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IT企業におけるコア・コンピタンス経営の推進方法とメトリクス
静岡大学情報学部 鈴木優美 静岡大学情報学研究科 石橋萌絵 静岡大学情報学部 湯浦克彦
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知識経営 研究の背景 財務諸表 カネ・モノ 業務に関する知識 ???
近年知識経営というものが注目を集めている。カネやモノの増減は財務諸表によって評価できるが、知識経営においては「業務に関する知識」を評価したく、その「業務に関する知識」とはどのように評価するのかという問題がある。 業務に関する知識 ???
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研究の背景 全ての知識の状況を 体系的に見ることは困難 知識がもたらす成果の 測定方法も未確立 形式知 暗黙知 暗黙知 形式知 暗黙知
また、一口に知識と言っても、知識には暗黙知と形式知があり、全ての知識の状況を体系的に見ることは困難。また、知識がもたらす成果の測定方法も確立されておらず、知識経営はうまくいっているのかどうかわからないという現状。 暗黙知 形式知 知識がもたらす成果の 測定方法も未確立
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研究の目的 ・知識経営を評価するために、メトリクスを作成する →知識経営の成果の可視化 ・強みを明確化し競争力を高めることの支援 株式会社
・知識経営を評価するために、メトリクスを作成する →知識経営の成果の可視化 そこで、本研究において、知識経営を評価するために、メトリクスを作成することで、知識経営の成果の可視化を図る。また、強みを明確化し競争力を高めることを支援する、この2点を目的とし、株式会社日立ソリューションズ・クリエイト社との共同研究によって進めていく。 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト ・強みを明確化し競争力を高めることの支援
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知識経営とは 暗黙知と形式知が相互に関係することで、 知識の共有化、明確化を図り、作業の効率化や新発見を 容易にしようとする企業マネジメント上の手法。 暗黙知 形式知 経営活用 知識経営とは、戦略・組織・事業などの経営のあらゆる事柄を知識という視点でとらえ、実践する考え方であり、暗黙知と形式知が相互に関係することで、知識の共有化、明確化を図り、作業の効率化や新発見を容易にしようとする企業マネジメント上の手法の一つ。 (知識経営においては、暗黙知ー>形式知だけではなく、暗黙知を深くカラダのなかに染み込ませて仕事に生かすという流れも期待している。 ということを、わざわざ図にいれなくてもいいが(この論文では暗ー>形を重視しているので))
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コア・コンピタンス経営とは 知識経営 企業の持つ強みに注目し、強みを生かした事業を拡大していく経営手法。 コア・コンピタンス経営 強み 強み
コア・コンピタンス経営とは、知識経営の一形態であり、企業の持つ強みに注目し、強みを生かした事業を拡大していく経営手法 強み 強み 強み 強み 強み
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知識経営のプロセス 知識経営プロセスの見える化を図るためのメトリクスの開発のために、知識経営のプロセスを8つに定めた。
8つのプロセスをSECIモデルと対応して考えた。 知識経営プロセスの見える化を図るためのメトリクスの開発のために、知識経営のプロセスを「前提・環境の理解」「知識の発見」「定義」「蓄積・公開」「活用」「検証」「育成」「拡大」の8つに定めた。そしてこの8つの知識経営のプロセスをSECIモデルと対応して考えた。それぞれ暗黙知から暗黙知への変換である「前提・環境の理解」と「知識の発見」は「共同化」,暗黙知から形式知への変換である「定義」と「蓄積・公開」が「表出化」,形式知から形式知への変換である「活用」と「検証」が「連結化」,形式知から暗黙知への変換である「育成」と「拡大」が「内面化」と対応する. 前提・環境の理解 知識の発見 定義 蓄積・公開 活用 検証 育成 拡大 共同化 表出化 連結化 内面化 知識
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強み明確化のための活動(1) 強みカード ・全従業員が作成 ・従業員同士で交換
・全従業員が作成 ・従業員同士で交換 HSC社では、強みを明確化するために強みカードと、強み発表会という2つの活動を行った。強みカードとは,活動単位に関連する個人の強みを記載した名刺サイズのものであり,それを全社員(出向受け者,役員を含む)が作成し,社内で交換をする.強みのレベルは★(教育受講レベル)~★★★★★(全社をリード)の5段階で表し,強みタイトル,活動単位(事業ドメイン名(事業),顧客セグメント(営業),業務機能(スタッフ)),強みの詳細等を記載する.
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新たなコミュニケーションによるシナジー効果
強み明確化のための活動(1) 強みカードの交換 その強みカードを交換することによって,知り合いが増え,新たなコミュニケーションによりシナジー効果が生まれると期待される.また,組織に対して個人単位でどのように貢献しているかということを考える良いきっかけとなり,モチベーションの向上も期待できる.交換する相手は,HSC員であり,交換する場やタイミングどんな時でも良い. 新たなコミュニケーションによるシナジー効果
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強み明確化のための活動(2) ・強み発表会 ・部課長が作成 ・全社に向けて発表
・部課長が作成 ・全社に向けて発表 2つ目は強み発表会。今回は強み発表会に特に重点を置いた。強み発表会とは、部課長が活動単位、コア・コンピタンスの説明、成長戦略等をまとめたものを作成し、全社に向けて発表する。
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メトリクスの開発(1) CMMIの成熟度レベル プロセスにおける到達度目標レベル
各プロセスにおける知識経営の浸透度を計測するためにCMMIの成熟度レベルを採用した。CMMIの成熟度レベルに準拠して、各プロセスにおけるレベル分けをし、プロセスにおける到達度目標レベルを設定した。 CMMIの成熟度レベル プロセスにおける到達度目標レベル
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メトリクスの開発(2) 営業部門 ライン部門 サポート部門 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト
日立ソリューションズ・クリエイト社には多数の部門が存在するため、先ほど作成したプロセスにおける到達度目標レベルだけでは、全部門を測定することが困難であると考え、大きくライン部門、営業部門、サポート部門の3つに分類した。そしてその3部門に対し、それぞれ知識経営浸透度判定基準を作成した。 ライン部門 サポート部門 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト
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メトリクス測定 強み発表会資料を参考に評価を行う。 作成したメトリクスに基づいて、 評価シートを用いて測定する。
測定を行っていく中で、 曖昧な点を修正していく。 今回の評価は、強み発表会の資料を参考に行った。また、評価を行うにあたり、評価シートを作成した。そして、評価を行っていく中で、曖昧な点を修正し、改善した。
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測定結果 40点満点中 最高得点:14点 最低得点:3点 全体平均:6.92点 ライン部門平均:7.21点 営業部門平均:7.67点
サポート部門平均:5.61点 測定結果。満点は5点×8プロセスの40点満点だが、現状で期待される得点は14点。全部門における最高点は14点、最低点は3点。先ほど分類した大まかな部門ごとに平均を見ていくと、ライン部門は7.21点、営業部門は7.67点、サポート部門は5.61点で、営業部門の平均が最も高く、サポート部門の平均が最も低い結果となった。 部門別平均点
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測定結果 8つのプロセスごとに得点を見ていく。赤色が最高点、青色が最低点、緑色の折れ線グラフが平均点。それぞれの平均点は,「前提・環境の理解」が1.6点,「知識の発見」が1.8点,「定義」が1.3点,「蓄積・公開」が0.2点,「活用」が0.1点,「検証」が0.8点,「育成」が0.1点,「拡大」が0.9点という結果となった. プロセスにおける最高点と最低点
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考察(1) 測定結果 ・知識経営の浸透が進んでいるプロセスとそうでない プロセスの明確化 ・営業部門:営業の強みではなく商品の強みになりがち
・知識経営の浸透が進んでいるプロセスとそうでない プロセスの明確化 ・営業部門:営業の強みではなく商品の強みになりがち 知識経営の浸透が進んでいるプロセスとそうでないプロセスが明確になった。しかし、営業部門においては営業の強みではなく、営業が取り扱っている商品の強みになりがちになってしまった。
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考察(2) メトリクス ・視点の定義、評価基準に曖昧さが残る ・知識経営プロセスが難解
・視点の定義、評価基準に曖昧さが残る ・知識経営プロセスが難解 知識経営浸透度判断基準に曖昧さが残り、評価者によって評価にばらつきが現れてしまった。知識経営プロセスを8つに区分したが、強み発表会資料に含まれている記述内容をどのプロセスに対応付けるかわかりづらい面があった。 どういう曖昧さがあるか。
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考察(3) 強みカード・強み発表会 ・「強み」を考える動機付け ・強みの伝播ができた ・社内ネットワークの増加
・「強み」を考える動機付け ・強みの伝播ができた ・社内ネットワークの増加 強みということを考える良い動機づけになった。また、他者に向けて強みを発信していくことで、自身、自部門の強みを伝播することができ、活動の目的を達成できた。さらに、強みカードの交換では、社内ネットワークを増加させることができた。
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結論(1) メトリクスの設定と測定 ・現在の状況の見える化を実現した ・得点における当面の目標は14点
→現状は平均約7点であることが測定された 現状の見える化を実現した。評価に関して満点は40点であるが、現状における平均点は約7点であり、当面の目標は14点に設定することとした。
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結論(2) 経営改革推進への貢献 ・「蓄積・公開」「活用」「検証」「育成」「拡大」は 強み発表会を通じてレベルアップ
強み発表会を通じてレベルアップ ・今後の強化ポイントの策定が容易に 「蓄積・公開」「活用」「検証」「育成」「拡大」については、強み発表会における発表指定項目に取り上げていなかったこともあり、ほとんどの部署で未着手であるため、今後も強み発表会を通じてレベルアップさせていく必要があるとわかった。また、点数の差が明確になったことで、今後どこを強化していけばよいのかということが容易にわかるようになった。
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今後の課題 ①知識経営プロセス定義の改善 ②知識経営浸透度判定基準の改善 ③知識経営の向上策 ―強みカード交換 ―強み発表会vol2
④事業成果との関係 今後の課題として4つをあげる。まず、8つの知識経営プロセスが本当にこの8つの分類でよいのか、見直し、改善する必要がある。2つ目に、知識経営浸透度評価基準を改善し、曖昧な点をなくし、評価者によって評価が異なることをなくさなければならない。3つ目に、強みの明確化を図るために行った2つの活動の向上策を考える必要がある。強みカードについては、今度どのように活用していけばよいのか、強み発表会については第2弾を行うことで、再度判定、比較しなければならない。最後に事業成果との関係を明確にしなければならない。今回は事業成果との関係までみることができず、知識が実際事業にどのように影響を与えているのかわからなかったので、そこを明確にする必要がある。
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