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「就労支援」とは何か? キャリア・アップ、FA宣言
09バリアフリー その7 「就労支援」とは何か? キャリア・アップ、FA宣言 ブログ:「対人援助学のすすめ:日々是新鮮」 RITSUMEIKAN 090819 近畿特別支援学校知的障害教育研究大会の 発表から
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Ⅰ.子ども一人一人の目標設定 (キャリア・アップ第一弾)
「やり続けたい」行動の成立 そうした行動の選択肢の拡大 Ⅱ.援助者の仕事 援助(てだて)-援護-教授(指導) (やり続けたい行動であるための支援) Ⅲ.目標設定(第二段階) (キャリア・アップ第二弾) やり続けたい行動をしやすい環境を 自らが作る Ⅳ.特別支援学校と地域 「センターとしての特別支援の意味」
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Ⅰ. 一人一人の目標 キャリア・アップ第一弾
Ⅰ. 一人一人の目標 キャリア・アップ第一弾 ・能力(ability)のボトムアップ ・社会生活に必要な行動のトップダウン 当事者中心に (本人にとって)やり続けたい行動があり その選択肢が拡大すること
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Given Get 物を与える事ではなく、彼らが物を得るということに「生活の質」の目標をおくこと” 自発的に「行動できる」ということが基本
「人を援助する際の倫理」 (The ethics of helping people)Skinner, 1978) Given Get 自発的に「行動できる」ということが基本
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「行動する」には二種類あり [正の強化]:本人にとって、好ましい結果が伴うことによって、行動が維持される(好きでやっている)
[負の強化]:嫌悪的な刺激事象が「なくなる」という結果によって成立・維持される(いやいや行っている)
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やり続けたい行動の選択肢の拡大 3)その行為の達成が、さらにその行為を続けさせたくなる。(「達成感」) キャリアアップ第一弾
これまでの表現(行動分析学的表現) 「正の強化で維持される行動の選択肢の拡大」 1)ほめれば良い? 2)うまくできたらほめる、失敗した時はなにもしない 3)その行為の達成が、さらにその行為を続けさせたくなる。(「達成感」) キャリアアップ第一弾
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仕事はつらいけど・・・・ 仕事も楽しい・・・ 上手に誉める 上手に誉める
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負の強化:嫌悪的な事態からの逃避・回避によって維持された行動の結果
この事件への回答は JR安全対策にキャリア・アップの発想があるか?
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「ほめる」「叱る」ではない 正の強化で仕事・勉強を維持する そのためには?
「ほめる」「叱る」ではない 正の強化で仕事・勉強を維持する そのためには? つらい仕事でも「ほめられる」や「賃金をもらえる」からやるの(だけ)ではなく 「仕事が楽しい」に! 外的な操作によらず行動(仕事自体)が正の強化で維持されるようにする
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行動自体が楽しい 個別の子どもによって、その目標も 「てだて」の内容も、ステップも異なる。 「今できる」課題から次第に目標へ。
「今できる」課題から次第に目標へ。 複雑な課題は最初は「てだて(援助)」つき で行い、次第にその援助を抜いていく (つまり、絶えず「今」を認める体制を作る) 個別の子どもによって、その目標も 「てだて」の内容も、ステップも異なる。
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Ⅱ.援助者の仕事 プロフェッショナルな支援者としての先生の仕事は?
・今を「認める」(=行動できる)ことのできる 環境設定(てだて)と、それによる結果(達成感)で、さらに維持・発展させる。 しかし、これなら親御さんだって(だから)やってる。 プロフェッショナルな支援者としての先生の仕事は?
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支援の3つの連環的作業 教授 援護 援助 「援助つき行動成立」の実現 援助設定の定着のための運用(表現・要請) 個人の行動(反応)形成
教授 個人の行動(反応)形成 援助 援護 進歩するとは? 行動成立のための 「新たな」環境設定 援助設定の定着のための運用(表現・要請) 望月昭(2007)編 「対人援助の心理学」(朝倉書店)
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援助設定には? 1)その子どもにできる「形態」の選択 ・口話、手話、PECS(AAC)、指差し選択 2)達成基準の緩和(行動形成の手法)
3)手がかりの明示 スケジュールの視覚化、 4)選択 緩い完成基準→次第に一般的基準へ
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「これ」 (こんな条件)があれば 「できる」
先行事象 反応(行動) 結果事象 この3つで「できる」を表現 例:カード選択肢があれば要求が可能
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「できる」は発見されるもの? 「できる」は、個別の子どもに 創造していくもの
ある条件があれば「できる」(正の強化で維持されながら行動が成立する) 「できる」は、援助つき(これがあれば=支援こみ)でかまわない 「できる」は、個別の子どもに 創造していくもの
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「できる」は表現してナンボ ●『これ』があれば『できる』という 条件についての公共的な表現(情報移行)が必要
●『これ』があれば『できる』という 条件についての公共的な表現(情報移行)が必要 → 「援助設定」の導入には、必ず周囲の人への要請が必要(同僚へ、地域へ、企業へ) 表現手段例:個別の教育支援計画(IEP) (京都では『個別の包括支援プラン』
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個別の教育支援計画(IEP) あるいは「個別のキャリアプラン」 京都では「個別の包括支援プラン」
生徒の「できる」の情報移行行動を先生、家族、地域(企業他)に容易にするためのこれも“援助設定” 発行:京都市総合養護学校
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援助者の仕事 again 教授 援護 援助 「援助つき行動成立」の実現 援助設定の定着のための運用(表現・要請) 個人の行動(反応)形成
教授 個人の行動(反応)形成 援助 援護 進歩するとは? 行動成立のための 「新たな」環境設定 援助設定の定着のための運用(表現・要請) 望月昭(2007)編 「対人援助の心理学」(朝倉書店)
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Ⅲ.目標設定 キャリアアップ(第二弾) やり続けたい行動(勉強・仕事)を しやすい環境を自らが作る
やり続けたい行動(勉強・仕事)を しやすい環境を自らが作る セルフ・マネジメント(Self-management) ・補助線を引いて幾何の問題をとく ・達成基準を自分で「決める」 ・自分自身の行動を表現する (伝える力)
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学生ジョブコーチ 総合支援学校(養護学校)の生徒の就労実習、 卒業生、地域に住む障害のある成人を対象に、「行動分析学」の基礎知識と技術を持った学生が対象者と共に事業所(企業)に入り、求められる 作業をより容易にするための支援を行う。 仕事内容 1.事前業務・課題分析 2. ジョブコーチ(直接支援) 3.課題分析・機能分析によるカイゼン 4. 対応(直接支援) 5.企業・学校への提案
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事例1 和風ファミレスでの就労実習 対象者:高等部1年生 仕事にかかる時間の計測: 学生ジョブコーチ:ひたすら記録 (おたく何してんの?)
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獲得過程の記録例:表記(作業効率) これでも「援護」可能
高津ら(2006) 学生ジョブコーチシステムという試み(2) ―養護学校生徒の飲食店 実習援助における学生ジョブコーチの役割.日本行動分析 学会発表論文集,24,50.
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2)書籍店舗での実習で使用した シール付き実習ノート
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記入項目シールを使用した結果 ○ 記入内容のうち、具体的な業務行動を明示しているものについてのみ強化を与えるとか。 言行一致について
体験実習ノートに記入した内容について、実際に行動として業務遂行に反映されていたかについて、うまく評価をとれなかった。パフォーマンスとの相関が不明瞭 実習先の職員さんにお願いしたが、すべて「○」としてくれて、注意や指導は口頭で随時おこなっていたので、変化などをおうことはできなかった。 生徒自身が毎回記入した項目が、実際にできたかどうかなどの評価を細かくしていなかったので、生徒の自己記録に対する自己評価が確実に取れていなかった。 →生徒が書いたことについて、生徒が実習後にひとつづつ評価するような記録ノートの体裁にするのがよかった。 今日の目標 ○/× 入力を間違えないようにする ○
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3)幕張メモリーノート(+マニュアル) 図1.案内行動の達成率の推移 図1.案内行動の達成率の推移
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4) 「課題分析表」の自己チェック ユースホステルの浴室清掃作業
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ここで問題が生じた! A君は、いちいち職員やジョブコーチに、作業を確認して作業時間が長くなる。 そのくせ、細かい仕上げができない。
●課題分析表のみなおし 1)もっと細かい「課題」に別けて行う? 2)機能を考える?
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2つの行動の「機能」を考える 仕事を急いで「形どおり」して 指導者の指示を仰ぐ B(行動) ↓
さ、急いで仕事 A 先行条件 仕事を急いで「形どおり」して 指導者の指示を仰ぐ B(行動) ↓ ・「よくできた」あるいは「ダメ」 C(指導者評価) 急いで次の仕事を 急いで同じ仕事を OKなら NOなら
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キャリア・アップ(第二弾)の支援 他律的な作業進行(指導者からの指示待ち) から 「自分で自分の仕事の完成度を評価する」
他律的な作業進行(指導者からの指示待ち) から 「自分で自分の仕事の完成度を評価する」 この行動の成立のための、援助設定と教授
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自己チェック表という援助
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他者への確認行動の減少 B君の報告・確認行動は、図1のチェックリストが無いときは平均18回であったが、B条件でチェックリストに自分で記入するようになったら平均4回に減少した。
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作業達成の変化 B条件「チェック表有」 A条件「チェック表なし」 A条件 ○ B条件ではA条件と比較してB君の課題達成率が上昇した。これはB君自身 が確認することを促す作業チェック表を用いることで、作業の完成度が高くなった ためであると考えられる。
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この実践の意味 他律的な就労実習行動から生まれる 「決められない」「指示待ち」の状況から
「決められない」「指示待ち」の状況から → 自己チェックによるセルフ・マネジメント による自発的進行 キャリアアップ第二弾
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重い障害のある生徒でも キャリア・アップ 「自分自身で環境を変える」行動 ☆NOという意志表示から ☆他者を介した環境設定変更 「選択」「要求言語行動」 ☆「教えて!」に当たる教示要求 ☆スケジュール表を見に行く
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キャリア・アップは継続的 実践 今 「できる」の変遷 移行支援 上方修正 実践からの確認 時間(年月)
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「おたくらは、生徒の全員就労を目指しているのか? それともQOLの拡大を目指しているのか」 (就職させればそれでいいの?)
企業からのコメント :学生企業代表が学生ジョブコーチのメンバーに・・・・・ 「おたくらは、生徒の全員就労を目指しているのか? それともQOLの拡大を目指しているのか」 (就職させればそれでいいの?) キャリア・アップは「ずっと」続く
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企業からの意見 完成品を求めてはいない(トップダウンじゃない)。 就職させた生徒が、より積極的に活躍できるにはどうしたらよいか?
それに必要な「支援」はなにか? 「できる」が増える(キャリアアップ)を前提とする人事管理は、生産性からも当然である。 これまで、どのような「できる」が先生のどんな苦労(援助・教授)で経過したか。
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FA宣言とキャリア・アップ 生徒は、FA宣言をした野球選手のようなものである。 選手のキャリアアップをはかる作業である
IEPとは、「選手」を高く売り込むための、そして異動後のキャリア・アップを促進する「売り込み書類」である
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参考文献 望月昭(編著)2007 「対人援助の心理学」 (朝倉書店)
望月昭(編著)2007 「対人援助の心理学」 (朝倉書店) 望月昭・中村正・サトウタツヤ 2009 「対人援助学キーワード集」(晃洋書店) ☆引用した論文のほとんどは、 立命館大学人間科学研究所紀要 「立命館大学人間科学研究」に収録(PDFでDL可能」
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