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基礎科学としての海外日本語教育学確立に向けて

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Presentation on theme: "基礎科学としての海外日本語教育学確立に向けて"— Presentation transcript:

1 基礎科学としての海外日本語教育学確立に向けて
吉田 一彦

2 大前提とすること: 研究者としての立場の明確化、他のどんな立場からも自由、 しかし、他のどんな立場をも否定するものでない
 ※ 「自分と違う意見は自分を攻撃するもの」は誤り  ※ 議論のため、素朴な疑問を呈することは許してほしい 科学哲学の下位分野としての「海外日本語教育学の哲学」 を想定し、基礎とする 基礎科学(fundamental science=万人が採り得る方法で  確認された事実を合理的に記述し説明する作業)

3 発表者の背景: 教育・研究従事者 専門分野としての多言語コミュニケーション学(studies of multilingual communication) 少なく見積もって世界の人間の半数以上が日常的に2つ以上の言語を使用 しているという事実を重視する 単一言語話者(monolingual)が1つ外国語を学べば、その人はバイリンガル になるということ つまり、日本語教育は学習者を母語と日本語のバイリンガルに育てるという こと 自分自身、外国語学習者・使用者、「外国語習得学」

4 この学会での役割など: 学会誌臨時編集長 研究法・論証法の勉強会講師担当(2011年2月~2012年2 月、2014年~)
「外国語を学び始める理由・学び続ける理由・使用する理由 再考-多言語社会ダカール(セネガル)の外国語学習者聞 きとり調査から」(2013年6月)など、報告 ともに研究活動をする人と必ずしも理念は一致しない。世話 人間であっても同様

5 内容: 特定の政治的価値にもとづく政策論や特定の倫理観から の自由 日本語教育・学習という人の活動全般をバランスよく見る 視点
研究者としての立場の相対性の保障、そして、研究上の 主張の論理的妥当性の保障 研究の自発性の尊重、アカデミズム気取りとその皮相的 嫌悪感の両方からの自由

6 1.特定の政策論や倫理観からの自由 基礎科学:(教室の内と外の両方で)人がどのように日本語を学 び、どのように使用するかを観察し記述する。また、どのような 学習法がどのような学習法より効果的かを観察し記述する。 研究上の主張をする際に、どんな国家の政府機関の片棒を担 ぐことも贔屓することもしない 研究活動は、公序良俗に反しないならば、どんな国家体制から も自由である 研究活動は、特定の主義を研究対象とすることはあっても、特 定の主義を基盤としようとするいかなる運動からも自由である。

7 2.活動全般をバランスよく見る視点: 教授者の行為以上に学習者の行為に注目する視点 学習過程だけでなく、使用過程にも注目する視点
学習者の所属する社会や背景として持つ文化の多様性に 注目する視点 言語の体系的・形式的多様性を正確に捉えようとする視点 コミュニケーションスタイルの多様性を正確に捉え、それに 応じたカリキュラムデザインを想像する視点

8 2.バランスよく見る視点からの研究目標: (学習開始の動機や学校で学ぶ理由だけでなく)生涯にわ たって使い続けさせる動機の解明
学習行動の俯瞰:多目的性、合理性と非合理性への着目 (学校教育より時には重要な)インフォーマル教育の研究 日本語学習者の所属社会ごとのコミュニケーションスタイル の研究 語る文化の伝統があるアフリカ 頻繁に家族・友人と携帯電話で話すビシュケクやバクー

9 3.相対性と論理的妥当性の保障(1) : 立場の相対化 言葉本来の意味の「批判(criticism)」をする
科学コミュニケーションの基本理念「万人に同様に理解される言語で研究の 知見を語ること」をあくまで追求する 研究対象を体系性、他との関係性の中で見る 体系性の例: 学習者にとって難しい音と母語にある音の共通点・相違点をみる 関係性の例:海外の母語話者教師の役割を日本国内と対比して明らかにする 特定の教授法理論思想の片棒を担がない: 1つの教授技術が効果的なのはそれが教育実践や試行・実験によって確かめられた からそう言えるのであって、特定の教授法思想に合致しているからではない 常に上位分野(一般外国語教育学、一般教育学)との関係性を意識した研 究上の態度を取る 一般性と特殊事項との両方に着目

10 3.相対性と論理的妥当性の保障(2) : 論理的妥当性 誤った演繹をしない
誤った推論の例:「「~は」の形をした名詞句ならば主題であ る」と「主題ならばそれは「~は」の形をした名詞句である」が 同時に真である(循環論) 帰納をするときには確かな根拠をわかりやすい方法で提示し、 論証の説得性を高める努力をする 説得性のない論証の例:クラッシェンはi+1のインプットをすれ ば習得は促進されると言った。クラッシェンは高名な研究者で ある。∴授業でi+1のインプットをすれば学習者の日本語は効 果的に上達する

11 3.相対性と論理的妥当性の保障(2) : 論理的妥当性 論理の飛躍の無い推論する:
飛躍の例1: X氏は外国語教育の低学年実施を支持している。 ∴X氏は母語教育の重要性を理解していない。∴X氏には愛国 心がない 飛躍の例2: Y国では中国語学習者が増加した。∴Y国では日 本語学習者が減る 飛躍の例3: アフリカには話し言葉による語る文化の伝統が ある。∴アフリカの日本語教育では会話中心の教材を使えば いい

12 4.気取りや嫌悪感から自由な研究の自発性:
自発性:研究は人間の自然な知的好奇心から出てくるもの したがって、伊達や酔狂でやってよいもの アカデミズム気取りの拒否:伊達や酔狂でやってよいもの だからこそ、大層なことをしているという気取りは不似合 大層なことではない以上、研究者は特権的階層に属さない 研究者は大層な奴らでないからこそ嫌悪感には不似合 嫌悪感を感じることは、単に自分がしないだけで事が済む 研究しているというだけの理由で嫌悪することは、個人の良か れと思ってしている人間らしい努力を阻害するおそれがある

13 結語: 学習者たちとともに暮らし、 学習者たちの言語で話し、 学習者たちの所属社会のコミュニケーション スタイルでコミュニケーションしたことがある人 だからこそできる研究をやってみませんか?


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