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入門!認知行動療法 こころのしくみ 【進行】
入門!認知行動療法 こころのしくみ 【進行】 「全7回のプログラムの第1回目です。それぞれの回は独立しており1回だけの参加が可能なようになっています。」 「今回講師を担当する〇〇です、書記の〇〇です。」 「皆さんの名前を教えてください」→一人ひとり苗字を答えてもらい、ホワイトボードに名前を書き出す。 「このプログラムでは、皆さんに文章を読んでもらったり、質問に答えていただきますが、分からない時や、答えるのがしんどい時は遠慮なくパスとお伝えください。」
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本日のテーマ 感情の種類と役割を学ぶ。 感情・考え・行動・身体反応の関係を学ぶ。 「こころの仕組み図」の使い方を学ぶ。 【進行】
「それでは本日のテーマです。」 参加者の一人を選び、3つの文を読み上げてもらう。
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感情の種類 感情にはたくさんの種類がありますが、大きく分けると、 より多く持ちたいと思うポジティブ感情と、 あまり持ちたくないと思うネガティブ感情に分けられます。 ポジティブ感情とネガティブ感情を挙げてみましょう。 どちらの感情の方が種類が多いでしょうか? ネガティブ感情 例:悲しい ポジティブ感情 例:楽しい 【進行】 参加者を一人当て、「感情には・・・」の文章を読み上げてもらう。 「ありがとうございます。それでは、少し時間を取りますので、ポジティブ感情とネガティブ感情を書き出してみましょう」 3分ほど時間を取る。そのあいだ講師とファシリテーターは参加者を見回り、課題を理解していなさそうな人がいたら援助する。 「それではどんな感情が見つかったか、一つずつ教えてください。ポジティブ感情でもネガティブ感情でも構いません」 順々に当てていく。例えば「うれしい」とだけ参加者が答えたら、「それはポジティブ感情ですか?それともネガティブ感情ですか?」と尋ねて答えてもらう。 答えてもらった感情は、ホワイトボードに書きだしていく。 「ありがとうございます、たくさんの感情があることが分かりましたが、ネガティブ感情の方が種類が多そうですね」 【ねらい】 本スライドの狙いは、感情にたくさんの種類があること、特にネガティブ感情のほうがポジティブ感情よりも種類が多いことを感じ取ってもらうことです。 【工夫】 参加者がポジティブ感情とネガティブ感情を同数案出しようとし、「うれしい」「すがすがしい」「気持ちいい」など似たような意味のポジティブ感情を列挙し、 逆に多様なネガティブ感情の一部しか思いつかないことがあります。 質問を一巡してもネガティブ感情の種類が増えないときは、こちらから誘導的な質問をして、ネガティブ感情を沢山答えてもらうようにします。例: 「危険なことが迫って、どうしようと思った時に生じる感情は何ですか?―不安」 「人前で大きな失敗をしてしまい、みんなに見られてしまった時の感情は何ですか?―恥ずかしい」 「一人孤独で、誰も話しかけてくれない時に生じる感情は何ですか?―さびしい」 ※感情と呼んでよいかどうか微妙な回答もあります(例「おいしい」「痛い」)。ここは厳密さを求める場面ではないので、否定せず書き加えていきましょう。
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感情の役割 感情は人間が進化する過程で生まれました。ポジティブな感情にもネガティブな感情にも役割があります。 ポジティブ感情には、
他の人との交流を促進し、 目的をもった行動を促進する役割があります。 ネガティブ感情は、 自分に何か問題が生じていることを知らせる 「心のアラーム」です。目覚まし時計と同じで、 アラームは不快でないと役割を果たさないので、ネガティブ感情には不快感があります。 【進行】 参加者を一人当て、「感情は・・・」の文章を読み上げてもらう。 参加者を一人当て、「ポジティブ感情には・・・」の文章を読み上げてもらう。 参加者を一人当て、「ネガティブ感情には・・・」の文章を読み上げてもらう。 読み上げてもらったら、講師なりの追加説明を加える。下案参照: 「ネガティブ感情を持つとつらくなりますね。何でこんなつらいものが存在するのかと考えることもあるかもしれません。」 「しかし、ネガティブ感情は人間を含む動物が進化する過程で生じてきたものです。進化の過程で生じてきたものには、かならず役割があります。」 「けがをした時にもし痛みの感覚がなかったら、自分が傷ついていることが分からず、傷を広げてしまうかもしれませんね。」 「ネガティブ感情も同じです。ネガティブ感情は、自分に何かまずいことが起きているということを知らせてくれるアラームのようなものです。」 「アラームには目覚ましの音や、火災報知機の音、信号の遮断機の音などいろいろな種類があって、それぞれ異なる意味がありますよね。」 「ネガティブ感情に様々な種類があるのは様々な種類の問題があることを私たちに知らせてくれるためなのです。」 【ねらい】 このスライドは、感情のノーマライゼーションが目的です。 激しい感情、苦しい感情も「人間の進化の結果生じてきた正常なもので、きちんと役割がある」ということを、講師なりの言葉で伝えてみてください。
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Aさんの場合 Aさんは、10年間大切に飼っていた犬のポチを先日亡くしてしまいました。Aさんは、ポチが好きだったボールを目にするたびに、「もうポチと遊ぶことはできないんだ」と思い、涙が出てきます。昔はよくポチと散歩に出かけましたが、最近は家に引きこもるようになりました。 質問:Aさんはどんな感情を持っていますか? 【進行】 「これからAさんという架空のケースで感情について勉強していきたいと思います。」 別の参加者を一人当て、「Aさんは・・・」の文章を読み上げてもらう。 読み上げてもらった人に、「Aさんにはどんな感情を持っていると思いますか?」と尋ね答えてもらう。 通常は「悲しい」「さみしい」「つらい」といった答えが返ってくるので、「この文章には『悲しい』とは一言も書いてないのですが、どうやって『悲しい』と分かったんですか?」と聞く。すると、Aさんが悲しんでいる間接証拠、例えば「飼っていたポチが死んでしまったから」「涙が出ているから」「引きこもってしまっているから」といった答えが得られます。「その通りですね、長く飼っていたペットが死んでしまったら悲しいですよね/涙が出ているということは悲しんでいる証拠ですよね」とフィードバックする。 【ねらい】このスライドの狙いは、感情が考えや行動や身体反応と連動しているということへの気づきを促すことです。
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感情・考え・行動・身体反応の関係 状況 できごと 考え 行動 感情 身体反応 この四つは 相互作用 しています! 【進行】
「この図は、ある状況で生じる、感情、考え、行動、身体反応という4つのものが相互作用し合っているということを示しています」 「感情が変われば行動も変わるし、考えが変われば感情が変わり、逆もまたしかりと言うことです」 「この図は今後も出てきますが、まずは4つそれぞれがどのようなものであるかを説明していきたいと思います」
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感情・考え・行動・身体反応の違い 感情はひとつの単語で表せるものです。 例えば、「喜び」、「悲しみ」、「怒り」など
感情はひとつの単語で表せるものです。 例えば、「喜び」、「悲しみ」、「怒り」など 考えは断言文で表せるものです。 最後は「~だ」「~べきだ」「~だろう」などとなる。 例えば、「友達が自分のことを嫌っている」など 行動は自分の意志で行っている動作です。 例えば、逃げる、走る、食事をするなど。 身体反応は自然と生じる体の変化です。 例えば、涙が出る、手が震える、動悸がするなど。 心の中 心の外 【進行】 参加者を一人当て、「感情は・・・考えは・・・」の文章を読み上げてもらう。 「感情と考えは、心の中にあるもので、ほかの人には見ることができません。」 「感情と考えを区別するときのポイントは感情は一言で表せるのに対し、考えは文章で表すものだということです」 参加者を一人当て、「行動は・・・身体反応は・・・」の文章を読み上げてもらう。 「行動と身体反応は心の外にあるので、ほかの人も見ることができ、ビデオにも写すことができます。」 「行動と身体反応の違いは、行動は自分の意志で決められるのに対し、身体反応は自然と生じてくるものなので自分の意志では簡単に変えられないという点です。」 【ねらい】このスライドの狙いは、感情、考え、行動、身体反応の違いを理解することです。 特に、感情と考えは「心の中」の現象で直接他人が見ることはできず、行動と身体反応は「心の外」の現象で他人が見られること、 感情と考えが別のものであることを伝えることが重要です。
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分類してみましょう 分類 悲しい 感情・考え・行動・身体反応 手が震える 自分は皆から好かれている 食事を取る 呼吸が速くなる 腹立たしい
友達と遊ぶ 仕事は完璧にこなすべきだ 【進行】 「それでは、それぞれの例が、感情、考え、行動、身体反応のどれに分類されるのかを確認していきましょう。少し時間を取りますので、例にならって、左側の事柄がどれに当てはまるか、丸を付けてみてください」 講師・ファシリテーターは参加者の間を回り、課題を理解していなさそうな人がいないかチェックする。分類のしかたについて呑み込めていなさそうな人がいたら、 「これは心の中のことですか?外のことですか?」 「これは一言で表せますか?文章で表されていますか?」 「自分の意志で変えられますか?変えられませんか?」 と聞くことで、正答に誘導する。 「それでは、どの分類に当てはまったか皆さんの意見を教えてください」 一人ひとり当てていく。通例ほぼ100%の正答率だが、間違いが見られた場合は、上記の質問で正答に誘導する。 「こういうものは4つのうち、どれに分類されるんだろう、という疑問点がある方はどうぞ」 【ヒント】 「痛い」は場合によって身体反応に入れることがあるが、状況に入れることもある。好みや欲求(「アイスが好きだ」「スケートをしたい」は、この4つの分類には当てはまらないので、鋭い参加者から疑問がでたら、それが鋭い質問であることを伝えつつ、どれにも分類できないと伝える。
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こころの仕組み図を使ってみよう 考え 行動 感情 身体 反応 テストの当日の朝 テストでミスをするかもしれない 学校をずる休みする
不安100点 【進行】 「それでは4つのものの区別ができたところで、〈こころのしくみ図〉という紙の使い方を勉強していきたいと思います」 「これは学校で苦手なテストがある日の、太郎君のこころの仕組み図です。」 「左上は状況を書きます、これはテスト当日の朝のことですね。」 「テスト当日になると、不安な気持ちが出てきます。これを右下に書きます」 「不安になるのは、『テストでミスをするかもしれない』という考えがよぎったからです」 「不安になった太郎君はお腹が痛くなってきました。これは身体反応ですね」 「そして太郎君はついに学校をずる休みしてしまいました」 「このようにこころのしくみ図は、ある出来事が生じた際に出てくる、感情、考え、行動、身体反応を整理するのに役立ちます」 「記入をするときには、出来事→感情→身体反応・行動→考え」の順に書いていくのが一番簡単です。 「それでは、さきほどのAさんの例で、心のしくみ図を用いてAさんの気持ちを整理してみましょう。Aさんの例を思い出すために、もう一度読んでみましょう」 参加者を一人当て、Aさんの事例をもう一度読みあげてもらう。 「それでは少しお時間を取りますので、Aさんの感情、考え、行動、身体反応を記入してみてください」 3-5分ほど時間を取る。参加者の間を回り、課題を理解できていない人をサポートする。 こころのしくみ図を埋める際、「考え」を埋めるのは難しいため、他の所から埋めるようサポートする。 【ねらい】本スライドの狙いは、こころのしくみ図の使い方を学ぶことである。 お腹が痛くなる 体が震える
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四つの関係にはパターンがある 悲しみ 怒り 恐怖 大切にしていたものを失った 涙が出る 体が重くなる 引きこもる 寝込む
感情 考え 身体反応 行動 悲しみ 大切にしていたものを失った 涙が出る 体が重くなる 引きこもる 寝込む 怒り 大事なものを他人に侵された 顔が赤くなる 筋肉がりきむ 恐怖 危険が目の前に迫っている 【進行】 「実は、感情・考え・身体反応・行動には、典型的なパターンがあります。このパターンを知っておくと、4つの関係に気づきやすくなります。」 参加者を一人当て、「悲しみ」の行の考え・身体反応・行動を読み上げてもらう。 「それでは、〈怒り〉の場合はどうでしょう?」 参加者を一人当て、「怒り」の行の考え・身体反応を読み上げてもらい、怒りに伴う典型的な行動を答えてもらう。 「それでは〈恐怖〉の場合はどうでしょう?」 参加者を一人当て、「恐怖」の行の考えを読み上げてもらい、怒りに伴う典型的な身体反応と行動を答えてもらう。 「皆さんに配布した資料の最後の方に、感情リストというものを付けています。主要な感情のリストがあるので、後でぜひご覧ください」 【ねらい】このスライドは、感情・考え・身体反応・行動の典型的な関係性を理解することである。 【工夫】 予想した答えが得られない場合は別の人に当てる。 全く答えが出ない場合は「感情リスト」のなかから、答えを探してもらっても良い。
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感情を直接変えるのは難しい 考え 行動 感情 身体 反応 状況 できごと 問題解決法・アサーション 認知再構成法 行動 活性化 薬物 療法
【進行】 「最後に、このプログラムの今後の回のお話について説明します」 「感情・考え・身体反応・行動は相互作用しているとお話ししましたが、それは一つの部分を変えると、他の部分もそれに伴って変化するということです」 「皆さんは薬で治療をしている方が多いと思いますが、薬の治療は辛い感情に直接作用するものであり、とても重要です」 「しかし、それに加えて行動や考えや身体反応の部分に働きかけることで、逆に辛い感情を和らげることもできるかもしれません」 「辛い感情を引き起こす大元になっている状況や出来事を変えることができる場合もあります」 「第2回の〈行動を活性化しよう〉では、行動に働きかける方法を学びます」 「第3回の〈呼吸法とリラックス法〉では、体に働きかける方法を学びます」 「第4回の〈考え方を柔軟にしよう〉では、考えに働きかける方法を学びます」 「第5回の〈生活をふり返ろう〉では、状況や行動と感情の関係を見る方法を学びます」 「第6回の〈ストレスに対処しよう〉は、辛い状況から生じる感情を和らげる方法を学びます」 「第7回の〈自分の気持ちを伝えよう〉では、ストレスになるような対人関係を改善する方法について学びます」 「ご質問はありますか?」 身体 反応 薬物 療法 呼吸法 筋弛緩法
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感想を教えてください! 分からなかったところ 参考になったところ・役に立ちそうなところ 【進行】
「それでは本日のプログラムはこれで終了です」 「わからなかった所、参考になったところなどを教えてください」 時間的に余裕があれば1人1人聞いていく。 「最後に皆さんにフィードバックペーパーを書いてください」 「これは今日のプログラムの感想を、担当の先生や看護師さんに伝え今後の治療に活かしたり、プログラムの改善に役立てるために使います」
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感情リスト 表情 感情 感情の背後にある意味、感情に伴う考え 感情に伴う行動 からだの反応 たのしい うれしい 満足
大切なものが手元にある。 希望がかなった。 目標を達成した。 人間関係が良好だ。 人と交流する 活動的になる 将来の計画を考える 体が軽い 笑顔になる リラックス かなしい みじめ 大切なもの(健康、愛情、好きな人や物、評判)を失った。 夢や目標を果たせない。 引きこもる 失ったものを何度も思い出す(反すう・後悔) 涙が出る だるい 体が重い 恐怖 危険が迫っている 自分に危害が加えられる。 その場から逃げる その場に立ちすくむ がくがくする 動悸がする 呼吸が速くなる 不安 未知の何か悪いものが近づいている。 自分には対処する力がない。 状況をコントロールできない。 その場を避ける 将来をあれこれ心配する 動悸、呼吸が速くなる、体が力む、口が渇く、めまい 不快 嫌悪 悪いものが近づいている。 距離を取った方がよい。 その場を離れる ふるえる 目をそむける いかり 自分が不当にあつかわれている。 自分の領域がおかされている。 人やものに当たる 他人や自分を傷つける 不当なことを何度も思い出す ふるえる、 体が力む、 顔が赤くなる
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感情の強さ 0% 20% 40% 60% 80% 100% 落ち着いている 強い感情 表情 感情 感情の背後にある意味、感情に伴う考え
感情に伴う行動 からだの反応 はずかしい 隠しておきたいものが知られてしまった。 まわりの人が自分に着目している。 自分の失敗を人が見たら大変なことになる。 隠れる 人目を避ける 自分のことばかり着目する 赤面する 汗をかく どもる 混乱 パニック 次にどうすればいいか分からない。 予想外のことが起こった。 おろおろ動き回る 頭が真っ白になる、 めまいがする いらいら 現実と理想が合わない。 物事がうまくいかない。 うろうろ歩きまわる 人や物にあたる 口論をする 体をゆする さびしい 自分は孤独だ。 誰も愛情をかけてくれない。 自分の大切な人はいなくなってしまった。 引きこもる 過去の思い出に浸る。 人を求める 涙が出る むなしい 努力しても得られるものがない。 物事が自分と関わりなく決まってしまう。 課題を途中で投げ出す だるい、体が重い 絶望 問題はずっと解決しない。 将来も辛い状態がずっと続くだろう。 涙がでる、 感情の強さ 0% 20% 40% 60% 80% % 落ち着いている 強い感情
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こころのしくみ図 飼っていた犬のポチが死んだ ポチと遊んだボールが目に入った こころの外 こころの中 とっさの考え(自動思考)
事実・できごと・状況・体験 飼っていた犬のポチが死んだ ポチと遊んだボールが目に入った 感情 行動・対処 身体反応 氏名: 日付: 年 月 日 No.
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