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iKAGRAの教訓 MIFコミッショニング現場の視点から
年5月18日 JGW-G iKAGRAの教訓 MIFコミッショニング現場の視点から 道村唯太 東京大学 大学院理学系研究科 物理学専攻
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iKAGRAのおおまかな経緯 2010年10月 プロジェクト開始 FPMIで試験運転開始は2014年9月予定
2014年3月 トンネル掘削工事完了 2014年12月 iKAGRA構成をFPMIからMIに変更 2015年11月 第一期実験施設完成記念式典 MIで試験運転開始を2016年3月に延期 2016年1月 防振系の大幅簡略化を決定 TAMA PRM、CLIO BS 2016年3月 試験運転開始(10日遅れ)
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2014年12月時点でのiKAGRA案 3 km常温Michelson干渉計 ETMはType-Bp’
真空系、クリーンブースの 完了はまだまだ ETMY ETMX/Y Type-Bp’ double pend. PR2/3 Type-Bp triple pend. MCe PR2 MCi MCo PSL IFI ETMX 2W MCi/o/e Type-C stack and double pend. BS PR3 BS Type-B fixed triple pend. 2014年10月にPSL光学定盤搬入 2015年1月IMCロック予定 (JGW-D ) 2015年12月試験運転開始予定 JGW-G
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2015年5月時点でのiKAGRA案 3 km常温Michelson干渉計 真空系、クリーンブースの 設置がほぼ完了 湧水対策工事
ETMY ETMX/Y Type-Bp’ double pend. PR2/3 Type-Bp triple pend. MCe PR2 MCi MCo PSL IFI ETMX 2W MCi/o/e Type-C stack and double pend. BS PR3 BS Type-B fixed triple pend. 2015年6月にPSL完了予定 2015年7月IMCロック、7月にPR3完了予定 2015年12月試験運転開始予定 JGW-P
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2015年7月時点でのiKAGRA案 3 km常温Michelson干渉計 ASを使わないことに IMC WFSもだんだんなくなる
ETMY ETMX/Y Type-Bp’ double pend. PR2/3 Type-Bp triple pend. MCe PR2 MCi MCo PSL IFI ETMX 2W MCi/o/e Type-C stack and double pend. BS PR3 BS Type-B fixed triple pend. IMC鏡の導入もまだ 2015年8月IMCロック、8月にPR3完了予定 2015年12月試験運転開始予定 JGW-G
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2015年10月時点でのiKAGRA案 3 km常温Michelson干渉計 試験運転開始を3月に延期 実際にIMC鏡導入は12月
ETMY ETMX/Y Type-Bp’ double pend. PR2/3 Type-Bp triple pend. MCe PR2 MCi MCo PSL IFI ETMX 2W MCi/o/e Type-C stack and double pend. BS PR3 BS Type-B fixed triple pend. 2015年10月PR3テスト開始 2015年11月IMCロック、12月にPR3完了予定 2016年3月試験運転開始予定 JGW-G
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2016年1月時点でのiKAGRA案 3 km常温Michelson干渉計 PR2の耳に欠陥、 防振系全体の大幅簡略化
ETMY ETMX/Y TAMA PRM double pend. PR2 fixed mirror PR3 Type-Bp’ double pend. MCe PR2 MCi MCo PSL IFI ETMX 2W MCi/o/e Type-C stack and double pend. BS PR3 BS CLIO BS double pend. 2016年1月IMCロック達成 2016年2月PR3完了予定 2016年3月試験運転開始予定 JGW-G
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2016年2月~3月のiKAGRA 3 km常温Michelson干渉計 2月8日BS導入完了 2月19日ETMX/Y導入完了
2月25日PR3導入完了 3月8日ETMXに光到達 3月15日試験運転開始を25日からに延期決定 ETMY ETMX/Y TAMA PRM double pend. PR2 fixed mirror PR3 Type-Bp’ double pend. MCe PR2 MCi MCo PSL IFI ETMX 2W MCi/o/e Type-C stack and double pend. BS PR3 BS CLIO BS double pend.
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2016年3月のiKAGRA 3 km常温Michelson干渉計 3月18日MICH初ロック 3月25日試験運転開始
IFIからBSあたりの真空引きは諦めた 結局どのグループも当初のFPMIにはほど遠い ETMY ETMX/Y TAMA PRM double pend. PR2 fixed mirror PR3 Type-Bp’ double pend. MCe PR2 MCi MCo PSL IFI ETMX 2W MCi/o/e Type-C stack and double pend. BS PR3 BS CLIO BS double pend.
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iKAGRAはなぜ遅れたのか 東日本大震災、湧水など不可避な災害
慢性的な人手不足、予算不足 → 本当だけど半分嘘(人手余り、若手育成不足) IOOの成功事例に学ぶ 無茶なスケジューリング → 現実的な計画を立てる(難しい) 当事者意識の欠如 「下からのスケジュールをまとめただけ」 「全部マネジメント層が悪い」 「あのサブグループがやるべき」 → 自ら進んで行動する 責任者と決定プロセスが不明確 → 最終的にはこれが重要?
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決定プロセス案 担当者がドキュメント(設計図、概念設計など)を作成、サブグループ内でレビュー
JGWDocで関連グループの承認を待つ JGWDocにチェックボックスを作る 関連グループの承認を確認し、SEOが最終承認 変更する場合は同様なプロセスを経て変更 スケジュールも各サブグループ(特に現場作業経験者)がチェックして承認すれば、より現実性が増すし、当事者意識も出て、守るようになるはず 判断できない場合は身を委ねる あとで文句を言わない
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コミッショニング ~計画と実際~ 当初の計画 実際 最初から無理のあるスケジュールではあった (2-3倍は想定していた) ※真空引きは諦めた
当初の試験運転開始予定日 3/15 試験運転開始 3/25 最初から無理のあるスケジュールではあった (2-3倍は想定していた) ※真空引きは諦めた デジタル制御系 の事前準備が 大きかった (ソフト・ハード両面) 当初の計画 8日の遅れ 実際 X腕から光を返すのに手間取った 2回目のY腕はすぐだった(経験) 当初の想定より多くの方が参加してくれた 最大23人、平均9人(土日含む)
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やっていたこと 2月18日 初期アラインメント手順書作成 → これをもとに真空ダクトつなぎなどの スケジュール決定
2月18日 初期アラインメント手順書作成 → これをもとに真空ダクトつなぎなどの スケジュール決定 3月3日から初期アラインメント開始 - 伝助を利用した作業人員確認 - Wikiを利用した日々のタスク管理 進捗確認と スケジュール微調整 まとめた形での記録は大事 - メールで情報共有 今日の進捗報告 明日の作業予定 (担当者も) 予定は前日までに タスクの数は倍増 当初の想定 50 実際 112
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コミッショニング反省点 参加者をさばききれないことがあった 人手余り、教育まで時間をとれなかった
参加者をさばききれないことがあった 人手余り、教育まで時間をとれなかった とりあえず問題 その場凌ぎが後々問題になり、余計に時間が かかる(ケーブル、ねじ止め、ボルトなど) 各種信号の設定に間違いがあった guardianロック情報、較正など (現場で急いで決めていった、作業者が流動的だった) 事前の準備不足 どういうものが必要かの想像力不足、経験不足 「設計図」、相互チェック、共通認識にする やってみないとわからない部分もあるが
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安全上の問題 2015年10月22日 VIS作業中に指をはさみ怪我 2016年1月5日 クリーンブースボルト 締め忘れ発覚
2016年3月11日 EXAが浮く 2016年3月14日 EXAビューポート破裂 不十分な現場調査、再発防止策 報告も遅れた(またはされ なかった) 僕が知らないのもいっぱ いありそう 急ぎすぎて取り返しがつか ないことにならないよう klog #1346 #1347
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まとめ 大型計画ではあたりまえのことをするのが難しい 意識の向上には限界がある
あたりまえのことができるようになる仕組み作りが必要 責任者の明確化 決定事項の明確化 上だけの問題でも 下だけの問題でも ない、みんなの問題 やっぱり干渉計は 楽しい
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その他もろもろ iKAGRAの経験を活かし、bKAGRAスケジュールはボトムアップで余裕も少しはありだいぶまし、だが厳しい
特にType-AとCryopayloadは未経験で不定性が大きい(様子を聞く限り、かなり厳しい) これに隠れて他のグループがさぼってはいけない 「どうせ○○が間に合わない」は言い訳にならない iKAGRAも、VISなどの影に隠れているだけで結局どのグループも遅れたことを忘れてはならない 人手不足はどのグループでもそう。若手育成/人材探しを怠った結果。リソースは無限にあるわけではない KAGRAは寄せ集め集団なのでサイトにみんなが常駐できるわけではない。その中でどうするかを考える(リモート作業をしやすくする、引き継ぎをしっかりする、誰でも作れるような設計図を作る、シフト参加者を手厚くもてなすなど) 例えば今回の拡大チーフ会議の発表者11人(高橋、正田、廣瀬、川村、中野、麻生、道村、阿久津、宮川、神田、田越)のうちサイト常駐は2.5人くらいであることを受け止める 過剰な現場主義は軋轢を生むだけ ルールやプランを時間かけて決めたところで守られないことが多かった。「○○さんが言っているだけ」 干渉計コミッショニングは干渉計がないとできない。なかなか事前に経験を積むのは難しい。実験室での実験、40 m、aLIGOなどで経験を積ませるのがいいと思う See also JGW-G
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