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ミレニアム津波ハザードの総合的リスクと被災後の回復過程の評価
2010.12.22 東北大学 科研費集会 第2回目 今村文彦
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目的 千年に一度程度発生する低頻度巨大津波災害(以下,ミレニアム津波ハザード)
災害史学による史実の補完を,地質学・堆積学・地形学・地震学など科学的な手法(痕跡史)に基づき実施 特に本研究では,①869年貞観津波(東北地方太平洋沿岸部)と②1771年明和津波(沖縄県宮古-八重山諸島)を対象に,津波ハザードの定量的評価を実施 いずれも,千年程度に一度程度の低頻度災害であるが,死者数千~一万名以上(当時)を出し,社会構造も大きく変えた大災害である.これらの歴史的記述は断片的ながらも残されており,世界的に見ても史実と痕跡史を詳細に比較できる極めて稀な事例でもある.
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3つのグループ 【1】災害史の再検討と当時の環境・地形の再現【都司ら,菅原ら】 :各史料を整理・検討し,災害史学的に推定される津波の挙動と影響を明らかにする.一方,地形など当時の環境(計算諸条件)を地形学・堆積学的に復元し,数値解析の入力データとして整備する. 【2】痕跡史からのハザード情報の摘出と低頻度ハザード評価【松本ら,後藤ら】:対象沿岸域での津波堆積物および津波石の分布データの現地収集を行い,その分布から入射波条件,水理特性,津波浸水域などを推定する.こうした波源についての制約条件をインバージョン法に取り入れ,津波発生メカニズムを考慮して波源モデルを推定する.次に,フォワード問題として,沿岸域での詳細な津波挙動や影響を解析し,ハザード評価を行う.得られた結果を史実と比較することにより,結果の妥当性の検討を行う. 【3】総合被害推定と回復力の評価【越村・高橋ら】 :ハザード情報に関する詳細な計算結果に加え,インド洋大津波で得られた人的被害・建物・環境被害に関する被害関数を適用し,当時および将来の被害推定と環境への影響評価を行う.その結果を史実と対比し,被害実態や回復力について議論する.
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実施上でのグループ 科研分担者をリーダーに実施していく 分担金は各リーダーに配分済み 都司G:松岡,橘 松本G:宮城,小岩
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ハザード評価・Fragility関数による総合被害推定・地形変化【越村・高橋】
計画・総括【今村】 環境・地形再現 現地調査 災害史学・史料解析【都司】 1771明和・津波石移動【後藤】 869貞観・津波堆積層【松本】 史実 痕跡史から拘束条件 検証・新たな災害像【全員】 ハザード評価・Fragility関数による総合被害推定・地形変化【越村・高橋】 定量的総合的被害評価 回復力評価・ヒステリシス過程・減災提案【今村】 新しい評価手法の提案 成果を,HPを通じて,ハザードマップ,CGで提供,
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ミレニアム津波ハザードのヒステリシス ダメージ 津波外力,影響力 甚大な被害レベル 防災学的なレジリエンス カタストロフィ遷移 可逆的過程
回復可能 津波外力,影響力
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第一段階での対象イベント 観測データ 影響資料・史料 堆積物 地形情報 発生機構・数値解析 社会影響 環境影響 歴史的影響 × △
869貞観地震津波 × △ 三代実録のみ 未知 大 1771明和地震津波 珊瑚岩 ○ 地域的に甚大 珊瑚礁,農業 1960チリ沖地震津波 ◎ 地球規模 2004スマトラ沖地震・インド洋津波 沿岸地域
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低頻度巨大災害の影響(河田,2001) 地 震 全体 巨大災害 1000名以上の犠牲者 発生件数 416件(620年以降) 32件(6%)
地 震 全体 巨大災害 1000名以上の犠牲者 発生件数 416件(620年以降) 32件(6%) 犠牲者数 343,000人 328,000人(96%) 津 波 全体 巨大災害 1000名以上の犠牲者 発生件数 180件(684年以降) 21件(12%) 犠牲者数 125,000人 117,000人(94%) 高 潮 全体 巨大災害 1000名以上の犠牲者 発生件数 190件(701年以降) 17件(9%) 犠牲者数 78,000人 46,000人(59%)
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今年度の活動 4月ITFSを仙台で開催(仙台および沖縄で巡検実施) 5月 科研費交付
5月 科研費交付 6月 第1回 科研費集会 10月 科研費HP作成 データリポジトリ(要ID・Password) 12月 第2回 科研費集会(中間報告,来年度計画) 2月 年度のまとめ(報告書) 予算:2010/940万,2011/830万,2012/930万,2013/920万,
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