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研修スライド 研修用補助資料 研修流れシート 研修まとめシート
A-1 不登校の理解を深め, 支援につなげよう ファシリテーター用 受講者用 研修スライド 研修受講者に提示するスライド資料です。 研修用補助資料 【研修のねらい】 不登校児童生徒への支援をするために,不登 校をどう理解すればよいのか?不登校に対す る3つの捉え方から,そのヒントを学ぶ。 ロールプレイ用の指示書です(印刷後,半分に切ってご使用ください)。 【研修時間】 30分程度 【推奨時期】 4月 小学校版 中学校版 高校版 小・中・高共通版 【準備物】 □コンピュータ □スクリーン □プロジェクター □ロールプレイ用指示書①&② ※ペアを作り,先生役と保護者役に分かれて行いま す。 ペアの組合せを考慮して座り方を決めるとよ いです。 ※研修時間等に応じてロールプレイをカットしても 研修は進められます。 【研修形態】 校内研修 研修流れシート 研修まとめシート スライドに合わせて使用する読み原稿付きの資料です。 研修の内容をまとめた資料です。研修後にプリントアウトし,ご使用ください。 【留意事項】 ●研修中,ペアでロールプレイを行う場面がありますが,研修時間等に応じて必要な場合はカットしても研修は進められます。 ●ロールプレイでは,ペアを作り,先生役と保護者役に分かれて行います。ペアの組合せを考慮して座り方を決めるとよいでしょう。 ●ロールプレイを行う際には指示書があります。コピーをしていだいた上で,半分に切り,1つ目のロールプレイでは指示書①を,2つ目のロールプレイでは指示書②をそれぞれ配布してください。 小学校版 中学校版 高校版 小学校版 中学校版 高校版 Copyright (C) 2019Miyagi Prefecture. All Rights Reserved
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不登校の理解を深め, 支援につなげよう(中学校版)
それでは,「不登校の理解を深め,支援につなげよう」の研修を始めます。 2
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不登校の理解を深め, 支援につなげよう(中学校版)
ねらい ・不登校生徒に対し,どんな思いや考え を持って支援すればよいのかを考え, その考えを参加者全員で共有する。 この研修は,不登校生徒に対し,どんな思いや考えを持って支援すればよいのかを考え,その考えを参加者全員で共有することがねらいです。 では,先生方にお聞きします。 3
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不登校と言えば どの生徒の顔が思い浮かびますか? お考え ください
これまでの経験から,不登校といえば,どの生徒の顔が思い浮かびますか。考えてみてください。 【少し間を空けて】 続いてもう一つお聞きします。
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不登校と言えば どの生徒の顔が思い浮かびますか? その生徒に,どんな生活を送っていってほしいですか? お考え ください
今,思い浮かべた生徒に,どんな生活を送っていってほしいと思いますか。 少し時間を取りますので考えてみてください。 【5秒待つ】 それでは,時間を30秒間取りますので,テーブル毎にグループになって,考えたことを話し合ってみてください。では,始めてください。 【30秒後】 30秒経ちました。 では,どんな話をしたのか聞いてみたいと思います。 【適当に選びインタビューする】 いかがですか。 【感想を聞いたら復唱するなどの応答(2,3人指名してもよい)】 ありがとうございます。同じような話をされた先生はいらっしゃいますか。 【挙手】 ありがとうございます。 お考え ください
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不登校の生徒たちが,先生方が考えたような生活を送るために,不登校をどのように捉えたらよいか,考えてみましょう。
今日の研修は 不登校の生徒たちが,先生方が考えたような生活を送るために,不登校をどのように捉えたらよいか,考えてみましょう。 今日は,不登校の生徒たちが,今,先生方が考えてくださったような日々を送れるようにするために,不登校をどのように捉えたらよいのかを一緒に考えていきたいと思います。 では,こちらの資料からご覧ください。
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不登校に関する実態調査 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~
否定的回答 138人 39.4% 肯定的回答 114人 32.6% これは,文部科学省が公表した不登校に関する調査結果です。過去に不登校を経験した人に,5年後,不登校経験について聞き取り調査を行ったものです。 H26 文部科学省 「不登校に関する追跡調査-平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書-」より
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不登校に関する実態調査 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~
否定的回答 138人 39.4% 肯定的回答 114人 32.6% 一般知識や対人関係に乏しい点が悔やまれる 不登校にならなければ,ちゃんとした仕事に就けた それによると,不登校経験を,ご覧のような理由で否定的に捉えている回答は39.4%でした。
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不登校に関する実態調査 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~
否定的回答 138人 39.4% 肯定的回答 114人 32.6% 一般知識や対人関係に乏しい点が悔やまれる 他の人ができない経験ができたけど,進路が狭まった 今思うと,行っていた方が良かったが,後悔はしていない。 不登校にならなければ,ちゃんとした仕事に就けた また,否定も肯定もできず,中立的な意見を述べた人は28%でした。
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不登校に関する実態調査 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~
否定的回答 138人 39.4% 肯定的回答 114人 32.6% 一般知識や対人関係に乏しい点が悔やまれる 他の人ができない経験ができたけど,進路が狭まった 今思うと,行っていた方が良かったが,後悔はしていない。 不登校経験のおかげで今の自分がいる 不登校にならなければ,ちゃんとした仕事に就けた 一方,「不登校経験のおかげで今の自分がいる」や「不登校を乗り越えたことが自信になった」といった,肯定的な回答は32.6%でした。 【少し間を空けてから】 もう一つ,皆さんに紹介したいものがあります。 不登校を乗り越えたことが自信になった
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= Post-Traumatic Stress Disorder
心理に関する研究 PTSD = Post-Traumatic Stress Disorder 心的外傷後ストレス障害 皆さんは,「PTSD」という言葉はご存じでしょうか。「心的外傷後ストレス障害」と訳されます。事故や事件,災害など様々なきっかけで心に傷を負ってしまうことを指します。学校におけるPTSDには,いじめや不登校も該当するでしょう。
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= Post-Traumatic Stress Disorder = Post-Traumatic Growth
心理に関する研究 PTSD = Post-Traumatic Stress Disorder 心的外傷後ストレス障害 PTG = Post-Traumatic Growth 心的外傷後成長 一方で,近年「PTG」という研究が行われていることはご存じでしょうか。
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= Post-Traumatic Stress Disorder = Post-Traumatic Growth
心理に関する研究 PTSD = Post-Traumatic Stress Disorder 心的外傷後ストレス障害 PTG = Post-Traumatic Growth 心的外傷後成長 GはGrowth (グロウス)の頭文字で「成長」を意味し,「PTG」は「心的外傷後成長」と訳されます。これまで,ストレスやトラウマは人の心に傷を与えるなど,否定的な影響が注目されてきましたが,それとは異なる見方をする研究です。
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ポジティブな心理的変容 危機 困難 PTGとは 人としての成長 もがき・闘い
ポジティブな心理的変容 人としての成長 危機 困難 もがき・闘い この研究の中で,PTGは「危機的な出来事や困難な経験などの精神的なもがき・闘いの結果生ずる,ポジティブな心理的変容の体験」と定義されています。つまり,苦しいことやつらいことに向き合い,努力した経験は,その人の成長につながる可能性があるということです。もしかしたら先生方も,苦しいことに立ち向かったことが成長の糧となったという経験をお持ちではないでしょうか。
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不登校 経験 PTGの視点から不登校を捉えると 人生の糧となり,人として成長する可能性がある もがき・闘い
先ほど思い浮かべてもらった生徒たちも,不登校を乗り越え,それを糧にすることで,たくましく成長していってほしいですよね。
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不登校の捉え方の一つとして ①将来的に不登校経験が糧になった と思えるような関わり方をする
①将来的に不登校経験が糧になった と思えるような関わり方をする 今,登校できずに悩んだり,不安を感じたりしている生徒や保護者に寄り添う際,私たち教職員は,不登校生徒にとって不登校経験が,「将来的に人生の糧になった」と思えるような関わり方する,という考えを持ち,本人の将来を見据えた支援を,みんなで考えていけるとよいのではないでしょうか。
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H28 文部科学省 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)より抜粋
文科省の不登校の捉え方 不登校とは,多様な要因・背景により,結果として不登校状態になっているということであり,その行為を「問題行動」と判断してはならない。 次に,国としての不登校に対する捉えを見てみたいと思います。文部科学省は,不登校を「問題行動と判断してはならない」と示しています。この「問題行動と判断してはならない」とは,いったいどういうことなのでしょうか。 H28 文部科学省 「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)より抜粋
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【方法】 ・先ほどと同じペアで行う ・先生役と保護者役に分かれる ・会話を続ける(1分程度)
ロールプレイをしてみましょう 【方法】 ・先ほどと同じペアで行う ・先生役と保護者役に分かれる ・会話を続ける(1分程度) では,ここで,この捉えについて考えるためにロールプレイをしてみたいと思います。 先ほどと同じペアで行います。先生役と保護者役に分かれて,ある場面における会話のやりとりをしてください。場面設定については後ほどご説明します。それでは,まず役割を決めてください。 【人数構成によって,3人グループしか作れない場合は,1人が,2人のやり取りの様子を見て,感じたことを話してもらう。】 【役割が決まったら】 では,どんな場面設定にするか説明します。
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ロールプレイをしてみましょう 【生徒の状況】 ・はっきりした理由はないが, 3日連続で欠席。 【場面設定】 ・欠席を心配した担任が家庭訪問
して保護者と話をする。 まず,生徒についてです。はっきりした理由はないのですが,3日連続で欠席しているという状況です。 そこで,欠席を心配した担任の先生は家庭訪問をして,保護者と話をすることにしました。
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ロールプレイをしてみましょう 保護者:なぜ行きたくないのか,いろいろ聞 いてみたのですがはっきりした理由 は分からなくて…困っているところ
保護者:なぜ行きたくないのか,いろいろ聞 いてみたのですがはっきりした理由 は分からなくて…困っているところ なんです。 先 生:○○○○○○○○○○○○ 保護者:○○○○○○○○○○○○ 先 生:○○○○○○○○○○○○ 会話の内容ですが,保護者役のご覧のセリフから始めます。 先生役の皆さんにはもう一つお願いがあります。こちらの「指示書」を取りに来て,内容を確認してください。ではお願いします 【先生役に「指示書①」を渡す。指示書を受け取り座ったら】 では,どんなロールプレイになるか30秒時間を取るので考えてみてください。 【30秒後】 準備はよろしいでしょうか。それでは,1分間会話を続けてください。では,始めてください。 【1分後】 では,時間になりましたので,終了してください。 ※次のスライドへ
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ロールプレイをしてみて, どんなことを感じましたか?
ロールプレイをしてみましょう 不登校を「問題行動」と判断する シェアリング ロールプレイをしてみて, どんなことを感じましたか? それでは,感想をシェアリングしたいと思います。ロールプレイをしてどんなことを感じたか,いくつかのペアに聞いてみたいと思います。 では,○○先生と□□先生のペアから伺います。まず,保護者役の方からお願いします。 【感想を聞いたら復唱するなどの応答】 ありがとうございました。続いて,先生役の方お願いします。 ありがとうございました。 【時間がない場合は,同じような考えを持っていたのかなどを挙手で確認するだけでもよい】
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指示書① 先生役の皆さんへ ② 「不登校は問題行動だ」と考えながら,次の ① 保護者の始めのセリフに対し,
次のように会話を進めてください。 ① 保護者の始めのセリフに対し, 「学校でも,特に変わったことはない」 ことを伝える。 ② 「不登校は問題行動だ」と考えながら,次の ような質問をして本人の様子を聞き出す。 ・夜は,いつも何時頃寝るか ・朝は,いつも何時頃起きるか ・朝ご飯は,いつも食べているか ・最近,家庭の状況で変わったことはないか ・家族との会話はあるか ・これまでの成長で気になること等どんどん質問する 今のロールプレイの中で,先生役の方には,このような指示書を渡しました。 【10秒ぐらい見てもらう時間を取る】 会話を通して,保護者役の方で,質問をされて責められていると感じたり,先生役の方で,質問攻めにしてしまったように感じたりした人もいたのではないでしょうか。 もしかすると,こちらは責めるつもりではないのに,相手はそう感じているかもしれません。そうすると,知らず知らずのうちに,本人や保護者にプレッシャーを与えていることも考えられます。
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不登校を「問題行動」と判断する ・原因を追及し明らかにすることが, 目的になってしまう ・原因の所在を,他者や自分に求めて しまう
問題なので原因がどこかにあると考え 相手から情報を聞き出そうとしてしまう ・原因を追及し明らかにすることが, 目的になってしまう ・原因の所在を,他者や自分に求めて しまう 不登校を問題行動だと捉えると,「怠け」や「さぼり」「本人が弱い」などと思うだけでなく,どうしても原因がどこかにあると考え,情報を聞き出すことに力が入ってしまいます。そうすると,いつのまにか問題の原因を追及し明らかにすることが目的になり,その結果,責任の所在を他者や自分の中に求めることになってしまうかもしれません。 23 23
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無気力の傾向がある 不安の傾向がある 学校における人間関係 に課題を抱えている その他 1位 2位 3位 4位 5位
不登校の要因(中学校) 1位 不安の傾向がある (31.1%) 2位 無気力の傾向がある (28.8%) 3位 学校における人間関係 に課題を抱えている (19.9%) 4位 その他 (理由がはっきりしない等) (17.4%) 5位 あそび・非行の傾向がある (2.7%) こちらの調査結果をご覧ください。これは,平成30年度に宮城県がまとめた不登校の要因に関する調査結果です。これによると,不登校の要因として最も多かったのが「不安」,次に多かったのが「無気力」でした。そして,この2つの割合を合わせると59.9%に上ります。 宮城県 「平成29年度『児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の 諸課題に関する 調査』(宮城県分)の結果について」 より作成 24
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約6割の不登校児童生徒が不安や無気力を理由に,30日以上欠席
不登校の要因(中学校) 1位 不安の傾向がある (31.1%) 2位 無気力の傾向がある (28.8%) 3位 学校における人間関係 に課題を抱えている (19.9%) 4位 その他 (17.4%) 5位 「あそび・非行」の傾向がある (2.7%) 約6割の不登校児童生徒が不安や無気力を理由に,30日以上欠席 つまり,約6割の不登校生徒が,不安や無気力を理由として年間30日以上欠席していることになります。 25
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なぜ不安なのか なぜ無気力なのか 本人にも分からない 無気力の傾向がある 不安の傾向がある 学校における人間関係 に課題を抱えている その他
不登校の要因(中学校) 1位 不安の傾向がある (31.1%) 2位 無気力の傾向がある (28.8%) 3位 学校における人間関係 に課題を抱えている (19.9%) 4位 その他 (17.4%) 5位 「あそび・非行」の傾向がある (2.7%) なぜ不安なのか なぜ無気力なのか 本人にも分からない そして,この不安や無気力は,本人にもなぜそうなってしまうのか分からないことが多いのが特徴です。 26
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不登校を問題行動と判断すると 原因は本人にも分からない場合が多い しかし・・・ どう支援していいか分からない・・・
問題なので原因がどこかにあると考え 原因の追及が目的になることがある しかし・・・ 原因は本人にも分からない場合が多い そうすると,いくら原因を追及しても,明らかにするのは難しいことが予想されます。「見付かるはず」「解決するはず」と思って原因追及に力を注いでも原因が見付からず,さらに,生徒に変容が見られなければ,不安や焦りを感じてしまうと思います。そして,そのような行き詰まりの状態が続くと,どう支援すればよいか分からなくなったり,寄り添い続ける自信がなくなったりするかもしれません。 どう支援していいか分からない・・・ このまま寄り添っていけるだろうか・・・ 27 27
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原因追及を目的にせず, これからできる支援を考える
不登校を「問題行動と判断しない」とは 原因追及を目的にせず, これからできる支援を考える 不登校を問題行動と判断せず,教員と保護者が連携して支援しようとする意識を高めれば,生徒にもよい影響を与えるのではないでしょうか。 あるかどうか分からない原因を追及することで,不登校を解決しようとせず,これからできる支援をみんなで考えていけるといいですね。
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不登校の捉え方の一つとして ①将来的に不登校経験が糧になった と思えるような関わり方をする ②問題行動と判断しない
①将来的に不登校経験が糧になった と思えるような関わり方をする ②問題行動と判断しない 原因追及が目的とならないようにする このように,不登校を「問題行動とは判断しない」と捉え,原因を追及することばかりに目を向けず,ご覧のような捉え方を意識しながら不登校生徒に関わることで,本人に寄り添い,前向きに支援をしていきましょう。
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文科省の不登校の捉え方 どの児童生徒にも起こり得る 初期対応のタイミングを逃さない ↓ 生徒の小さな変化に注意を払う 【文部科学省】
文部科学省は先ほど紹介した捉えの他に,不登校は「どの児童生徒にも起こり得る」という捉えも示しています。思い返してみると,これまで出会った不登校生徒の中に,まさかこの子が不登校になるなんて・・・と思ったことはありませんか。 不登校を「どの生徒にも起こり得る」と捉えることは,教職員が複数の目で生徒の小さな変化に注意を払うことにつながります。そうすれば,結果として,初期対応のタイミングを逃さず,不登校を未然に防ぐことにもつながります。 また,どんなクラスでも,どんな生徒でも不登校になってしまう可能性はあるのですから,不登校生徒に関わる全ての人が,引け目を感じることなく,本人の支えとなるような支援をみんなで考えていきたいですね。
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不登校の捉え方の一つとして ①将来的に不登校経験が糧になった と思えるような関わり方をする ②問題行動と判断しない
①将来的に不登校経験が糧になった と思えるような関わり方をする ②問題行動と判断しない 原因追及が目的とならないようにする ③どの児童生徒にも起こり得る タイミングよく,みんなで支援する このように,不登校を「どの児童生徒にも起こり得る」と捉え,必要な時に必要な支援をみんなで行えるようにしていきたいものです。
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ロールプレイをしてみましょう 不登校をこの3点で捉える
それでは,この3つの捉え方を意識しながら保護者に対応したらどのようになるのか,もう一度ロールプレイを行ってみましょう。
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ロールプレイをしてみましょう 保護者:なぜ行きたくないのか,いろいろ聞 いてみたのですがはっきりした理由 は分からなくて…困っているところ
保護者:なぜ行きたくないのか,いろいろ聞 いてみたのですがはっきりした理由 は分からなくて…困っているところ なんです。 先 生:○○○○○○○○○○○○ 保護者:○○○○○○○○○○○○ 先 生:○○○○○○○○○○○○ 先ほどと同じペアで行います。先生と保護者役も先ほどと同じでかまいません。場面設定も同じで,不登校に悩む保護者と先生とのやりとりです。 今回のロールプレイでも,先生役の皆さん用に「指示書」がありますので,先生役の皆さんは取りに来てください。 【先生役に「指示書②」を渡す。指示書を受け取り先生方が座ったら】 ではまず,30秒時間を取りますので,どんな面談になりそうか考えてみてください。 【30秒後】 それでは,1分間で行ってみてください。 【1分後】 では,時間になりましたので,会話を終了してください。
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ロールプレイをしてみて, どんなことを感じましたか。
不登校は・・・ ①将来的に不登校経験が糧になったと思えるような 関わり方をする ②問題行動と判断しない ③どの児童生徒にも起こり得る シェアリング ロールプレイをしてみて, どんなことを感じましたか。 それでは感想をシェアリングしたいと思います。今度はどんなことを感じられたか,いくつかのペアに聞きたいと思います。 では,○○先生と□□先生のペアから伺います。まず,保護者役の方からお願いします。 【感想を聞いたら復唱するなどの応答】 ありがとうございました。続いて,先生役の方お願いします。 ありがとうございました。
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指示書② 先生役の皆さんへ (例)「本人にも理由は分からないかもしれない」 (②「問題行動と判断しない」より) 「どんな子にも起こり得る」
次のように会話を進めてください。 ☆ 保護者に対し,3つの捉えを意識しながら会話をする。 (例)「本人にも理由は分からないかもしれない」 (②「問題行動と判断しない」より) 「どんな子にも起こり得る」 (③「どの児童生徒にも起こり得る」より) 「本人が自分と向き合う大切な時間」 「将来的に大切な時間だったと思えるように, 学校と家庭が連携して支援していきたい」 (①「将来的に不登校経験が人生の糧になった と思えるような関わり方をする」より) 保護者の不安や悩みを聞くことに重点を置きなが ら,どんな支援策が行えるかを一緒に話し合う 【このスライドは,研修時間や先生方の様子を見てカットしてもよい】 ちなみに,今回のロールプレイでは,先生役に不登校の3つの捉えを基にした,このような指示書を渡しました。 【10秒ぐらい見てもらう時間を取る】 先生役の方には,この指示書を参考に会話をしていただきましたが,難しさを感じた先生もいらしたと思います。伝えたい思いや考えがあっても,いざ悩みを抱えている保護者を目の前にすると,思い通りにはいかないものですよね。 しかし,不登校生徒を支援するためには,保護者と支援に関する考えを共有することが大切です。一人一人に寄り添った支援をともにしていきたいという思いを保護者にどう伝えればよいのか,これからも考えていきましょう。
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「いじめ」が原因になって いないか注意! 不登校生徒への支援に際して… SOS… 「いじめ」の可能性がある場合は…
いないか注意! SOS… 「いじめ」の可能性がある場合は… 文部科学省が平成29年3月に示した 「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」 に沿った対応を早急に! なお,不登校生徒に支援を行う際に最も注意しなければならないのは,いじめについてです。もしかしたら,不登校という行動が,いじめに苦しむ子どもからのSOSかもしれません。支援に当たる際は,いじめが原因になっていないかを十分に意識しましょう。もし,いじめの可能性がある場合は重大事態に発展する恐れがあるため,さらに詳細に情報収集を行うなど,文部科学省が示している「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」に沿った対応を早急に行いましょう。 36
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「不登校児童生徒は,周囲の大人の認識が変わっただけで登校復帰できてしまうケースもある。」
不登校は・・・ 「不登校児童生徒は,周囲の大人の認識が変わっただけで登校復帰できてしまうケースもある。」 FR教育臨床研究所所長 花輪敏男氏の言葉 これまで,多くの不登校児童生徒に支援を行い,登校復帰に導いた実績をお持ちの,FR教育臨床研究所所長:花輪敏男氏は,「周囲の大人の認識が変わっただけで,登校復帰できてしまうケースもある」と言っています。不登校に対するこれまでの捉え方を振り返り,今回ご紹介したような捉え方をすることが,生徒の心を動かし,行動の変容につながるきっかけになるかもしれません。 今後も,不登校についての理解を深め,よりよい支援をみんなで考えていきましょう。
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・考えたこと ・感じたこと ・今後生かして いきたいと思うこと この研修から 38
いきたいと思うこと それでは,この研修を通して,考えたことや感じたこと,今後生かしていきたいと思うことなどをシェアリングしましょう。時間を3分間取りますので話し合ってください。では,始めてください。 【3分後】 時間になりました。それでは,何人かの方に聞いてみたいと思います。では,○○先生いかがですか。 【感想を聞いたら復唱するなどの応答】 そうですよね,ありがとうございます。 38
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不登校の理解を深め, 支援につなげよう(中学校版)
まとめ 不登校を… ①将来的に人生の糧になったと思えるよ うな関わり方をする ②問題行動と判断しない ③どの児童生徒にも起こり得る と捉え,生徒の気持ちに寄り添いましょう。 「不登校の理解」の研修のまとめです。 不登校を「将来的に人生の糧になったと思えるような関わり方をする」「問題行動と判断しない」「どの児童生徒にも起こり得る」と捉え,学校全体で生徒の気持ちに寄り添った支援を行えると良いですね。 以上で「不登校の理解を深め,支援につなげよう」の研修を終わります。 39
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