問診・診察は,相互学習の過程
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なぜ患者に教えてもらうのか? 偉い先生は教えてくれない・助けてくれない 患者は教えてくれる・助けてくれる いつもそばにいない 答えを知らない
目の前にいる 教えてくれる 問診で病気の歴史を 診察で病気の状態を もちろん答えも
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神経内科を使う「自分」との出会い 問診との出会い 物語の軸との出会い 人間軸,時間軸,空間軸 空間軸(場面設定)のこつとの出会い
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三手詰 脳卒中はどちら? 昏睡 81歳男性 昏睡 18歳女性
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脳卒中はどちら? 昏睡 81歳男性 昏睡 18歳女性 年齢・性別という人間軸
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脳卒中はどちら? 65歳男性 今朝起床時に左の手足に力が入らない 65歳男性 半年前からペットボトルの蓋が開けにくくなった 20
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脳卒中はどちら? 65歳男性 今朝起床時に左の手足に力が入らない 65歳男性 半年前からペットボトルの蓋が開けにくくなった
経過という時間軸,場面という空間軸
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神経内科を「使う」自分との出会い 問診との出会い 物語の軸との出会い 空間軸(場面設定)のこつとの出会い 人間軸,時間軸,空間軸
リカちゃんハウスとプラレール
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日常生活動作 家の中と外
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患者さんが教えてくれる 「朝目がさめる。起きて顔を洗う、歯を磨き、ひげをそる。家族と話しながら朝食をとる。コーヒーを飲みながら新聞に目を通す。ネクタイを締め、洋服を着、クツをはいて出かける。いつも混んだ電車に乗り、幸い足も踏まれずに駅におりる。さあ、会社では山積みの仕事だ。こんな日常のなんでもない生活や動作の、どれひとつをとってみても、脳や神経系の働きなしにはうまくできないものばかりです。・・・」 (『日常の中の神経学』 より)
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プラレールの病歴 徒歩で駅まで要する時間:筋力低下+固縮寡動 駅前の放置自転車の間を抜ける:姿勢反射
駅の階段を上る,降りる:筋力・痙性,運動失調 車内で立っている:姿勢反射 つり革に掴まる:上肢筋力 網棚に荷物を上げる:上肢筋力 座席から立ち上がる:姿勢反射+(下肢近位筋) 電車通勤一つとっても,このように多くのチェック項目が出てきます.そしてその中では,この3つの変性疾患の鑑別に役立つ項目もあります.筋力低下ばかりではない.固縮・寡動,姿勢反射障害,筋緊張,運動失調と,様々な能力から成り立っているから,電車通勤に関する問診
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自動車の運転が怖い 脊髄小脳変性症 パーキンソン病 ハンドル:遅い アクセル:遅い ブレーキ:遅い ハンドル:切りすぎ アクセル:踏込み過ぎ
ブレーキ:急
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ではリカチャンハウスでは?
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リカチャンハウスでのチェックポイント
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トイレ動作の障害
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トイレ動作のチェックポイント 立ち上がり:洋式,和式 手すりの位置:左右・縦横 お尻を拭けるか 下着を下ろす動作の速度 部屋の広さの影響
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風呂場, 洗面・脱衣所での障害 湯船の出入り 右手(左手)で頭をうまく洗えない 頭を洗うとき腕が疲れやすい シャンプーが目に入ってしまう
顔を洗うときふらつく 着替えが遅い パンツを下ろす:立って?座って?
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ダイニングキッチンの障害
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台所での障害 パーキンソン病 米をとぎにくい 生卵をときにくい 炒め物が苦手 脊髄小脳変性症 漬物の切り方が不揃い
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電話
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電話が嫌いになる ー聞き取りにくいと文句を言われるー
声が小さい・早口:パーキンソン病 酔っ払い:脊髄小脳変性症 声がかすれる:ALS
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会話の負荷と問診の感度 負荷軽:家族と直接話す→感度低 負荷中:他人と直接話す→感度中 負荷重:他人と電話で話す→感度高
単に,ろれつが回りにくいですかという病歴ではなく,電話で話すとき聞き取りにくいと言われて,電話が嫌いになりませんか? 電話での会話障害の問診は感度がずっと高くなる
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書斎での障害
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書字障害の問診 量・質の負荷 大量に書く:年賀状 他人にわかりやすいように書く お客さんへの領収書 教師の板書 キーボードの神経学はこれから
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着替え,整容 ボタンをはめにくい ズボン・スカートを立って穿けずに座って穿く 上着の袖を通すのが困難 着替えそのものが遅くなる 髪を梳かす
手の筋力低下 ズボン・スカートを立って穿けずに座って穿く 体幹失調 or 下肢近位筋筋力低下 上着の袖を通すのが困難 上肢近位筋力低下 着替えそのものが遅くなる 髪を梳かす
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問診アルゴリズムの解明 ー神経疾患問診鑑別診断バッテリー
日常生活動作やいつもの仕事での障害を聞き出すことにより神経疾患の診断が誰でも簡単にできるような問診表を作りたい
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病歴の勉強のこつ 典型的な症例の病歴を心得ておく 国家試験の症例問題,教科書,昔の症例報告 患者さんの話に興味を持つ 仲間の話に興味を持つ
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問診の学習法 日常生活動作障害を記録する 後日,確定診断からのフィードバック 結果を仲間と共有する:共育
リカチャンハウスとプラレールに沿って 後日,確定診断からのフィードバック それぞれの訴えの感度・特異度を掴む 結果を仲間と共有する:共育 同僚,指導医,研修医,医療従事者
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診察の学習法 脳卒中患者さんに教えてもらう
患者さんに貢献できる・喜ばれる コミュニケーション ADL障害の評価:日常生活で困ること 急性期→慢性期:経時的変化が追える 病巣との対応が明確 健常側と病側の比較ができる 症状が多彩
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町医者になって:亀井三博先生 医者は一生勉強しなければならない,と勤務医時代は自分に強いてきた。研修医のころはハリソンを読めという指導医の言葉に従い,ことあるごとに苦行僧のようにハリソンを開いていた。 しかし町医者になって,一生勉強の意味が変わってきた。日々学んだことがすぐに応用できる。そして何より自分の勉強が患者さんの,ご家族の笑顔につながるのが実感できる。医者は一生勉強ができる幸せな仕事である。 週刊医学界新聞 > 第2992号 2012年09月03日
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