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中心市街地再生と市民まちづくり ~まちづくりの現場から考える
シャッター商店街。手前の店はブティック。奥は開いているが日曜なのに閉まる。手前は閉まっている。
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中心市街地再生の必要性 外部資本の参入と街の郊外化 郊外、街中の大型デパートの撤退
消費者ニーズの最大公約数を提供する大型デパートに対する、補完的な地域ニーズへの対応 地域コミュニティの場でもある、商店街の再生。(福祉的な効果もある。) 地域資源の衰退。個性ある街の減少。 住むためだけでない、街の魅力の創出 持続可能な発展⇔無秩序な拡大 熊本市、イオンとイズミが出店ラッシュ。肥後戦争。2004年6月から翌年10月にかけて4つの大型SCがオープン。同業者での生き残り戦争。→企業原理。
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市街地活性への法的なアプローチ 旧まちづくり三法、改正まちづくり三法 中心市街地活性化基本計画
ー「大規模小売店舗法(大店法)」→2000年「大規模小売店舗立地法(大店立地法)」 出店規制→立地条件規制へ。市街地出店の際の環境配慮などが条件として付与されたが、結果的に大型店の郊外への出店を加速させることになる。その後の改正で規制はされたが、規制は地方自治体の自主性任せであり、経済のカンフル剤としての誘致が後を絶たない。 中心市街地活性化基本計画 全国600以上の地域で策定。うち104市、107の基本計画が認定され、助成を受けている。しかし競争の自由化により総売り場面積が増加し競争が激化。郊外の大型店舗とともに効率の悪い経営を余儀なくされる。 1989年の日米構造協議→「大店舗法」撤廃を求められる。1998年のWTOの勧告により廃止。1999年に旧まちづくり三法を改定。 総務省は2003年に調査。人口、商店数、商品販売額、事業所数、従業員数でマイナス。補助がなくなったとたんに空き店舗へ。
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行政主導まちづくりの失敗 縦割り行政(土建、都市計画) 受け身な市民 市民ニーズとの不一致 誘致した商業施設の撤退
市民、民間、行政間の協力の無さ 行政では街の活性化(住民の活性化)はできない。 活性化計画の数値目標が、まちのにぎわいなのか? 小売業商業政策と都市政策の分離 商業施設も含めてどのような街をつくっていくかは都市の性格に応じた多様な選択が可能である。しかし,それは買物場所選択の結果が都市部の盛衰にまで影響を与えうるという点までも含めて,十分な情報提供がなされたもとでの地域住民の意思によるべきである8)。それが大型店という1つの私企業の意思によって大きく左右されるという問題がある。商業機能は,中心市街地における都市機能の中核となる機能であり,中心市街地の活性化は単に「商業問題」ではなく,「都市問題」としてとらえる必要がある。
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箱物建設の失敗 宇都宮市の例 「宇都宮109」2001年開業、2005年撤退 「宇都宮餃子共和国」2005年開業、2006年撤退
「宇都宮表参道スクエア」テナント撤退 持続不可能な一時的賑わい 住民ニーズとの不一致。箱物で活性化を図る土建工学者。他都市の成功事例を踏襲しがち。 109はテナントを埋めるために色んな店を手当たり次第に入れて埋めた。渋谷109まで2時間程度で行けるので、模倣した意味がない。
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中心市街地の危機的状況 商店街あたりの空き店舗数。
6.87店(1995年)→10.82店(2009年)。中小企業庁調べ。鳥取県米子市、空き店舗率55% 市街地通行量の減少 市民の意識の低さ
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まちづくり市民事業 市場の失敗、官の失敗、コミュニティの失敗を受けて、行政と民間の中間セクター(NPOなど)として市民事業が現れる。
多主体による協働と連携が行われている。 EX)商工会、まちづくり会、行政、地域青年会,etc.. 5つの市民事業が始まる道筋 ①生協などが元でボランティア組合が成立 ②社会起業 ③事業組合の事業の発展形として(他団体と協力) ④個別事業のミッションを進めるための協働から ⑤生活需要を自ら埋めようとして
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中心市街地市民まちづくりとは…?? 日本における中心市街地=商店街?(今発表のメイン)
職住が分離しており、公共交通網が大きく発展している日本において、一般市民が中心市街地に関心をもつことが少ない。 →現況を憂うメインの人々は商店主。 本来まちづくりの専門家ではない人々がアクターとなり活動する。 →受け身的な関わり方ではなく市民意識が育つ。
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市民事業のプロセス 自発的に(もしくは行政の主導で)市民団体が立ち上がる。 理事会のメンバーを中心に活動を行う。 勉強会を重ねる。
イベントの企画(100円商店街、町興しイベント、認知度をあげるプログラム) →市民事業が醸成されていき、継続性、権限を持って実行されるようになる。
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まちづくりのリーダーはだれか? 一般住民 商店主 民間まちづくりコンサルタント 行政
→地域の特性も大きく影響するが、住民以外の人間は要職ではなくアドバイザーが望ましい。信頼関係を強く作るため。
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市街地の活気とは…?? →画一的に公共道路の使い方を定めればよい、わけではない。 様々な”正解”が存在し、どのまちにも当てはまる答えはない。
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商店街のにぎわい創出 大阪 千林商店街
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商店街のもつ問題点 「商業者」と「地権者」という二つの顔 シャッターという、節税対策 商業意識の低さ 土地の権利関係の複雑さ
若い経営者と昔からいる経営者の意見の不一致など、商店間の連携不足 商店主の高齢化 商店街で商店をやっているものであると同時に、一等地の地権者でもある。商店街の全面的な一斉改修に乗り出せない。 1階部分を賃貸として他の経営者に貸すのか、貸さないのか。→賃料だけで選ぶと風俗店が増える(群馬県太田市の南口商店街) また、商店という形であると、相続税上の優遇が受けられる。一等地を残しておく。 商店街全盛期にある程度の収入を得ており、高齢化も進み、商業しようという意識が低い。
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誰が賑わいを創るのか? 行政? 民営企業? 商店主? 住民? 学生? 子供?
→住民市民の参加なしに、賑わいは生まれない。住民がオーガナイズすれば住民が集まる。 →地域再生は地方自治、住民自治でしか成しえないのではないか?
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100円商店街 第1回目は山形県新庄市 新庄南本町商店街で2004年7月に開催。 大阪では2010年4月の千林商店街が初。
2010年10月時点で全国50か所の市町村で実施されている。 メリット 低コスト、商店街内の連携、知名度アップ、商店街回遊性の向上 問題点 モチベーションの維持、業種によっては継続参加が難しい(宝飾、ブティック、家具)、キーマンの育成 関西圏では2008年の奈良県生駒駅前商店街。キーマン育成、つまり住民合意、コミュニティ形成
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市街地活性化のツボ リーダーシップとタウンマネジメント 明確な方向性と戦略を持つ 地域の強みを徹底的に磨く
まちのファンを育てる/役者を育てる つながる/連携する/回遊する イメージアップと情報発信を意識する 不動産の所有者を巻き込む 「中心市街地活性化のツボ」長坂泰之 より引用 英国などで行っているような、タウンマネージャーの育成 実現可能なものから。たとえば、商店街街歩きマップ作製など 徒歩圏内のマーケットをつくる。商店街全体で利益を出す。 人はイメージにより行動する。横浜・神戸・大阪・京都・大津・ 所有と経営の分離。香川の丸亀商店街。土地の権利と不動産の権利。商業ビルだと、ビルを建てた土地と建物の床(不動産)の権利、ビルの建設費用を商業者が負担→賃料が高くなる。 国が示したのは、まちづくり会社の設立。まちづくり会社で不動産権利を買い、マネジメントを行う(SCと同じ手法)
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「市民まちづくり」の問題点 目的・ゴールがはっきりと見えてこない イベントや事業を起こすことが目的、達成感となってしまい、継続性が生まれない
住民参加を継続して促す仕組み(それでいて、行政主導ではなく、住民主導で。) 現在は、支援の仕組みも固まっていない。 →研究が必要。英国のような官民パートナーシップに市民の創造性を加えたようなものが望ましい?
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参考資料 「大型店の郊外立地と小規模小売店の存立」 南方建明 大規模小売店舗立地法の現状と課題 石原一史 「中心市街地活性化のツボー今、私たちができることー」長坂泰之 2011 「大阪人」2011年11月号 「季刊まちづくり」21号、2008年12月 「地域再生の罠」久繁哲之介 2010 ちくま新書
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