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Published byみりあ とりこし Modified 約 5 年前
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A-3 保護者と信頼関係を築こう 研修スライド 研修スライド 研修流れシート (個人研修用) (校内研修用) 研修用まとめシート
受講者用 ファシリテーター用 研修スライド (個人研修用) 音声入りのスライド資料です。スライドショーでご試聴ください。 研修スライド (校内研修用) 音声が入っていないスライド資料です。ファシリテーターが研修を進める際にご使用ください。 【研修のねらい】 保護者と連携するためのポイントは?保護者の心情を理解 し,接する際のポイントを確認する。 【研修時間】 20分程度 【研修形態】 個人研修 校内研修 【推奨時期】 必要に応じて随時 【準備物】※( )は校内研修時 □コンピュータ □まとめシート (□スクリーン) (□プロジェクター) 研修用まとめシート 研修の内容をまとめた資料です。プリントアウトしてご使用ください。 研修流れシート スライドの読み原稿資料です。 【留意事項】 ・スライドショーでご試聴ください。クリックすると次に進 み音声が流れます。もう一度聞く場合は,画面右下の をクリックしてください。 ・「研修用まとめシート」を資料としてご活用ください。 ※校内研修で使用する場合の使用の仕方は,研修スライド (校内研修用)の1枚目を参照してください。 【留意事項】 ●校内研修としてご使用の際は,ファシリテーターが進行する場合,「研修スライド(校内研修用)」を使用し,研修流れシートに沿って進めてください。 全体で視聴する場合は「研修スライド(個人研修用)」をご使用ください。 Copyright (C) 2019Miyagi Prefecture. All Rights Reserved Copyright (C) 2019Miyagi Prefecture. All Rights Reserved
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保護者と信頼関係を築こう 2 これから「保護者と信頼関係を築こう」の研修を始めます。
これから「保護者と信頼関係を築こう」の研修を始めます。 不登校児童生徒への支援を行う上で,保護者の存在は非常に大切です。なぜなら,不登校児童生徒と生活を共にしていて,最も近い存在だからです。特に,児童生徒に会えない場合,本人の様子を知ることも,何かしらの働き掛けをすることも,ほとんどの場合,保護者を通じて行うことになります。 2
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保護者と信頼関係を築こう 保護者と連携するためのポイントは? 保護者の心情を理解し,接する際の ポイントを確認する。 ねらい 3
保護者と連携するためのポイントは? 保護者の心情を理解し,接する際の ポイントを確認する。 そのため,この研修を通して,保護者の不安や悩みなどについて理解し,共に協力しながら児童生徒を支援していくために,どのように接すればよいかを考えてみたいと思います。 3
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112件/529人中 「保護者との連携」 実態調査から 不登校支援に関する実態調査(自由記述) Q:「行き詰まりを感じる時は?」
では,こちらのスライドをご覧ください。平成30年度に宮城県総合教育センターで行った不登校に対する実態調査では,「不登校支援で難しさを感じる時は?」という質問に対して,保護者との連携に関する自由記述が,112件ありました。内容としては,「保護者が欠席を容認してしまう」「保護者からの信頼や協力が得られない」などという記述でした。なぜ,このようなことが起こるのでしょう?
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保護者について 想像したら次の スライドへ→
まず,保護者の気持ちを考えてみましょう。不登校児童生徒を抱える保護者は,日々どんな思いで過ごしていると思いますか? 【想像したら次のスライドへ】 想像したら次の スライドへ→
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348人 約3400人 857人 約3400人 家庭訪問・連絡も少なく見捨てられたように思う 性急に登校を求め られるのが辛い
348人 約3400人 857人 約3400人 奈良女子大学の伊藤美奈子教授は文部科学省の委託を受け,2003年にある調査を行いました。 それは,不登校の子どもを抱える保護者を対象に行ったアンケート調査です。その結果,学校に対する不満として,「性急に登校を求められるのが辛い」という意見が約3400人のうち348人だったのに対し,「家庭訪問・連絡も少なく見捨てられたように思う」という意見は857人でした。 「教育と医学(第58巻)2010年11月No.689」 「教師・カウンセラー・保護者の協働による不登校への対応」(伊藤美奈子) 6 6
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348人 約3400人 857人 約3400人 そっとしておいてほしい 見捨てられたくない 家庭訪問・連絡も少なく見捨てられたように思う
性急に登校を求め られるのが辛い 家庭訪問・連絡も少なく見捨てられたように思う 348人 約3400人 857人 約3400人 「そっとしておいてほしい」という気持ちを持つ保護者がいる反面,学校側からの連絡がないと不安になるという保護者もいて,複雑な心境であることが読み取れます。 そっとしておいてほしい 見捨てられたくない 7 7
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不登校の原因を追及しようとすると… 8 今度は,教職員の立場から考えてみます。
今度は,教職員の立場から考えてみます。 教職員は不登校を解消したいという一心で,原因を追及しようとすることが多く,学校にきっかけが見当たらない場合は,家庭に原因があるのではないかと考えがちです。 そのように考えると,どんな問題があるのでしょうか。 8 8
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不登校の原因を追及しようとすると… ・原因追及のため,細かく質問 ・無意識に責めるような発言 9
例えば,原因を探るため,家庭のことに関して細々(こまごま)と質問したり,無意識に責めるような発言をしてしまったりすることがあるかもしれません。 9 9
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不登校の原因を追及しようとすると… ・原因追及のため,細かく質問 ・無意識に責めるような発言 保護者は「責められている」「疑われている」
と感じ,罪悪感を持つと共に… そうすると,保護者は,「責められている」「疑われている」などと感じ,罪悪感を持つと共に, 10 10
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不登校の原因を追及しようとすると… ・原因追及のため,細かく質問 ・無意識に責めるような発言 学校に不信感を持ち責任の押し付け合いに
保護者は「責められている」「疑われている」 と感じ,罪悪感を持つと共に… 結果として,学校に不信感を抱き,信頼関係を築けなくなるばかりか,責任の押し付け合いになりかねません。こうなってしまうと,学校と家庭での連携した支援は難しくなってしまいます。 学校に不信感を持ち責任の押し付け合いに 11 11
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「そっとしておいてほしい↔忘れられたくない」 という複雑な心境
【保護者】 「そっとしておいてほしい↔忘れられたくない」 という複雑な心境 【教職員】 何とか不登校を解消しようと原因を探し,家庭 に原因を求めてしまう このように,保護者が抱える複雑な心境と,教職員が家庭に原因を求めてしまうことが, 12 12
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保護者との連携の難しさ 【保護者】 「そっとしておいてほしい↔忘れられたくない」 という複雑な心境 【教職員】
という複雑な心境 保護者との連携の難しさ 【教職員】 何とか原因を追及しようとし,家庭に原因を 求めてしまう 保護者との連携の難しさにつながるのかもしれません。 13 13
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1712人 約3400人 1524人 約3400人 教師が相談に乗ってくれた 別室登校などの措置を取ってくれた
一方で,先ほどの保護者を対象にしたアンケート調査では,学校を評価する点として,「教師が相談に乗ってくれた」という回答が約3400人のうち1712人,「別室登校などの措置をとってくれた」という回答が1524人でした。 「教育と医学(第58巻)2010年11月No.689」 「教師・カウンセラー・保護者の協働による不登校への対応」(伊藤美奈子) 14 14
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1712人 約3400人 1524人 約3400人 教師が相談に乗ってくれた 別室登校などの措置を取ってくれた
教職員が,児童生徒だけでなく,保護者を支える役割も果たしていることが分かります。誰にも相談できず,不安を抱えている保護者にとって,「先生が親身になって話を聴いてくれた」「自分の辛さを理解しながら子どものために様々な配慮をしてくれた」という思いは,大きな心の支えとなるのではないでしょうか。 では,保護者とこのような信頼関係を築くためには,どうすればよいのでしょうか? 児童生徒だけでなく,保護者を支える 役割も果たしている 15 15
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保護者面談前の留意点 ①直接話し合う 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
早稲田大学名誉教授の菅野純(かんの じゅん)先生は,保護者面談の前に留意すべき事柄を4点挙げています。 面談前の留意点の1つ目は,直接話し合うことです。言葉の行き違いや誤解を招くことがないよう,電話などではなく,できるだけ家庭訪問したり学校に来てもらったりして,直接会って話すことが大切です。 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
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保護者面談前の留意点 ①直接話し合う ②面談場所は保護者の希望を大事にする 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
2つ目は,面談場所についてです。学校で面談を行うか,家庭訪問するかは,保護者の希望に添うようにします。日時と予定終了時間もあらかじめ決めておきましょう。 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
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保護者面談前の留意点 ①直接話し合う ②面談場所は保護者の希望を大事にする ③複数のメンバーの時はあらかじめ伝える
3つ目は,複数のメンバーで面談を行う際は,誰が参加するのかをあらかじめ保護者に伝えておくということです。いざ面談を行おうという場面で不要なプレッシャーを与えないよう,なぜそのメンバーが加わるのかも含めて伝えておきましょう。 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
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保護者面談前の留意点 ①直接話し合う ②面談場所は保護者の希望を大事にする ③複数のメンバーの時はあらかじめ伝える
④面談の前に必要なものを用意しておく 4つ目は,面談の前に用意しておくものについてです。その子の出欠状況や心境が読み取れるプリント類,他教諭からの情報などを把握しておき,話し合いの材料にしましょう。 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
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保護者面談の場での留意点 ①ねぎらいの言葉を掛ける 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
また,菅野純(かんの じゅん)先生は,保護者面談の場での留意点についても,4つ挙げています。 1つ目は,「ねぎらいの言葉を掛ける」ことです。「お忙しいところお時間をとっていただき,ありがとうございます」「一緒にお話しできて,とてもうれしいです」「いつもお子さんのことを一番に考えていらっしゃるのですね」など,保護者の緊張や不安を和らげる言葉を掛けながら,お互いに知恵を出し合い,この事態を好転させるための場であることを伝えましょう。 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
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保護者面談の場での留意点 ①ねぎらいの言葉を掛ける ②保護者の話は7割,先生の話は3割を目安に 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
2つ目は,「保護者の話は7割,先生の話は3割」を目安に面談を行うことです。 せっかく思いを知ることのできる場です。話をさえぎらず,目を見てうなずきながら話を聴き,時には「そうですよね」「分かります」などと受け答えして,思いを引き出しましょう。保護者の心の中には,これまでの苦労や不安,孤立感や無力感,時には学校への不満などが詰まっています。それを受け止めることで,保護者の心にゆとりが生まれます。 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
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保護者面談の場での留意点 ①ねぎらいの言葉を掛ける ②保護者の話は7割,先生の話は3割を目安に ③整理しながら聴く
3つ目は,「整理しながら聴く」ことです。 保護者の不安が強く,気持ちが揺らいでいる場合,保護者の話の内容や順番などが混乱する場合があります。その場合は,話を整理しながら聴きます。時間軸を基にこれまでの経過を整理したり,家族関係を図示したりすることで,時々立ち止まり,フィードバックしながら話をします。 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
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保護者面談の場での留意点 ①ねぎらいの言葉を掛ける ②保護者の話は7割,先生の話は3割を目安に ③整理しながら聴く
④原因を簡単に決めつけない 4つ目は,「不登校の原因を簡単に決めつけない」ことです。 面談の中で全てが語られるわけではなく,家族の深刻な問題は後から語られることもあります。そのため,不登校の原因を表面的な情報のみで簡単に断定してしまわないよう心掛けましょう。また,別な事実が後から分かった際も,「そうせざるを得ない何かがあったのかもしれない」という受容の気持ちを持ちましょう。 「不登校 予防と支援Q&A70」(菅野純)
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保護者面談の場での留意点 座席の配置例(担任と保護者) 保 担 保 担 担 保
正対すると対立している雰囲気になるため,そうならないようにし,一緒に考えようという雰囲気を作る。 保 担 保 担 なお,面談を行う際は,座席の配置も重要です。保護者と2人で行う際は,正対して座ると対立している雰囲気になるため,そうならないようにし,一緒に考えようという雰囲気を作れるよう心掛けましょう。 担 保
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保護者面談の場での留意点 座席の配置例(担任と主任と保護者) 主 主 保 担 担 保
担任は保護者とできるだけ同じ側を向き,味方であることを感じてもらう。 主 主 また,教職員が2人の場合も,担任はできるだけ保護者のそばで同じ方向を向き,味方であることを感じてもらい安心して話してもらえるよう配慮しましょう。 保 担 担 保
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ケースに応じた連携のポイント では,ここから保護者のケースに応じた対応のポイントを考えてみましょう。 26
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保護者との連携のポイント ケース1:学校に不信感を持っている場合 ケース2:不登校を受け入れられない場合
ケース3:子育てに不安を感じている場合 ケース4:学校に協力的でない場合 保護者との連携のポイントについて,ご覧の6つのケースを考えてみたいと思います。 ケース5:兄弟姉妹も不登校である場合 ケース6:子どもに登校を強く促す場合
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「今まではこんなことなかったのに…」 「担任の先生の指導が良くないんじゃ…」 「クラスに問題があるのでは…」
ケース1:学校に不信感を持っている場合 「今まではこんなことなかったのに…」 「担任の先生の指導が良くないんじゃ…」 「クラスに問題があるのでは…」 まずは,ケース1です。不登校の原因が学校にあると思っている保護者との対応は難しいものです。「今まではこんなことなかったのに…」,「担任の先生の指導が良くないんじゃ…」,そして「クラスに問題があるのでは…」などと学校側を疑っているため,なかなか思いが伝わりにくいことが予想されるからです。
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【連携のポイント】 ケース1:学校に不信感を持っている場合 ①思いを受け止め誠意を持って接しましょう
⇒相手が話したいことに耳を傾け不信感を和らげましょう。 このような場合,まずは,思いを受け止めましょう。話の途中で,学校側の言い分(いいぶん)を伝えたくなることもありますが,まずは保護者が話したいと思っていることを聞くことが大切です。その後で,学校側の考えを伝えるようにしましょう。
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【連携のポイント】 ケース1:学校に不信感を持っている場合 ①思いを受け止め誠意を持って接しましょう
⇒相手が話したいことに耳を傾け不信感を和らげましょう。 ②保護者の思いを推し量りましょう ⇒表面的な言動だけでなく背景にある思いを考えましょう。 同時に,表面的な言動の背景にある思いを考えることが大切です。責められるとどうしても心に余裕がなくなってしまいますが,見えない保護者の思いを推し量り,保護者がイライラしたり困ったりしている思いを受け止め,寄り添いながら会話を進められるようにしましょう。
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【連携のポイント】 ケース1:学校に不信感を持っている場合 ①思いを受け止め誠意を持って接しましょう
⇒相手が話したいことに耳を傾け不信感を和らげましょう。 ②保護者の思いを推し量りましょう ⇒表面的な言動だけでなく背景にある思いを考えましょう。 ③人材を活用しましょう ⇒担任への不信感の場合,学年主任,養護教諭,SC,など にクッション的役割として介入してもらいましょう。 また,担任に対する不信感が強い場合は,学年主任や養護教諭,スクールカウンセラーなど,中立的な立場になれる人に,介入してもらいましょう。
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「子どもがすっかり変わってしまった…」 「いつまで休み続けるつもりだ…」 「何が悪かったのか…」 ケース2:不登校を受け入れられない場合
次にケース2です。自分の子どもが思うように登校できないことに動揺し,受け入れられない保護者の場合です。このような場合,保護者の気持ちを落ち着かせるような声掛けをします。
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ケース2:不登校を受け入れられない場合 【連携のポイント】 ◎登校を拒否しているのではない ◎「病気ではない」と思っている ◎成長発達上の課題である ◎心理的な「脱皮」の作業中である ◎何もしていないように見えて本人に とって重要なことをしている 本人に伝えてもらう 保護者に伝える このような場合,保護者は規範意識が高く,学校に行けない自分の子どもに対して,責めるような気持ちになっていることが考えられます。また,児童生徒本人も,それを敏感に感じ取り,自己肯定感が著しく(いちじるしく)低下しているのではないでしょうか。そこで,不登校になっている今の状態を「成長上重要な時間である」と捉えてもらえるよう,まずは保護者に働き掛けます。具体的には,担任の思いとして 「登校を拒否しているのではない」 「『病気ではない』と思っている」 「成長発達上の課題である」 「心理的な『脱皮』の作業中である」 「何もしていないように見えて,本人にとって重要なことをしている」 という5点を保護者に伝え,それを本人にそのまま伝えてもらいます。万が一保護者が納得できなかった場合も,保護者自身の率直な感想を付け加えた上で,そのまま伝えてもらい,児童生徒本人に教師の思いを分かってもらいます。 FR式教育研究所(花輪敏男氏)
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合わせて・・・ ケース2:不登校を受け入れられない場合 ○原因が分かっても対応方法にはつながらない
○根底には「不安」の存在があるのではないか ○学校に対して特別な「すくみ反応」を起こして いる状態である ○たとえ親であっても代わってやることは不可能 である さらに,面談の中で, 「原因が分かっても対応方法にはつながらない」 「根底には『不安』の存在があるのではないか」 「学校に対して特別な『すくみ反応』を起こしている状態である」 「たとえ親であっても代わってやることは不可能である」 という4点も保護者に伝えます。大切なのは,「原因を探ることではなく,これからに目を向けること」,そして,「本人が自分の力でこの壁を乗り越えられるよう,学校と家庭が協力し合い,それを全力でサポートしよう」という意志が伝わるように話をすることです。 FR式教育研究所(花輪敏男氏)
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「子どもに期待をかけ過ぎたのか…」 「愛情が足りなかったのでは…」 「育て方が悪かったのではないか…」
ケース3:子育てに不安を感じている場合 「子どもに期待をかけ過ぎたのか…」 「愛情が足りなかったのでは…」 「育て方が悪かったのではないか…」 次はケース3です。保護者が自分の養育態度について不安に感じている場合です。どれだけ詳しく情報を集めても養育態度や家庭環境の影響なのかどうかは分かりませんし,解決につなげることは非常に難しいものです。また,少しでも不安に思う部分を質問されれば,保護者は「責められた」と感じるかもしれません。
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【連携のポイント】 ケース3:子育てに不安を感じている場合 ①不登校はどんな子供にも起こり得ることを 伝えましょう。
伝えましょう。 ②過去の養育態度について必要以上に自分を 責めないように伝えましょう。 ③「お子さんの成長を願っていろいろ考えな がら育ててこられたのですね」など,これ までの養育をねぎらう言葉を掛けましょう。 養育態度に不安を感じているということは,自分を責め,罪悪感を感じている可能性があります。そのため,不登校はどんな子供にも,どんな家庭にも起こり得ることであり,子育てが悪かったわけではないことを伝え,安心感を与えましょう。その上で,一緒に何ができるか考えていきたいという思いを伝えます。児童生徒本人だけでなく,保護者にも安心感を与え,心のエネルギーが生まれるようにしましょう。
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「登校するかどうかは本人次第…」 「本人の人生だから本人に任せる…」 「登校を促す必要を感じない…」 ケース4:学校に協力的でない場合
次にケース4です。保護者が学校に協力的でない場合,支援そのものが難しい状況だと言えます。
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⇒登校させる意志がないと思われる場合は,担任
ケース4:学校に協力的でない場合 【連携のポイント】 電話連絡や手紙などはできるだけ続け ましょう ⇒連絡されたくないが,連絡されないと見捨てら れた気持ちになるという心情に配慮しましょう。 ⇒登校させる意志がないと思われる場合は,担任 として児童生徒の成長や社会的自立を願う気持 ちを伝えましょう。 本人も保護者も,学校に在籍している以上,学校から連絡がなければ見捨てられたと感じることがあるかもしれません。先ほど紹介したアンケート調査のように,保護者及び本人の言動とは相反する心情にも配慮し,保護者の本心を見極めながら連絡を続け,つながりを保つようにしましょう。 もし,登校させるつもりがないと言われた場合でも,担任として児童生徒の成長や社会的自立を願う気持ちを伝えましょう。
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ケース5:兄弟姉妹も不登校である場合 「兄も不登校だったが元気にしているし…」 「無理に登校しなくても…」
「子どももあまり焦っていないし…」 次にケース5です。不登校児童生徒の兄弟姉妹も不登校の場合で,本人も保護者も,不登校の兄弟姉妹が問題なく過ごしている様子を見ているため,不登校に対して危機意識を持ちにくいことが考えられます。
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ケース5:兄弟姉妹も不登校である場合 【連携のポイント】 ①本人にとって「不登校」が最も良い選択 なのかをもう一度考えてもらいましょう。 ②子どもの将来の姿をイメージし,今何を すべきかを共に考えていきましょう。 ③登校しなくても担任として責任を持って 関わっていくという意思を伝えましょう。 この場合,不登校の兄弟姉妹の状況をまずは受け入れます。その上で,兄弟姉妹とはいえ,それぞれ違う個性を持ち,違う思いを持った存在であることを伝えます。そして,本人の特性にしっかりと目を向けた上で,不登校という選択が本人にとって良い選択なのかをもう一度考えてもらえるような声掛けをしましょう。 また,保護者に子どもの将来の姿をイメージしてもらうのも有効です。我が子が将来,どのような生活を送り,どのように社会と関わって生きていってほしいかを考えてもらうことで,今何をすべきかを一緒に考えていきましょう。 なお,担任の先生は,その時点で保護者に児童生徒を登校させる意志がなかったとしても,ケース4同様,担任として児童生徒の成長や社会的自立を願っていると伝えることが大切です。
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ケース6:子どもに登校を強く促す場合 「休んでいないで,しっかりしてほしい…」 「どうしたら,1日も早く登校できるのか…」
「学校にもいろいろ頼みたい…」 次にケース6です。児童生徒に対する保護者のプレッシャーが強く,子どもが息切れを起こして不登校になっている可能性があります。
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【連携のポイント】 ①登校を促すのか,ゆっくりと休ませるのかを相 談しましょう。
ケース6:子どもに登校を強く促す場合 【連携のポイント】 ①登校を促すのか,ゆっくりと休ませるのかを相 談しましょう。 このような場合,児童生徒は,保護者の願いや要求と自分の現実とのギャップに焦りを感じ,空回りしている可能性があります。 まずは,保護者から特に心配な点を聞き,登校を促すのか,ゆっくりと休ませるのかを,本人の状態を見ながら相談することが大切です。
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ケース6:子どもに登校を強く促す場合 【連携のポイント】 ①登校を促すのか,ゆっくりと休ませるのかを相 談しましょう。 ②手の届きそうな目標にすることで,段階的に達 成できるよう保護者と本人に伝えましょう。 その上で,短期間の目標を立て,段階的に達成できるよう保護者にも本人にも伝えます。そうすることで,児童生徒本人が,現在の自分を肯定的に受け入れられるようにしましょう。
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ケース6:子どもに登校を強く促す場合 【連携のポイント】 ①登校を促すのか,ゆっくりと休ませるのかを相 談しましょう。 ②手の届きそうな目標にすることで,段階的に達 成できるよう保護者と本人に伝えましょう。 ③子どもの歩調に合わせ,子どもの立場に立って 考えることを促し,児童生徒の本心に目を向け てもらいましょう。 また,このような保護者は焦りが強く,子どもの立場で考えることが難しい場合が多いと予想されます。そのため,状況に応じて,「不登校はいつ,誰にでも起こり得ると言われていること」「本人が一番苦しんでいること」「本人の頑張り」などを伝え,できるだけ子どもの歩調に合わせることを促し,児童生徒の本心に目が向くよう心掛けましょう。
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保護者と信頼関係を築こう まとめ ①不登校の原因を追及しようとせず,保護者と信 頼関係を築いていきましょう! 45
頼関係を築いていきましょう! それでは,最後に研修のまとめをしましょう。 1つ目です。不登校の原因を追求しようとせず,保護者と信頼関係を築いていきましょう。 45
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保護者と信頼関係を築こう まとめ ①不登校の原因を追及しようとせず,保護者と信 頼関係を築いていきましょう!
頼関係を築いていきましょう! ②保護者の見えない思いを推し量り,受け止める ことで,保護者の支えとなりましょう! 2つ目です。保護者の見えない思いを推し量り,受け止めることで,保護者の支えとなりましょう。 46
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保護者と信頼関係を築こう まとめ ①不登校の原因を追及しようとせず,保護者と信 頼関係を築いていきましょう!
頼関係を築いていきましょう! ②保護者の見えない思いを推し量り,受け止める ことで,保護者の支えとなりましょう! ③保護者の様子を踏まえ,気持ちに響くような声 の掛け方を心掛けましょう! 3つ目です。保護者の様子を踏まえ,気持ちに響くような声の掛け方を心掛けましょう。 先生方が,保護者とより良い関係を築き,不登校児童生徒にとって最善の支援が行われるようになることを願っています。 以上で,「保護者と信頼関係を築こう」の研修を終わります。 47
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