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生物毒素兵器禁止条約BTWC 第一次会期間会合 (3ヵ年作業計画):2003年–2005年
講義 その9 本講義に関する追加の情報は、以下のスライドに設けられた右の各リンクボタンより参照可能です。 追加情報
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1.目次 導入 -スライド 2-3 検証議定書交渉の決裂 -スライド 4-6 会期間会合 -スライド 7-9 2003年度諸会合
-スライド 10-11 2004年度諸会合 -スライド 12-13 2005年度諸会合 -スライド 14-20 注釈:本講義の目的は第五回運用検討会議と第六回運用検討会議の間に執り行われた、「会期間」会合と称されたInter-Sessional Process (ISP) 年度の諸会合を概観することである。特に2001年以降にBTWCの強化のための取り組みと、ISPで検討された科学者の役割に注目する。本講義はまず、ISPが決定された背景を紹介し、2003年から2005年までの各年度における検討事項の内容と協議の結果を考察する。本講義に関連する豊富な公式文書はオンライン上で入手可能であり、追加情報が必要な受講者のために参考文献が本講義の最後に紹介される。
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2. 導入: VEREX 1991年第三回運用検討会議は科学的・技術的な観点から検証システムを考察する目的で締約国は検証アドホック政府専門家グループ会合(通称VEREX)を設立(講義7参照) VEREXは、「(同会合にて)確認された潜在的な検証措置は、透明性を高めることで締約国がBWCの義務を果たしているという信頼の強化にとってさまざまな度合で有効である」と結論した。 VEREXにおける科学・技術的観点による慎重な結論は検証議定書採択に向けた政治的交渉を始めるための十分な機会を作った。 追加情報 Ref: Jez Littlewood (2005) “The Biological Weapons Convention: A Failed Revolution” Ashgate Publishing 追加情報
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3. 導入: AHG VEREXの科学的評価に基づき、1995年一月アドホックグループ(AHG)における政治交渉が始まった。
AHGの課題は、BTWC強化のための法的拘束力のある議定書に関する交渉であった。 AHGは疑義のある施設や活動に対して申立てによる調査・チャレンジ査察*を実施できる国際組織(生物兵器禁止機関)の設立を含んだ議定書を展望した。 議定書の草案に関して、締約各国は大きく異なる見解を示していた。 注釈:VEREXにおける科学・技術的な検証措置の検討は、BTWCの有効性と実施の強化を目的に、法的拘束力のある検証措置の採択に向けた政治的交渉を行うための枠組み、アドホックグループ(AHG)の基礎を築いた。 *2001年年度に採択された議定書草案(BWC/AD HOC GROUP/56-1)は申立てによる調査の唯一の目的は「この条約の義務に他の締約国が違反していると疑うその特定の事実を認定することである」と記した(Littlewood, ) 。 CWCにおけるチャレンジ査察に類似し、申立てによる調査は検証議定書のその他の措置と比べて、疑いのある施設への立ち入りの度合いが最も高いBTWC上の措置である。調査団はその立ち入りの際の措置として、一定の条件の下で生物剤の標本採取や施設従事者の検診が許可されることとなった。 Ref: United Nations (2001) Procedural Report of the Ad Hoc Group of the States Parties to the Convention on the Prohibition of the Development, Production and Stockpiling of Bacteriological (Biological) and Toxin Weapons and on Their Destruction. 18 May Geneva: United Nations, Vol. BWC/AD HOC GROUP/56-1. Available from p. 79 BTWC及びCWCの検証制度の比較分析に関しては以下を参照。 新井勉「生物兵器の禁止と検証:化学兵器との比較検討」『軍縮・不拡散問題シリーズ』、2001年6月号、No. 14。 [ ] 追加情報
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4. 議定書交渉の決裂と第五回運用検討会議 (i)
第二十四回AHG会合において米国は次のとおり主張した。「広範囲に及ぶ審議を経た後、米国の見解では、現在の方法(議定書)が生物兵器禁止条約の遵守に関する信頼強化をもたらさないと結論した。」 注釈:AHGの交渉を通じて広範囲に渡る検証テキストが発展されたが、交渉における幾つかの合意分野において、技術的というよりは政治的な妥協が数多く見受けられた。2001年には米国において9・11の同時多発テロとその後の「郵送物による炭疽菌攻撃」として知られている事件が発生した。このような中、米国の検証議定書に対する拒否が示された。米国は検証議定書交渉を瓦解させた責任を負っていると一般的に理解されがちであるが、幾つかの条約締約国は内心では議定書に懐疑的であり、米国による議定書不支持の声明文の陰に隠れ政治的批判を逃れたと考えられる。 追加情報
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5. 議定書交渉の決裂と第五回運用検討会議 (ii)
その後、米国の妥協案が2001年第五回運用検討会議において示された。「『無いよりはましというような議定書』は必要ではない。生物兵器の重大な脅威に対する慎重な措置を検討する段階に我々は直面している。 今は外交上の惰性は避けなければならない。 『マジノ線』(AHGでの外交交渉を塹壕戦のように長引かせる)のようなやり方では生物兵器の脅威から防衛ができない。」 追加情報
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6. 議定書交渉の決裂と第五回運用検討会議 2001年第五回運用検討会議での合意の後、AHG議長は各締約国との個別(二者間)交渉を行う。
第五回運用検討会議は中断を経た後2002年に再会され、議長の個別交渉を基に同会議において締約国は、「兵器としての病原体の故意の使用に対抗するための斬新な手法」をとることを合意した。 BTWC強化の手法は、検証機能のための国際交渉ではなく、国内措置の強化に移行した。 注釈:2001年度の第五回運用検討会議における最終宣言の採択と議定書交渉に失敗した後、締約国が取ることの出来た唯一の方策は運用検討会議を休止し、後に合意の可能性を模索することであった。 追加情報
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7. 3ヵ年作業計画(ISP) (i) 締約国は以下の項目を「検討し、 共通理解と実効的措置を促進する」ために2003年から2005年までの各年二度の会合を開催する合意を取り付けた。項目の(i)と(ii)は2003年に、項目(iii)と(iv)は2004年に、そして項目(v)は2005年に検討されることが決定された。 「i. 刑罰の制定を含む条約の禁止事項の実施に必要な国内措置の採択、 ii. 病原体及び毒素の安全管理と管理体制の設立と維持のための国内措置、 追加情報
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8. 3ヵ年作業計画(ISP) (ii) iii. 生物毒素兵器の使用の疑惑のある場合若しくは疑義のある疾病発生への対応、調査そして被害の緩和のための国際的能力の強化、 iv. 人、動物及び植物に影響する感染症のサーヴェイランス、検知、診断及び駆除のための国内かつ国際的な制度的努力と現存するメカニズムの強化と拡大、 v.科学者のための行動規範の内容、公布及び採択」 追加情報
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9. 3ヵ年作業計画(ISP) ISPの会合を通じ、過去のBTWCの検証議定書交渉の失敗に不満を表明する締約国がある一方で、 「質的に異なる結果」をもたらすためにISPをより積極的に評価する締約国もみられた。 より国内化されたBTWCの強化方法は各国の科学者コミュニティーにとっても重要な問題となった。 追加情報
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10. ISP2003年度諸会合 (i) 協議項目の(ⅰ)と(ⅱ)を「検討し、 共通理解と実効的措置を促進する」ために締約国は2003年度二度の会合を開催した。 締約国は、次項の重要性に合意した。 「条約の禁止事項の効果的な実施の確保及び病原体と毒素の効果的な安全管理の強化にむけて、法的、規制的及び刑事的な国内措置の調査並びに必要な場合はその制定と更新を行う。」 追加情報
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11. ISP2003年度諸会合 (ii) 「締約国は、次項の重要性に合意した。病原体及び毒素の安全管理と管理体制の設立と維持のための国内措置。そのような危険物資が条約に反する目的において使用されることを防止するためのバイオセキュリティ措置とその手続きの重要性に一般的な理解がみられた。」 追加情報
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12. ISP2004年度諸会合 (i) 協議項目の(ⅲ)と(ⅳ)を「検討し、 共通理解と実効的措置を促進する」ために締約国は2004年度二度の会合を開催した。 締約国は、次項の重要性に合意した。「感染症のサーヴェイランス、検知、診断及び駆除のための国内かつ国際的な制度的努力並びに現存するメカニズムの強化と拡大は条約の趣旨及び目的を補佐しうる」 「科学・技術的発展は感染症サーベイランスと対応能力を大きく発展させる可能性がある。」 追加情報
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13. ISP2004年度諸会合 (ii) 締約国は、次項の重要性に合意した。「感染症のサーヴェイランス、検知、診断及び駆除のための国内・国際的制度のネットワーク化」 、 「国内的・地域的な感染症サーベイランス能力の最大限の改善」、 「疾病発生への国内的な対応、調査及び緩和能力発展の継続 」。 追加情報
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14. ISP2005年度諸会合 (i) 協議項目の(v)を「検討し、共通理解と実効的措置を促進する」ために締約国は2005年度二度の会合を開催、 23の科学、政府、学術そして産業組織の専門家会合への参加、 国家若しくは国際機関の代表として、約280の科学者若しくはその他の専門家の参加、 会議の検討トピックが科学者の行動規範ということで多くの科学者の参加が確認された。 注釈:同年の協議項目の性質上、科学者の見解を主張するために23の科学者団体、職能団体、学術団体そして産業団体が専門家会合に出席した。協議の内容が科学者の行動規範であり科学者と外交官との関係を深めるという点においてもこれらの参加は非常に重要であった。 追加情報.1 追加情報.2
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15. ISP2005年度諸会合 (ii) 「生物兵器の問題について科学者コミュニティーと、より広くは、国民の意識啓発と教育強化の必要性に多くの専門家が合意した。」 「普遍的」行動規範の開発が現実的なアプローチかどうかという別の問題があった 規範の定義に関する問題として、法的拘束力のある規範を想定する締約国、詳細な行動指針を想定している場合、さらに倫理規範を想定する締約国があった。 著作、公布及び規範の対象の検討もなされた。 注釈:広く懸念が示された内容の一つは次の項目に対する科学者の認識の欠如である。(1)生物毒素兵器禁止条約、(2)デュアルユース研究に伴う潜在的な危険及び(3)生物兵器と生物テロの脅威。 追加情報.1 追加情報.2
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16. ISP2005年度諸会合 (iii) 締約国は、次項の重要性に合意した。「条約に関連する分野の科学者によって任意的に採用された行動規範は、生物毒素兵器による現在と将来の脅威を除去するため、同時に条約の意識啓発及び関連する行為主体が彼らの法律的、規制的、職業的そして倫理的原則を果たすため、国内法制を含むその他の措置と併せて、重要で効果的な貢献を行い、条約の趣旨及び目的を補佐しうる。」 注釈:これらの問題に対する検討は完結しておらず、「誰が、どのように、何故、何を」行動規範の推進と強化に向けて行うべきか?という問いは議論の余地を残している。 追加情報
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17. ISP2005年度諸会合 (iv) 「科学は平和的目的においてのみ利用されるべきであるが、条約に違反する形で不正に利用される可能性もあるので、行動規範はその内容、目的及び合理的に予見可能な行動の結果について、並びに条約上の規制に従う必要性について明確な理解を示すことにより、関連する行為主体の意識を啓発する必要もある。」 追加情報
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18. ISP2005年度諸会合: IAP 「バイオセキュリティに関する声明」 (v)
1. 認識. 科学者は危害を与えない責任を負う。科学者はその活動から合理的に予想されうる結果を常に考慮しなければならない。それゆえ科学者は、常に彼らの研究結果が危害を与える可能性を認識し、個人的な善意による科学的研究の不正利用の可能性に対する無関心が正当化されないことを確認し、人類にとって有害でしかない研究への着手を拒絶する。 注釈:2005年度の会合に際して、インターアカデミーパネルはバイオセキュリティと科学者の意識啓発の重要性を示した声明文を発表した。 追加情報
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19. ISP2005年度諸会合: IAP 「バイオセキュリティに関する声明」 (vi)
2. 安心と安全. 病原体や危険毒素といった生物剤を取り扱う科学者は、法律若しくは慣例の場合であっても善良で、安心でそして安全な施設使用の手続きを踏まえる責任がある。 3. 教育と情報. 科学者は生物学研究の不正利用の予防のための政策と諸原則そして国内法・規則及び国際法・規則に関する情報の普及と教育を理解する必要がある。
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20. ISP2005年度諸会合: IAP 「バイオセキュリティに関する声明」 (vii)
4. 説明責任. 生物毒素兵器禁止条約若しくは国際慣習法に対する違反行為を理解している科学者は適切な国民、当局そして政府機関と共に懸念の表明活動を行う必要がある。 5. 監視. 研究を監視する責任のある科学者若しくは事業や公表の評価責任のある科学者は規制、監督若しくは評価の対象となる者にその遵守を推進し、その模範として行動する必要がある。 追加情報
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