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産業組織論 7 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年12月3日
2015/12/3 産業組織論 (7) クールノー競争 丹野忠晋 跡見学園女子大学マネジメント学部 2015年12月3日
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現実の競争 現実は複数の企業が市場で競争 トヨタと日産のクルマ,サマンサタバサとルイヴィトンのバック 企業の作っている財は同じか異なるか
ミスタードーナッツの値下げ,モスバーガーの高品質ハンバーガー 価格で競争,品質で競争,製品開発で競争 企業は何で競争しているか 様々な競争の形態が考えられる 2015/12/3 産業組織論 7
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複数の企業間の競争 独占で学んだ限界収入と限界費用を用いた考え方を応用しよう 2つの企業が競争している状況.複寡という
同じ財を生産して同じ需要に直面している 相手の生産量を読む必要 相手がこれだけ生産するなら自分の生産は? このような競争をクールノー競争 自分と相手の生産量が到達する状態をクールノー均衡という 2015/12/3 産業組織論 7
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真央と明子の複寡 真央と明子がアイスショーの提供で競争 真央と明子のスケートは同質と仮定
買い手のイチロー達にとっては真央と明子のスケートは同じ満足度 しかし,買い手によってスケートの満足度は異なる 支払意欲から需要を求める 真央にとって,彼女の需要の一部が明子に奪われたときに真央はどうするか? 2015/12/3 産業組織論 7
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支払い意欲 買い手 支払意欲(円) イチロー 1400 ダルビッシュ 1300 石川遼 1200 北島康介 1100 錦織圭 1000
産業組織論 7 2015/12/3 支払い意欲 買い手 支払意欲(円) イチロー 1400 ダルビッシュ 1300 石川遼 1200 北島康介 1100 錦織圭 1000 2015/12/3 産業組織論 7 丹野忠晋
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支払い意欲のグラフ イチローの支払い意欲 ダルビッシュの支払い意欲 石川遼の支払い意欲 北島康介の支払い意欲 錦織圭の支払い意欲
産業組織論 7 支払い意欲のグラフ イチローの支払い意欲 支払い意欲(円) 数量 1 2 3 4 5 ダルビッシュの支払い意欲 1400 石川遼の支払い意欲 1300 北島康介の支払い意欲 1200 1100 錦織圭の支払い意欲 1000 2015/12/3 産業組織論 7
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独占企業真央の場合 個数 支払意欲(円) 収入(円) 限界収入(円) 0 1 1400 2 1300 2600 1200 3 3600
産業組織論 7 2015/12/3 独占企業真央の場合 個数 支払意欲(円) 収入(円) 限界収入(円) 0 1 1400 2 1300 2600 1200 3 3600 1000 4 1100 4400 800 5 5000 600 2015/12/3 産業組織論 7 丹野忠晋
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限界収入曲線 限界収入 1400 限界収入 1200 限界収入 1000 限界収入 800 限界収入 600 金額(円) 1 2 3 4 5
産業組織論 7 限界収入曲線 限界収入 1400 金額(円) 限界収入 1200 1400 1300 限界収入 1000 1200 1100 限界収入 800 1000 900 限界収入 600 800 700 600 1 2 3 4 5 数量 2015/12/3 産業組織論 7
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限界収入曲線と需要曲線 支払意欲は1300円 生産量1の限界収入曲線の高さと需要曲線の高さは同じ 限界収入は1200円
産業組織論 7 限界収入曲線と需要曲線 金額(円) 数量 1 2 3 4 5 支払意欲は1300円 生産量1の限界収入曲線の高さと需要曲線の高さは同じ 生産量2以上,限界収入曲線の高さは需要曲線の高さより低い 1400 限界収入は1200円 1300 1200 1100 1000 900 800 700 600 2015/12/3 産業組織論 7
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真央の限界費用曲線 縦軸に金額,横軸に数量の平面に限界費用を描く これを限界費用曲線という 限界費用は800円で一定 金額(円) 1 2 3
産業組織論 7 真央の限界費用曲線 縦軸に金額,横軸に数量の平面に限界費用を描く これを限界費用曲線という 金額(円) 限界費用は800円で一定 800 1 2 3 4 5 数量 2015/12/3 産業組織論 7
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限界収入曲線と限界収入曲線 限界収入曲線 限界費用=限界収入 真央の生産量(QM=4) 限界費用曲線 金額(円) 1 2 3 4 5 数量
産業組織論 7 限界収入曲線と限界収入曲線 金額(円) 限界収入曲線 1400 1300 1200 限界費用=限界収入 真央の生産量(QM=4) 1100 1000 900 限界費用曲線 800 700 600 1 2 3 4 5 数量 2015/12/3 産業組織論 7
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イチローの需要が明子に奪われたとき ダルビッシュ以降が真央の顧客 個数 支払意欲(円) 収入(円) 限界収入(円) 0 1 1300 2
産業組織論 7 イチローの需要が明子に奪われたとき 2015/12/3 ダルビッシュ以降が真央の顧客 個数 支払意欲(円) 収入(円) 限界収入(円) 0 1 1300 2 1200 2400 1100 3 3300 900 4 1000 4000 700 2015/12/3 産業組織論 7 丹野忠晋
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真央の限界収入曲線(明子の生産量1) 限界収入 1300 限界収入 1100 限界収入 900 限界収入 700 金額(円) 1 2 3 4
産業組織論 7 真央の限界収入曲線(明子の生産量1) 金額(円) 限界収入 1300 1400 1300 限界収入 1100 1200 1100 限界収入 900 1000 900 限界収入 700 800 700 600 1 2 3 4 5 数量 2015/12/3 産業組織論 7
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新しい限界収入曲線と限界収入曲線 限界収入曲線 限界費用≒限界収入 真央の生産量(QM=3) 限界費用曲線
産業組織論 7 新しい限界収入曲線と限界収入曲線 金額(円) 1400 限界収入曲線 1300 1200 限界費用≒限界収入 真央の生産量(QM=3) 1100 1000 900 限界費用曲線 800 700 正確には限界費用≦限界収入となる生産量のなかで一番MCとMRが近くなる生産量 600 1 2 3 4 5 数量 2015/12/3 産業組織論 7
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イチローとダルビッシュの需要が明子に奪われたとき
産業組織論 7 2015/12/3 イチローとダルビッシュの需要が明子に奪われたとき 石川遼以降が真央の顧客 個数 支払意欲(円) 収入(円) 限界収入(円) 0 1 1200 2 1100 2200 1000 3 3000 800 2015/12/3 産業組織論 7 丹野忠晋
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真央の限界収入曲線(明子の生産量2) 限界収入 1200 限界収入 1000 限界収入 800 金額(円) 1 2 3 4 5 数量
産業組織論 7 真央の限界収入曲線(明子の生産量2) 金額(円) 1400 限界収入 1200 1300 1200 限界収入 1000 1100 1000 限界収入 800 900 800 700 600 1 2 3 4 5 数量 2015/12/3 産業組織論 7
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限界収入曲線と限界収入曲線(明子の生産量2)
産業組織論 7 限界収入曲線と限界収入曲線(明子の生産量2) 金額(円) 限界収入曲線 1400 1300 1200 限界費用=限界収入 真央の生産量(QM=3) 1100 1000 900 限界費用曲線 800 700 600 1 2 3 4 5 数量 2015/12/3 産業組織論 7
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イチロー,ダルビッシュ,石川遼の需要が明子に奪われたとき
産業組織論 7 2015/12/3 イチロー,ダルビッシュ,石川遼の需要が明子に奪われたとき 北島康介以降が真央の顧客 個数 支払意欲(円) 収入(円) 限界収入(円) 0 1 1100 2 1000 2000 900 2015/12/3 産業組織論 7 丹野忠晋
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真央の限界収入曲線(明子の生産量3) 限界収入 1100 限界収入 900 金額(円) 1 2 3 4 5 数量 1400 1300
産業組織論 7 真央の限界収入曲線(明子の生産量3) 金額(円) 限界収入 1100 1400 1300 1200 限界収入 900 1100 1000 900 800 700 600 1 2 3 4 5 数量 2015/12/3 産業組織論 7
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限界収入曲線と限界収入曲線(明子の生産量3)
産業組織論 7 限界収入曲線と限界収入曲線(明子の生産量3) 金額(円) 限界収入曲線 1400 1300 1200 限界費用=限界収入 真央の生産量(QM=1) 限界費用=限界収入 真央の生産量(QM=2) 1100 1000 900 限界費用曲線 800 700 600 1 2 3 4 5 数量 2015/12/3 産業組織論 7
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真央と明子の生産量の対応関係 明子の生産量 真央の生産量 0 4 1 3 2 2 真央は独占企業 真央の生産量は減少 2015/12/3
産業組織論 7 真央と明子の生産量の対応関係 2015/12/3 真央は独占企業 明子の生産量 真央の生産量 0 4 1 3 2 2 真央の生産量は減少 2015/12/3 産業組織論 7 丹野忠晋
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真央と明子の生産量の組み合わせの図 明子の生産量 3 2 1 1 2 3 4 真央の生産量 2015/12/3 産業組織論 7
1 2 3 4 真央の生産量 2015/12/3 産業組織論 7
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真央の明子の生産に対応する生産 真央にとって明子の生産量によって自分の望ましい生産が決まる
産業組織論 7 真央の明子の生産に対応する生産 明子の生産量 真央にとって明子の生産量によって自分の望ましい生産が決まる 明子の生産q2に対して真央はどのくらいの生産量q1を生産したら良いのかを表した曲線を反応曲線という 理想的には右下がりの曲線が描ける 3 2 1 1 2 3 4 真央の生産量 2015/12/3 産業組織論 7
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反応曲線とは何か 企業1にとって企業2がq2を生産しているときに自分はq1を生産する 反応曲線 独占(相手の生産量は0) q2 q1 q2
産業組織論 7 反応曲線とは何か 企業1にとって企業2がq2を生産しているときに自分はq1を生産する q2 反応曲線 q2 独占(相手の生産量は0) q1 q1 2015/12/3 産業組織論 7
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明子の反応曲線 独占(真央の生産量は0) 明子にとって真央のq1の生産に対してq2は最適な反応 明子の反応曲線も右下がり q2
産業組織論 7 明子の反応曲線 明子にとって真央のq1の生産に対してq2は最適な反応 明子の反応曲線も右下がり 真央の生産が増えれば,明子の生産は減る 矢印の向きは逆 両者の反応曲線の交点 q2 独占(真央の生産量は0) 真央の反応曲線 q2 明子の反応曲線 q1 q1 2015/12/3 産業組織論 7
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真央と明子の反応曲線の交点 q2 真央にとって明子のq2*に対して 真央の反応曲線 q1*は最適な反応 一方,明子にとって真央のq1*に
産業組織論 7 真央と明子の反応曲線の交点 q2 真央にとって明子のq2*に対して q1*は最適な反応 一方,明子にとって真央のq1*に 対してq2*は最適な反応 真央と明子の生産量の組 (q1*,q2*)をクルーノー均衡という 真央の反応曲線 C q2* 明子の反応曲線 q1* q1 2015/12/3 産業組織論 7
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クールノー均衡 真央と明子がアイスショーの提供 お互いの生産量を読み合う必要 真央と明子のお互いの予想は合っている
その予想の元で生産を行っている このような予想(反応)が実現する点で生産を行う生産量の組み合わせがクールノー均衡 フランス人経済学者クールノーが最初に考えた 2015/12/3 産業組織論 7
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