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新城市民病院 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 小野田ちえ H30.11.12
事例で学ぶ リハビリテーション看護② 新城市民病院 脳卒中リハビリテーション看護認定看護師 小野田ちえ H
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ICFのそれぞれの構成要素の定義 心身機能:身体系の生理的機能(心理的機能を含む) 身体構造:器官・肢体とその構成部分などの身体の
解剖学的部分 活 動:課題や行為の個人による遂行 参 加:生活・人生場面への関わりのこと 環境因子:人々が生活し人生を送っている物的な環境 や社会的環境、人々の社会的な態度のよる環境 を構成する因子のこと 機能障害:著しい異変や喪失などと言った心身機能 または身体構造上の問題
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背景因子(環境因子・個人因子) 環境因子:人によって促進因子にもなり得るため、本人の視点から評価されなけれ ばならない
ばならない 例)誘導用ブロックのある歩道 視障害者には促進因子:車いすや杖歩行の障害者には阻害因子 個人因子:それぞれの人によって個別性が大きいことからICFでは分類がされてい ない。 どのような環境に暮らし、その環境が個人の生活機能の促進因子となっているのか、阻害因子となっているのかをアセスメントする。 個人の生活習慣やライフスタイル、ストレスへの対処法などの個人的な特徴が生活機能と障害にどのように影響しているかをアセスメントする。
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ICFで期待される効果 ・当事者や家族、保健、医療福祉の分野の従事者が、ICFを用いるこ とで、生活状態や疾病状態の共通理解ができる ・サービスを提供する施設・期間での計画・評価・記録の実際的な手 段を提案できる ・調査・統計し利用で比較検討できることで標準的な枠組みを提案・提 供できる
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病気・ケガ・妊婦・高齢者・ストレスなどト
健康状態 (変調又は病気) 病気・ケガ・妊婦・高齢者・ストレスなどト 心身機能・身体構造 身体機能: ・フィジカルアセスメン、機能別アセスメント、認知機能、巧緻機能、歩行、姿勢、麻痺、筋力、コミュニケーション、嚥下機能 ・造血機能、内分泌・代謝機能、肝臓・腎臓・膵臓・などの機能、免疫機能、呼吸器機能、心機能、 精神機能:知能、認知症、うつ 活 動 日常生活活動: ・ADL又はIADLの自立度 ・教育活動 ・健康維持活動 ・退陣活動 ・課題遂行 参 加 個人の生活への参加: ・ADLの障害とその原因の知覚、 ・安全 ・効果的にADLを拡大する必要性の認識、知識の有無、実施の意思、実施できないことを他者に依頼することが可能か 社会への参加: ・家族関係 ・学校 ・職場の人間との関係 ・家庭 ・職場 ・学校 ・地域などへの参加状況 ・役割変更の必要性 ・趣味 ・レクリエーション ・宗教活動などへの参加状況、変更の必要性 環境因子 個人:家庭環境、職場・学校環境 サービス:利用しているサービス 利用可能なサービス 制度:障害者や福祉に関する法律 個人因子 年齢、性別、職業、育成歴、生活経験、性格傾向、体力、生活習慣、健康観、 死生観、生活信条、信仰 ・ストレスへの対処方法 ・疾病や障害による自己へのボディーイメージ ・治療やリハビリテーションの受入れ
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事 例 目的:ICFの枠組みを用いた情報の整理とアセスメントをおこない、 事例を通して、リハビリテーション看護のポイントを理解する。
事 例 目的:ICFの枠組みを用いた情報の整理とアセスメントをおこない、 事例を通して、リハビリテーション看護のポイントを理解する。 1:慢性閉塞性肺炎 2:心筋梗塞 3:脊髄損傷 心身機能と身体構造/活動と参加/背景因子(環境・個人)
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慢性閉塞性肺炎(COPD) 進行性の気流閉塞を特徴とする肺の炎症性疾患であり、たばこの煙 を主とする有害物質を長期にわたって吸入することが原因となって生 じる。 COPD患者の看護の基本 ・患者が完全に禁煙し、呼吸機能に合った日常生活動作を身に着け られるように支援する。 ・患者が、呼吸器感染を予防することができ、適切な薬物療法や、呼 吸リハビリテ―ションにより、QOLを維持できるよう支援する。
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心筋梗塞 冠動脈内の粥腫(プラークが蓄積してできた動脈硬化病巣)が破綻し、 その破綻部に血栓を形成することによって血流が途絶して心筋壊死 をきたす疾患である。 心筋梗塞患者の看護の基本 ・速やかな診断と生命危機を回避する為の治療が進むよう援助する ・心機能の回復の程度に応じた日常生活動作の再獲得ができるよう 患者・家族の心理面を理解しながら援助する。 ・再発予防のため、生活習慣を改善できるよう援助する。
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脊髄損傷 何らかの外力によって脊椎が破壊され、脊髄が損傷された状態で、損傷部 位以下の神経機能に非可逆的に障害を生じる。 脊髄損傷患者の看護の基本 ・脊椎の骨折・脱臼に合併して生じ、麻痺をはじめ種々の症状をきたし、それまで の生活が突如一変するということを念頭におく。 ・損傷を受けた神経は、多くは再生がみられず予後に関しては残存機能レベルに よって決定される。患者の身体、心理、社会的状態を把握しながら、心理、社会的 支援も並行して行うことが重要である。 ・社会復帰を見捉え、残存機能レベルに合わせ早期リハビリテーションによりセル フケア動作を拡大できるよう援助する。 ・障害に応じた合併症の予防と自己管理ができるよう援助する。
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事例1)Aさん 心身構造と身体機能 COPDの基本病態は気流制限である
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事例1)Aさんの心身構造と身体機能 肺高血圧の所見では、肺動脈主管部の拡大がみられる
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事例1)Aさん 心身構造と身体機能 右心➡肺動脈➡肺毛細血管(ガス交換)➡肺静脈➡左心 大動脈 大静脈 左心房 肺動脈 肺静脈 右心房
事例1)Aさん 心身構造と身体機能 大静脈 大動脈 左心房 肺動脈 右心房 肺静脈 左心室 右心室 右心➡肺動脈➡肺毛細血管(ガス交換)➡肺静脈➡左心
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事例1)Aさんの心身構造と身体機能
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事例2)Bさんの心身構造と身体機能 冠状動脈 心臓を栄養する3つの血管
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事例2)Bさんの心身構造と身体機能
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事例2)Bさんの心身構造と身体機能 駆出率とは、一回心拍出量の 心室拡張末期容積に対する割 合で正常値は50~80%です
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事例3)Cさんの心身構造と身体機能
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事例3)Cさんの心身構造と身体機能
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事例3)Cさんの心身構造と身体機能
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事例3)Cさんの心身構造と身体機能 排尿障害
膀胱の働きを調節する神経は、仙髄から大脳までの長い経路をたどるので、脊髄損傷では損傷部位の高さに関わらず排尿障害を伴います。 受傷後急性期は、膀胱が弛緩し完全損傷の場合を除き尿道括約筋の緊張があるため尿閉となります。そのために留置カテーテルや間欠的導尿により尿の排尿を確保します。 受傷後数日から数か月経過すると、損傷部位下位の神経機能が回復し始め、その後の排尿障害は損傷の部位により二つのタイプに分かれます。 頚髄・胸髄損傷:膀胱排尿筋の緊張が強くなり、無意識に膀胱が収縮して尿が出る。膀胱は小さく委縮する。排尿時括約筋は緩みにくい。何かの刺激で反射的な排尿が起こる。 腰椎以下の損傷:膀胱排尿筋の緊張が低下し、尿を押し出すのに十分な力がない。膀胱は大きくなし、括約筋は緩む。腹部に圧力がかかると尿が漏れやすい。 通常、膀胱に尿が溜るとそれが刺激になって膀胱が反射性の排尿を行います。 排尿中枢や、それより下位を損傷すると、膀胱が弛緩して、尿が多量に溜るようになりますが、収縮力が弱くて十分に排尿できません。 尿漏れや失禁のある場合には、膀胱の収縮力を抑える(抗コリン薬)を用いることでかなり改善が得られます。
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慢性閉塞性肺炎(COPD) 進行性の気流閉塞を特徴とする肺の炎症性疾患であり、たばこの煙 を主とする有害物質を長期にわたって吸入することが原因となって生 じる。 COPD患者の看護の基本 ・患者が完全に禁煙し、呼吸機能に合った日常生活動作を身に着け られるように支援する。 ・患者が、呼吸器感染を予防することができ、適切な薬物療法や、呼 吸リハビリテ―ションにより、QOLを維持できるよう支援する。
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事例1)Aさん 心身機能と身体構造 活動と参加 背景因子
疾患の全身的影響に骨格筋の機能障害、低栄養などによって筋量・筋肉量が低 下し、これらの障害によって、労作時の呼吸困難が生じる。 活動と参加 呼吸困難によりADLの低下をきたし、活動が制限されている。活動の制限や呼吸困難への恐怖心から自宅に引きこもった生活になっており、地域社会や家庭生活への参加が制約されている。参加の制約はさらに活動を低下させ悪循環を生じている。 背景因子 疾患、治療に関する知識が不足している。COPDの症状のため、意欲の喪失と自己概念の混乱がみられ、社会的に孤立した状態である。家族との関係性は良好で、家族のサポートは期待できる。年金生活者である為、今後は経済的負担が増大する可能性がある。
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事例1)Aさん:慢性閉塞性肺炎(COPD)
身体機能の失調、呼吸困難、社会的孤立、抑うつが悪循環を形成 QOLの低下 呼吸リハビリテ―ションとは、この悪循環を断ち切り、患者の日常生活を心身共に良好な状態に保つように改善する医療である。 医療チームが個別的で包括的なプログラムを実施 呼吸困難の軽減、運動耐容能の改善、ADL・QOLの改善 呼吸機能障害があっても、その人らしい生活が再構築できるように支援する。
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心筋梗塞 冠動脈内の粥腫(プラークが蓄積してできた動脈硬化病巣)が破綻し、 その破綻部に血栓を形成することによって血流が途絶して心筋壊死 をきたす疾患である。 心筋梗塞患者の看護の基本 ・速やかな診断と生命危機を回避する為の治療が進むよう援助する ・心機能の回復の程度に応じた日常生活動作の再獲得ができるよう 患者・家族の心理面を理解しながら援助する。 ・再発予防のため、生活習慣を改善できるよう援助する。
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事例2)Bさん 心身機能と身体構造 活動と参加 背景因子
急性期において、活動などで酸素の消費量が高まった場合、酸素の供給・需要 にアンバランスが生じる危険性がある。 活動と参加 自己の置かれた状況の認識や、疾患や治療に対する知識も不十分であることなど、心理的エネルギーの問題から、心臓リハビリテーション活動に参加する動機付けができていない。この状況では効果的なリハビリテーションを行えない。 背景因子 再発を予防する為に、生活パターンの変更を余儀なくされるが、仕事を中心とした価値観を表す患者の発言からは、積極的に生活習慣を変更・維持していくことが困難であると考える。
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事例2)Bさん アドヒアランスを考慮しながら患者と関わることが重要
・心臓リハビリテ―ションにより、生活のQOLを高め再発や突然死を 予防する。その手段として、運動療法を含めた包括的リハビリテーショ ンが行われるよう、看護師がコーディネーターの役割を果たし、問題を 的確に把握する。 ・高血圧や脂質異常症など、併存疾患の改善が必要 生涯にわたる、食事、運動、休息など適切な保健行動の継続 (患者の強い意志とそれに基づいた行動変容が必要) 患者が主体的に治療方針の決定に参加し、それに取り組むこと。 アドヒアランスは時間の経過とともに低下する。 アドヒアランスを考慮しながら患者と関わることが重要
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脊髄損傷 何らかの外力によって脊椎が破壊され、脊髄が損傷された状態で、損傷部 位以下の神経機能に非可逆的に障害を生じる。 脊髄損傷患者の看護の基本 ・脊椎の骨折・脱臼に合併して生じ、麻痺をはじめ種々の症状をきたし、それまで の生活が突如一変するということを念頭におく。 ・損傷を受けた神経は、多くは再生がみられず予後に関しては残存機能レベルに よって決定される。患者の身体、心理、社会的状態を把握しながら、心理、社会的 支援も並行して行うことが重要である。 ・社会復帰を見捉え、残存機能レベルに合わせ早期リハビリテーションによりセル フケア動作を拡大できるよう援助する。 ・障害に応じた合併症の予防と自己管理ができるよう援助する。
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事例3)Cさん 身体機能と身体構造 活動と参加 背景因子
Th7レベルでの完全麻痺であり、膀胱直腸障害がある。間欠的自己導尿の手技は 自立しているが、飲水コントロールによる排尿管理が不良であり、尿路合併症を起 こすリスクがある。また、痩せており、尾骨部・踵骨部の循環障害の徴候も認められ ることから褥瘡発生のリスクがある。 活動と参加 車いすレベルでのADLは自立しているが、排尿管理に関する知識不足があり、尿路合併症を起こすリスクが高くなっている。性機能障害による性行動の困難が予測されるが、それに関する知識がなく、羞恥心や障害の受入れの途上にある事から、疑問や不安が表出されにくい。 背景因子 障害受け入れの途上であり、これが自己開示や他者との交流の妨げとなっている。
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事例3)Cさん ・ADLは自立していても、排尿管理の知識不足から合併症を併発うるリスクが高いた め、入院中に排尿管理に関する知識を習得できるよう援助していく。 ・退院後にADLが低下しないよう、患者の生活環境や生活スタイルなども考慮して、 生活スタイルに合わせた排尿時間を検討したり物品を選択する。 ・外出、外泊により退院後の生活をイメージできるよう援助する。 ・自分の思いを表出できないケース(性に関する)について、患者のサインを見逃 さない。
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