物理科3回 尾尻礼菜 ブラウン運動 ブラウン運動のシミュレーション。黒色の媒質粒子の衝 突により、黄色の微粒子が不規則に運動している。

Slides:



Advertisements
Similar presentations
1 宇宙は何からできてくるか ? 理学部 物理 森川雅博 宇宙を満たす未知のエネルギー:暗黒エネル ギー 局在する見えない未知の物質:暗黒物質 銀河・星・ガス 何からできているか … 2006/7/25.
Advertisements

関西学院大学オープンセミナー 2010年6月12日.  決定論的現象 天体の運動のように未来が現在により決 まっている現象  偶然的現象 偶然的な要素が加わり、未来の予測が不可 能な現象 気象、地震、災害、事故、宝くじ 株価、寿命、 … … … … … … … ….
医薬品素材学 I 月日講義内容担当者 4/12 1 物質の状態 I 【総論、気体の性質】 安藝 4/19 2 物質の状態 I 【エネルギー、自発的な変 化】 安藝 4/26 3 物質の状態 II 【物理平衡】安藝 5/10 4 物質の状態 II 【溶液の化学】池田 5/17 5 物質の状態 II 【電気化学】池田.
原子が実在する根拠 岡山理科大学 理学部 化学科高原 周一. <質問>  なぜ原子論を信じるのですか?  原子論(=全ての物質が原子から できているという説)を信じます か?
2009/5/16 SilverlightSquare Sao Haruka 量子暗号について 量子力学から量子暗号まで 2009/5/16 Sao Haruka.
宇宙ジェット形成シミュレー ションの 可視化 宇宙物理学研究室 木村佳史 03S2015Z. 発表の流れ 1. 本研究の概要・目的・動機 2. モデルの仮定・設定と基礎方程式 3. シンクロトロン放射 1. 放射係数 2. 吸収係数 4. 輻射輸送方程式 5. 結果 6. まとめと今後の発展.
1 今後の予定 8 日目 11 月 17 日(金) 1 回目口頭報告課題答あわせ, 第 5 章 9 日目 12 月 1 日(金) 第 5 章の続き,第 6 章 10 日目 12 月 8 日(金) 第 6 章の続き 11 日目 12 月 15 日(金), 16 日(土) 2 回目口頭報告 12 日目 12.
熱と仕事.
FUT 原 道寛 名列___ 氏名_______
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
1.ボイルの法則・シャルルの法則 2.ボイル・シャルルの法則 3.気体の状態方程式・実在気体
微粒子合成化学・講義 村松淳司 村松淳司.
微粒子合成化学・講義 村松淳司
環境表面科学講義 村松淳司 村松淳司.
医薬品素材学 I 1 物理量と単位 2 気体の性質 1-1 物理量と単位 1-2 SI 誘導単位の成り立ち 1-3 エネルギーの単位
電磁気学C Electromagnetics C 7/27講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
自己重力多体系の 1次元シミュレーション 物理学科4年 宇宙物理学研究室  丸山典宏.
医薬品素材学 I 3 熱力学 3-1 エネルギー 3-2 熱化学 3-3 エントロピー 3-4 ギブズエネルギー 平成28年5月13日.
熱力学Ⅰ 第1回「熱力学とは」 機械工学科 佐藤智明.
2009年4月23日 熱流体力学 第3回 担当教員: 北川輝彦.
3.エネルギー.
学年 名列 名前 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
学年 名列 名前 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛 名列____ 氏名________
学年 名列 名前 福井工業大学 工学部 環境生命化学科 原 道寛
反応性流体力学特論  -燃焼流れの力学- 燃焼の流体力学 4/22,13 燃焼の熱力学 5/13.
流体のラグランジアンカオスとカオス混合 1.ラグランジアンカオス 定常流や時間周期流のような層流の下での流体の微小部分のカオス的運動
重力レンズ効果を想定した回転する ブラックホールの周りの粒子の軌道
Keirin 生物 第1部 細胞の観察と大きさの測定 <細胞の観察と大きさの測定>.
原子論的自然観の確立を目指す 2012年10月6日(土) 上小教研理科分科会 上田高校 渡辺規夫
科学的方法 1) 実験と観察を重ね多くの事実を知る 2) これらの事実に共通の事柄を記述する→法則 体積と圧力が反比例→ボイルの法則
原子が実在する根拠 岡山理科大学 理学部 化学科 高原 周一.
実験物理と計算機 (Linux計算機を使った物理学実験) 分子運動論/ブラウン運動 第10回 概要 1)ブラウン運動
特殊相対性理論での光のドップラー効果と光行差
Philosophiae Naturalis Principia Mathematica
微粒子合成化学・講義 村松淳司
理科教育法ー物理学ー II 羽部朝男.
黒体輻射とプランクの輻射式 1. プランクの輻射式  2. エネルギー量子 プランクの定数(作用量子)h 3. 光量子 4. 固体の比熱.
アインシュタインの光電効果と ド・ブロイの物質波
古典論 マクロな世界 Newtonの運動方程式 量子論 ミクロな世界 極低温 Schrodinger方程式 ..
重力・重力波物理学 安東 正樹 (京都大学 理学系研究科) GCOE特別講義 (2011年11月15-17日, 京都大学) イラスト
今後の予定 4日目 10月22日(木) 班編成の確認 講義(2章の続き,3章) 5日目 10月29日(木) 小テスト 4日目までの内容
原子で書いた文字「PEACE ’91 HCRL」.白い丸はMoS2結晶上の硫黄原子.走査型トンネル顕微鏡写真.
電磁気学C Electromagnetics C 7/17講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
D中間子崩壊過程を用いた 軽いスカラー中間子の組成の研究
光電効果と光量子仮説  泊口万里子.
(昨年度のオープンコースウェア) 10/17 組み合わせと確率 10/24 確率変数と確率分布 10/31 代表的な確率分布
電子物性第1 第9回 ー粒子の統計ー 電子物性第1スライド9-1 目次 2 はじめに 3 圧力 4 温度はエネルギー 5 分子の速度
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
連続体とは 連続体(continuum) 密度*が連続関数として定義できる場合
微粒子合成化学・講義 村松淳司 村松淳司.
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
2009年4月23日 熱流体力学 第3回 担当教員: 北川輝彦.
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 8/11講義分 点電荷による電磁波の放射 山田 博仁.
電磁気学Ⅱ Electromagnetics Ⅱ 5/29講義分 電磁場の運動量 山田 博仁.
2009年7月2日 熱流体力学 第12回 担当教員: 北川輝彦.
低温物体が得た熱 高温物体が失った熱 = 得熱量=失熱量 これもエネルギー保存の法則.
今後の予定 (日程変更あり!) 5日目 10月21日(木) 小テスト 4日目までの内容 小テスト答え合わせ 質問への回答・前回の復習
近代化学の始まり ダルトンの原子論 ゲイリュサックの気体反応の法則 アボガドロの分子論 原子の実在証明.
宇 宙 その進化.
これらの原稿は、原子物理学の講義を受講している
今後の予定 8日目 11月13日 口頭報告答あわせ,講義(5章) 9日目 11月27日 3・4章についての小テスト,講義(5章続き)
今後の予定 7日目 11月12日 レポート押印 1回目口頭報告についての説明 講義(4章~5章),班で討論
熱量 Q:熱量 [ cal ] or [J] m:質量 [g] or [kg] c:比熱 [cal/(g・K)] or [J/(kg・K)]
超流動デモ実験 低温物質科学研究センター 松原 明 超流動4Heが見せる不思議な世界 ・超流動4He ・スーパーリーク ・噴水効果
第3回応用物理学科セミナー 日時: 7月10日(木) 16:10 – 17:40 場所:葛飾キャンパス研究棟8F第2セミナー室
相の安定性と相転移 ◎ 相図の特徴を熱力学的考察から説明 ◎ 以下の考察
(昨年度のオープンコースウェア) 10/17 組み合わせと確率 10/24 確率変数と確率分布 10/31 代表的な確率分布
パリでも有名なABE.
FUT 原 道寛 学籍番号__ 氏名_______
Presentation transcript:

物理科3回 尾尻礼菜 ブラウン運動 ブラウン運動のシミュレーション。黒色の媒質粒子の衝 突により、黄色の微粒子が不規則に運動している。

ブラウン運動とは ブラウン運動は 1827 年に Robert Brown によって発見された. ブラウンは植物の細胞核の発見者としてもよく知られる植物学者である. 植物の花粉に含まれる微粒子の観察をきっかけに, 生命とは無縁な物質でも液体中の微粒子が不規則な運動をすることを確 かめた アインシュタイン「この粒子の不規則な運動を調べることで、目に見え ない分子の個数を数えることができる」

統計物理学年表 1662 ボイルの法則. 1687 ニュートンがプリンキピアを出版. 1784 ワットが蒸気機関を発明. 1787 シャルルの法則 (1802: ゲイ - リュサックの法則 ) 1803 ドルトンの原子説. 1811 アヴォガドロの分子仮説. 1824 カルノー・サイクルの理論. 1827 ブラウン運動の発見. 1831 ファラデーが電磁誘導を発見. 1838 リューヴィルの定理. 1842 マイヤーがエネルギー保存の法則を提唱. 1843 ジュールが熱の仕事当量を測定. 1847 ヘルムホルツによりエネルギー保存の法則 ( 熱力 学の第 1 法則 ) が確立. 1848 トムソンが絶対温度と絶対零度の提唱. 1850 クラウジウスが熱力学の第 2 法則を定式化. 1860 マクスウェルの気体分子運動論. 1865 マクスウェルが電磁気学を定式化. 1873 ファンデルワールスの状態方程式. 1877 エントロピーに関するボルツマンの原理. 1883 マッハ「歴史的 - 批判的に見た力学の発展」で原 子論を否定. 1883 ファントホッフの浸透圧の法則 1900 プランクがエネルギー量子を導入. 1902 ギブスが統計力学のアンサンブル理論を定式化. 1905 アインシュタインのブラウン運動理論.ネルン ストが熱力学の第 3 法則を発見. 1906 ボルツマンが自殺 ( オストヴァルト,マッハのい じめが原因 ?) 1908 ペランがアインシュタイン理論を検証.ラン ジュヴァン方程式. 1916 エーレンフフェストの断熱定理. 1925 ハイゼンベルグが行列力学を提唱.

アインシュタインの論文 「静止液体中に懸濁した微粒子の熱の分子運動論から要求される運動に ついて」 Annalen der Physik 17 (1905) 「ボルツマンとギブスのすでに発表されていた研究に通じていなかった ので,私は統計力学とそれにもとづく分子運動論的な熱力学を展開した. 私の主目的は,一定の有限な大きさの原子の存在を確証する事実を発見 することであった.ブラウン運動の観測が古くから有名であったのを知 らずに,私は原子論的理論が,微視的粒子の観測できるような運動の存 在をみちびくのを発見した. 」

液体中の微小物体は熱運動のために顕微鏡で見えるような運動をするだ ろう.ブラウン分子運動と呼ばれているものがそれかもしれない. → 第 1 種揺動散逸定理 :D = kBTμ 拡散係数 D と外力が粒子を動かすときの粘性係数 η つまりエネルギーの散逸を決める係数とが関係することを示している

17 度の水の中に直径 1 ミクロンの粒子があるとすれば, 気体分子運動論から期待される値 NA = 6 × 1023mol−1 と, 実験で知られている値 η = 1.35 × 10−2g s−1cm−1 を使って λx(t = 1sec) = 8 × 10−5cm = 0.8μm がえられる.つまり 1 分間には 6 ミクロンほど動くはず. 逆にこの関係はアヴォガドロ数 NA の決定に使える.

参考文献 %96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%8B%95 %96%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%8B%95 %B3%E9%81%8B%E5%8B% #E E3.83.AA.E3.82.BF.E3.83.8B.E3.82.AB.E5.9B.BD.E9.9A. 9B.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E5.B0.8F.E9.A0.85. E7.9B.AE.E4.BA.8B.E5.85.B8 %B3%E9%81%8B%E5%8B% #E E3.83.AA.E3.82.BF.E3.83.8B.E3.82.AB.E5.9B.BD.E9.9A. 9B.E5.A4.A7.E7.99.BE.E7.A7.91.E4.BA.8B.E5.85.B8.20.E5.B0.8F.E9.A0.85. E7.9B.AE.E4.BA.8B.E5.85.B8 u.ac.jp/uwaha/einstein1.pdf#search='%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A 6%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%8B%95‘ u.ac.jp/uwaha/einstein1.pdf#search='%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%A 6%E3%83%B3%E9%81%8B%E5%8B% %B3%E9%81%8B%E5%8B% %B3%E9%81%8B%E5%8B%95