1 ・聴覚と音 ~渚にまつわるエトセト ラ~
2 ・トピック 音とは何か 聴覚のしくみ コーヒーブレイク 聴覚の進化
3 ・聴覚(ちょうかく) 外耳、内耳などの器官を使い、音の信号を神経活動 情報に変換し、音の強さ、音高、音色、音源の方向、 リズム、言語などを認識する能力・機能。五感の一 つ。 生まれる前から死ぬまで働く
4 ・音(おと・おん・ね) ・音波のうちでヒトの可聴領域( 20Hz Hz )にあるものを指すと思われる。 (ただし、時として超音波や低周波音を含めて いる。) ・音波 物体の振動。媒質は主に空気。 空気の圧力の違い(疎密)が波のように空間を伝 播するもの。
5 ・音波 その①
6 ・音の大きさの目安
7 ・音の強さと音圧 P は圧力(マイクロパスカル単位) 人の聞くことのできる最小の音圧は 20μPa ( 一気圧の 100 億分の 2) 60dB( 会話音 ) で p= mPa ( 一気圧の 1000 万分の 2) 100dB( 耐えられるぎりぎりの音 ) で p= Pa ( 一気圧の 10 万分の 2)
8 ・音圧レベルと音の大きさ
9 ・等ラウドネス曲線
10 ・耳とは何か
11 ・音をとらえる機構 目標は、物理的な振動である音を 電気信号に変えて脳に送ること
12 ・耳 その① ~外耳~ ・耳介 皮膚と軟骨とからなる。馬、ウサギ等の動物では 随意運動が可能であり、集音効果がある。 また、音源の位置を特定する際に必要とされる。 ・外耳道 耳介から鼓膜へと続く穴。 鼓膜を守る役割。 外耳道共鳴による増幅。
13 ・外耳道共鳴 外耳道での共鳴による音の増幅。 3kHz で 18dB 程 度の増幅効果。個人差あり。再現性にも乏しい。 外耳道の長さが変化する乳幼児期は共鳴の様子が 大きく変化する
14 ・耳 その② ~中耳~ 槌(つち)骨、砧(きぬた)骨、鐙(あぶみ)骨という 三つの小さい骨が、鼓膜から蝸牛(かぎゅう)の卵円窓 という部分につながっている。 三つの骨の名前はその形状による。 ユスターキ管は上咽頭まで 続く管。不要物の排泄や気 圧の調整等の働きがある。
15 ・中耳での増幅① 耳小骨が砧骨と鐙骨の接合部分を支点にシーソーのように なっていることから、「てこの原理」で増幅される。
16 ・中耳での増幅② 鼓膜と蝸牛の入り口との面積の 違いによって起こる増幅 ここまでの伝音部によって音は 80 ~ 200 倍程度増幅される。
17 ・耳 その③ ~内耳~
18 ・蝸牛(かぎゅう)
19 ・蝸牛(かぎゅう) 一定の周波数の音は決った場所の基底膜を震動させる。 有毛細胞には各場所毎に別の神経繊維が来ているので、 特定の場所の震動は、その場所にきている神経繊維のみを 興奮させることになる。 → 周波数によって音を区別できる → 音の高低を区別できる!!
20 画像
21 ・有毛細胞 ・内有毛細胞 ・外有毛細胞 蝸牛にある有毛細胞のうち、内側にあるもの。 一列。 聴神経の 90% が内有毛細胞に繋がっている。 蝸牛にある有毛細胞のうち、 内側にあるもの。三列。 聴神経の 10% のみが外有毛細 胞に繋がっている。
22 ・内有毛細胞の働き① 基底膜の振動によって、覆い膜との間にずれが生じる。 このずれを内有毛細胞が先端にある毛で感知し、 細胞内の化学変化によって電気信号である神経パルスが 発生する。(神経の興奮)
23 ・細胞内外のイオン濃度差 カルシウム・ナトリウムポンプ
24 ・チャンネル 特定の物質を選択的に通過させる膜たんぱく質 電荷によるもの リガンドによるもの
25 ・内有毛細胞の働き②
26 ・内有毛細胞の働き② 音が大きいときにはパルスの頻度が高く、 パルスの頻度によって脳は音の大小を判断できる。 これによって、音の高さと大きさの情報はひとまず脳に伝わる 事になる。
27 おしまい。 外有毛細胞は???
28 ・外有毛細胞の働き 振動が入ってきた際に、外有毛細胞はその振動に応じて 伸び縮みし、ブランコをこぐような形で基底膜の振動を大きくする。 また、「基底膜のふくらみをするどい形とする」 基底膜の振動は最大100倍程度大きくなる。 (ポジティブフィードバックという。) 微弱な音に対しては最大限働き、強い音に対しては ほとんど働かない。
29 ・和田仁研究室(東北大学)
30 ・和田仁研究室(東北大学)
31 ・難聴 感音性難聴 伝音性難聴 難聴のうちで外耳、中耳の各器官の障害に起因するもの。 耳垢、鼓膜の破損等。 難聴のうちで内耳の各器官 あるいは神経の障害に起因 するもの。 外有毛細胞、神経の障害等。 治療は困難。補聴器も非効果的。
32 ・骨伝導音 鼓膜から槌骨等を通じて伝わる空気の振動による音ではなく、 その経路を迂回して伝わる頭蓋骨の振動等による音。 自身の声が違って聞こえるのはこのため。 ただし、これも感音性難聴に対しては 大きな改善の効果は期待できない。 → 火災現場等での利用。
33 ・その先に クラリオン人工内耳システム ES細胞による神経の復元
34 ・フーリエ解析 「ほとんどあらゆる関数が周期関数の和として表せる」
35 ・フーリエ級数展開 フーリエ係数
36 ・音色 高さ・大きさの等しい二つの音があるとき、その聞こえ方の 違いが「音色」と表現されることがある。 実際には、周波数、周波数成分ごとの音の大きさ、 あるいはその相対的な関係等音のあらゆる情報によって 決定される音の「個性」 つめたい、あたたかい等の抽象概念で示されることが多く、 定量的扱いは困難である。
37 ・楽器 → 楽器によって「個性」がある。 倍音の強度の違い、周波数のずれはその楽器によって異なる。 → 楽器によって音色が異なる。
38 ・ピアノ
39 ・バイオリン
40 ・音源の位置の把握 ・時間差(位相差) ・強度差 正面や真後ろからの音は判別しづらい。
41 ・無限音階(シェパードトー ン) 意識して聞くと、音が無限に上 がっていくように聞こえ … ます か?
42 図21
43 ・聴覚の発達 聴覚の起源 三億年前のデポン期に生息していたカブトウオ 渦巻状の骨の化石。耳の平衡機能を支配する 半規管に似ている … 。 液の詰まった簡単な袋、その周りを感覚細胞がとりまく 平衡器官。 古代魚の平衡器官が聴覚のルーツと考えられている。
44 ・聴覚の発達 聴覚の起源② 「聴覚」と呼べる最初のものの機能は魚の浮き袋調節。 浮き袋の変動による体内の液の運動が魚の 内耳の感覚細胞を刺激 → 普通の意味での「聴覚」 その後、陸上に上がる際には、平衡器官の袋から突起が せり出し、「蝸牛」が形成された。
45 ・聴覚の発達 中耳の発達 魚の場合は、水の振動が浮き袋の振動となり、 その振動がそのまま内耳に伝わる。 → 中耳は不要 陸上で生活する生物の場合、空気の振動を内耳の液体に 伝える必要がある。 → 何のメカニズムもなければ、 音は硬い膜に反射される。
46 ・聴覚の発達 えらのひとつの穴が中耳の穴 となり、あごの骨の一部が耳小骨 になったとされている。
47 ・昆虫の耳 人やその他の脊椎動物のものと違い、単純。 しかし、その性能は脊椎動物のものに 決して引けを取らない。 聴覚器官の存在部位は多様。
48 ・参考図書 1. 音の何でも小事典 日本音響学会 1100 円 2. 新生物物理の最前線 日本生物物理学会 1060 円 3. 振動・波動 小形正男著 裳華房 2000 円 4. 音と聴覚の話 ライフ編集部 580 円 5. Wikipedia 有志 0 円
49 紹介②
50 紹介①
51 紹介③
52 ・参考図書 1. 音の何でも小事典 日本音響学会 1100 円 2. 新生物物理の最前線 日本生物物理学会 1060 円 3. 振動・波動 小形正男著 裳華房 2000 円 4. 音と聴覚の話 ライフ編集部 580 円 5. Wikipedia 有志 0 円
53 脳につづく Let ’ s TB Lab!