アルブミン尿を有する高血圧患者にお けるレニン・アンジオテンシン系抑制 薬投与を中心とした通常療法に対する エプレレノン併用の優位性を検証する 臨床試験 EVALUATE ( Eplerenone Versus conventional Agent to Lower blood pressure on Urinary Antiproteinuric Treatment Effect Trail ) 研究代表者:藤田敏郎
EVALUATE 試験の目的 抗アルドステロン薬の抗アルブミン尿効果の 検証 アルブミン尿を呈するレニン・アンジオテンシン 系 (RAS) 抑制薬投与中の高血圧患者に抗アルドステ ロン薬エプレレノン 50mg/ 日を投与し、プラセボを 対照に、早朝第一尿における尿アルブミン /Cr 比の 変化を 1 次エンドポイントとして、エプレレノンの 腎保護(抗アルブミン尿)作用を検討すること。
EVALUATE 対象患者 外来通院中のレニン・アンジオテンシン系 (RAS) 抑制薬投 与中のアルブミン尿を伴う高血圧患者。 選択基準 (1) 外来血圧≧ 130/80 かつ< 180/100mmHg 。 (2) 早朝第一尿 (3 日連続採尿の平均値 ) における尿アルブミン /Cr 比≧ 30 かつ< 600 mg/g Cr 。 (3) 観察期開始時に ACE 阻害薬または ARB をすでに 8 週間以 上服用していること。 (4) eGFR ≧ 50 mL/min/1.73m 2 。 (5) 年齢≧ 20 歳かつ< 80 歳。 (6) 担当医師の文書および口頭による説明に基づき、書面に よる同意を得たこと。
アルブミン尿の定義と選択条件 微量アルブミン尿 正常アルブミン尿 300mg/ 日 (300mg/gCr) 30mg/ 日 (30mg/gCr) 0mg/ 日 (0mg/gCr) 600mg/ 日 (600mg/gCr) 選択条件 顕性アルブミン尿
除外基準 (1) 高血圧緊急症で非経口的降圧薬療法などが必要。 (2) 観察期開始時に 8 週間以内に抗アルドステロン薬を服用。 (3) 副腎皮質ステロイド剤、免疫抑制剤を服用中。あるいは非ステロイド性 抗炎症薬( NSAID )を長期に( 2 週間以上)服用。 (4) 観察期の血清 K ≧ 5.0 mEq/L 。 (5) 観察期の空腹時血糖≧ 126 mg/dL あるいは抗糖尿病薬服用中。 (6) 重度の肝機能障害( Child-Pugh 分類クラス C の肝硬変に相当)。 (7) 重症心不全( NYHA 心機能分類にてクラスⅢ以上)、重篤な不整脈(心 室性・心房性期外収縮の頻発、持続性心室性頻拍、高度な頻脈を伴う心房 性頻拍、高度な頻脈を伴う心房細動・粗動、高度な徐脈を伴う洞不全症候 群、高度な徐脈を伴う房室ブロック)、狭心症、試験薬投与開始前 6 ヶ月未 満に発症した心筋梗塞。 (8) 試験薬投与開始前 6 ヶ月未満に発症した脳血管障害。 (9) 妊娠または妊娠している可能性があるか、妊娠する意思がある。 (10) 抗アルドステロン薬、 ARB 、 ACE 阻害薬で重篤な副作用をきたしたこ とがある。 (11) K 製剤、 K 保持性利尿薬、イトラコナゾール、リトナビル、又はネル フィナビル服用中。 (12) その他、医師が不適当とであると考えたもの。 EVALUATE
4 週間 同意説明 適格性確認 割付 8 週間 4 週間 20 週間 早朝第一尿 尿アルブミン / クレアチニン比 4 週間 ACE 阻害薬 または ARB 治療期 (52 週間 ) 24 週間 登録 試験薬開始 エプレレノン 50mg/ 日追加投与 プラセボ追加投 与 ACE 阻害薬 または ARB * 観察前期以降は ACE 阻害薬 または ARB 以外の「降圧薬を調整し 130/80mmHg を目指す。 同意取得 仮登録 観察前期観察期 (8 週間) EVALUATE プロトコール
EVALUATE 予定症例数 エプレレノン群 170 例 プラセボ群 170 例 合計 340 例 研究期間 2009 年 4 月 1 日~ 2013 年 3 月 31 日 (登録締切: 2012 年 1 月 31 日)
試験薬のマスキング カプスゲル社の盲検化用カ プセル DBcaps 使用 作業場所:東京大学付属病 院薬剤部(クラス 10,000 ) 2008 年 12 月 1 日厚労省医薬食品局監視指導・麻薬対 策課に相談、了承を得ている
尿検査 早朝第一尿にて測定 尿アルブミン / クレアチニン比:観察期における連 続 3 回の測定の平均値をベースライン値として用 いる 尿中 L-FABP 、ナトリウム 尿検査はすべて研究費にて負担(中央測定) →SRL 注意:早朝第一尿の尿アルブミン /Cr は随時尿の 半分程度になることが多い。尿定性で ++ でも早朝 第一尿は 600 mg/g Cr 未満の方が多い 患者スクリーニングとして研究費で早朝第 一尿アルブミン測定が可能になりましたの で、是非ご活用ください
中止基準 (1) 過度の血圧低下( 100/50mmHg 以下)があるいは過度 の血圧上昇 (2) 血清 K 値が 5.5mEq/L 以上 (3) 合併症の増悪のために試験の継続が困難 (4) 有害事象のために試験の継続が困難 (5) 併発疾患等により併用禁止薬の投与が必要 (6) 妊娠 (7) 試験参加の辞退、同意撤回の申し出等の患者さんの 都合 (8) 除外基準に抵触 (9) コンプライアンスが不良(服薬率 70 %未満)で、服 薬指導効果なし (10) 試験全体の中止 (11) その他の理由により、担当医師の判断 試験薬中止時には 52 週目の試験終了時と同様の検査を可 能な限り行うものとする。
EVALUATE 試験における患者補償 EVALUATE 試験=高血圧患者を対象とした試験:医薬品適応範囲内 医療費 健康被害の補償 (なし=通常の保険治療) PMDA* の医薬品副作用救済基金に申請 *PMDA :医薬品医療機器総合機構 なお、医師に賠償責任がある場合に備え、試験責任医師お よび試験分担医師は医師賠償責任保険に加入していただく また、以下の可能性を考え臨床試験に関する損害保険に加入 医薬品副作用被害救済制度の申請が受理されない場合 試験実施計画作成上の瑕疵等 賠償請求を受けた場合の弁護士費用などの対応費用
研究推進部門 杏林大学第一内科 代表 山田明 スタディマネジメント部門 東京大学腎臓・内分泌内科 代表 藤田敏郎 シミック 検査会社 ( SRL ) EVALUATE 試験 組織図 東京大学 臨床試験部 薬剤部 臨床試験データ管理学 薬剤疫学講座 関連 NPO J-CRSU DSRU-J 各試験実施施設 東京大学、帝京大学、日本大学板橋病院、香川大学、埼 玉医科大学総合医療センター、東海大学、杏林大学、横 浜市民総合医療センター、聖マリアンナ医科大学、北里 大学、日本医科大学千葉北総病院、東京女子医科大学附 属青山病院、横浜労災病院、徳島大学、さいたま市民医 療センター、叶澤医院、杉浦内科、沢井医院、稲城市立 病院、川崎市立井田病院、国際医療福祉大学三田病院、 勝谷医院、叶沢医院、日本医科大学、東邦大医療セン ター大森病院、宮入内科、日本鋼管病院、獨協医科大学、 慶應義塾大学、国立国際医療研究センター、東京医科大 学、浮間中央病院、昭和大学、日野市立病院、筑波大学、 高知大学、横浜市立大学、愛し野内科クリニック、池田 内科皮膚科医院、きよせの森風間クリニック、なかの整 形外科内科、おくど総合診療所、済生会山形済生病院、 しらたきクリニック、井上医院、あらいクリニック、清 水医院、かんの内科、小野内科診療所、梅澤医院、有隣 病院、松翁会診療所、谷口内科、済生会二日市病院、大 場内科クリニック、橋本医院、滝山病院など
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