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家計の理論
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家計(Household) 財を消費したり、労働のような生産要素を供給する
人(individual)とか、消費者(consumer)ともいう 家計や個人が、経済についての、最終的な存在 (方法論的)「個人主義」 「家計のみからなる経済」のモデルは可能ですが、企業のみの経済は、存在しえ ない
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選好(Preference) 各家計は、合理的で、世界のすべての状態の任意の組AとBについて、以下のような判断をする
完備性completeness AがBよりよいか(選好されるか)、BがAよりのよいか、AとCが同程度(無差別である)かどれか 推移律 transitivity AがBより選好される無差別で、 BがCより選好される無差別なら、 AがBより選好されるか無差別 対称性symmetry AがAは無差別
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選好(Preference)続き 前の三つの性質を持つ二項関係を選好とする。(Kreps Microeconomic Theoryの 用語)
順序は、数学的には、違う意味のことも多い 実際には、ものを買おうと思ったり、異性について考えるとき、AとB、BとCというペアごとでは、判断がしにくいが、Aよりは、Cがいいということがありえる⇒完備性か推移律のどちらかを満たさない 実際の人は、たいして合理的でない
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無差別曲線 具体的に、2財のペアの消費の組み合わせの間の選好を考える 1財のときは、多いほどいい。 2財の消費量のベクトル
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無差別曲線(記号の説明) xをyより選好するか無差別である xとyは無差別である xをyより厳密に選好する 大小関係
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無差別曲線(記号の説明) xと無差別な点は、右下か左上にある xと無差別な点の組み合わせは、右下がりの曲線
ここにyがあれば、xより厳密に選好される。 xと無差別な点は、右下か左上にある xと無差別な点の組み合わせは、右下がりの曲線 ここにyがあれば、xがよりが厳密に選好される。
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各点を通る無差別曲線は、1本づつで交わらない
yを通る無差別曲線が一番選好され、zを通る無差別曲線が一番選好されない。
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限界代替率 これだけ、第2財の消費を増やすなら、一単位の第1財の消費を減らしてもいい
最後に消費する一単位の第一財の価値が最後に消費する第2財の量ではかって、概ね、 Δx2
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限界代替率(つづき) 第1財の第2財で、計った限界代替率 第1財の変化と第2財の変化を共にゼロに近づけると、この無差別曲線の接線の傾き
第1財の第2財で計った主観的な価値
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限界代替率逓減の法則 xでは、第1財が多く、 xでは、第2財がだいじで、yでは、第1財がだいじ yでは、第2財が多い
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限界代替率逓減の法則(続き) 限界効用逓減の法則の語呂合わせ 選好の凸性 三つ以上では、これが簡単
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zは、 xより1財をより多く消費するが、傾き(限界代替率)は、大きい
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需要関数の導出
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仮定 単一の家計を考える 二つの財のみを消費する 所得は、一定 二つの財の価格は、一定(と考える) 完全競争
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予算制約(予算集合) 第1財の価格 第2財の価格 これらは、完全競争の仮定により一定 所得 予算制約
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予算制約 すべて第2財を買ったときの購入量 予算線 傾き すべて第1財を買ったときの購入量 切片 ここの中が予算集合
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需要の導出 ここより ここがいい (より選好される) ここは、もっといいが、お金が足りない ここより 結局ここが選ばれる ここより
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限界代替率と予算線の傾きが一致する 第1財の第2財で計った限界代替率 =第1財と第2財の価格比
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需要関数 第1財の需要関数 第2財の需要関数 前の図の接点 その財の価格以外に、他の財の価格と所得に依存 他の財の価格と所得が変化しない
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需要関数の0次同次性 すべての価格と所得が2倍になる 新しい予算集合 前の予算集合と同じ したがって、需要も同じ より一般に
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所得の変化
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正常財と劣等財 正常財(通常財、普通財、上級財) 所得が増えると消費が増える財 劣等財(下級財) 所得が増えると消費が減る財
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片方の財が劣等財のとき 第2財が劣等財 両方が劣等財は、あり得ない
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劣等財の例 昔は、バターに対するマーガリン 1台目の軽自動車
家計の選好と価格と所得の組み合わせに依存し、財の種類のみによって決まるわけではない
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エンゲル曲線(所得消費曲線) エンゲル係数は、食料支出の所得にしめる割合 通常、この図の第2財のように所得が増えると、比率が下がる。
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必需財と奢侈財 第2財の需要の所得弾力性 需要の所得弾力性が1以上 奢侈財 需要の所得弾力性が1以下 必需財 偏微分の記号
他の変数を定数として、微分 第2財の需要の所得弾力性 需要の所得弾力性が1以上 奢侈財 需要の所得弾力性が1以下 必需財
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価格の変化の効果 もとの予算線 価格上昇後の消費 もとの消費 第1財価格上昇後の予算線 切片は、同じ 傾きは、大きい
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所得効果と代替効果 価格の変化による消費ベクトルの変化は、 (1)相対的な価格の変化による効果(代替効果)と、
(2)実質的な所得の変化による効果(所得効果) に分解される
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第一財価格上昇の効果 補償所得 所得効果 代替効果 全部第1財を買うと少ししか買えない 仮に貧乏にならないよう所得を与える。
財2 補償所得 仮に貧乏にならないよう所得を与える。 所得効果 実質的に貧乏になる 代替効果 第1財が割高になる。 財1 全部第1財を買うと少ししか買えない
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第1財価格上昇の需要に与える影響 両方の財が正常財 第1財が劣等財 第2財が劣等財 第1財 第2財 所得効果 代替効果 合計 ?
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ギッフェン財 価格が上昇する財が劣等財で、所得効果のほう代替効果よりが大きいときは、その財の需要は、増加する。
第1財が劣等財 第1財 第2財 所得効果 代替効果 合計 こちらのほうが大きい ギッフェンの話は、ジャガイモ(小麦)が高くなると肉が食べれなくなって、ますます、ジャガイモ(小麦)の消費が増える
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ギッフェン財の場合 財2 補償所得 代替効果 所得効果 財1
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別の図 財2 等価所得 価格をあげないかわりにはらっていい金額 代替効果 所得効果 財1
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効用と選好
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効用の例 ビール 限界効用逓減の法則 1杯5 00円なら2杯飲 む 効用 限界効用 1杯 700円 2杯 1300円 600円 3杯
1600円 300円 限界効用逓減の法則 1杯5 00円なら2杯飲 む
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効用への批判、問題点 20世紀前半、無差別曲線のような選好に取って代わられた 実在しない効用に依拠するのは、非科学的 変な科学コンプレックス
問題なのは、個人間効用比較 各財の効用の和のときは、財の間の連関が分析できない。
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効用関数の序数性 消費ベクトル 選好に対応する効用関数 厳密に単調増加 二つの効用は、同じ選好を表す
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効用関数の序数性 順序だけが意味があるが序数的 値自体が意味があるのが基数的 以下では、効用関数の基数性は、用いられない
「オッカムのかみそり 」により、効用の大きさ自体は、不要
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財が3つ以上あるときの需要関数の導出 購入ベクトル 価格ベクトル 所得 予算制約
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財が3つ以上あるときの需要関数の導出(続き)
予算制約 予算制約下で一番選好される点を選ぶ 予算制約下で対応する効用関数を最大化する・・・ラグランジュ乗数法が使えて便利 解は、普通の需要関数
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最適化の条件 任意の2財の間で、限界代替率=価格比 そうでないと、予算制約を満たして、効用を上げる(より選好する)消費の組合せが可能
数式(ラグランジュ乗数法)を使うとメカニカルに出る。
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需要関数 その財の価格以外に他のすべての財の価格と所得に依存 0次同次・・予算制約が変化しない
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所得と価格の変化の効果
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一般的な一家計の需要関数 すべての財の価格と所得に依存
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所得の変化の効果 すべての財の価格が一定で所得が増加する 正常財(上級財):消費が増加 劣等財(下級財):消費が増加
第i財は正常財(上級財) 第i財は劣等財(下級財) 多くの財は、正常財 すべての財が劣等財 ということはない
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価格の変化の効果 所得効果と代替効果に分解 所得効果:実質所得の変化による効果 代替効果:相対価格の変化による効果
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補償需要関数 のときの効用は と 価格が上がるとき、効用を維持するには、所得が上がる必要がある。
必要な所得は、効用を維持するのに最小の支出で支出関数関数で表される。
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補償需要関数の価格が変化したときの効果が代替効果
効用が下がらないように支出が補償されたときの需要が補償需要関数 補償需要関数の価格が変化したときの効果が代替効果 ある財の価格が上昇したとき、貧乏になるときの効果は、除かれるので、相対価格の変化のみが残る
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第j財の価格の上昇が iの需要に与える効果 うち、代替効果 のこりで所得効果 スルツキー方程式
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代替財と補完財 第i財と第j財が代替財 第j財の価格の上昇が代替効果だけ取って 第i財の需要を増やす 第i財と第j財が補完財
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代替財と補完財(注意) その財自体は、その財の補完財・・・代替効果だけを取ると、価格が上がった財の需要は、代替効果だけを取ると減る
2財しかないときは、別の財は、必ず代替財。・・・そうでないと、効用が下がる 3財以上のときは、補完関係がありえる。 補完代替関係は、相互的
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ある財の価格上昇がある財(その財、同じ財)の需要に与える影響
正常財 劣等財 所得効果 代替効果 合計 ?
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ある財の価格上昇が別の財の需要に与える影響
別の財が正常財 別の財が劣等財 代替財 補完財 所得効果 代替効果 合計 ? ?
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粗代替財 と粗補完財 所得効果も入れた全体の効果
ある財の価格が上がったとき、別の財の需要が増加(減少)するときは、別の財は、ある財の粗代替財 (補完財) 関係は、相互的とは限らない
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スルツキー方程式 第一項が代替効果で、第2項が所得効果 代替効果は、定義なので、問題は、所得効果 第j財が1円あがる 円貧乏になる
第i財の消費が減る
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スルツキー方程式 正常財 代替財 補完財 劣等財 ? + - - - - + + + ? - +
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スルツキー方程式 正常財 劣等財 - - - ? - + 劣等財で、第2項(所得効果)が第一項(代替効果)を上回るのがギッフェン財
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顕示選好(Revealed Preference)
代替効果だけ取ったとき、割高になった財の需要が減る説明
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を選ぶ を選ぶ 同じ効用 のとき よりいい点が選べた を選ぶに反する
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同様に
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代替効果だけとる
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ラグランジュ乗数法 多変数関数の条件付最大化
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多変数関数と偏微分 を を定数として について微分
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例 東西方向の経度 南北方向の緯度 各位置の標高 東に行くと上る
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条件無しの最大化 で一つでも0でない の一つを少し変化させると大きくも小さくもなる。 最大でも最小でもない この対偶が次の命題
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が で最大または最小 が で成立する 行儀のいい問題は、一意の解があって、最大か最小になる
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条件付きの最大(小)化 を の条件(制約)で最大 (最小)にする。 予算制約下の効用最大化(消費者問題は、一つの例)
経済学は、限られた資源という制約で、目的を追求することなので、自然にこのタイプの問題が発生 次のレシピ(ラグランジュ乗数法)による
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ラグランジュ乗数法 ステップ1 ラグランジュアンを作る ステップ2 ラグランジュアンを各変数で微分して0とおく
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ラグランジュ乗数法 ステップ3 これらの式を解く、あるいは、変形して解釈する。 注意 微分して0の式は、変数と同じ数
ステップ3 これらの式を解く、あるいは、変形して解釈する。 注意 微分して0の式は、変数と同じ数 ラグランジュ乗数が一つ余分に未知数としてあるが、これと制約の数が一致するので、 方程式の数と未知数の数が同じ 行儀のいい問題は、一意の解がある
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で微分して0とおく
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限界代替率と価格比の均等化
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i財のj 財で計った限界代替率 i財の消費を一単位減らしたとき、効用を下げないのに必要なj 財の量 i財 j財 i財のj 財で計った限界評価
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i財の消費を1単位減らす 効用の減少はだいたい j財の消費を 増やす 効用の増加は だいたい
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はi財のj 財で計った限界代替率 限界代替率と価格比の均等化
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価格あたりの限界効用均等化 限界代替率と価格比が等しいという条件 は と同等 価格あたり限界効用の均等化 効用は序数的だが、どの表現でも成立
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コーナー解 多くの財の消費は、0 第1財の消費が0で、第二財の消費が正が最適の条件は
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コーナー解(続き) 、1円から得られる追加的効用が少ない 消費が0でも限界代替率が価格比より小 無差別曲線では コーナー解 生産や投入が0
価格0で超過供給
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コッブ・ダグラス効用関数 例 この効用は、 と同じ選好を表すことに注意
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で微分して0とおく
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をかけて、足し合わせると
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各財に対する支出比率
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その財の価格に反比例 所得に比例 需要の所得弾力性も価格弾力性も1 他の財の価格に依存しない
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準線形効用関数 各財の効用の和 が線形 予算制約は、0財の価格を1として 代入すると
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で微分して0とおく 限界効用=価格
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需要が各財の価格のみに依存 部分均衡の世界 第1財から第n財の需要は、所得には、依存しないが、他の価格には依存・・これも準線形
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労働供給 余暇とそれ以外の財の選択と捉える 余暇 与えられた時間(例 24時間) 労働時間 その他の財の消費 賃金率(例えば、時給)
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余暇 その他の財の消費 予算線 (予算制約) L
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選好を表す無差別曲線を書き入れる この点が選択される 労働供給
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賃金率上昇の効果 この点に移る 予算線が回転する 代替効果 相対価格が一定の線を入れる 所得効果
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余暇と労働供給は、反対。 豊かになる。 余暇が割高になる。 ? ? 二財のときは、代替関係。 賃金率の価格上昇の労働供給
余暇とその他の財の両方が正常財 その他の財 余暇 労働供給 所得 効果 代替 合計 余暇が割高になる。 ? ? 二財のときは、代替関係。
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代替効果のほうが大きいときは、労働供給が減少
所得効果のほうが大きいときは、労働供給が増加 Primary Laborは、非弾力的、Secondary Laborは、弾力的といわれる
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税の効果 比例所得税 消費税 所得税率 なら同じ いずれも、代替効果は、労働供給を抑制、所得効果は、促進する 消費税率
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実効的な限界(所得)税率 1円余計に稼いだとき、手元に残る分を1から引いたもの
実効限界税率が非常に高いとき、代替効果により、強い労働阻害効果がある。 累進課税が強いときの高所得者 所得が増えると、生活保護などが、打ち切られるとき・・・poverty trap(貧困の罠) こうした効果を弱めるため、在職老齢年金や配偶者控除は、じわじわ減るようになっている
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103万円と130万円の壁 主婦のパート所得が103万円を超えると配偶者控除が次第に減る
130万円程度を超えると自分で、社会保険料を払わなければいけない
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貯蓄 現在消費と将来消費の選択と捉える ライフ・サイクル仮説・・老後に備える 2期間モデル
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1期間目の貯蓄 1期間目の所得 1期間目の消費 2期間目の消費 2期間目の所得 利子率 元利合計 遺産は無いものとする。
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Sを消去 時点を通じた予算制約 消費の割引現在価値=所得の割引現在価値
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時点間の予算線 初期の貯蓄も借入もしない点 貯蓄 借入
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選好を表す無差別曲線を書き入れる この点が選択される 将来消費 現在消費 貯蓄
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利子率上昇の効果 代替効果 利子率上昇後の予算線 利子率上昇後の選ばれる点 初期の貯蓄も借入もしない点 最初に選ばれる点 最初の予算線 ここを中心に回転 所得効果
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現在消費が割高、 将来消費が割安。 豊かになる。 ? ? 貯蓄と現在消費は、反対。 利子率上昇の効果・・・貯蓄の場合
現在消費と将来消費の両方が正常財 現在消費 将来消費 貯蓄 所得 効果 代替 合計 ? ? 貯蓄と現在消費は、反対。
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現在消費が割高、 将来消費が割安。 貧乏になる。 ? 現在消費と借入は、同じ。 利子率上昇の効果・・借入の場合
現在消費と将来消費の両方が正常財 現在消費 将来消費 借入 所得 効果 代替 合計 ? 現在消費と借入は、同じ。
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利子率上昇の効果・・・・借入の場合 利子率上昇後の予算線 代替効果 初期の貯蓄も借入もしない点 最初に選ばれる点 最初の予算線 所得効果 利子率上昇後の選ばれる点
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