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私立大学教員に求められる教育力 -学力不足の対応を考えるー

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Presentation on theme: "私立大学教員に求められる教育力 -学力不足の対応を考えるー"— Presentation transcript:

1 私立大学教員に求められる教育力 -学力不足の対応を考えるー
公益社団法人 私立大学情報教育協会   事 務 局 長    井  端  正  臣

2 学力低下の背景 団塊の世代 (1966年)進学率 17% 今の若者世代(2013年)進学率 51% 目的意識のある人が多く大学へ行く時代 ↓
団塊の世代  (1966年)進学率 17%    今の若者世代(2013年)進学率 51%    目的意識のある人が多く大学へ行く時代     ↓     目的意識の希薄な人が多く大学へ行く時代  就職のために大学卒業の学歴取得が目的 昔に比べ、「学ぶこと」に対する意欲、関心   が低くなっている  授業には出席するが、指示待ちで主体性が欠如

3 学力低下の要因-1 大学生 授業に関連する学修時間(1週間当り) 高校2年生 学校外における平日の学習時間
大学生 授業に関連する学修時間(1週間当り) 日本→0h 9.7% 1~5h 57.1% 6~10h 18.4% 11hI以上 14.4% 米国→0h 0.3% 1~5h 15.3% 6~10h 26.0% 11hI以上 58.4%                  *出展:東京大学 大学経営政策研究センター『全国大学生調査』2007年 高校2年生 学校外における平日の学習時間  1994年(平成 2年) 偏差値50-55 112分(1.9h)   2006年(平成18年) 偏差値50-55  60分(1.0h)                 中間層の勉強時間が大きく減少             (注) 学習時間には、塾や予備校、家庭教師との学習時間含む *出展:Benesse教育研究開発センター「第4回学習基本調査」

4 学力低下の要因-2 ゆとり教育による学習時間、学習内容の削減 因果関係の根拠はないが、ゆとり教育移行後においては、読み、書き、計算能力が低下
  因果関係の根拠はないが、ゆとり教育移行後においては、読み、書き、計算能力が低下 家庭環境の変容   親が子供に筋道の通った考え方を教育していない 学生の気質が変容   ネット社会に育った学生は個人の存在を仲間の中に置くことに気を使い、個性の表現が乏しい。    社会にかかわり合うことに関心は高いが、困難な問題への踏みとどまりが弱く、創造志向より安定志向、内向き志向。

5 教育現場での問題認識 「学生の学修に関する問題」
教育現場での問題認識 「学生の学修に関する問題」 学生の学修に関する問題としては、「主体性の欠如」、「基礎学力の不足」、「学修意欲の不足」

6 能動的な学修を実現するために教員が取り組むべき対策
 教員が取り組むべきは、「課題探求型・学生参加型・双方向型・体験型の授業」の積極化

7 授業での学生像と教員の問題意識 学生像 主体性の欠如、基礎学力・学修意欲の不足 教員の問題意識 ※ 学生が受身の授業から能動的授業への転換
  主体性の欠如、基礎学力・学修意欲の不足 教員の問題意識  ※ 学生が受身の授業から能動的授業への転換   (教員と学生・学生同士の対話や実習・体験の授業) ※ TA・SAによる授業・学修支援のシステム化 ※ 学修行動を点検し、達成が思わしくない学生に個別    指導を行う仕組みとしてのポートフォリオの導入   ※ 教育の質の向上を図る教員連携による授業運営

8 学士課程教育での教員の役割 学士力の方針と授業科目の役割分担が十分認識されていない
学士力を実現する授業とするため、個々の教員の視点から教育組織が目指す視点に転換 学士力に求められる能力の到達基準と授業の関連付け、授業科目間の連携・調整、到達能力の判定方法への関与を積極化する必要がある 学士力の達成を目指して、教育改善に自主的に関与することが前提となることから、教員各自の意識変革と教員団での共通理解の形成が必要

9 教員の教育力向上の課題  教員の教育力向上の課題は、第一に「能動的授業と双方向型授業のFD」、第二に「教育内容・方法の改善を支援する組織などの構築」、第三に「自主学修を促すためのFD」

10 教員の教育力 国として教育力を定義した基準はない 大学教員は免許制度がないので、教育者としての専門性が担保されていない
大学自ら学士力の質保証を担保する教育指導能力の枠組みを設定し、大学の責任の下でFDを通じて教育力向上に努めることが不可欠 本協会として策定した教育力の能力要素  *教育者としての使命感・態度  *授業設計・評価・改善力  *学生主体の授業力        *人間力を高める授業力  *教室外での学修指導力      *多元的な成績評価力  *情報通信技術の活用力      *教育改革の提案・推進力

11 大学としての課題 教育力の改善は教員個人での対応に限界がある 学部・学科の教員組織と職員組織での対応が必要
学力不足学生(留年)の発見と個別指導体制の整備  (チューターによる学修・生活面の指導、院生と一緒に春・夏休みに数学等学修   助手によるスタディズスキル支援、業者委託のeラーニングなど。大学支援を受けさせるためのインセンティブとしてポイントカード発行などの工夫もある) 初年次に主体性を引き出す産学連携PBLの導入 院生、上級学年生による学修支援体制・制度の整備 学生同士での学び合い・教え合い、学修成果を発表・議論するラーニング・コモンズの整備 学修行動を把握・点検するためのポートフォリオの導入

12 知識の定着を目指すICT活用の試み 反転授業の導入 ① 授業に必要な知識を配信し、教室で質問に答え事前学修の疑
① 授業に必要な知識を配信し、教室で質問に答え事前学修の疑  問を払拭した上でグループで課題を考えさせ、教え合う中で知識  の定着につなげる。 ② 予習しなければ授業は理解できないため、ビデオ教材で授業  外の学修を促進できる。 ③ 教材は、10分単位で作成する。編集作業の手間を省くために  紙芝居型の簡易な教材で、分りにくい部分に詳しい解説を添付 ④ 多くの科目で低得点者が減少し、高得点者が大幅に増加した ⑤ 最も重要なことは対面授業の設計と運営   (何を反転して何を対面で行うのか、明確な目的が大切) ⑥ 学修時間の増加、学生の授業関与の増加、教員と学生・学  同士による相互作用が活性化する

13 知識の定着を目指すICT活用の試み 基礎知識を定着・発展させるモデル例

14   対話による協働学修で創造的な知性を創り出すモデル


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