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CDISC standards の紹介とCDASHの活用
10-MAR-2012 CDISC Japan User Group (CJUG) 古野 和城
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2 昨年の東北大震災後、こんなポスターをよく見かけました。
昨年の東北大震災後、こんなポスターをよく見かけました。 福島原発事故が原因であり、特に東日本で電力が不足したため西日本から東日本に電力供給がなされましたが、 (クリック!) ご承知の通り、日本は東西で商用電源周波数が異なっており、これを変換できる施設は3箇所しかありません。このため、西から東に送電できた電力はごくわずかでした。 これが、標準化できていない世界です。 電源周波数が標準化できていれば、昨年夏の計画停電の規模も小さくできていたかもしれません。 それぞれが持つ資産を有効に活用し、無駄をなくして、より効率的な世界を創造する。そのために標準化は必要不可欠なプロセスなのです。 2
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Sponsor A Regulatory Sponsor AB Site Sponsor B
FDAでは医薬品の製造販売承認申請に際して、臨床データを生データの形で要求します。(クリック) この際、各社が標準化されていないバラバラな形でデータを提出すると、データ加工のステップに膨大な労力が必要となります。 またEDCを用いる場合、施設でデータを入力することになるのですが、(クリック) 入力形式が各社まちまちでは、入力しにくいですし、間違いも多くなります。 さらに企業側にとっても、M&Aが行われた場合、(クリック) 両者間でデータの形が一致していないと、データの共有化が図れず、治験データという貴重な資産を活用できないことになります。 そして、これを活用しようとすれば、やはり膨大な時間と労力が必要となります。 CDISCがNPOとして活動を開始した直後の2001年の試算によれば、このために費やされた費用は年間1億5600万ドルに上っているとされました。 こうした臨床研究のための電子的なデータの収集、交換、解析、報告および保存を標準化する活動を行っているのがCDISCです。
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Contents CDISC overview CDISC standardsの紹介 CDASHの活用
CDISC membership / CJUG について
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Clinical Data Interchange Standards Consortium
1997年: FDAが要求するデータ仕様に対応するため、Rebecca Kushが中心となってボランティアグループが組織された。 臨床研究に関連する用語の統一、データモデルの検討 2000年: 非営利団体CDISCが発足 電子的な臨床試験データの標準モデルの開発 2004年: FDA News CDISCとは、Clinical Data Interchange Standards Consortium の略です。 CDISCの原型は、1997年にFDAが要求するデータ仕様に対応するために組織されたボランティアグループでした。 その中心となったのが、現在CDISCのプレジデントを務めている Rebecca Kush 氏です。 この時点では、その目標は専門用語の統一と、データモデリングの検討がその活動内容でした。 2000年にこのボランティアグループを母体として、非営利団体CDISCが発足しました。 この時、その活動内容が、電子的な臨床試験データ標準モデルの開発へ拡大されました。 2004年は、CDISCにとってエポック・メイキングな年でした。この年の7月に公布された FDA News は大きなインパクトを持つものでした。
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2004年7月 FDA News これが、その FDA News です。
CDISCによって開発された、Study Data Tabulation Model (SDTM) と呼ばれる標準形式を受け容れる」と宣言されています。 この宣言により、CDISCの、特にSDTMが大きな注目を集めることになりました。
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2004年10月 Mission Statement “The CDISC mission is to develop and support global, platform-independent data standards that enable information system interoperability to improve medical research and related areas of healthcare. ” そして、同じく2004年10月にCDISCは、新たなミッション・ステートメントを制定しました。 ここには「医学研究および関連するヘルスケア領域の改善のために、情報システムの相互運用性を可能にするプラットフォームに依存しない グローバルなデータ標準を開発・支援すること」と書かれており、 特定のベンダーやデータベースシステムに依存しない汎用性の高い標準を開発することが強調されています。
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CDISC の組織 CCC(CDISC Coordinating Committee)
x3C(x地域 CDISC Coordinating Committee) 2000 2002 2001 2008 この間に、世界各地でCDISC Coordinating Committee が組織されました。2001年にヨーロッパ、2002年に日本、2008年に中国で発足し、インド、オーストラリア、韓国で発足に向けて準備が進められています。 8
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CDISC in Japan 2002年: CDISC の紹介
2002年: Japan CDISC Coordinating Committee (J3C) 発足 2003年: Japan CDISC Group (JCG)発足 2003年: 1st Workshop (JCG Meeting) 2005年: 1st Japan CDISC Interchange 2010年: CDISC Japan Users Group 2012年: 9th Workshop / 7th Japan Interchange 一方、日本では、 2002年1月に S.Ruberg 氏、5月に R.Kusch 氏が相次いで来日し、CDISCを紹介しました。 同じ年の11月にJapan CDISC Coordinating Committee が発足し、 翌年1月に Japan CDISC Group のキックオフミーティングがもたれ、活動が開始されました。
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JCG活動が始まった翌年、2006年5月22日の薬事日報にこのような記事を掲載しています。
「CDISC対応は待ったなし」と言うタイトルで、データ標準の導入が急務であることを訴えています。
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新たな治験5ヵ年計画 (2007年3月30日付) 「国民に質の高い最先端の医療が提供され、国際競争力強化の基礎となる医薬品・医療機器の治験・臨床研究体制を確保し、 日本初のイノベーションの創出を目指す」目的で、文部科学省と厚生労働省が2007年3月30日付で策定した「新たな治験5カ年計画」の中に、 このような記述が盛り込まれました。「例えば」という断り書き付きではありますが、 CDISC準拠のEDCとHL7準拠の電子カルテとの間でデータ交換が行えるような標準化を目指すことが宣言されています。 ただし、この文言が一人歩きして、「CDISC は EDC のための標準」という勘違いが起こってもいるようです。
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臨床研究・治験活性化5か年計画2012 (2012年3月30日付)
さらに新たな治験5カ年計画を継承・発展させるための「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」でも治験業務のIT化基盤として CDISC標準の導入が中・長期的に目指すこととして挙げられています。
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Contents CDISC overview CDISC standardsの紹介 CDASHの活用
CDISC membership / CJUG について
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CDISC 標準 Protocol Representation (PR)
Clinical Data Acquisition Standards Harmonization (CDASH) Study Data Tabulation Model (SDTM) Standard for Exchange of Nonclinical Data (SEND) Analysis Data Model (ADaM) Laboratory Data Model (LAB) Operational Data Model (ODM) Case Report Tabulation Data Definition Specification (define.xml) Biomedical Research Integrated Domain Group(BRIDG) Healthcare Link(HL) etc. CDISCは、臨床研究のための電子的なデータの収集、交換、解析、報告および保存を標準化するための組織です。 それぞれの目的に応じて多くの標準を有しています。 これが、その標準の一覧です。 これらは、もちろん相互に関連しておりますが、先のCDASHとSDTMとの関係で示したとおり、目的によってそれぞれ特徴があります。 以下、各内容について簡単に説明いたします。
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CDISCの目指す全体像 CDISCが目指す標準の全体像です。
プロトコール、ソース・ドキュメント、データベース、審査当局へのレポートのそれぞれに、SDTMやADaMで定義されるコンテンツが含まれ、 それらがODMでつながっています。電子カルテとの間はHL7またはODMでつながれています。 プロトコール情報を電子カルテシステムにHL7またはODMの形式で送り込み、 プロトコールで規定された患者情報、試験データをやはりHL7またはODMで抽出します。 一方データを抽出するためには該当するシステムにプロトコールをODM形式で格納します。 電子カルテから抽出したデータは、プロトコールの情報や、臨床検査機関からLab形式で取り込んだデータと併せてSDTMやADaMの形に加工されます。 これらを用いてレポートを作成し、審査当局に提出するという具合です。 スポンサー側のデータはすべてODMで結ばれています。また、審査当局に提出する際に登場するDefine.xmlは、SDTMデータセットの定義ファイルです。 CDISC Brochure ( より
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PR:Protocol Representation Model
プロトコル(治験実施計画書)の普遍的な要素と要素間の関係を定義 Protocol Representation Group(*)が開発 (*)2002年に HL7とCDISCの共同プロジェクトとして開始、HL7 RCRIM、CDISC、NCI、caBIG®、WHO、製薬会社、CRO、システムベンダ、大学などが参加し、FDAと EMEAもオブザーバーとして参加 UML(Unified Modeling Language)によるDomain Analysis Models 共有、再利用、異なるシステム間で電子的に交換→作成、メンテナンスコストの削減 必要な情報を容易に見つけることができる→症例の登録、IRBsや倫理委員会、当局への情報提供を容易に CRFや解析計画書の作成に一貫性のある正確な情報を提供 Protocol Representation Model、通称PRMまたはPRは、プロトコルの普遍的な要素と各要素間の関係を定義をしたものです。 元々は2002年にHL7とCDISCの共同プロジェクトとして開発が開始されたもので、現在は、HL7 RCRIM(Regulated Clinical Research Information Management、規制当局に提出される医療研究情報の交換および管理のための技術標準の開発を責務とするHL7の技術委員会)、CDISC、NCI(National Cancer Institute、米国国立癌研究所)、caBIG®(cancer Biomedical Informatics Grid、癌生物医学情報科学グリッド、生物情報学のインフラと40を超えるツールを提供し、各機関や個別の研究者が生物医学データを安全に共有することを可能にした)、WHO、製薬会社、CRO、システムベンダ、大学などが参加し、FDAと EMEAもオブザーバーとして参加しています。 PRは、UMLという言語を用いたDomain Analysis Modelとして開発され、電子的にとして保存することが可能であり、以下のような利点があります。 データの共有、再利用、また異なるシステム間で電子的に交換できるため、プロトコルの作成やメンテナンスコストを削減することができます。 また、必要な情報を容易に見つけることができるので、症例の登録の際に選択・除外基準を検索したり、IRBsや倫理委員会、当局への情報提供が容易になります。 他にも、CRFや解析計画書の作成に一貫性のある正確な情報を提供することができます。 PRは、Adverse Event、Common、Protocol Representation、Regulatory、Study ConductなどのSub-Domainから構成されています。 PRとBRIDGは、SDTMのTrial Design Modelデータセットを元に開発されています。また、PRは、BRIDGのProtocol Representationサブドメインの全クラス+他のサブドメインのいくつかのクラスを元に開発され、Study Design componentは、 HL7 Study Design Messageに多くの標準を提供しています。 16
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Critical Path Opportunities #45
Consensus on Standards for Case Report Forms “Clinical trial data collection, analysis, and submission can be inefficient and unnecessarily expensive.” “Standardization of the look and feel of case report forms could reduce these inefficiencies and also help accelerate progress toward electronic data capture and submission.” 17
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CDASH:Clinical Data Acquisition Standard Harmonization
症例報告書の収集項目の標準 項目の定義 と それぞれの必要性 Highly Recommended Recommended / Conditional Optional 症例報告書作成の注意点 CDASHとは、Clinical Data Acquisition Standard Harmonization の略称です。 医療機関での記入・入力上の混乱やエラーの機会を少なくするために、症例報告書への記載(入力)内容の標準が定められています。 ・項目の定義 と それぞれの必要性 について ・症例報告書作成の注意点について、 が記載されています。 必要性は、 常にあるべきとされる Highly Recommended 特別な場合には必要とされる Recommended/Conditional 任意の Optional の3段階に分類されています。 18
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[宣伝] CDASH解説資料 症例報告書のデータ項目を定めたCDASH標準の解説 下記3団体の合同タスクにて作成 2011年12月公開
日本製薬工業協会医薬品評価委員会 統計 DM部会 日本CRO協会 統計DMワーキンググループ Japan CDISC Coordinating Committee(J3C) / CDISC Japan User Group(CJUG) 2011年12月公開 CDISC Portal Site JapanのApproved Documentをはじめ各団体のwebサイトよりダウンロード可 「症例報告書」 に関する標準 だから・・・ 治験関連業務に従事するすべての人々が、イメージしやすく、分かりやすいです。 CDISCについて勉強しようかな、と思ったときに、始めるのが最適なのはCDASHだと思います。 解説資料を、製薬協、日本CRO協会、日本CDISCユーザーグループで作りました。ご参照ください。 19
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SDTM:Study Data Tabulation Model
申請データセットのモデル FDAはSDTM形式のテータ提出を強く推奨(2006.4) eCTDファイナルガイダンス SDTM形式のデータ提出義務化? 組織内の標準化や組織間のデータ交換に有効 臨床試験で得られたデータを申請するためのデータ構造(ドメイン及び変数)を定義している。 2006年4月にFDAが発行したeCTDファイナルガイダンスでは企業にSDTMでのデータ提出を強く推奨している。 これは、将来FDAがSDTMを義務化することへの示唆でもある。 SDTMのような結果データの標準は企業内の組織内ウエアハウス構築にも役立つものである。 医療機関 (CDASH) 治験依頼者 SDTM(臨床データ) SEND(非臨床データ) 規制当局 SDTM SEND 20
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SEND: Standard for Exchange of Nonclinical Data
非臨床の申請データセットのモデル 単回及び反復毒性、癌原性、生殖毒性、およびげっ歯類小核試験が対象 in vitro 試験、または動物で実施される一部の一般薬理または有効性試験のデータは含まない SDTMの傘下 動物毒性試験データを申請するためのデータ構造(ドメイン及び変数)を定義している。 SENDモデルはSDTMに基づいており、共通なドメインも存在する。 21
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CDASHとSDTMの関係 CDASH FDAとSDTMとの関係: SDTM ・Safety Reviewが目的
Sponsor Regulatory SDTM CRF データ出口側の標準 Site CDASH (CRFの標準) データ入口側の標準 FDAとSDTMとの関係: ・Safety Reviewが目的 ・標準化されたデータの提出を要求 先の図をさらに簡略化したものです。 臨床データをデータベース化するための標準がCDASH、申請するための標準がSDTMです。 言い換えれば、入り口側の標準がCADSH、出口側の標準がSDTMという事です。 22 22
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なぜCDASHが必要か? 「01/02/03」は何年何月何日か? 「有害事象がありましたか?」
2001年2月3日 2003年1月2日 2003年2月1日 SDTMでは、ISO8601に従って「 」と記述 CDASHでは、馴染みのある表記法「03-Feb-2001」や「03-Fév-2001」などその国の言語の略号で入力 「有害事象がありましたか?」 データクリーニングのための項目はSDTMでは不要だがCDASHでは必要 「最終的にSDTMに変換するのであれば、最初からその形式でデータを収集すればいいじゃないか」という指摘をよく聞きます。 なぜCDASHは必要なのでしょうか。 たとえば日本人が普通に2001年2月3日のつもりで「01スラッシュ02スラッシュ03」と書いたとしても、一般的には、アメリカでは2003年1月2日、ヨーロッパでは2003年2月1日と解釈します。 これでは困るので、SDTMでは、ISO8601という書式を用いて「 」と表現します。この記述方法は日本人には比較的なじみやすいのですが、欧米では一般的にはこの順で記述しないので、ISOで記述させようとすれば、誤記が増えることが予想されます。 そこで、データ入力時には最終的な集計とは別に、紛らわしくなく、かつ、入力者が入力しやすい馴染みのある記述方法を規定した標準が必要となるのです。CDASHでは2桁の日、月の三文字略号(その国のローカルな言語で)、4桁の年をハイフンでつなぐと定義されています。 またCRFには、たとえば「有害事象がありましたか?」というような、空欄と入力忘れを識別するためにする質問があります。こうした項目は、申請データには必要ないのでSDTMに含まれていません。CDASHには、こうしたデータクリーニングのために必要な項目も含まれています。
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ADaM:Analysis Data Model
解析データモデル 解析データセットとそのメタデータを定義 SDTMと並びFDA提出資料の一つ ADaMのデータフロー Data Flow Description SDTM Analysis Dataset Creation Process Analysis Dataset Analysis Results Generation Process Analysis Results Other ADaM Analysis Dataset Metadata Analysis Results Metadata ADaM(アダム、エィダム)はAnalysis Data Modelの略称で、解析データセットとそのメタデータが定義されています。 先のスライドで出てきたSDTMと並んでFDA提出資料となっています。 こちらはADaMのデータフローです。ADaMのデータソースにはSDTMデータや他のADaMデータが使用されます。 これらのデータからAnalysis Dataset Creation Processを経て解析用データセットとその解析用データセットに関連するメタデータが作成されます。 ・この解析用データセットはソートなど簡単なプログラミングをするだけで解析結果が得られるように作成します。 ・そしてメタデータにはデータソースから解析データセットに至るまでのトレーサビリティを記述することが求められています。 また、ここで作成された解析用データセットからAnalysis Results Generation Processを経て解析結果と解析結果のメタデータが作成されます。 ・この解析結果のメタデータは解析データセットから解析結果に至るまでのトレーサビリティを記述することが求められます。 SDTMデータはデータをタビュレート形式で表示することを目的としているので、SDTMデータから解析しようとした場合には多くの処理が必要となります。 そこでこちらのADaMのデータフローに沿って解析結果を得ることで、レビュワーは「解析に使用されたデータがどのように作成されたか」また「解析に使用されたデータがどれで、どのように解析されたか」が容易に理解できるようになり、解析結果のレビューがより効率的になります。 プロトコル, SAPなど 解析結果のレビューがより効率的に! 24
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CDISC標準の連携 PR ADaM (統計解析の標準) (Protocolの標準) CDASH (CRFの標準) SDTM
+define.xml ( SEND含む ) (申請データの標準、 臨床・非臨床データ) Sponsor Site Regulatory CRF LAB (臨検データの標準) Laboratory しかし、現実には、電子カルテとスポンサー側のEDCシステムあるいはデータベースシステムとの連携は、まだ中途にあります。 そこで、データを収集するために用いられる標準が、Clinical Data Acquisition Standads Harmonization (CDASH) です。 ここでは、簡単にCRFの標準と書いておりますが、この標準はCRFのレイアウトについては規定していません。 また、EDCだけでなく、紙のCRFにも対応できるように作られています。 CDASH、SDTM、SEND、LAB、ADaMは、それぞれコンテンツの変数名や選択肢となる標準用語などを規定しているものです。 一方、ODMやPRは、コンテンツではなく構造を規定する標準です。 ODM (データ交換/保管の標準) 25
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LAB:Clinical Laboratory Data Model
臨床検査データを収集・転送するためのコンテンツ標準 複雑な検査にも対応できる拡張性を持つ 様々な転送標準に対応 Implementation Layer (実装層) ASCII, SAS Transport, XML, HL7 Version3 message, etc Content Layer (コンテンツ層) Standard Laboratory Data Pharmacogenomic Extension Microbiology Extension CDISC LAB (Clinical Laboratory Data Model) とは、 臨床検査結果を収集し参照範囲とともに転送するためのコンテンツについて作成された標準モデルである。 基本的なキーデータについて言及された「Standard Laboratory Data」および、 微生物学・ファーマコゲノミックス分野での複雑な検査に対応した「Extension」からなり、 複雑な臨床検査結果への拡張性を持たせたものとなっている。 また、CDISC LAB はASCII, SAS 転送ファイル形式など様々な転送形式に対応したものとなっている。 同一コンテンツに対して複数の転送形式を使用することにも対応したものとなっている。
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ODM:Operational Data Model
コンセプトモデル 臨床研究におけるデータ(監査証跡を含む)の交換・保存規約 21 CFR part 11 に準拠 XMLを採用 RFD(Retrieve Form for Data Capture)で利用できる Site ODMはOperational Data Modelの略で、CDISC standardsのコンセプトモデルの一つです。 コンセプトモデルとは考え方や手順に関するモデルという意味でとらえていただいて差支えないと思います。 ODMについて平たくいうと、データ転送に関する標準で、XMLを使用します。 また、単純なデータだけではなく、正確な監査証跡を提供することができるのでpart11に準拠していると言えます。 図の例では赤の矢印がODMを用いてデータの交換・保存ができる箇所を示しています。 追加情報としては、ODMに適応しているツール・アプリケーションの認証プログラム(CDISC ODM Certification)もあります。 日本国内でも有名な例としては、Medidata RaveやInform Adapter等はCDISC ODM Certificationで認められています。 Sponsor Regulatory ODM ODM CDASH SDTM ODM 27
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Define.xml:Case Report Tabulation Data Definition Specification
コンセプトモデル データの内容や構造を記述する定義を定めた規約 XMLを採用(machine readable) データの構造、目的、変数の詳細情報をレビュアーに明確に提示することができる 電子申請で使用することが可能 FDAへSDTM, ADaMのxpt(SAS転送ファイル形式)を転送する際にもdefine.xmlが利用できる Define.xmlはODMと同じくコンセプトモデルの一つで、 XMLを用いてデータの構造を記述する定義情報に関する標準です。 XMLを用いるということは、人間と機械がデータ構造を読み取れるということを意味します。 レビュアーがデータセットの変数の利用法や役割を理解することができることはもちろんとし、 コンピュータによってデータセットの内容がデータ構造定義に対して適正であるとこを容易に確認することができます。 たとえば、openCDISCなどは欧米・日本でも広く利用されています。 28
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BRIDG:Biomedical Research Integrated Domain Group
より広範囲のデータ交換を実現するためにある重要なModel 「定型」を作って、共通利用を普及させることを目指すものではない →“社内標準”の発想とは違う 「ルール」を標準化し、ルールに準拠していれば誰でもどこでも誤解なくデータの利用が可能となることを目指したもの 「臨床試験」の範囲から飛び出し、電子カルテやEHRなど「CDISC規格」以外の標準規約との“Bridge”を目指す BRIDGへ CDISCとは その先には 29
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[BRIDG Board of Directors] [Semantic Coordination Committee]
CDISC: In early 2004, CDISC started constructing a Domain Analysis Model to support harmonization of their standards for clinical research as well as with the Health Level Seven (HL7) healthcare standard. NCI: In late 2004, NCI's Cancer Biomedical Informatics Grid (caBIG™) initiative joined the CDISC BRIDG efforts to construct a structured protocol representation for its Clinical Trials Management Systems (CTMS) Workspace, in order to further interoperability among clinical trials research in cancer. HL7: In 2005, the BRIDG model was adopted by the HL7 Regulated Clinical Research Information Management (RCRIM) Technical Committee as the RCRIM Domain Analysis Model. FDA: In 2007, the US Food and Drug Administration included BRIDG in their 5 year IT Plan as a foundation for several projects. 発足 2004年から活動を開始 関連団体:CDISC, HL7 RCRIM, NCI, FDA 維持 BBoD:開発の優先順位付け、進行管理(リソース管理) SCC:モデルのメンテナンス、具体的な方法論の検討 BBoD [BRIDG Board of Directors] CDISC Academia Pharma Industry NCI HL7 FDA BRIDG SCC [Semantic Coordination Committee] caBIG HL7 CDISC FDA
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BRIDG Modelの方法論<要約> 何を取り扱っているか:Semantics
UML(Unified Modeling Language)を使用 文章としての構造 単語に対する共通の認識 正確な 情報伝達 違う環境(例えば、治験-医療間)での情報交換は、「正しい文章」でも難しい場合がある 例1:豪商と小坊主のミスコミュニケーション 「このはしわたるべからず」 例2:見た目は違うが、わかる人には同じ意味 「もうダメだ…」「orz」
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HL:Healthcare Link CDISCと医療情報システムの標準規格の相互接続を進める IHE の共同プロジェクト
医療情報システムと臨床試験のデータフローを接続するRFD(Retrieve Form for Data Capture)の構築を目指す Clinical Research Safety AE Report CRF Public Health (スライド部分以外に) 医療情報データの再入力を行わずに臨床試験のデータフローに活用できるものとして研究が進められています。 現在普及が進んでいるEDCを例にあげると、電子カルテのデータをRFDを介して直接EDCにデータを入れるフローがあります。 通常、eCRFを作成するためには手入力で入力フォームにデータを入れる必要があり、データが正しく入力されているかの確認も必要となりますが、 RFDを介してEDCに直接データを入れることにより、最低限の手入力でCRFを作成する事が可能になります。 EHR Quality Outbreak Report Quality Measure 32
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Contents CDISC overview CDISC standardsの紹介 CDASHの活用
CDISC membership / CJUG について
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CDASHの活用 CDASH Standardを上手く活用してもらうためには、まずCDASHをよく知って頂くことが大切であると考え、この章では、以下の点について説明します CDASH チャーター CDASH 開発チームが推奨する “ベストプラクティス” 3.CDASHの活用 CDASH Standardを上手く活用してもらうためには、まずCDASHをよく知って頂くことが大切であると考え、 この章では、以下の点について説明します CDASH Standardの開発経緯 CDASH 開発チームが推奨する “ベストプラクティス” 34
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CDASHチャーター 3.1: CDASHの開発経緯
臨床研究をサポートするグローバルな業界全体に わたる基本的なデータ収集フィールドのための 一連の“コンテンツ標準”を開発する 最初は全ての治療領域に共通する16個の “安全性ドメイン”を開発する CDASHは、既存の標準であるSDTMをベースに開発する 3.1: CDASHの開発経緯 2006年CDISCは、ACROとFDAより、標準化された症例報告書のコンテンツ開発にて、 リーダーシップを取るように要請されました CDASHチームは、以下の目標をCDISCチャーターとして定め、CDASH Standardの開発を行いました。 臨床研究をサポートするグローバルな業界全体にわたる基本的なデータ収集フィールドのための 一連の“コンテンツ標準”を開発する 最初は16個の“安全性ドメイン”を開発すること 上記の安全性データドメインは全ての治療領域に共通であること 標準開発のためのCDISC Operating Procedureに従うこと ※SDTMとCDASHは、非常に密接に関連していますが、 それぞれの目的が、「申請」「データ収集」と異なるために 完全に一致していない場合もあります。 ※CDASHの基本的なデータ収集フィールドは、SDTMへマッピングされており、 また、SDTM実装ガイド(SDTMIG) 準拠しています。 35
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推奨される方法論 必要なデータのみ収集 CRF設計/印刷/配布プロセスの管理 適切なレビューの実施 医療機関のワークフローを考慮
スタンダードの使用 明確な質問 適切な翻訳プロセス CRF要項を作成する データクリーニングのために 何をデータベース化すべきか データ収集システムの構築に際して推奨される方法論は、 以下の通りです 必要なデータのみ収集 CRFは、余剰なデータを収集しないようにするべきであり、代わりに、 プロトコルの質問への回答や適切な安全性および有効性データを提供 するために必要とされるデータだけを収集することにフォーカスすべき CRF設計/印刷/配布プロセスの管理 CRFの設計、印刷、配布、未使用のCRFの計上プロセスについては、 管理されなければならない 適切なレビューの実施 試験用のデータ収集ツールをデザインするチームは、プロトコルの作成に 携わる必要があり、また、CRFデザインチームにおいて適切な専門的技術を 有するべき 医療機関のワークフローを考慮 データ収集ツールを開発するチームは、医療機関におけるワークフローや 対応のスタンダードについて考慮すべき スタンダードの使用 スタンダードは、データ収集の段階において、化合物間及び治療領域間で 一貫性のあるデータを集めるために用いられるべき。 CDASH標準を可能な限り使用し、必要に応じ、依頼者のスタンダードを作成 するべき 明確な質問 CRFの質問や記載要領は、医療機関を”誘導”するべきではない 適切な翻訳プロセス CRFの他の言語への翻訳は、適切な専門家達による各レビューと承認を 同一のステップで行い、それぞれ平行したプロセスで実施すべき CRF要項を作成する CRF上の質問は可能な限り明確であるべきであり、それにより個々の質問 に対して指示する必要が軽減される。 短い指示はCRFページ上に、より詳細な指示はCRF記載要領に提示すると よい。すべての指示は簡潔なものとすべき。 指示は可能な限り標準化されるべき。 データクリーニングのために ムダなクエリーを防止するため、データベースには、検査/観察を実施 しなかったことを示す情報も含めるべき。 何をデータベース化すべきか CRFで収集されたデータは、データベース化すべき。 データベース化するが、申請データに含めないデータもある。 CRFで収集されたデータをサポートするためのデータは、データベースに 必要なく、CRFで収集する必要もない。 36
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推奨されるCRF作成フロー 標準に基づいたCRF案の作成 部門横断的なチームでのレビュー実施 CRF案の最終化 部門横断的な承認
CDASH コア・チームが推奨するCRF作成のフローは、以下の通りです 1.標準に基づいたCRF案の作成 CDASH及び社内標準に従い、確定したプロトコル案を用いて、可能な限り早期に作成します。 2.部門横断的なチームでのレビュー実施 部門横断的なチームとして、各々の規則に基づいた検討を行い作成します。 検討内容には、次の3点の内容を含みます 1点目: 解析用のデータは全て収集されているか? 2点目: 医療機関においてこの方法で収集することは可能か? 3点目: 安全性に対処できる適切なデータを収集しているか? 3.CRF案の最終化 4.部門横断的な承認 5.部門横断的なチームでのレビュー実施 6.プロトコルの承認後、CRFの承認 7.試験での、CRFの使用 37
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推奨されるCRF作成におけるFAQ Question, CRF Type, Best Practice Recommendation, Rationale の4項目で提供 以下、日付形式に関するFAQをCDASH Ver.1.1より抜粋 [Question] 被験者および医療機関が記入するCRFデータでは、どのような日付形式が使われるべきですか? [Best Practice Recommendation] CDASHは一義的な形式であるDD-MMM-YYYYを推奨します。例えば、英語のCRFでは、2008年2月の2番目の日は、”02-FEB-2008”となりますが、フランス語のCRFでは”02-FEV-2008”となります。
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CDASH User Guide The CDASH User Guide (CDASH UG) is now available to CDISC members. The CDISC UG provides CDASH implementation examples, including CDASH to SDTM mappings, CDASH ODM files and a library of example CRFs that have been created in several different data collection systems, including paper examples. The CDASH team plans to update the CDASH UG with additional examples as they become available. CDISC Members can download the CDASH User Guide CDISC webサイト CDASHページより
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Contents CDISC overview CDISC standardsの紹介 CDASHの活用
CDISC membership / CJUG について
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CDISC members enjoy these benefits and more…
Stay informed and make a difference: provide your input and directly impact the standards development process, while connecting with peers and keeping abreast of industry trends and best practices Access to CDISC Members Only Area on for information about recent FDA/CDISC activities, implementation best practices, tips and tools Receive significant discounts on CDISC events and education Can be recognized as Registered Solutions Providers to other organizations Leadership and networking through participation on the CDISC Advisory Board CDISC webサイト Membershipページより
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CJUG:CDISC Japan User Group
現時点では下記5モデルについてチームを組閣し活動中 PRチーム CDASHチーム SDTMチーム SENDチーム ADaMチーム CJUGへの参加希望の方は、CJUGリーダの古野までメール願います。(参加費無料)
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ご清聴ありがとうございました。 タスクメンバー (敬称略) 氏名 所属 久米 義博 株式会社大塚製薬工場 小阪 英明
タスクメンバー (敬称略) 氏名 所属 久米 義博 株式会社大塚製薬工場 小阪 英明 株式会社日本科学技術研修所 中村 康宏 アステラス製薬株式会社 前田 洋一 クインタイルズ・トランスナショナル・ジャパン株式会社 山口 裕志 グラクソ・スミスクライン株式会社 池田 雅行 株式会社CACエクシケア 田中 慎哉 興和株式会社 古野 和城 持田製薬株式会社 田中 久貴 SCSK株式会社 小川 浩司 株式会社ヤクルト本社 青沼 秀樹 シミック株式会社 川村 教子 大日本住友製薬株式会社
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