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加藤 宏典 ヘッジファンド損失予測モデルの再構築 研究概要 ヘッジファンドの運用手法を考慮した損失予測モデル ヘッジファンドについて

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1 加藤 宏典 ヘッジファンド損失予測モデルの再構築 研究概要 ヘッジファンドの運用手法を考慮した損失予測モデル ヘッジファンドについて
2010年7月9日 統計数理研究所 オープンハウス 加藤 宏典  研究概要 2008年のサブプライム危機時にヘッジファンドは想定以上の大きなドローダウンを記録し、ヘッジファンドへの投資家も損失予測モデルから計測したリスク量を大きく超える損失を被った。ヘッジファンドは、経済やマーケットの状況により、良好なリターンが出やすい局面や過度なレバレッジをかけ大きなリスクをとる局面がある。このため、金融機関が使用する、損失にi.i.d.を仮定した損失予測モデルでは、損失の予測を的確に行うことが難しい。そのため、金融危機前後においても機能するヘッジファンドの損失予測モデルの構築を試み、サブプライム危機前後のデータを利用したVaRの実証分析を行うことで、新たに構築した損失予測モデルが、i.i.d.を仮定したモデルよりも損失の予測力が高いことを示した。 i.i.d.を仮定した損失予測モデルの検証では、ヘッジファンドの損失分布として正規分布の他に、正規混合分布やJohnson分布等のヘッジファンドのリターンのnegative skewnessや大きなkurtosisという非正規性が表現可能な確率分布を仮定したVaR計測モデルの実証分析を行い、ヘッジファンドの投資戦略ごとにその結果の特徴をまとめた。投資戦略のひとつであるRelative Value戦略は、すべてのVaR計測モデルが棄却され、i.i.d.を仮定したモデルでは同戦略のリスク量の把握が難しいという結果となった。 Relative Value戦略の損失予測を改善するために、同戦略の運用手法を考慮した新しい損失予測モデルの構築を行った。具体的には、Relative Value戦略とクレジットスプレッドの関係を利用した。Relative Value戦略とクレジットスプレッドには線形関係が見られる。クレジットスプレッドが、金融危機時に急拡大することをモデルに組み込むことで、金融危機が定期的に起こることを表現し、金融危機前後の損失予測の改善を行った。クレジットスプレッドの時系列モデルは、モンテカルロフィルターによりパラメータ推定とサンプリングを行い、Relative Value戦略とクレジットスプレッドの関係を表現する手法としては、線形回帰とコピュラを利用した。そして、実証分析により、新たに構築したモデルの損失予測精度がi.i.d.を仮定した従来のモデルよりも高いことを示した。 ヘッジファンドの運用手法を考慮した損失予測モデル Relative Value戦略の損失にi.i.d.を仮定して計測した60ヶ月ローリングVaRと月次損失の時系列のチャートを見ると、1996年から1998年の中ごろや2004年から2008年の中ごろまでのヘッジファンドのリターンが比較的安定しているときは、VaRの水準が低く、1998年のLTCM危機、2008年のサブプライム危機時に大きなドローダウンを起こした後のVaRの水準が高くなっている。しかし、Relative Value戦略の損失の推移を見ると、大きなドローダウンを起こした後は高いパフォーマンスを上げ、その後安定した正のリターンを上げる傾向があることが分かる。一方で、大きなドローダウンを起こす前は安定したリターンを上げる傾向があり、計測したリスク量(VaR)と実際のRelative Value戦略のリスク量とが異なるという問題があることが分かる。Relative Value戦略の月次リターンのヒストグラムを見るとほとんどの月で正のリターンを記録しており、金融危機のとき意外は非常に安定したリターンを上げていることが分かる。一方で、LTCM危機、サブプライム危機の際の損失は、それまでのリターンと比較をするとかなり大きく、ボラティリティ等で調整した損失が他の金融資産と比較をしてもかなり大きいことが分かる。このような損失をi.i.d.を仮定して過去の損失から推定することは難しいと考えられる。そこでRelative Value戦略の運用戦略を考慮した上で、Relative Value戦略のリターンの時系列モデルを利用した損失予測モデルを構築した。 Relative Value戦略は、流動性の低い資産のポジションを流動性の高い資産でヘッジすることでリターンを得る。こいった面から同戦略は、マーケットに流動性を供給し、流動性リスクをとることでそのプレミアムを得ているといえ、同戦略のリターンと流動性の間には何からかの関係があると考えられる。しかし、流動性はマーケットで直接観測されるものではないため、今回の検証では、クレジットスプレッドを流動性の代理変数として利用した。マーケットの流動性が低下する際に投資家は、信用力の高い国債もしくは現金を保持し、Baaなどの格付けの低い債券を売る傾向がある。これにより国債価格は上昇し、Baa債の価格は下落することにより、クレジットスプレッドがワイドになる。ヘッジファンドのスタイル分析を行うと、Relative Value戦略とクレジットスプレッドの月次差分の間に係数が負となる線形関係が見られる。 クレジットスプレッドは、1998年のLTCM危機や2008年のサブプライム危機の金融危機の際に急拡大し、その後ある一定の水準に平均回帰していく特徴があることが分かる。そのため、時系列のモデリングや1期先予測がヘッジファンドよりも行いやすいと考えられる。クレジットスプレッドの時系列モデルとヘッジファンドとクレジットスプレッドの関係を利用したヘッジファンドの損失予測モデルの構築及び、新たな損失予測モデルから計測したVaRの実証分析を行なった結果、新たに構築したモデルの予測精度がi.i.d.を仮定した従来のモデルよりも高いことを示した。 ヘッジファンドについて ヘッジファンドは2008年にサブプライム危機の影響で過去に経験したことがない大きなドローダウンを記録し運用資産残高を大きく減小させた。しかし、2009年のヘッジファンドのパフォーマンスを見ると株式(MSCI World)が2008年の大きなドローダウンから回復していないのに対して、ヘッジファンドは高いパフォーマンスを上げ2008年の大きなドローダウンから概ね回復している。 下表は、投資戦略ごとのヘッジファンドインデックス及び株式、債券インデックスの年率リターン、年率ボラティリティ、シャープレシオ、最大ドローダウン、Skewness、Kurtosis及び、2007年~2009年のYTD(年初来リターン)の一覧である。 2008年のヘッジファンド全体のインデックスであるHFRI Weighted Compositeを見ると -19.03%下落している。戦略ごとに見ると、株式マーケットへのエクスポージャを持つEquity Hedge戦略がもっとも下落している。また、マーケットの流動性が低下し、市場価格と理論価格との乖離が広がった影響を受け、Relative Value戦略も過去に経験をしたことがないほどの大きなドローダウンを記録した。しかし、マーケットの上昇・下落を予測し、ロング・ショートポジションをダイナミックに切り替えるMacro戦略は2008年においてもプラスのリターンを記録した。2009年のヘッジファンドのパフォーマンスを見ると2008年に大きなドローダウンを記録した戦略は、2009年には良好なパフォーマンスとなっている。2008年に多くの機関投資家は、ヘッジファンドのリスク管理が機能せず想定外のドローダウンのために、ヘッジファンドを解約した。また、そのために2009年の良好なパフォーマンスを享受できなかった投資家も多くあった。これは、金融機関が利用するi.i.d.を仮定するリスク量計測モデルでは、金融危機の前のマーケットが安定した状態では、リスク量が小さくなる傾向がありリスク量を低く計測してしまうために金融危機時のリスク量の予測が困難である一方で、金融危機後は逆にリスク量を大きく計測してしまうために、ヘッジファンドを解約したり、ヘッジファンドへの投資が見送られるために、金融危機後のヘッジファンドの高いリターンを享受できないことが原因であると考えられる。このような問題を解決し、金融危機前後においてもリスク量を的確に予測できる(すなわち、金融危機前はリスク量が大きくなり、金融危機後はリスク量が小さくなる)損失予測モデルの構築を行い、2008年、2009年のサブプライム危機前後を含むヘッジファンドのパフォーマンスデータを利用した実証分析を行った。 Relative Value戦略リターンのヒストグラム サブプライム LTCM 上図は、1989年4月~2009年3月までのRelative Value戦略のヘッジファンドの月次リターンのヒストグラムである。ほとんどの月で正の安定したリターンを記録しているがLTCM危機、サブプライム危機の際には、大きな負のリターンを記録しており、正規性を仮定したリターンの予測が金融危機の際に機能しないことが分かる。 i.i.dを仮定したVaRの推移 表中には、HFRが分類するヘッジファンドの各投資戦略のインデックスの統計量が表示されている。HFRI Weighted Compositeの月次リターンは、HFRデータベースに含まれるヘッジファンドのうち、HFRのインデックス組み入れ基準を満たすヘッジファンドの(運用資産残高を考慮せず)月次リターンの単純平均により算出される。また、各投資戦略のインデックスの月次リターンは、該当する戦略に含まるヘッジファンドの月次リターンの単純平均により算出される。MSCI Worldは、MCSIが提供するグローバル株式インデックスであり、JPMorgan Hedged GBIは、JPMorganが提供するグローバルの債券インデックスである。HFR(Hedge Fund Research, Inc.)のヘッジファンドデータベースでは、ヘッジファンドの投資戦略をMain StrategyとSub Strategyにより分類している。Main strategyは、Equity Hedge、Macro、Relative Value、Event-Drivenに分類される。以下では、Main Strategyに関しての概説を行う。Equity Hedge戦略は、主に株式及びそのデリバティブのロング及びショートポジションを持つ。株式市場への一定のエクスポージャを持つファンドが多く、そのリターンは、株式インデックスで多くの部分が説明される。Macro戦略は、流動性が高い資産に投資をし、マーケットの上昇・下落の予測に基づき投資判断を行う。他の戦略と比較をしても、ロング・ショートポジションを日々ダイナミックに切り替える。そのため、マーケットインデックス等を月次リターンに線形回帰するモデルの説明力は他の戦略と比較をしても低い。Relative Value戦略は、リターンの相関の高い資産セットのうち、割安な資産をロング、割高な資産をショートするマーケットニュートラル戦略である。流動性が理論価格と市場価格の差の原因となるため、流動性リスクをとる傾向があり、金融危機などの流動性リスクが顕在化する際に大きなドローダウンを記録する。リターンに負のskewnessや大きなkurtosisという非正規性や自己相関が見られるという特徴がある。Event-Driven戦略は、企業のコーポレートアクション(買収、合併、増資、企業再生等)に伴う株価や債券価格の変動により利益を得る。 上図.は、Relative Value戦略の損失にi.i.d.を仮定して計測した60ヶ月ローリングVaRと月次損失 の時系列のチャートである。これを見ると、1996年から1998年の中ごろや2004年から2008年の中ごろまでのヘッジファンドのリターンが比較的安定しているときは、VaRの水準が低く、1998年のLTCM危機、2008年のサブプライム危機時に大きなドローダウンを起こした後のVaRの水準が高くなっている。しかし、Relative Value戦略の損失の推移を見ると、大きなドローダウンを起こした後は高いパフォーマンスを上げ、その後安定した正のリターンを上げる傾向があることが分かる。一方で、大きなドローダウンを起こす前は安定したリターンを上げる傾向があり、計測したリスク量(VaR)と実際のRelative Value戦略のリスク量とが異なるという問題があることが分かる。 Value at Risk(VaR)とは VaRは、金融機関で最も広く利用されているリスク尺度である。VaRとは、保有資産もしくは、保有ポートフォリオに対して、ある期間後に、ある一定の確率で想定される最大損失額あるいは最大損失率のことである。VaRの数学的定義は次の通りとなる。 構築したモデルによるVaRの推移 }. ) ( : inf{ } 1 a  Π= - > l F L P VaR あるα(αは0から1の任意の値)が与えられたとき、当該資産に対する信頼水準αのVaRは、損失Lがlを超える確率が1-α以下となる最小のlの値と定義される。Lの分布を損失分布と呼び、損失分布は期間中一定であると仮定される。αの典型的な値は0.95もしくは0.99である。 上図は、新たに構築した損失予測モデルにより算出したRelative Value戦略のVaRと月次損失の時系列チャートである。i.i.d.を仮定したモデルのVaRと比較をすると金融危機の前のVaRの水準が高くなっており、金融危機後にVaRの水準が下がっており、i.i.d.を仮定したモデルの損失予測よりも直感的なVaRの水準と近くなっている。また、VaR超過回数も減少している面からもモデルが改善されていることが分かる。


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