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分りやすい食の安全性の考え方 食料生産提供網(Food production chain)の取組み方

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1 分りやすい食の安全性の考え方 食料生産提供網(Food production chain)の取組み方
鹿児島市食育推進ネットワーク会議 2013年6月6日 分りやすい食の安全性の考え方 鹿児島大学名誉教授(共同獣医学部) 岡本嘉六 食料生産提供網(Food production chain)の取組み方 化学物質 汚染物質 病原体 農薬 第一次生産 生鮮食品の供給 加工・取扱い 小売 消費 新技術 リスクと便益 アレルゲン 人類は狩猟採取時代から自らの食料を生産するために定住生活の時代を迎え、より多くの人々の食料を賄う生産が可能になったことで分業が成立し、様々な職業が生まれるとともに文明が開花した。これによって、食料の生産、加工、流通、消費の過程が分かれることになった。 相互理解と協力に基づく信頼性構築が「食育」の役割の一つ

2 小麦 11% 大豆  7% 果実 38% 肉類 54% 魚介類 52% 砂糖類 26% 油脂類 13% 飼料 26% 食料の60%を海外に依存している日本の食料生産提供網(Food production chain)は、世界に広がっている。すなわち、食の安全性は、国際的問題であることを認識しなければならない。もちろん、地産地消を広げて自給率を高める努力が重要だが、当面は輸入に依存しなければならない現状を直視することも必要である。

3 世界の食料状況:国民一人当りカロリー供給量
工業や商業を含めた産業の発展は世界各地の格差を生み、とくに20世紀に入って世界人口が急増する中で飢餓人口の増加が深刻化した。国民一人当り食事カロリー供給量は世界平均で2790kcalであるが、開発途上国平均で2120 kcal、先進国平均で3430 kcalとなっており、さらに国内の貧富格差が栄養不良人口を生み出している。

4 2012年においておよそ8億7000万人、世界の8人に一人が慢性的な栄養不足に苦しんでいる。5歳未満の幼児では、約1億人が低栄養に置かれ、毎年250万人が栄養不良で死亡している。
国連は2005年に「新世紀の発展目標(MDGs)」を策定し、8項目の筆頭に2015年までに飢餓人口の半減を掲げている。 しかし、2009年の「世界食料安全保障サミット」は、2050年には90億を超える世界人口を養うために「農業生産量を70%増加させる」という世界的な緊急行動を呼びかけた。 「食の権利(The right to food)」は基本的人権の一つであり、各国政府がそれを保証し、国際機関はその支援を要請されている。

5 良質の動物性蛋白質は母体と胎児にとって極めて重要。
ナイジェリア バングラディッシュ インドネシア 中国 インド 日本 ブラジル メキシコ パキスタン スペイン イタリア ドイツ フランス 米国 総摂取カロリーに占める 動物性蛋白質の割合(%) :2007~2009年 :1961~1063年 良質の動物性蛋白質は母体と胎児にとって極めて重要。 5 10 15 20 26 30 BMIと死亡リスク BMI(Body-Mass Index:体重を身長の2乗で割った指数)と癌や心血管疾患が関連する(米国)。標準体重と比べて過体重(25≦BMI<30)では目立たないが、肥満(30≦BMI)では明らかに増加している。子供においても過体重が3人に1人、肥満が過去30年に3倍に増加している。

6 日本における食中毒、糖尿病、心疾患による死亡の推移
罹患率、死亡率とも人口10万当り 食中毒 糖尿病 心疾患 患者数 罹患率 死亡数 死亡率 1960 37,253 39.5 218 0.231 3.4 73.2 1970 32,516 31.1 63 0.060 7.4 86.7 1980 32,727 28.0 23 0.020 7.3 106.2 1990 37,516 30.4 5 0.004 7.7 128.1 2000 43,307 34.1 4 0.003 9.8 116.8 2010 25,972 20.3 11.4 149.8 食の安全性とは、食品自体の安全性とともに、「安全な食品であっても<危険な食べ方>をすると健康を害して病気になる」事態を防ぐことも重要である。 2005年に制定された食育基本法で、食育を「健全な心と身体を培い豊かな人間性をはぐくんでいく基礎となるもの」とし、「食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる」とされている。

7 (食品の安全性の確保のための措置を講ずるに当たっての基本的認識)
食品安全基本法 「もの」としての取扱いを定めたものであり、「いのちをいただく」ことの基本的認識を育てるための役割はない。 (食品の安全性の確保のための措置を講ずるに当たっての基本的認識) 第三条  食品の安全性の確保は、このために必要な措置が国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下に講じられることにより、行われなければならない。 (国の責務) 第六条  国は、前三条に定める食品の安全性の確保についての基本理念にのっとり、食品の安全性の確保に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。 (食品関連事業者の責務) 第八条  肥料、農薬、飼料、飼料添加物、動物用の医薬品その他食品の安全性に影響を及ぼすおそれがある農林漁業の生産資材、食品の生産、輸入又は販売その他の事業活動を行う事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たって、自らが食品の安全性の確保について第一義的責任を有していることを認識して、食品の安全性を確保するために必要な措置を食品供給行程の各段階において適切に講ずる責務を有する。 (消費者の役割) 第九条  消費者は、食品の安全性の確保に関する知識と理解を深めるとともに、食品の安全性の確保に関する施策について意見を表明するように努めることによって、食品の安全性の確保に積極的な役割を果たすものとする。

8 相互理解と協力に基づく信頼性構築が「食育」の役割の一つ
食品の安全性: 科学に基づく合理的判断 安心: 食料生産提供網に対する信頼感 相互理解と協力に基づく信頼性構築が「食育」の役割の一つ 100%安全なことは現生にはない 「安心」を生み出すために「科学的説明」を繰返しても無駄。学校教育の一から教え治すことが不可能であるように。 食料生産提供網における安全性確保システムについて理解を深めることが、信頼感を醸成するために有効ではなかろうか?

9 自由貿易の枠組み(WTO)と衛生基準の関係概念図
危害因子についての国の衛生基準 非関税障壁(WTO訴訟) B国 A国 国際基準を満たしている商品を、国が輸入を止めた場合に輸出国との間で紛争が生じる 衛生水準が同等の国同士では問題は生じないが、衛生水準が異なると・・・・ E国 食品:Codex委員会 家畜・畜産物:OIE C国 D国 自由貿易の枠組み(WTO)と衛生基準の関係概念図 衛生および食物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定) 貿易の技術的障壁に関する協定(TBT協定)

10 食料の国際取引における安全性確保の仕組み
加盟国 科学的助言 国際貿易協定 データと 専門的知識 国際的リスク査定 FAO/WHO 科学的助言 必要性 実行可能性 影響など 基準 指針 関連文書 WTO 貿易協定 科学的助言 要請 基準の ベンチマーク (国際基準として承認) 国際的リスク管理者 Codex委員会 FAO;食品安全のための科学

11 Risk analysis Paradigm 利害関係者:各国政府のみならず、生産者、加工業者、流通業者、消費者の団体の代表者
リスク解析の理論的枠組み Risk analysis Paradigm リスク査定:科学的データを査定し科学的情報を集めるため国際的専門家会議を招集し、その後に加盟国とコーデックス員会に結論を提供する。 リスク管理:科学的助言を利用して食品の基準、指針および実施規則を策定し、健康関連問題および公正な貿易業務も織り込む。 リスクの情報交換:全ての利害関係者が伝えられた決定を実行できるように情報の交換を保証する。 リスク管理 Risk Management 政索に基づく リスク査定 Risk Assessment 科学に基づく リスクの情報交換 Risk Communication 利害関係者:各国政府のみならず、生産者、加工業者、流通業者、消費者の団体の代表者

12 FAOの「安全な食料のための科学」戦略の概要
目標2 科学的情報の広報活動 食料と関連する科学的助言を広範に広報し、加盟国による食料管理システムのより広い枠組みでの活用を図る 目標1 専門家の科学的助言の提供 コーデックス基準および国の管理措置の策定のため国際的に関連する科学的助言の適時性と品質を改善する 達成目標 科学に基づく食料基準と世界の食料の安全性を向上させる科学に基づく取組み方の手引きのための指導的な国際照会先としてWHOの協力の下で活動し、消費者保護の適切な水準を提供し、貿易を促進する 目標4 科学的なグループと連携網の構築 全ての段階で科学的助言グループとの協力と連携を強化する 目標3 国の科学的能力の強化 ・ 国の食料管理システムを強化するため入手可能な国際的な科学的データを解釈し活用する ・ 食品安全の証拠に基づく取組み方のための基礎として関連するデータを地域的に集める ・ 国と地域のデータの品質を高め、国際的領域に専門知識をもたらす 目標5 持続性と措置の成功の保証 WHOとの協力下で効率的かつ効果的に対処するFAOの能力およびこの戦略の目標達成に成功する措置を確保する

13 FAOの「食品安全のための科学の戦略2010~2013年」
目標1 安全で栄養のある食料に関する専門家の科学的助言の提供 目標2 科学的情報の広報活動 目標3 国と地域の科学的能力の強化 目標4 科学的なグループと連携網の構築 FAOの科学的助言の原則 ● 健全性(soundness):科学的卓越性(excellence) ● 責任性(responsibility):効率性(efficiency)と説明責任(accountability) ● 客観性(objectivity):助言の中立性と独立性 ● 公平性(fairness):倫理的処理(conduct) ● 透明性(transparency):総合的、理解可能な、適時の情報公開 ● 包括性(inclusiveness):多分野の国際的取組み方 JECFA:FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会、JEMRA :FAO/WHO合同微生物リスク査定専門家会議、JMPR:FAO/WHO合同残留農薬専門家会議、EMPRES:緊急事態防止システム、FERG:食品媒介性疾患負荷の疫学研究グループ、INFOSAN:食品安全当局の国際連携網、EFSA:欧州食品安全委員会、JIFSAN:食品安全と応用栄養学のための合同機関、AGN:FAO栄養と消費者保護部、GFN:食品媒介性疾患国際連携網

14 Codex委員会 消費者の健康の保護、食品の公正な貿易の確保等を目的として、1963年にFAO及びWHOにより設置された国際的な政府間機関であり、国際食品規格(コーデックス規格)の策定等を行っている(我が国は1966年より加盟)。 Codex委員会の下に、計28部会が設けられており、部会は、加盟国の中から選ばれたホスト国が運営し、会議は通常ホスト国で開催されている。規格・基準等の最終採択は、毎年1回開催されている総会でのみ行われる。 輸入食品には国内に存在しない病害虫が付着していたり、人体に有害な物質が含まれていたりする可能性があり、「衛生植物検疫措置(SPS)措置)」によって侵入を防ぐ。このSPS措置を、輸入国が国内産業を保護するための口実として乱用すると、WTOによって不当な非関税障壁と裁定される。すなわち、 SPS措置は、Codex委員会が定めた国際基準に準拠しなければならない。 国内基準=国際基準

15 Codex委員会 執行委員会 事務局 一般問題部会(10部会) 個別食品部会(11部会) 特別部会(1部会) 地域調整部会(6部会)
○ 一般原則(フランス) ○ 食品添加物(中国) ○ 汚染物質(オランダ) ○ 食品衛生(米国) ○ 食品表示(カナダ) ○ 分析・サンプリング法(ハンガリー) ○ 残留農薬(中国) ○ 食品残留動物用医薬品(米国) ○ 食品輸出入検査・認証制度(豪州) ○ 栄養・特殊用途食品(ドイツ) ○ 加工果実・野菜(米国) ○ 魚類・水産製品(ノルウェー) ○ 油脂(マレーシア) ○ 生鮮果実・野菜(メキシコ) ○ 糖類(コロンビア) ● 乳・乳製品(ニュージーランド) ● ナチュラル・ミネラル・ウォーター(スイス) ● 穀物・豆類(米国) ● 植物タンパク質(カナダ) ● ココア製品・チョコレート(スイス) ● 食肉衛生(ニュージーランド) 特別部会(1部会) 地域調整部会(6部会) これだけ多くの世界一流の専門家等が定めた安全基準だが・・・

16 国際獣疫局(OIE) OIEは、1924年1月25日に28カ国の署名による国際的合意によって設置された政府間組織である。 2013年5月には、178ヶ国が加盟している。 「陸生動物衛生規約」に基づいて、重要な家畜伝染病(人畜共通感染症を含む)の予防と制御のための措置を講じている。加盟国は、リスト疾病が発生した時に直ちに通知する義務を負っており、OIEに通知された時点で各国は輸入停止などの措置をとる。 本年3月末の中国における低病原性鳥インフルエンザ(H7N9)の発生についても、通知された時点で輸入は停止される(それ以前に、H5N1が常在化しており、家禽および生の家禽製品は輸入禁止となっている)。4月以降の報道取材で輸入鶏肉の安全性について問われたが、国際的システムとして機能している。 科学的厳格性を維持するため、リスト疾病の診断はOIEに認定された標準研究所(Reference Laboratories)が行うこととされている。2000年と2010年の日本国内での口蹄疫発生時には英国の標準研究所で確認してもらったが、現在は動物衛生研究所が行える。

17 (ISO : International Organization for Standardization)
食品の安全性に関わる民間組織 国際標準化機構 (ISO : International Organization for Standardization) 各国の異なる規格・基準や適合性評価手続き(認証制度)が貿易の技術的障害とならないような仕組みが必要となり、国際的に通用させる規格や標準を制定するための国際的機関として、 1947年に民間の非政府組織のISOが発足した。本部はスイスのジュネーヴにある。 ISO本部 日本の認定機関は日本適合性認定協会(JAB)である。 工業製品のJIS規格は、「工業標準化法」によって定められた日本の公的認証であるが、ISOとの相互認証が図られている。 A国 相互承認 B国 認定機関 認定機関 認定 認定 認証機関 認証機関 同等性 認証 認証 製品 製品 製造会社 製造会社

18 第三者認証の仕組み: 購入者と提供者の双方とは利害関係のない第三者が、購入者の要求を満たしていることを保証する。そのためには、認証に当たる要員が生産工程および認証の意義と手順に熟知していることが必須であり、特別の訓練を受けて、認証要員の資格試験に合格しなければ登録されない。 製品認証機関(第三者) 認証 (第一者) 提供者 品質保証 (第二者) 購入者 品質要求 ウルグアイラウンドの合意(1995年)によって農業分野の貿易も原則的に自由化が図られたため、食料分野の安全性と品質についても国際規格・基準が必要となった。当初はISO 9000(品質管理及び品質保証)を準用していたが、2005年に食品安全管理のためのISO 22000シリーズが発行された。 これは、HACCPの食品衛生管理手法をもとに、消費者に安全な食品を提供することを可能にするシステムである。 食品の品質と安全性に関して、 ISO 22000の認証を取得することは、Codex基準を満たしていることと同等とみなされる。工場全体の認証と、特定の製造ラインの製品に限った認証がある。

19 (The Global Partnership for Safe and Sustainable Agriculture)
グローバルギャップ ヨーロッパの小売事業者団体が1997年に設立した農産物を対象とする第三者認証組織であり、当初はユーレップギャップ(EurepGAP)と称していたが、参加会員が世界に広がり改称した。現在は日本を含め世界の80ヶ国以上、 10万件を超える認証件数になっている。 安全な持続的農業のための地球的規模での提携 (The Global Partnership for Safe and Sustainable Agriculture) EurepGAPの包括的農業保証 (EurepGAP Integrated Farm Assurance) 総則 第2版(2005年5月) 1.EUREPGAPの委任事項(Terms of Reference)  食品の安全性に関する消費者の関心、動物福祉、環境保護ならびに農業者の健康・安全・福祉を確保するために、以下のことを実行する。

20 EUREPGAPの委任事項 1.1. 商業的に利用できる農業保証計画の採用を推進し、それによって欧州内および世界的に、農業化学資材と農業薬物の使用を最小限にする。 1.2.  遡及調査(traceability)を含む既存の保証計画と基準にベンチマーキングを行うために農業生産工程管理(GAP :Good Agricultural Practice)を作成する。 1.3. 最優良事例を目指した不断の改善ならびに実践と理解のための指導を行う。 1.4. 第三者認証のための単一の認定枠組みを確立する。 1.5. 消費者と主要な生産者、輸出業者および輸入業者を含めて公開のコミュニケーションと専門的助言を行う。

21 EUREPGAP: 包括的農業保証における管理点と準拠基準
(Version 2.0、2005年5月) EUREPGAP: Control Points and Compliance Criteria Integrated Farm Assurance (Version 2.0 Mar-05) INTRODUCTION SECTION 1. ALL FARM BASE MODULE SECTION 2. CROPS BASE MODULE SECTION 3. COMBINABLE CROPS MODULE SECTION 4. FRUIT AND VEGETABLE MODULE SECTION 5. LIVESTOCK BASE MODULE SECTION 6. CATTLE AND SHEEP MODULE SECTION 7. DAIRY MODULE SECTION 8. PIG MODULE SECTION 9. POULTRY MODULE はじめに 第1節. 全ての第一次生産に共通する基礎要件 第2節. 植物生産分野に共通する基礎要件 第3節. 刈取り作物 第4節. 果樹と野菜 第5節. 畜産分野に共通する基礎要件 第6節. 牛と羊 第7節. 乳牛 第8節. 豚 第9節. 家禽 たとえば、肉牛を飼育している農場は、「全ての第一次生産」、「畜産+水産+飼料」、「畜産共通」、ならびに「牛と羊」に記載されている管理点と準拠基準を満たさなければならない。 満たしたことを第三者が確認できるためには、<記録>が不可欠となる。管理項目が多くなると、記録作業は大変である。 商取引における 契約条項の履行 信頼性=経費 全ての第一次生産 全ての植物生産共通 畜産+水産+飼料 *作物繁殖用素材 果樹と野菜 花卉と鑑賞植物 刈取り作物 コーヒーと茶 その他、綿花等 畜産共通 水産共通 牛と羊 乳牛 家禽 その他、卵等 テラピア 大ナマズ類 その他(エビ)

22 基本単位における非適合の準必須管理点の数
 農業者や農業者組織は、該当する「産業部門」と「基礎」に記載された全ての管理点と準拠基準に従い、準拠を検証するために監査を受けなければならない。各管理点に対する準拠基準の重要度は、一覧表の準拠基準の右の欄に示され、必須(Major Must)、準必須(Minor Must)、推奨(Recommend)に分かれている。必須管理点については、100%準拠することが義務とされている。 基本単位における準必須管理点の総数 基本単位における非適合の準必須管理点の数 ×10% 非適合の準必須 管理点の許容数 7.1.2.  準必須: 申請する基礎単位を含む全ての単位に適用される全ての準必須管理点については、それぞれの単位について、90%準拠することが義務である。計算のために、次の公式がそれぞれの単位に適用される。 推奨管理点については、認証とは関係がなく、各農場で独自に取組んでいることをEUREPGAPに検証してもらうことで宣伝等に使えるようにするものである。

23 (CPCC IFA Livestock base module)
家畜共通の管理点と準拠基準 (CPCC IFA Livestock base module) 整理番号 管理点 準拠基準 重要度 5 5.1 5.2 5.3 5.4 5.4.1 5.4.2 5.4.3 5.5 5.6 5.7 5.7.1 5.7.2 5.7.3 5.7.4 5.8 家畜分野共通 サイト(訳註:同一経営者が保有する複数農場を含む事業体) 作業員 家畜の供給元、特定および遡及可能性(traceability) 家畜への給餌と給水 一般的事項 飼料記録 飼料の保管と管理 畜舎と設備 家畜衛生 医薬品 医薬品記録 医薬品の保管 医薬品の空容器 死亡家畜の処分 数ヶ月から数年に及ぶ家畜の繁殖、 育成、肥育を通した日常的健康管理作業の全てを記録することは不可能であり、「管理点」に設定した項目はそれらの極一部に過ぎない。 しかし、ここに挙げた「管理点」を遵守することによって、より安全性の高い畜産物が提供可能となることを、多数の専門家、農業者、流通業者、消費者が合意して出来上がったものである。

24 (CPCC IFA Livestock base module)
家畜共通の管理点と準拠基準 (CPCC IFA Livestock base module) 整理番号 管理点 準拠基準 重要度 処置を必要とするかまたは処置された(そのために休薬期間が設定される)所定の家畜または群/畜舎を、少なくとも休薬期間が終了するまで特定するために用いる仕組みが用意されているか? 可能な場合には査定する。面談において作業員の知識を実証する。適用除外はない。 と相互点検する。 必須 5.3.6 全ての家畜について、移動時に、EUREPGAP基準および国の法律要件を満たした出荷書類が添付されているか? この出荷書類は、所有権の変更ならびに20kmを超える移動の際に使用すべきものである。 EUREPGAPが認可した出荷書類は、農場を離れる家畜の全ての移動(EUREPGAP出荷書類の手引きを参照)について正確に記入され、家畜の出荷に関して追加的に適用されるあらゆる法律要件に適合する証拠があること。適用除外はない。 5.3.7 必須

25 家畜共通の管理点と準拠基準 5.6 家畜衛生 (必須項目の管理点) 畜産事業体に属する全ての農場は、指定獣医師と診療契約していなければならない。獣医師の往診は、少なくとも毎年、あるいは、本書において特定単位の事業体に要求されている場合にはもっと頻繁に、要請しなければならない。 5.6.1 指定獣医師の助けを借りて、文書化された獣医療計画を作成・実施し、少なくとも毎年、再検討し、更新しているか? この文書には次のことが規定される:   • 疾病予防戦略(耕種的防除を含む)。  • 常在または発生の恐れが    ある主な病気。  • 日常的に遭遇する状態に施す処置。  • 推奨    される予防接種実施要項。  •推奨される寄生虫対策。  • あらゆる    投薬(飼料/飲水添加)に関する要件。 再検討には、次の項目を含まなければならない:   • 群成績。  • 飼養環境。  • 生物学的安全性。   • 作業員の適格性/訓練が必要か? 5.6.2

26 Safe Quality Food 安全で高品質の食品 オーストラリアで開発された第三者認証システムだが、米国に本拠を移している。 SQF 2000 規約は、3段階のレベルに分けられている。 レベル1: 食品安全の基本 レベル2: 認証されたHACCP食品安全計画 レベル3: 食品安全と品質の包括的な管理システム はじめに 1.適用範囲 2.参照資料 3.定義 4. SQF 2000 システムの要件 4.1 義務 4.2 計画明細書 4.3 生産の管理 4.4 検証 4.5 文書管理と記録 4.6 製品の特定、追跡および回収 付属文書1.SQF2000システムの実施 付属文書2.HACCPの原則と適用 付属文書3. SQF2000システムの認証 付属文書4. SQF2000認証の登録商標:使用規則

27 4. SQF 2000 システムの要件 4.1.1 経営方針 オーナーまたは大部分の経営陣は、供給者の目標と消費者の要求に該当する「政策綱領」において、食品の安全、品質ならびに継続的改善に関する「供給者の公約」を定め、それらの目的達成を可能とする人材を育成しなければならない。その文書は、オーナーまたは大部分の経営陣が署名し、「政策マニュアル」に取りまとめて全ての従業員に配布しなければならない。 レベル1 i.  オーナーまたは大部分の経営陣は、安全な食品を供給し、それを達成可能とする人材育成を図る自らの公約を概括した「政策綱領」を作成し、署名しなければならない。 その文書は: a .  オーナーまたは大部分の経営陣によって署名されていること b .  少なくとも毎年、経営陣によって再検討されていること c . 目立つ場所に掲示されていること d . 従業員に分かる言語で書かれ、全ての従業員に通達されていること

28 SQF:食品業界向け、HACCP に基づくサプライヤー保証規定(第 7 版 2 0 1 2 年 6 月)
レベル2 ii . 「政策綱領」には、レベル2 の食品安全計画の作成、実施および整備を行なう人材育成についての供給者責任を詳細に記載しなければならない。 レベル3 iii . 「政策綱領」には、以下の点について供給者責任を詳述しなければならない。 a. 供給者の目標と消費者の要求に該当する食品の品質と継続的改善、ならびに、それを達成可能とする人材育成 iv. レベル3の食品安全計画の作成、実施および整備に対する財政維持 SQF:食品業界向け、HACCP に基づくサプライヤー保証規定(第 7 版  年 6 月) パートA:SQF コードの実施・維持 1. SQF 認証の準備 2. 認証プロセス 3. 初回認証決定 4 サーベイランスおよび再認証 5 サプライヤーおよび認証機関の義務 パートB:SQF コード       p35 モジュール1:範囲、参考資料、定義 モジュール2: SQF システム要素 ・・・・・・・・・・・・・・ モジュール16:          p127 付属書類            p143

29 かごしまの農林水産物認証制度(K-GAP)
日本におけるISO22000認証取得: JA食肉かごしま 、くみあいチキンフーズ、鹿児島くみあい食品、鹿児島協同食品、セイカ食品、南日本ハム、カミチク、サンキョーミート、南州高山ミートセンター、プリマハム、マルイ食品、谷口海産、美老園、特香園、寿鶴、タケダハム、アサヒフーズ、エバラ食品、カルピス、キユーピー、カネヨグループ、ハウス食品、日清食品、ヤクルトヘルスフーズ、双日株(マグロ養殖業)、リンガーハット、ヨックモッククレア、タカキベーカリー 、味泉、山田養蜂場、寺子屋ウェーブ、ボロニアジャパン、・・・・・・ 日本におけるGLOBALGAP認証取得: ハラダ製茶、鶴田有機農園、山野りんご、・・・・・・ かごしまの農林水産物認証制度(K-GAP) 日本におけるSQF認証取得: コワダヤ、スターゼン、 JA全農ミートフーズ、日本ハム、コカコーラ、日本ハム、三井農林、味の素、キッコーマン、井村屋製菓、マルコメ、WATAMIグループ、日本デルモンテ、宝醤油、森永製菓、マンズワイン、八丁味噌、ヒゲタ醤油、ピックルスコーポレーション、クノール、フジパン、サッポロビール、アサヒビール、サーティワンアイスクリーム、イオングループ、マクドナルド、西友、森永乳業、丸協食産、トラストフーズ、キング食品、・・・・・・

30 食肉の安全性に関わる社会システム(1) リスク・レベルのモデル 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 素畜 飼料・飲水 畜舎環境 動物薬
リスクが減るのは2箇所だけ リスク・レベルのモデル 調理時の加熱は細菌を殺滅する。 しかし、食材や料理を室温での放置すれば、菌は増殖する。 輸送距離が延びるにつれ、細菌増殖に必要な時間も長くなる。 温度管理等の法的基準もない。 病気 動物薬残留 食中毒菌 薬剤耐性菌 と畜検査員による法律に基づく検査 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 素畜 飼料・飲水 畜舎環境 動物薬 食肉検査 食肉検査 解体 カット 出荷 輸送 市場 問屋 小売店 調理 調理 保存 喫食 食肉の安全性に関わる社会システム(1)

31 ? ? 食肉の安全性に関わる社会システム(2) リスク・レベルのモデル GAP HACCP 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 素畜
農場における 適正な衛生管理 病原体低減/HACCP Pathogen Reduction / HACCP リスク・レベルのモデル 解体処理工程など 食肉センターの 衛生管理 消費者は GAP HACCP リスクは 残る! 流通過程が 変わらなければ 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 素畜 飼料・飲水 畜舎環境 動物薬 食肉検査 解体 カット 出荷 輸送 市場 問屋 小売店 調理 保存 喫食 食肉の安全性に関わる社会システム(2)

32 ? ? 食肉の安全性に関わる社会システム(3)
食品輸送衛生法 (米国、1990) Sanitary Food Transportation Act 台所のHACCP Kitchen HACCP 適正取扱い規範 Good Handling Practice リスク・レベルのモデル 消費者 教育 流通過程の 衛生基準 GAP HACCP 農場 食肉センター 流通過程 消費過程 「農場から食卓まで」の、全ての段階で安全性確保対策を実施することによって、初めてリスクが小さくなる。 素畜 飼料・飲水 畜舎環境 動物薬 食肉検査 解体 カット 出荷 輸送 市場 問屋 小売店 調理 保存 喫食 食肉の安全性に関わる社会システム(3)

33 農業生産工程管理(GAP: Good Agricultural Practice) GAPの共通基盤に関するガイドライン(農林水産省)
農業生産活動を行う上で必要な関係法令等の内容に則して定められる点検項目に沿って、農業生産活動の各工程の正確な実施、記録、点検及び評価を行うことによる持続的な改善活動のこと。 GAPの共通基盤に関するガイドライン(農林水産省) ガイドラインにおける取組事項(野菜) 1 食品安全を主な目的とする取組 ほ場環境の確認と衛生管理、農薬の使用、水の使用、肥料・培養 液の使用、作業者等の衛生管理、機械・施設・容器等の衛生管理、収穫以降の農産物の管理 2 環境保全を主な目的とする取組 農薬による環境負荷の低減対策、肥料による環境負荷の低減対策、土壌の管理、廃棄物の適正な処理・利用、エネルギーの節減対策、特定外来生物の適正利用、生物多様性に配慮した鳥獣被害対策 3 労働安全を主な目的とする取組 危険作業等の把握、農作業従事者の制限、服装及び保護具の着用等、作業環境への対応、機械等の導入・点検・整備・管理、機械等の利用、農薬・燃料等の管理、事故後の備え 4 農業生産工程管理の全般に係る取組 技術・ノウハウ(知的財産)の保護・活用、情報の記録・保管、生産工程管理の実施、記録の保存期間

34 (HACCP: Hazard Analysis and Critical Control Point)
危害解析に基づく必須管理点 (HACCP: Hazard Analysis and Critical Control Point) 7原則、12手順 1. HACCPチームを編成する 2. 食品の説明・記述(安定性、賞味期限、包装、流通形態) 3. 製品の使用方法を確認(高リスク者向け、調理済み) 4. 製造工程一覧図(フローチャート)の作成 5. 製造工程一覧図の現場での検証 6. 危害要因を解析する (原則1) 7. 必須管理点(CCP)を設定する (原則2) 8. 許容限界(クリティカルリミット;CL)を確立する (原則3) 9. CCP の測定(モニタリング)方法を確立する (原則4) 10. 許容限界から逸脱があった場合の是正措置を確立する (原則5) 11. 検証方法の手段を確立する (原則6) 12. 記録をつけ、文書化を行い、それを保管するシステムを確立する (原則7) HACCP 一般的衛生管理 従来は加工された最終製品の検査で安全性を確認していたが、製造工程を管理することによって危害要因を制御する点が大きく異なる。

35 HACCPと衛生水準 永続的改善システム 再吟味 検証 記録 必須管理点 危害解析 再吟味 検証 記録 必須管理点 危害解析
衛生標準作業手順 SSOP 再吟味 検証 記録 必須管理点 危害解析 衛生標準作業手順 SSOP 再吟味 検証 記録 必須管理点 危害解析 衛生標準作業手順 SSOP  HACCPは定まった衛生水準を規定するものではなく、衛生水準を向上させる永続的システムであり、そのシステムの可否を認証するものである。 標準作業手順 SOP 一般的衛生管理 PP HACCPと衛生水準

36 相互理解と協力に基づく信頼性構築が「食育」の役割の一つ
食品の安全性: 科学に基づく合理的判断 安心: 食料生産提供網に対する信頼感 相互理解と協力に基づく信頼性構築が「食育」の役割の一つ なぜ安心できるのか? 1.FAO、WHO、Codex委員会、OIEなどの国際機関が、世界的科学者を集めた委員会で農場から食卓までの安全性確保に関する基準を策定している。これらの国際基準を満たさない食料は、輸入検疫によって排除されている。 2.ISO、Global GAP、SQFなどの民間機関による第三者認証システムが国際展開しており、多くの食品産業がそれらの認証を取得している。貿易に参入する食品産業は、取引相手から認証取得の証明書の提示を求められる。 3.国内農産物については、農水省および県の主導によるGAP認証が推進されている。 4. 上記の基準や認証の基礎となっているHACCPやGAPは、農場から食卓までの食品の安全性を確保するための最新の科学的方法である。


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