いじめ問題 具体的な解決策を考える 異文化コミュニケーション論2回 神崎昇平
もくじ はじめに “ いじめ ” の発生件数 子どもの自殺数 現在の対策 考察 提言① 提言② 提言③ ( 研究者の意見 )
はじめに 大津市いじめ自殺 ( 月 ) 凄惨ないじめの内容 学校、教育委員会の対応 論点 学校でのいじめをどう防ぐか
“ いじめ ” の発生件数 ( 文科省統計 )
小中高生の自殺数 ( 文科省統計 ) 平成 22 年度 自殺生徒数: 147 名 いじめが原因: 4 名 原因不明: 83 名
生徒と教師の認識のズレ 例:奈良市教委調査 (2012) 小中高生と教職員にアンケート 生徒:「今もいじめられている」 …917 件 教職員の認知数: 110 件 …………………………………………… ※生徒:「いじめられたことがある」 …2579 件
“ いじめ ” の分類 “ 暴力系 ” 具体的な暴力を伴う ex. 被害者に対する殴打・拘束 服を脱がせる “ コミュニケーション操作系 ” 精神的ダメージを相手に与える ex. 悪口・誹謗中傷 クラス全体での無視
中野富士見中学いじめ自殺事件 中学 2 年の男子生徒が自殺 いじめの内容 日常的な暴行 「葬式ごっこ」 … 担任も参加 日本で初めて「いじめ自殺事件」とし て注目される
山形マット死事件 巻かれて縦に置かれた体操用マットの 中から中学 1 年の男子生徒の遺体 死亡した生徒をいじめていた上級生 3 人を逮捕、同級生 4 人を補導 学校は当初いじめそのものを否定 自白の信憑性も裁判の焦点に
現在の対策 「こころ」に対するアプローチ 道徳教育 スクールカウンセラー 家庭訪問、個人面談 両者の接触を限定 別室指導 一時的な欠席
考察 教師:いじめかどうかの判断が難しい → 対策の遅れにつながる 成果主義 → 学校がいじめを認めたがらない 道徳教育は有効 … ? 学校や教委だけでいじめを完全に解決 するのは不可能ではないか?
提言① “ 道徳教育 ” の徹底 ex. 下館中学校 ( 茨城県 ) の 「君を守り隊」 生徒会と有志が校内パトロール いじめの情報収集 スクールカウンセラーを招いた学習会 広報活動
提言② 警察・司法の介入 特に “ 暴力系 ” のいじめに有効 ex. ・持ち物を壊す → 器物破損 ・性的いじめ → 強制わいせつなど ・ “ プロレスごっこ ” → 暴行 ※ “ いじめ=犯罪 ” という視点 ※ 改正少年法 (2007~) ※ 取り調べの可視化を条件
ご静聴ありがとうございました
提言③:内藤朝雄氏の持論 1.学級制度の解体 “ コミュニケーション操作系 ” の いじめ対策として有効 2.大規模な学校制度改革 教育を「義務教育」と「権利教育」に 「義務」:親が子どもに受けさせる … 最低限の知識が付いていることを国家試験で認定 「権利」:子どもが自由に受ける
参考資料 『 の時代』内藤朝雄 『いじめゼロ!』中嶋博行 「平成 2 1 年中における自殺の概要資料」 警察庁生活安全局生活安全企画課 「平成 22 年度「児童生徒の問題行動等生徒 指導上の諸問題に関する調査」について」 文部科学省初等中等教育局児童生徒課
参考資料② 産経新聞 中国新聞 新しい時代にふさわしい教育基本法と 教育振興基本計画の在り方について (答申:中央教育審議会、 2003 )