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○清家伸康・大谷 卓 (農業環境技術研究所)
土壌中有機塩素系農薬の逐次抽出 ○清家伸康・大谷 卓 (農業環境技術研究所)
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Q. なぜ逐次抽出なのか? A. 化学物質(有機塩素系農薬)と土壌との吸着強度別の存在量を評価することが出来る
溶媒B 溶媒C 溶媒D 吸着強度 強 無 溶媒の極性 A. 土壌中の化学物質(有機塩素系農薬等)のBioavailabilityを評価することが出来る PAHsの微生物分解: 水・メタノールでは過小,ブタノールでは過大評価 ★Macleod and Semple, Soil Biology & Biochemistry (2003)
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方 法(逐次抽出) 土壌試料(8g 乾重) 遠心分離(3000rpm,10分) 振とう抽出(24時間) 残土
方 法(逐次抽出) ★Macleod and Semple, Soil Biology & Biochemistry (2003)の方法に準拠 土壌試料(8g 乾重) 遠心分離(3000rpm,10分) 水・メタノール(1:1)40mL(固液比1:5) 上澄み: 振とう抽出(24時間) n-ブタノール画分 残土 遠心分離(3000rpm,10分) ジクロロメタン100mL 上澄み: ソックスレー抽出(24時間) 水・メタノール画分 ジクロロメタン画分 残土 n-ブタノール40mL(固液比1:5) 残土 0.1M Na2P2O7:0.1M NaOH(1:1)100mL 振とう抽出(24時間) 振とう抽出(24時間)
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クリーンアップ&GC/MS測定 抽出液 ヘキサン転溶 フロリジルカラム グラファイトカーボン カラム HRGC/HRMS Hex
クリーアップスパイク ヘキサン転溶 フロリジルカラム Hex 25%DCM/Hex グラファイトカーボン カラム Hex シリンジスパイク HRGC/HRMS
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検討項目 供試土壌: 1. 全量抽出と逐次抽出 2. 逐次抽出での各種溶媒の抽出率と炭素含量との関係 3. 応用例
・黒ボク土;T-C=9.9% ※添加試験ではなく,現地(農家)圃場の土壌 ・褐色低地土;T-C=1.9% 1. 全量抽出と逐次抽出 ・アセトンによるソックスレー抽出と逐次抽出(合計)の結果を比較 2. 逐次抽出での各種溶媒の抽出率と炭素含量との関係 ・抽出率の特徴 ・物理化学的性質(Kow,Koc)からの解析 3. 応用例 ・土壌中の可吸態ディルドリンの評価: キュウリによる吸収
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全量と逐次(合計)の抽出効率 ・黒ボク土;T-C=9.9% ・褐色低地土;T-C=1.9% ● 全量抽出=逐次抽出(合計) (n=3)
水・メタノール(振とう)+ アセトン(ソックスレー) n-ブタノール(振とう)+ ジクロロメタン(ソックスレー) ・黒ボク土;T-C=9.9% ・褐色低地土;T-C=1.9% (n=3) (n=3) 濃度(ng/g-dry) ● 全量抽出=逐次抽出(合計)
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逐次抽出(各抽出画分の割合) ・黒ボク土;T-C=9.9% ・褐色低地土;T-C=1.9%
● 両土壌とも,水・メタノール + n-ブタノールで60~80% ● 水・メタノールによる抽出量: 黒ボク土 < 褐色低地土 (5~20%) (10~60%) ○ NaOHで抽出される量は,全量に対し5%以下 ※ただし,NaOH存在下では分解されている可能性有り
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抽出率とKow*との関係 水・メタノール 水・メタノール + n-ブタノール 抽出率 抽出率 HCHs Log Kow* Log Kow*
*Suntio et al.(1988) Rev..Environ. Contam. Toxcol. 水・メタノール 水・メタノール + n-ブタノール r=-0.63 (p<0.05) Y=-0.078X+0.66 抽出率 抽出率 HCHs r=-0.71 (p<0.01) Y=-0.040X+0.27 Log Kow* Log Kow* ●水・メタノール抽出率とKowの関連有り。+ブタノールは無し。 ●水・メタノール抽出の場合,黒ボク土と褐色低地土で回帰直線の傾きが異なる → 抽出率と炭素含量との関係
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土壌吸着平衡定数 Koc= Kd×100 T-C(%) Kowとの関係 炭素含量との関係
logKoc = logKow 水・メタノール(1:1) Log Koc 水・メタノール Log Koc(褐色低地土) +ブタノール Log Kow Log Koc(黒ボク土) ● Kowとの関係: 水・メタノール ◎ ● 炭素含量が異なる土壌間でKocは同じ値 +ブタノール △~× → 平衡状態が成立 土壌における有機塩素系農薬の物性に応じた“動き“を表現できる抽出法
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応用例1: 可吸態ディルドリンの評価 【背景:従来は全量抽出による土壌中濃度×0.3が目安とされていた 】 汚染土の予測(判定)
応用例1: 可吸態ディルドリンの評価 【背景:従来は全量抽出による土壌中濃度×0.3が目安とされていた 】 土壌: ディルドリン濃度が同等で,炭素含量が異なる キュウリ 濃度(ng/g-dry) 濃度(ng/g-wet) 汚染土の予測(判定) 0.02ppm キュウリ中濃度 土壌中濃度 (水・メタノール) ※水・メタノール(1:1)抽出が,キュウリによるディルドリンの吸収を表現していそう
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土壌中残留性有機化合物の光学異性体選択的な分解(1) 水田土壌中α-HCH光学異性体比の経年変化
○清家伸康・大谷卓 独立行政法人農業環境技術研究所
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仮 説 製 剤 1960~70年 1980~90年 生物による消失量 (+)(-)比より 濃 度 時 間 (+) (-) (+) (-)
仮 説 製 剤 1960~70年 1980~90年 (+)(-)比より (+) (-) (+) (-) (+) (-) 生物による消失量 濃 度 濃 度 時 間 時 間
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分析方法 ◎分析フロー ◎高分解能GC/MS測定条件 土壌(5g) ソックスレー抽出 ヘキサン転溶 フロリジルカラム
アセトン300mL,16時間 ヘキサン転溶 フロリジルカラム 1.ヘキサン 30mL 2.ヘキサン/DCM 80mL グラファイトカーボンカラム 試料; 5g 定量下限値: ヘキサン 10mL 最終濃縮量; 200ul ng/g 注入量; 1ul 高分解能GC/MS測定
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クロマトグラム(β-DEX120) 標準物質 水田土壌(Site3 1972年) (+) (-) (+) (-) HCHs 12000000
Intensity 28.4 28.8 29.2 29.6 30.0 30.4 30.8 Retention Time (min) 水田土壌(Site3 1972年) (+) (-) HCHs 200000 160000 120000 Intensity 80000 40000 28.4 28.8 29.2 29.6 30.0 30.4 30.8 Retention Time (min)
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②生物が関与する消失割合の推定 ・光学異性体比(ER)を指標とする ・Site3 を例に 生物が関与する消失量
全消失量に対する生物が関与する消失の割合 (少なくとも) 3.5%
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