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静岡県及び熱海周辺地域の結核感染の現状と課題
2014/09/02 @熱海 静岡県熱海保健所 後藤 幹生 1
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本日のお話 1.結核の最近の統計 2.高齢者の結核 3.保健所の取り組み
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最初のお話 1.結核の最近の統計 2.高齢者の結核 3.保健所の取り組み 3
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新規登録結核患者数の推移 (全国,静岡,神奈川)
人 人 静岡県は昨年少し増加した。 (※ 政令市の患者を県に含む) 4 4 <結核登録者情報調査年報集計結果(概況) より>
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新規登録結核患者数の推移 (熱海周辺地域)
人 熱海市はここ2年多い。 5 5 <熱海・賀茂保健所資料, 神奈川県結核の現状 より>
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<結核登録者情報調査年報集計結果(概況) より>
結核罹患率の推移 (全国,静岡,神奈川) 10万人対 静岡県は昨年上昇した。 罹患率は、1年間に発病した患者数を人口10万対率で表したもの。 ここでは、政令市の患者も県に含み、県全体の罹患率を示す。 6 6 <結核登録者情報調査年報集計結果(概況) より>
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<結核予防会結核研究所 疫学情報センター より>
2012年 都道府県政令市別 結核罹患率地図 静岡県は、政令市を除くと 罹患率が14.4になる。 7 7 <結核予防会結核研究所 疫学情報センター より>
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結核罹患率の推移(全国,静岡,神奈川,熱海周辺)
10万人対 熱海市はここ2年間 極めて高い。 (大阪市39.4並み) <結核登録者情報調査年報集計結果(概況), 熱海・賀茂保健所資料, 神奈川県結核の現状 より> 8 8
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<結核登録者情報調査年報, 熱海・賀茂保健所資料 より>
新規登録結核患者の年齢階級別割合 2012年 n=21,283 静岡県、特に賀茂は 60歳以上が多い。 2012年 n=1,395 2012年 n=543 年 n=26 年 n=44 年 n=38 9 9 <結核登録者情報調査年報, 熱海・賀茂保健所資料 より>
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<結核登録者情報調査年報, 熱海・賀茂保健所資料 より>
新規登録結核患者の活動性分類割合 年 n=116,155 年 n=4,533 賀茂には 肺外結核が多い。 年 n=116 年 n=2,997 熱海には 塗抹陽性再治療 が多い。 年 n=65 年 n=131 10 10 <結核登録者情報調査年報, 熱海・賀茂保健所資料 より>
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発見の遅れた結核患者の割合 ◆発病から初診が 2か月以上の割合 ◆初診から診断が 1か月以上の割合 ◆発病から診断が 3か月以上の割合
熱海には 診断の遅 れが多い。 11 11 <結核管理図 より>
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喀痰塗抹陽性患者の初回治療成績 2009年 2010年 全国 2011年 2009年 神奈川 2010年 県 2011年 2009年
静岡県 静岡県,熱海, 賀茂には 死亡が多い。 2009年 2010年 2011年 賀茂 保健所 熱海,賀茂 には失敗脱落 がやや多い。 2009年 2010年 2011年 熱海 保健所 12 12 <結核管理図 より>
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<結核の統計2013, 熱海保健所資料 より>
新規登録肺結核患者の登録時職業 2012年 n=16,432 静岡県には無職がやや多い。 2012年 n=334 賀茂には自営業が多い。 2012年 n=229 年 n=26 熱海には接客業が多い。 年 n=82 13 13 <結核の統計2013, 熱海保健所資料 より>
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<結核の統計2013, 熱海保健所資料 より>
新規登録結核患者の発見方法 6.7% 57.7% 13.8% 10.9% 2012年 n=21,283 7.7% 61.5% 19.2% 7.7% 賀茂では施設・職場の健診での発見が多い。 年 n=26 7.6% 43.0% 19.0% 29.1% 熱海には他疾患で入通院中に 発見が多く、約半数を占める。 年 n=79 14 14 <結核の統計2013, 熱海保健所資料 より>
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結核集団感染件数の推移 件数 最近も,減少 傾向はなく, 2012年は 5名以上15件 10名以上4件 と過去最多。
全国 年 件数 最近も,減少 傾向はなく, 2012年は 5名以上15件 10名以上4件 と過去最多。 ※ 結核集団感染;同一の感染源が,2家族以上にまたがり, 20人以上に感染させた場合。 15 15 <結核の統計2013 より>
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結核集団感染の発生場所 2010年以降,医療機関 と社会福祉施設(高齢 者施設)が増加。 件数 全国 2003-12年
全国 年 ※ 1つの集団感染事例が複数の発生場所を有する場合もあるので, 各年の場所の件数の合計は,前ページの図の件数より多くなる。 16 16 <結核の統計2013 より>
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このパートのまとめ 1.昨年(2013年)の新規登録結核患者は,全国では約4%減少したが,静岡県では3%増加した。
2.昨年,一昨年の結核罹患率は,静岡県は全国より低いが,熱海市は県の2倍以上で大阪市並みに高い。 3.熱海保健所管内の結核患者は、 高齢者が多い 接客業と無職が多い 他の疾患で入通院中に発見されることが多い 発病や初診から診断まで時間がかかることが多い 喀痰塗抹陽性患者の治療失敗や死亡がやや多い 4.全国的に結核の集団感染は減っておらず,医療機関や高齢者福祉施設での大規模集団感染が漸増中。 17
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次のお話 1.結核の最近の統計 2.高齢者の結核 3.保健所の取り組み 18
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高齢者結核① 年齢階級別の登録者数の推移 人数 80-84歳は横ばい, 85歳以上は増加。 年 全国 1987-2012年 85歳以上
75-79歳 70-74歳 65-69歳 65歳以上 <結核年報2012 より> 1987 90 95 2000 05 10 12 年 19 19
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高齢者結核② 年齢階級別の罹患率の推移 10万人対 高年齢になるほど罹患率は 指数的に上昇。 年 50歳代後半の胃がん罹患率 101.9
50歳代後半の胃がん罹患率 101.9 50歳代後半大腸がん罹患率 100.7 60歳代前半の肺がん罹患率 107.0 (2008年 全て男女合わせての罹患率) 高年齢になるほど罹患率は 指数的に上昇。 10万人対 全国 年 85歳以上 80-84歳 75-79歳 70-74歳 65-69歳 全年齢 <結核年報2012 より> 1987 90 95 2000 05 10 12 年 20 20
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80歳以上の高齢者施設での結核発生率(試算)
結核罹患率 80~84歳 66.9/10万人 85歳以上 96.0/10万人 80歳以上 80/10万人として 80歳以上の高齢者100人が利用する施設で1年間に結核患者が発生しない確率は、 100 80 100,000 1000 =0.449 ≒45% 1ー =0.923 ≒92% つまり,その施設から毎年8%の確率で結核患者が発生。 また、80歳以上の高齢者1,000人を診ている病院だと, 毎年55%の確率で結核患者が発生する。 21 21 静岡県熱海保健所 後藤幹生
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高齢者結核③ 塗抹陽性肺結核患者の症状 高齢になるほど, 呼吸器症状以外の症状が増加。 全国 2012年
全国 2012年 <結核の統計2013 より> 22 22
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高齢者結核④ 塗抹陽性肺結核患者の有空洞率
高齢になるほど, 空洞を有する割合は低下。 2012年 <結核の統計2013 より> 23 23
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高齢者結核⑤ 治療開始後3月,1年以内の死亡率 高年齢になるほど 死亡率が上昇。 結核死亡は、3か月以内 のことが多い。 全国 2011年
全国 2011年 60 % 結核死亡 他死亡 1年以内 50 高年齢になるほど 死亡率が上昇。 40 3か月以内 他死亡 30 結核死亡 20 結核死亡は、3か月以内 のことが多い。 10 全年齢 65歳以上 0-64歳 65-69歳 70-74 75-79 80-84 85-89 90歳以上 <結核の統計2013 より> 24 24
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このパートのまとめ 1.全国の65歳以上の新規登録結核患者は減少しておらず,80歳以上の結核患者は増加している。
2.85歳以上の結核罹患率は10万人対約100であり,50~60歳の胃がん,大腸がん,肺がんの罹患率とほぼ同程度である。 3.80歳以上の高齢者100人をケアする施設が,1年間に結核患者を経験する確率は約10%,1,000人をケアする施設だと約50%になる。 4.高齢者の結核患者は、 呼吸器症状がないことが、約1/3 空洞がないことが、約2/3 治療開始後3か月以内の死亡が、約1/6 (結核死亡はその約半数) 32
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最後のお話 1.結核の最近の統計 2.高齢者の結核 3.保健所の取り組み 33
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熱海保健所の取り組み 1.より積極的,広範囲の疫学調査,接触者健診 ⇒ 発端患者からの結核感染者の発見精度向上
2.患者から培養された全結核菌株にVNTR検査施行 ⇒ 感染経路の解明,強感染性/病原性,耐性菌株発見 3.治療中の患者とのより親密な関係構築 ⇒ 治療中断/脱落,再発/再治療の減少 4.高齢者施設の職員,嘱託医への結核菌感染の啓発 ⇒ 高齢結核患者の早期発見/治療,施設内感染防止, 結核病棟退院後の施設再利用促進 34 静岡県熱海保健所 後藤幹生
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まとめ と 提案 1.熱海保健所管内は県全体と較べて結核の罹患率が高いが, その理由は,①高齢化率が高い,②喫煙率が高い,③罹患率の 高い地域からの流入者が多い,が考えられます。 2.熱海保健所管内の結核罹患率を下げるためのお願い; ① 住民、高齢者福祉施設に対して ・慢性咳嗽,微熱,食欲低下,体重減少,活気低下等の際, かかりつけ医への早期受診。 ・定期健康診断による毎年1回以上の胸部レントゲン撮影。 ② 一次医療機関に対して ・上述の主訴で受診した患者に対して,積極的に胸部レン トゲン撮影を行い,結核が否定できない場合は二次医療 機関へ紹介。 ③ 二次医療機関に対して ・上述の紹介患者に対して,2回以上の喀痰検査や胃液検査 を実施し,結核を早期に除外もしくは診断,治療。 ・高齢者の入院患者や定期受診患者へのルーチンの胸部レ ントゲン撮影。 28 28 静岡県熱海保健所 後藤幹生
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参考;結核感染者の結核発病リスク リスク因子 発病リスク 勧告レベル HIV/AIDS 50~170 A
*1 *2 リスク因子 発病リスク 勧告レベル HIV/AIDS ~170 A 臓器移植(免疫抑制剤使用) 20~74 A 珪肺 A 慢性腎不全による透析 10~25 A 最近2年以内の結核感染 A 未治療の陳旧性結核病変 6~19 A 生物学的製剤使用 A ステロイド経口使用(プレドニン 15mg/日以上) 2.8~7.7 B ステロイド吸入使用(フルチカゾン 1000μg/日以上) 2.0 B その他の免疫抑制剤使用 2~3 B コントロール不良の糖尿病(HbA1c 7以上) 1.5~3.6 B やせ(BMI 20未満) 2~3 B 喫煙 ~3.0 B 胃切除 2~5 B 医療従事者 3~4 C *1;リスク要因のない感染者との相対危険度 *2;潜在性結核感染症の治療をA:積極的に行う,B:リスク因子重複時には行う, C:すぐには不要 <潜在性結核感染症治療指針 より> 36
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