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平成29年度 上期事業者アンケート調査結果 (平成29年8月実施) 平成29年度 伴走型小規模事業者支援推進事業

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1 平成29年度 上期事業者アンケート調査結果 (平成29年8月実施) 平成29年度 伴走型小規模事業者支援推進事業
平成29年度 伴走型小規模事業者支援推進事業 平成29年度 上期事業者アンケート調査結果 (平成29年8月実施) 平成29年12月 函館東商工会

2 回答者属性 調査目的 規模事業者が今後の経営に係る企画立案に当調査報告書を活かすことでより現実的、具体的な事業計画を作ることを目的とする。 調査期間 平成29年8月7日~8月31日 調査対象 函館東商工会管内の小規模事業者244者 回答事業者 58事業者(回答率23.7%) 業種構成 小売業17 建設業15 製造業12 サービス業7 自動車整備業2 運輸業2 飲食店1 卸売業1 漁業1 合計58

3 業績および景況感 直近の売上高については、1,000万円未満が38.2%、1,000~3,000万円未満が34.5%と、3,000万円未満の事 業者が約4分の3。 一方で直近売上高が2億円以上という事業者も約1割存在。 5年前からの景況感については、「普通」が半数いる一方、「悪い」および「非常に悪い」を回答した事業者は約 4割。「よい」および「非常によい」と回答した事業者はわずかに1割程度。

4 景況感が良いと感じる理由は、「客数の増加」が最も多い。客単価を上げずらい環境の中で、いかに客数を増 やすかがポイント。
景況感の理由 景況感が良いと感じる理由は、「客数の増加」が最も多い。客単価を上げずらい環境の中で、いかに客数を増 やすかがポイント。 景況感が悪いと感じる理由は、「客数の減少」が最も多く、次いで「客単価の減少」、「同業者との競争激化」が 続いた。人口減少による縮小された市場を、既存事業者で競争する厳しい環境下にある。 自由意見 住民高齢化、減少など)禁煙、不景気節約 入院期間が約4ヶ月で、仕事ができない状況であった。 漁の不足

5 資金繰り 資金繰りの状況は、「普通」が約7割。設備投資や研究開発などの資金需 要は発生しておらず、支払いや返済は遅滞なく履行している状況。 「悪い」と回答した事業者は約4分の1存在し、その理由は「売り上げの減 少」、「利益率の低下」が多い。客数の減少による売上高の減少で、利益 率が低下し、結果として資金繰りが悪いと感じていると推察。

6 販路開拓 減少している客数を回復するためには「販路開拓」が必要不可欠であるが、その取り組みとしては、「既存商 品・サービスの見直し」、「人材の確保」、「経営戦略の見直し」、「収益性の改善」といった“若干前向きな内容” が多かった。 しかし「新規機械の導入」、「新商品・サービスの開発」、「ニーズの調査・把握」といった、“より前向きな内容” は少ない回答数である。客数の回復にはこれらの取り組みが求められる。 自由意見 外回りの強化 戸別訪問、試読紙配布など 外販を行っている 自社展示会(毎年10月の第一土・日開催)

7 ITの利活用 独自のホームページを持っている事業者は約1割に過ぎず、商工会のシステムを利用している事業者も極めて少 ない。販路開拓の方法としては、ネットショッピングやブログ、LINE、Instagramでの情報発信がされている。 一方、「今後もつくる予定はない」、「ネット環境にない」といった消極的な事業者は6割近くにもおよび、客数の回復 に必要な販路開拓への支障が懸念。 自由意見 LINE、Instagram

8 資金調達 8割以上の事業者が「資金調達の予定がない」と回答。先の販路開拓 の設問では、既存事業の見直し程度の取り組みが多かったが、大き な資金需要も発生しないため、調達予定がないと判断していると推察。 「資金調達の予定がある」と回答した事業者は、その調達方法は「借 入金」が圧倒的に多く、調達の目的は「仕入資金」が最も多く、次いで 「機械や車両等の購入」、「店舗施設の改善」が続いたが、「研究開発」 はゼロであった。

9 補助金の活用 「補助金を活用する予定はない」と回答した事業者が半数を超えた。多くの補助金制度は、前向きかつ新規性 のある事業が対象であるため、既存事業の延長線上で経営していると、補助金への関心は薄い。 一方「活用したい」と回答した事業者は17%存在し、その目的は「機械の導入」が最も多く、次いで「店舗・工場 等の改修」が続き、設備投資に活用したいという意向がうかがえる。

10 今後有望な地域資源 水産資源については、昆布が 多く回答されたが、昆布以外 の可能性も指摘する意見もみ られた。 地元の自然についても多く回 答され、特に恵山を中心とし た観光メニューの開発が有望 という意見が多い。 反面、歴史的な資源について は少なく、地元住民は縄文文 化等の歴史的な遺産への関 心が低い可能性がある。町外 へもっと歴史遺産をPRするた めには、住民がもっと関心を 持つべきであり、市や観光関 係機関などを絡めての、一体 となった取り組みが必要と考 えられる。

11 行政主導よりも民間の力 を活用すべきとの意見も あったが、函館市と合併 した現状では、行政に依 存するのは限界があると 思われる。
地域資源の有効活用策 地域資源の有効活用策 については意見が分かれ たが、キャンプや土偶な どの体験を通じた、地域 資源の消費、ひいては域 内消費へとつなげるべき という意見がみられた。 行政主導よりも民間の力 を活用すべきとの意見も あったが、函館市と合併 した現状では、行政に依 存するのは限界があると 思われる。 漁業不振

12 反面、「経営診断」や「事業計画策定支援」 といった可視的な効果がわかりずらい、あ るいは短期的な効果が期待できない項目 には関心は高くない。
商工会への要望および自由意見 商工会への要望としては、「補助金などの 情報提供」が最も多かったが、「人事・労 務」、「確定申告」、「専門家の紹介」も多く 回答されており、比較的短期的な課題へ対 応を要望する傾向がみられた。 反面、「経営診断」や「事業計画策定支援」 といった可視的な効果がわかりずらい、あ るいは短期的な効果が期待できない項目 には関心は高くない。 自由意見

13 調査結果を踏まえた提言 1.域外の需要の取り込み
 地元住民の消費が大部分を占める小規模事業者にとって、人口減少による市場の縮小は、現在多くの事業者が問題として捉えている「客数の減少」に直結する。これを最小限にとどめるために、域外の需要の取り込みが必要不可欠である。 既存商品・サービスの見直し  多くの事業者が販路開拓のために既存商品・サービスの見直しに取り組んでいると回答しているが、その方向性について、市場ニーズに基づいているか、自社の強みを発揮できるものであるか、さらにそれらを組み合わせて競合他社と差別化できるものであるかを明確にすべく、環境分析を徹底する必要がある。 積極的な販路開拓  特にインターネットを活用した販路開拓は経営資源が限られている小規模事業者にとっては必須といっても過言ではない。ITの専門家の助言を受けるなど、低コストで多くのターゲットに到達するような情報発信や、FacebookやInstagramなど顧客が自ら情報発信するような仕掛けを考えるべきであり、そのことが域外の需要を取り込むことにつながる。 2.中長期的な視点での経営目標  客数の減少を食い止め、どの程度まで売り上げを維持するのかといった、定量的な目標も定めるべきであり、目標策定後は、実績との差を毎月分析して、早期に対策を打てるような体制を確立すべきである。数字が苦手、PCが苦手という経営者も少なくないが、新商品開発や販路開拓の取り組みよりもはるかに簡単なものである。 3.地域一丸となった取り組み  自由意見の中には、現状に対する不満やあきらめといった意見も散見された。合併後の市役所における意思決定が単純ではない事情も理解できるが、各事業者の後継者は将来を語ることができる人材であり、そのような人材が集まって、市役所や観光協会等を巻き込んで、一つの目標に向かって進むことは、10~20年といった長期的スパンにおいては非常に有益なものである。例えば、そのような取り組みを商工会や農協、漁協などの青年部などで組織横断的に実施できないか。


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