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目 次 【府市の文化施設】 【全国や近隣府県との比較】 【府市施設の現状】 【経営形態の現状と課題】

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0 文化施設 これまでの検討の状況 第14回大阪府市統合本部会議資料 文化施設TF(A項目・博物館群WG)報告資料 資料3-10(1)
文化施設 これまでの検討の状況 文化施設TF(A項目・博物館群WG)報告資料 TFリーダー TFサブリーダー  【市ゆとりとみどり振興局文化部】  【府府民文化部都市魅力創造局】   岸本博物館群担当部長   玉谷文化課参事

1 目 次 【府市の文化施設】 【全国や近隣府県との比較】 【府市施設の現状】 【経営形態の現状と課題】
目   次 【府市の文化施設】 【全国や近隣府県との比較】 【府市施設の現状】 【経営形態の現状と課題】  文化施設の対象・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 3 施設の位置図・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・6 全国の文化施設の状況・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 8 府市の入館者数の推移・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 9 国立や近隣府県立の主要館との比較・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ 10 収蔵品(コレクション) ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ 12 専門職員・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 13 施設別の収支状況・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ 15 職員の状況・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 19 現運営法人と施設・事業・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 22 現運営法人と府市の関係・ ・・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 23 各施設の運営形態の推移・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 24 現状の課題・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・25 指定管理者制度の課題・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 26 統合の方向性と期待される効果 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・・ 29 今後の経営形態・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 31 <参考>・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・35

2 府市の文化施設

3 文化施設の対象 ~府市の全文化施設~ ・文化施設ごとに詳細な実態把握を行う。
文化施設の対象 ~府市の全文化施設~ ・文化施設ごとに詳細な実態把握を行う。 ・関連施設を洗い出し、中核となる文化施設とその他の施設を分類して、今後のあり方を検討。 とされた文化施設について、まず、次表のとおり施設のリストアップと基本データの収集を行った。 表1 府・市の文化施設とその概要

4 文化施設の対象 ~一体運営の対象施設~ 1.文化施設の分類 ② ① 2.対象施設の選定 ③
文化施設の対象 ~一体運営の対象施設~ 1.文化施設の分類 府市が管理等を行う文化施設の範囲に入ると考えられる施設について、事業内容や専門性、継続性、収益性などの観点から、以下の3つに類型化する。 ・展示系(博物館、美術館等) ・ホール系(文化ホール、体育館) ・図書館 ホール系施設については、収益性が見込まれ、民間の経営ノウハウを活かした効率的な管理運営が期待でき、既に指定管理者制度を活用。図書館は収益性がなく、市町村等と密接に連携しながら運営しており、展示系やホール系と運営方法の特性が異なるものである。 ⇒展示系施設に絞ってさらに対象施設の選定を行う。 展示系文化施設について、さらに以下の3つに細分し運営組織の一元化をはかる施設を選定抽出する。(表2) ・①ミュージアム系施設(5~14):専門分野の資料を収集・保管・展示等を通じて、文化の向上や学術の発展に寄与するための博物館・美術館。 ・②公園系施設(1~4):公園と一体となって設置し運営されている動・植物園などの施設や野外の展示施設。 ・③ガイダンス系施設(15~24):特定の事業の普及や広報を目的に設立された施設。 公園系(4を除く)やガイダンス系の施設については、それぞれ公園や本体事業と一体で施設運営を行うことがより効率的であると思われることから、運営組織の一元化の対象からは除く。 表1 文化施設の特徴 2.対象施設の選定 表2 展示系とした施設の一覧と選択結果

5 文化施設の対象 ~府3館・市6館~

6 施設の位置図 大阪府の施設 大阪市の施設 府は遺跡に立地する考古系博物館2館と、屋外に建造物を展示する博物館を整備。
市は昭和の初期から、市内の半径5Kmの範囲内に、相当な規模の6施設を整備。 府・市ともに、公園内に立地あるいは隣接するケースがほとんど。 大阪府の施設 大阪市の施設

7 全国や近隣府県との比較

8 全国の文化施設の状況 ~施設数と入館者数の推移~
全国の文化施設の状況 ~施設数と入館者数の推移~ 美術館や歴史博物館はこの20年間で約1.8倍になるなど、文化施設数は増加する一方、入館者数は頭打ちにあり、1館あたりの入館者数は全国的に減少傾向にある。 歴史=4.6万人、美術7.4万人、科学13.2万人が全国平均(平成19年度実績) 施設数(登録博・相当施設) 入館者数(年間) 施設あたり入館者数(年間) 百万人 千人 美術館 美術館 歴史 科学 歴史 美術館 科学 総合 総合 歴史 総合 科学 出典:社会教育調査(文科省)  注:施設あたり入館者数は単純に総入館者数から施設数を除したものであり、必ずしも各館の平均値ではない。

9 府市の入館者数の推移 府はスケールが市の1/10と小さいが、指定管理導入以降、入館者数は増加傾向にある。
市は全国平均を大きく上回る。天守閣と科学館・自然史は増加、東洋陶磁・歴博は横ばい、美術館は減少傾向にある。 大阪府・3館の入館者数 大阪市・6館の入館者数 全国ミュージアム 入場者トップ10 (万人) (万人) 指定管理導入 指定管理導入 天守閣 施設名 万人 東京国立博物館 242 国立新美術館 240 国立科学博物館 177 九州国立博物館 160 金沢21世紀 152 広島平和記念 140 国立西洋美術館 129 江戸東京博物館 116 国立国際美術館 97 鉄道博物館 96 近つ 科学館 弥生 美術館 民家 歴博 出典)総合ユニコム  レジャーランド&  レークパーク総覧2011 自然史 注)入場者数は常設展示、特別展示等を合計した延べ人数

10 国立や近隣府県立の主要館との比較 ~入館者数の推移~
国立や近隣府県立の主要館との比較 ~入館者数の推移~ 歴史系は全国的に近年落ち込んでいる中で、天守閣と歴博は比較的堅調。 同じく美術館系も落ち込む中で、国立美術館や他の主要な美術館と比較しても遜色ない実績。 自然・科学系では、近隣の主要館と同等、もしくは上回る実績。 歴史系施設 美術系施設 自然・科学系施設 千人 千人 千人 出典:社会教育調査(文科省)

11 ~ 国立や近隣府県立の主要館との比較 ~規模と収蔵品数~ 大阪歴史博物館は、施設規模・収蔵品とも近隣の主要館よりやや大規模。
国立や近隣府県立の主要館との比較 ~規模と収蔵品数~ 大阪歴史博物館は、施設規模・収蔵品とも近隣の主要館よりやや大規模。 市立美術館は、施設規模・収蔵品とも近隣の主要館よりやや大規模。 自然史・科学館は、近隣主要館に比べやや小規模だが、自然史の資料数は上回る。 歴史系 美術館系 (㎡) 自然・科学館系 (㎡) (㎡) (千点) (千点) (千点) 収蔵資料数 収蔵資料数 収蔵資料数

12 収蔵品(コレクション) ~収蔵品の内容や評価~
収蔵品(コレクション) ~収蔵品の内容や評価~ 府・市で国宝2件、重要文化財等38件を所蔵 国宝8件、重要文化財138件を預かる 9館で合計38,127百万円の資産 主要館での国宝等収蔵状況【ただし、公表分に限る】 【館蔵品の例】 名    称 種別 保管場所 1 綾本墨書明王贈豊太閤冊封文 重文 大阪歴史博物館 2 紙本金地著色関ヶ原合戦図〈/八曲屏風〉 6 紙本金地著色大坂夏の陣図〈/六曲屏風〉 大阪城天守閣 7 紙本金地著色南蛮人渡来図〈/六曲屏風〉 12 尾形光琳関係資料 小西家伝来 一括で33件 大阪市立美術館 20 蘇軾書李白仙詩巻   蔡松年以下五跋 35 飛青磁花生 国宝 東洋陶磁美術館 36 油滴天目茶碗 附髹漆天目臺三箇 39 旧椎葉家住宅(旧所在 宮崎県東臼杵郡椎葉村) 民家集落博物館 40 民家(白川の合掌造) 重民 【寄託品の例】 名称 種別 保管場所 所有者 1 金銅石川年足墓誌 附木櫃残欠 国宝 大阪歴史博物館 93 銅鐘 建長三年七月ノ銘アリ 重文 大阪市立美術館 大阪・長宝寺 134 銅手錫杖 奈良・新薬師寺 137 銅錫杖頭   銘文各に長谷寺、建長三年八月一日、大勧進定阿弥陀仏 奈良・長谷寺 【館蔵品と評価額】) 大阪歴博 天守閣 弥生文化 近つ飛鳥 民集 美術館 東洋陶磁 自然史 科学館 小計 資料数 118,888 約110,000 約20,000 約14,000 12棟 約8,000 約4,000 1,459,618 12,286 約178万 金額 1,526 1,093 564 791 74 4,356 29,437 264 22 38,127

13 ~ 専門職員 ~人材とスキル~ さまざまな分野の研究者(専門人材)を有する 年間平均100本以上の論文等を発表
専門職員 ~人材とスキル~ さまざまな分野の研究者(専門人材)を有する 年間平均100本以上の論文等を発表 近隣の主要館・研究機関に匹敵する科研費獲得 千円 施設・機関名(※1) 専 門 分 野 研究者数 論文等(過去5年) 新聞掲載(同) 外部資金(過去10年) 大阪歴史博物館 日本民俗学・環境民俗論、日本考古学・弥生時代研究、歴史学・考古学、美術史・工芸史、考古学・動物遺存体、考古学・日本と朝鮮半島の交流史、考古学、美学美術史・日本近世絵画史、歴史学・日本近世史、歴史学・日本中世史・都市史・宗教史、建築史学・古代東アジア建築史、歴史学・日本近現代都市史、日本歴史・考古学、日本文化史、歴史学・日本近世史、考古学、美術史・服飾史、日本民俗学、日本芸能史、建築・建築史、日本史 20 123 17 32 年平均 24.6 3.4 3 大阪城天守閣 考古学、歴史学(織豊期政治史、近世庶民信仰史、大阪地域史)、歴史学・日本近世史・地域史、歴史学・日本近世史・地域史、歴史学・日本近世史、歴史学・日本近世史 5 30 2 4 6 0.4 大阪市立美術館 日本近代美術史、東洋陶磁史・煎茶文化史、中国書法史、中近世日本絵画史、美術史学・日本美術工芸史、中国・彫刻、日本近世絵画史、仏教美術 8 50 15 10 東洋陶磁美術館 芸術学・東洋陶磁史、東洋陶磁史、美術史・東洋陶磁史、美術史・陶磁史・日韓近代美術史、美術史・陶磁史・考古学 49 7 14 9.8 1.4 1 自然史博物館 動物学・海産無脊椎動物、地質学・微古生物学・博物館学、第四紀学・古脊椎動物学、魚類学(ウナギ目魚類の分類)・博物館学、鳥類生態学(都市で繁殖する鳥類の研究)、底生生物学・動物生態学・動物行動学、昆虫分類学・昆虫移動調査、昆虫分類学・自然史学、昆虫分類・系統学・行動学、植物生態学・菌類学、植物生態学・希少植物種の保全生物学、新生代古植物学、第四紀地質学(火山灰層序)、堆積学・環境地質学・博物館学 104 33 35 20.8 6.6 大阪市立科学館 科学史・天文学史・日本の天文学史、惑星科学・太陽系固体小天体(流星・彗星・小惑星)、宇宙物理学・宇宙論・銀河団ガス、天文学・観測天文学・X線天文学、物理・核物理・原子核構造理論、化学・無機化学(元素・周期表・金属・香料)、物理学・理論物理学・素粒子論、化学・高分子化学・プラスチック、物理学・物性物理・光学現象、天文学・電波天文学・星形成、天文学・銀河系天文学・星団 11 41 26 22 8.2 5.2 大阪文化財研究所 日本古代史、日本・韓国考古学、日本考古学・古墳時代~古代、地質学・第四紀学、日本考古学・韓国考古学・中近世城郭、朝鮮考古学・日朝関係史、東アジア考古学・ヨーロッパ陶器、日本考古学・古墳時代・東アジア交流史、パブリック考古学・英国考古学、日本考古学・武器武具、日本・中国考古学・仏教考古学、日本考古学・弥生~古墳時代、文化財保存科学・金属技術史、日本・韓国考古学(農耕・墓制)、考古学・東アジアの旧石器時代、地質学・第四紀学・層序学、東洋史・日中都城の比較・中国の陵墓、日本・韓国考古学、陶磁器・GIS、アジア考古学・シルクロード・鉄、日本考古学・住居、文化財保存科学、日本考古学・寺院・瓦、日本考古学・玩具、日本考古学、旧石器・古墳 24 134 21 26.8 合計 87 610.4 151 155.2 122.08 30.2 15.52 (※1):下線は科学研究費補助金指定学術研究機関 (※2):一部の例外を除いて、科学研究費のみの集計 文部科学省科学研究費 採択件数・配分額 単位:千円 平成23年度 平成22年度 平成21年度 平成20年度 平成19年度 合計 採択件数 奈良文化財研究所 31 79,170 37 91,117 38 122,785 36 131,950 35 121,610 177 546,632 奈良県立橿原考古研 8 24,050 5 21,800 9 47,050 13 54,340 15 66,060 50 213,300 (財)元興寺文化財研 6 23,400 11 21,110 23,300 23,010 14 31,850 55 122,670 滋賀県立琵琶湖博物館 17 13,130 25,480 12,220 7,020 7 8,370 51 82,210 京都国立博物館 4 2 9,750 12,610 3 13,780 19,820 69,090 大阪文化財研究所 9,100 13,390 15,470 5,980 7,070 21 51,010 大阪市立自然史博物館 21,580 7,930 6,760 7,540 1,900 27 45,710 奈良国立博物館 1 1,430 10,790 9,230 21,320 2,860 10 45,630 兵庫県立人と自然博 5,720 6,370 4,420 12,560 24 42,200 京都国立近代美術館 10,530 12,480 33,540 大阪歴史博物館 4,550 3,900 10,140 7,150 5,050 30,790 (財)大和文華館 6,890 5,070 1,040 700 20,850 東洋陶磁美術館 3,510 4,810 2,340 2,470 3920 19 17,050 (公財)泉屋博古館 2,080 1,690 3,770

14 府市施設の現状

15 施設別の収支状況 ~市施設の事業費内訳の推移~
施設別の収支状況 ~市施設の事業費内訳の推移~ 各館とも総事業費(棒グラフ)を抑えてきた。 人件費の抑制に努めるが、(施設)管理費の削減には限界がある。 展覧会費、改修費は低く抑えられて推移。 (百万円) 歴博 (百万円) 美術館 (百万円) 東洋陶磁 (百万円) 自然史 (百万円) 科学館 (百万円) 天守閣

16 施設別の収支状況 ~市施設の収入内訳の推移~
施設別の収支状況 ~市施設の収入内訳の推移~ 天守閣は、観覧料を主とする7億円前後の収入がある。 美術館は平成18年度を除いて、横ばいからやや下降。 他は、僅かずつではあるが、増収傾向。 (百万円) (百万円) 美術館 (百万円) 東洋陶磁 歴博 (百万円) (百万円) (百万円) 自然史 科学館 天守閣

17 施設別の収支状況 ~府施設の事業費内訳の推移~
施設別の収支状況 ~府施設の事業費内訳の推移~ 平成18年度の指定管理導入以降、特に人件費の抑制に努めている。 民家集落支出 弥生博支出 (百万円) (百万円) 近つ博支出 (百万円) ←大規模改修 ※府施設の収入は、過去の入館料収入が不明なため(収入のほぼ全てが受託事業収入なため)省略。引き続き分析する。

18 施設別の収支状況 ~投入された公費と単価の推移~
施設別の収支状況 ~投入された公費と単価の推移~ 府・市ともに、投入する公費については、かなりの幅で縮減してきた。 あわせて、観覧者数を確保し、一人当たりの観覧者に要する公費を下げてきた。 百万円 投入された公費 一人当たりの入館者に要した公費

19 職員の状況 ~雇用形態別・職種別の状況(大阪府3館)~
職員の状況 ~雇用形態別・職種別の状況(大阪府3館)~ 府3館合計(H22年度・20人) 大阪府は派遣職員を全て引き上げ、プロパーと非常勤のみ。 プロパーの9割が学芸員で、非常勤の7割が事務 近つ飛鳥(9.5人) 弥生文化(7.5人) 日本民家(3人)

20 職員の状況 ~雇用形態別・職種別の状況(大阪市6館)~
職員の状況 ~雇用形態別・職種別の状況(大阪市6館)~ 大阪市は派遣職員が多く、全職員の4割、プロパーの3.5倍 学芸員の8割弱は派遣職員 市6館合計(H22年7月1日・136人) 美術館(18人) 東洋陶磁(10人) 歴博(27人) 自然史(24人) 科学館(28人) 天守閣(23人)

21 経営形態の現状と課題

22 現運営法人と施設・事業 ~職員数と事業費支出~
現運営法人と施設・事業 ~職員数と事業費支出~ 【大阪府文化財センター】 69人/1,747百万円 【大阪市博物館協会】   151人/3,737百万円 総務企画部        【職員10/支出  ― 】 総務部        【職員  14/支出 154】 施設合計  【職員21/支出 353】 施設合計 【職員106/支出 2,218】 近つ飛鳥  【職員9.5/支出 160】 歴史博物館 【職員27/支出 664】 指定管理 弥生文化  【職員8.5/支出 140】 自然史   【職員26/支出 332】 民家集落  【職員 3/支出 43】 天守閣   【職員25/支出 681】 自主事業 ※府が一部運営費補助 指定管理 美術館   【職員18/支出 347】 東洋陶磁  【職員10/支出 194】 受託事業 (発掘調査) 自主事業 (付帯事業) 調査部   【職員38/支出 1,392】 付帯事業  【職員 1/支出  67】 受託事業 (発掘調査) 文化財研究所【職員30/支出 1,298】 注) ・職員数(常勤・非常勤の合計)、事業費ともH22度数値 ・市は法人の総事業費から施設部門と発掘部門を除いたもの  を、総務部に計上。 ・府は発掘部門を特別会計にしておらず、管理部門の算出が   できないため調査部に差引額を計上 【大阪科学振興協会】   29人/ 251百万円 指定管理 科学館    【職員29/支出 251】

23 現運営法人と府市の関係 大阪府 大阪市 所管:教育委員会 所管:ゆとりとみどり振興局 教育委員会 運営費補助 指定管理(非公募)
所管:ゆとりとみどり振興局   教育委員会 運営費補助 指定管理(非公募) 指定管理委託 (各館個別・公募) 職員派遣 なし 職員派遣 あり 職員派遣 あり 指定管理委託 (5館一括・非公募) 管理監督 管理監督 委託料 (利用料金制) 委託料 (利用料金制) 大阪府文化財センター 大阪科学振興協会 大阪市博物館協会 発掘調査部門 日本民家集落博物館 弥生文化博物館 近つ飛鳥博物館 科学館 大阪城天守閣 自然史博物館 大阪歴史博物館 東洋陶磁美術館 美術館 発掘調査部門 事業者 負担 国庫 寄附 事業者 負担 開発事業者 開発事業者

24 各施設の運営形態の推移 24 府市ともに管理委託(直営除く) ← → 府市ともに指定管理制度導入 近つ飛鳥博物館 府文化財センター
府市ともに管理委託(直営除く) ← → 府市ともに指定管理制度導入 H18  H19  H20  H21  H22  H23  H24~ <府教育委員会所管> 【公募】 【公募】~H27 H5 H14 近つ飛鳥博物館 博物館 協会 文化財 センター 府文化財センター 府文化財C・近鉄ビルサービスグループ H2 弥生文化博物館 府文化財センター 【非公募】 同上 日本民家集落博物館 H9 ※集落博物館は財団法人の直営施設で、府は運営費を補助 <市教育委員会所管> 【非公募】 【非公募】 【非公募】~H25 科学館 H1 科学振興協会 科学振興協会 【直営】 美術館 市博物館協会 S57 東洋陶磁美術館 市美術振興協会   市美術振興協会 H13 大阪歴史博物館 市文化財協会   市文化財協会 【直営】 自然史博物館 H19度から ゆとりとみどり局所管 <市ゆとりみどり局所管> H10 大阪城天守閣 大阪観光コンベンション協会(学芸員は直営) 24

25 現状の課題 ①指定管理者制度の課題 ②運営上の課題 単独館での頑張りには限界がある 1.継続性が確保されない 1.設置主体や運営法人の違い
・作品の長期観察と保全、継続的な調査・研究に支障 ・府市の間で、協働や連携は、作品貸借や講演会等の共催にとどまる ・大型展覧会など中長期的な事業の計画・実施が困難 ・市では、二法人で運営するため、一体的事業展開には制約が残る ・信頼関係に基づく、作品の収受や貸借が困難 2.経費縮減の影響 ・人材の長期的雇用が困難で、有用な人材(専門職)が集まらない ・特別展規模の縮小、展示更新の中断など、コンテンツの劣化が進行 2.管理代行者の自主性が発揮しづらい ・利用者の安全確保や、快適な展示・収蔵環境の保持に影響が出る ・自主的経営努力が発揮しづらく、臨機に柔軟な運営には限界 単独館での頑張りには限界がある

26 指定管理者制度の課題(1)~作品の引揚や制度適用の見直し~
一旦、指定管理を導入しながら、直営へ戻したケース(足利市美術館、藤枝市郷土館等)が発生。 また、公募から非公募へ変更するケース(長野信濃美)も発生。 必ずしも集客に直結せず、作品の引揚げなどトラブルが発生している。 日本経済新聞2006(平成18)年12月9日  管理代行者の内訳 読売新聞2012(平成24)年5月17日  『社会教育調査-平成20年度結果の 概要(平成22年3月、文部科学省)』 『公立の美術館・歴史博物館の組織・ 運営状況に関する調査結果の概要』 (文化庁 平成19年2月)

27 指定管理者制度の課題(2) ~全国の主要館の状況~
指定管理者制度の課題(2) ~全国の主要館の状況~ 公募▲の場合、小規模館ほど指定期間が短く、大規模館ほど長期の傾向にある。 公募8年の大規模館(東京都※印)でも今後、特定事業者プロポーザル方式(指名)に移行予定。

28 指定管理者制度の課題(3) 博物館施設への短期・公募による導入は、長期や非公募と比べ、次のように課題が多い。 指定管理(公募・短期)
指定管理(長期や非公募) 安定的な運営 契約期間毎の交代もあり得、安定しない 長期的で安定した運営 効率的な運営 (経営効率化) 選定時の競争により、低コストの運営計画が期待 利用料金制を活用し、長期間で、まとまった剰余金の留保や有効活用ができる サービスの質 安定的な雇用が保障されないため、人材の流出が懸念 人材が固定しないため、寄託品の引き揚げや、信頼関係に基づく他館との作品貸借ができなくなる 選定時の競争により、企画力やアテンド等のサービスの向上が期待される 経験者の配置ができ、安定雇用を前提に、有用な人材の確保が期待できる コンテンツの維持や拡充、他館との貸借、大規模展の計画・開催、継続的な調査・研究とその成果還元などが期待できる 中・長期的な目標・計画を策定し、その評価に基づくサービス向上が期待できる まとめ 短期での交代が前提では、中・長期的視点に立った業務の企画・実施や評価に基づく改善は期待できない 作品関係者との信頼関係喪失は、コンテンツの弱体、事業魅力の低下につながる 中長期の安定的な運営を前提に、専門人材の確保、信頼関係の維持、インセンティブの引き出し、業務サイクルの確立など、サービス向上が期待できる。

29 大阪の歴史に限らず、広く東アジアの自然・文化・芸術を扱う「大阪総合博物館」を実現!
統合の方向性と期待される効果 ~一体化の姿~ 【前提】 ①幅広い分野の専門館 ②充実した規模・資料・人材 ③長年の経験・実績 ④都市に立地する好条件 ⑤これまでの統合経過 複数館の一体的運営を行うことで、設置主体や運営法人の違いを解消し、連携や協働によるコンテンツの充実など、統合効果を引き出す。 【案1】:府市の垣根を越えた分野ごとの一体化 ①府の考古系2施設等と民家集落博物館に、市の歴史博物館および天守閣を加えて一体的に運営し 弥生時代~「大大阪時代」までを網羅する大阪の歴史系博物館ネットワークを構築する。 ②美術系の2館、③自然・科学系の2館を括り、歴史系と同様、事業内容の充実や効率的運営をめざす。 【より大きなスケールで】 【案2 】:さらに分野の垣根を越えた一体化(次頁図) 府・市の幅広い専門館の資料と人材を集積し、資金融通や効果的投資を行うことで、新たな統合効果を引 き出すとともに、共同広報や共通チケット等による利用者サービスの向上めざす。 大阪の歴史に限らず、広く東アジアの自然・文化・芸術を扱う「大阪総合博物館」を実現!

30 歴史分野おける内容充実と、美術・自然史など関連分野との協働や保存科学での貢献を通じ、「総合」博物館としての機能向上を実現。
統合の方向性と期待される効果 歴史分野おける内容充実と、美術・自然史など関連分野との協働や保存科学での貢献を通じ、「総合」博物館としての機能向上を実現。 美術系 自然・科学系 大阪市立美術館 自然史博物館 日本と東洋の古美術 中国青銅器・彫刻・書画 絵画 金属・工芸 動物・昆虫・植物・ 第四紀・地史 歴史・文化財分野 弥生文化博物館 弥生時代専門館 同時代のアジア史 近つ飛鳥博物館 古墳時代専門館  国家形成・国際交流 東洋陶磁美術館  中国・朝鮮 等の陶磁器 難波宮 大坂本願寺 天下の台所 大大阪時代 大阪歴史博物館 大阪市立科学館 物理・天文・ 化学・科学史 大阪城天守閣 豊臣・徳川時代 郷土資料 西洋・日本の近代美術 現代美術・デザイン 近代美術館 民家集落博物館 日本初の野外博物館 摂津能勢の民家(重文)他12棟 30

31 今後の経営形態 ~めざすべき方向と課題整理~
今後の経営形態 ~めざすべき方向と課題整理~ 0.何が問題か?  ・従前の統合は「寄せ集め」の域を出ず、自館中心の発想が課題 【改めて現状をみると】 【めざすべき方向】 1.安定的な事業実施のための継続性確保 ・資料の保存と継承や継続的な調査・研究 ・準備期間を要する大規模展覧会等 ・寄託者など関係者との長期に渡る信頼関係の構築 ・有用な人材の安定的確保 1.対象施設を、府・市の3法人で、指定管理者制度等によって運営して いるため、法人を超えた人材交流や資金の融通は困難。 2.府の施設は公募で選定。現在は財団と民間事業者とのJVによる指 定管理であるが、これまで民間事業者単独の応札は限定的だった。 3.市の施設は非公募だが、人材採用では有期(短期)となり、応募者が 激減。 4.指定管理は条例設置施設の管理「代行」に過ぎず、法人の自主性の 発揮や、臨機に柔軟な運営を行うには限界。 2.学芸人材の交流を基礎とした連携効果の引出し ・人材の異動等で業務の変化に臨機に対応 ・さまざまな業務経験を通じたマネジメント人材の育成 ・展覧会事業等における協働や広報手法の共有化と共同広報 ・学芸員相互の知識・経験・技術の交流 3.施設等の相互利用や資金の効果的活用 ・他館の施設や設備の相互利用 ・資金の融通を通じた効果的でメリハリの利いた運営 ・本部を中心に寄付金や競争的資金を獲得し、各館へ配分 事業の継続性確保、人材交流と資金融通等による運営(一体化)効果の引出しには、 1.地方独立行政法人化による一体的運営 もしくは、 2.公益法人による、事業の特性に配慮した指定管理者制度の活用 が選択肢となる。 4.自主性の発揮や意欲の出る体制づくり ・人事や資金面などで法人が自主性を発揮できる ・インセンティブの利く制度設計(利用料金制度) ・人材交流促進、能力に応じた評価・処遇

32 今後の経営形態 ~再編の手法と経営形態の選択肢~
今後の経営形態  ~再編の手法と経営形態の選択肢~ 法人の再編・統合の選択肢 博物館群運営・文化財発掘調査 運営法人 【A案】 一体型 A案 府の1法人と市の2法人を統合し博物館、美術館、科学館の施設運営と、文化財発掘調査事業を担う法人とする  ◆府博物館3施設  ◆市博物館3、美術館2、科学館1 ◇府文化財発掘調査 ◇市文化財発掘調査 【B案】 分離型 博物館群運営と文化財発掘調査事業を分離し、それぞれを担う二つの法人として府・市の業務を再編する 博物館群運営法人 文化財発掘調査法人 【B’案】 分離型 大学版 B案の派生型として、文化財発掘調査部門を公立大学の附属研究機関とする。 B案  ◆府博物館3施設  ◆市博物館3、美術館2、科学館1 ◇府文化財発掘調査 ◇市文化財発掘調査 経営形態の選択肢 地方独立 行政法人 事業の継続性を確保し、自立的、安定的な法人運営を実現するため、地方独立行政法人化 <課題> ①法令改正必要(文化財を含む場合は法改正必要) ②文化財部門の区分経理等、整理すべき課題あり B’ 公立大学法人 公益財団 法人 (指定管理) 事業特性に配慮しつつ、一体化効果を引出すため、公益財団法人による指定管理 <課題> ①公益法人の合併手続きが必要 ②公益認定の再審査が必要

33 今後の経営形態 ~公益財団法人と地方独立行政法人の比較~
根拠法 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律ほか 地方独立行政法人法 設立・合併 準則主義で誰でも設立可能、合併も可 地方自治体、合併は不可 法人認可 公益認定委員会による認定 国または都道府県による認可 基本となる財産 設立者の出捐金による基本財産 設立者による土地・建物などの出資 役員等と任免 理事長(理事の互選)、理事(評議員会選出)、監事(同)、評議員(第三者機関)、評議員会 理事長(設立団体の長)、理事(理事長)、監事(設立団体の長)、評価委員会(設立団体) 業務の範囲 公益を目的とする23事業で、その割合を50%以上保つ 法21条に定める6項目に限定 事業計画・報告 年度毎の計算書類、事業報告等の作成と開示、貸借対照表等の公告など 業務方法書、中期目標・同計画、年度計画・同評価、中期目標事業報告、財務諸表の認可・承認・受理など 運営費 料金、委託料、補助金等 料金、運営交付金等 剰余金 公益目的事業であれば留保可 利益剰余金として活用可 税制上の措置 法人税、所得税等の免除、寄付金控除 法人税、所得税等の免除 経営責任・監督 理事の経営責任、評議員の監督権が大きい 理事長の権限と責任が大きい 行政・議会の関与 行政庁による監督 議会の議決や評価委員会による評価と意見 まとめ 設立等が容易で、合併もでき、業務範囲が広い。業務執行に当たって理事会の責任と評議員会の監督権限が大きく、行政や議会による関与が少ない。業務改善のシステムが確立していない。 設立や業務の範囲等で制限が大きい。業務執行に当たって理事長責任が大きく、設立団体の長、評価委員会、議会の関与が強い。剰余金の有効活用が可能。業務改善のサイクルが確立している。

34 参考資料

35 <参考> ~分野を超えた複数の博物館・美術館を一体運営する世界の事例~
<参考>  ~分野を超えた複数の博物館・美術館を一体運営する世界の事例~ 【1.米国スミソニアン博物館 (Smithsonian Museum) 】 アメリカを代表する科学、産業、技術、芸術、自然史の博物館群・教育研究機関複合体の呼び名。スミソニアン学術協会 (Smithsonian Institution)が運営している。 19の博物館並びに9つの研究センターから成り、多くはワシントンD.C.の中心部にあるナショナル・モールに設けられているが、ニューヨーク市、バージニア州、パナマ、その他の都市に置かれている物も含まれる。収集物は1億4,200万点にも及んでいる。入場料は無料。これに類した博物館群は、他の国ではほとんど例をみない。ドイツのベルリンにあるベルリン美術館が、やはり複数の美術館、博物館の集合ではあるが、規模が比較の対象にならない。 ・おもな博物館等  アーサー・M・サックラー・ギャラリー 芸術産業館  フリーア美術館 ハーシュホーン博物館と彫刻の庭  国立航空宇宙博物館 国立アフリカ美術館  国立アメリカ歴史博物館 国立自然史博物館  国立肖像画美術館 国立郵便博物館  スミソニアン・アメリカ美術館 アナコスティア博物館  国立動物園 クーパー・ヒューイット国立デザイン博物館  国立アメリカ・インディアン博物館 ・研究センター Archives of American Art Smithsonian Astrophysical Observatory and the associated Harvard–Smithsonian Center for Astrophysics Carrie Bow Marine Field Station (Natural History Museum)ほか10機関

36 <参考> ~分野を超えた複数の博物館・美術館を一体運営する世界の事例~
<参考>  ~分野を超えた複数の博物館・美術館を一体運営する世界の事例~ 【2.オーストリアシュタイヤマルク州立博物館 ヨアネウム(Landesmuseum Joanneum) 】 ヨアネウムは、1811年ヨハン大公によって創立され、その所蔵品の質と量では、国内最大の州立博物館。シュタイヤマルク州の自然や文化、芸術に関する収蔵品の中には、世界的に有名な品々もある。ヨアネウムは、扱う時代によって部門によっていくつかの建物に分けられています。 <地質学、古生物学、鉱物学、動物学部門> <アルテ・ギャラリー>:ロマネスクからバロックまでの絵画と彫刻の展示。 <ノイエ・ギャラリー>:19世紀、20世紀、21世紀の絵画、造形美術を扱う。 <武器庫>:32,000の各種武器や鎧など。 <エッゲンベルク城>:世界遺産、城内のそれぞれの豪華な部屋。 <公園> <クンストハウス>:近代建築。 <民族博物館>:グラーツの農民の生活、道具、民族衣装、風習などを展示。 <グラーツ市立博物館>市の歴史博物館として1928年に創立。アテムズ宮殿にあった博物館を1969年、今のクーエンブ ルク宮殿に移した。 <建築の家>:現代建築推進協会が1988年に行なった建築家、学生、研究家対象のフォーラム開催以降、国内外の新 プロジェクトの意見交換の場として使用。 <ロベルト・シュトルツ記念館>:グラーツ出身のロベルト・シュトルツの写真、楽譜、家具を展示。


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