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カワモズクニュース№40 〔新倉ふれあいの森の ミョウテンジカワモズク〕

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1 カワモズクニュース№40 〔新倉ふれあいの森の ミョウテンジカワモズク〕
2015.12.15 〔新倉ふれあいの森の          ミョウテンジカワモズク〕    9月、新倉ふれあいの森のミョウテンジカワモズクは最盛期を過ぎ、藻体に果胞子体をたくさん作っていました。よく見ると果胞子体上で果胞子が発芽している様子が見えました。  果胞子は放出された後発芽し、着床して匍匐細胞糸を出しシャンントランシア体を形成します。シャントランシア体上で減数分裂を起こし、カワモズクの特徴ある藻体(配偶体)となります。このような果胞子体上での発芽はよく目にしますが、今回発芽した後の成長をたどることが出来ました。  発芽した細胞糸(匍匐細胞糸)は絡み合い集合する様子は以前にもお伝えしました。細胞糸が絡み合う様子は顕著でしきりに流されまいとしているようにも見えます。 9月、池の中のミョウテンジカワモズク セキショウが成長してきた湧水池 老藻体と果胞子体 果胞子体上で発芽が始まっている 発芽した細胞糸の塊  果胞子体上での発芽は報告されています(熊野・Ratnasabapathy 1982)。 今回、ミョウテンジカワモズクの果胞子体上での発芽には造胞糸基部から離れず13細胞340μmまで伸びたものもありました。  放出され発芽した細胞糸は着床し匍匐細胞糸として直立体のシャントランシア体を支えます。匍匐細胞糸の成長点は両端にみられ、両方向に伸長していきます。(空の果胞子が付いていても第1細胞から伸長します)  そして、次第に細胞糸のあちこちで直立体の立ち上がりが起こってきます。 造胞糸基部 細胞糸(赤)が朽ちた輪生枝に絡みつくようす 基部から離れず伸びた細胞糸 造胞糸基部から長く伸びた発芽 細胞糸(匍匐細胞糸)から直立体が現れる ←は成長点 両方向に伸長する  絡み合う細胞糸の集合はマット状のシャントランシア体の匍匐細胞糸の形成を、直立する細胞糸は刷毛状のシャントランシア体を想像させます。

2 匍匐細胞糸から直立する細胞糸の中に直ちに減数分裂を起こし配偶体を形成するもの(原口・小林 1969)も多く見受けられました。
 発芽した細胞糸(匍匐細胞糸)は粘性が強いのでしょうか、老藻体の周囲に絡みついたり、散在したりしています。  匍匐細胞糸から直立する細胞糸の中に直ちに減数分裂を起こし配偶体を形成するもの(原口・小林 1969)も多く見受けられました。  細胞糸は絡み合いしがみ付こうとしている。着床せず変容を起こしているようす 〔粘子球 gelatinosphaera〕  9月、新倉ふれあいの森の池の石に粘子球(広瀬・瀬戸 1959)も現れました。既に配偶体に成長しているものもありましたが黒い粒粒がたくさん出ていました。  粘子球はシャントランシア体を経ず、匍匐細胞糸から直ぐに減数分裂し変容した配偶体が四方八方に枝を伸ばしブロッコリー状の配偶体幼形を作ります。一次輪生枝の周心細胞から皮相細胞糸が盛んに伸び中軸を覆い太い束のようになります。   四方八方に伸びた枝は次第に成熟し精子嚢、造果器を形成し、カワモズクの藻体に成長します。  果胞子が発芽し絡み合い集団を形成できるとマット状のシャントランシア体に、単独で着床すると粘子球の形成となるのではないかと考えています。 石に黒く見える粒粒が粘子球 粘子球(80倍) 匍匐細胞糸から1細胞が立ち上がり、減数分裂を起こしたようす 〔ニュースに対するお問合せ〕  白子・大坂湧水林保全の会    会長  友國  洋    文責  須貝 郁子 白子3-35-6-307       (048- ) 粘子球の中心部は皮相細胞糸の束になっている


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