件名法と分類法の例 件名法 分類法 刑法 320 法律 結婚 320.3 法学辞典 憲法 320.8 法律全集 憲法-アメリカ合衆国 320.91 六法全集 憲法-日本 321 法哲学 パリ-紀行 322 法制史 福沢諭吉 323 憲法 法律学 323.53 アメリカ合衆 国の憲法 法令集 324 民法 マーケティング 325 商法 民法 326 刑法
書架分類と書誌分類 書架上の図書の配列方法 固定配架 受入順など、資料が受け入れた順番通りに固定 的に配架していく方法。配架した場所は固定で、ずっと変 わらない。限られた書架スペースにぎっしり詰め込むのに 適した方法であるが、次々入ってくる同じ主題の本を挿入 して一箇所にまとめることはできない。 相対配架 同じ主題の資料を 1 箇所にまとめようとすると、 同じ主題の本があとから追加されてくるので、資料の配架 位置は徐々にずれていく。通常主題配架に適した分類記号 を与え、分類記号順に配架することになる。したがって相 対的な位置関係は変わらないが、絶対的な配架位置は、資 料が増えるにしたがって変化する。
書架分類と書誌分類(定義) 書架分類 図書そのものをその主題によって、書架上に体 系的に配列するための分類。 書誌分類 図書そのものではなく、図書に関する記録(目 録)を体系的に配列するための分類。
書架分類と書誌分類(比較) 書架分類 図書のラベルに記載する制約があり、あまり長い記号 を用いることはできない。したがって非常に詳しい主 題を表現することはできず、やや粗い分類記号になら ざるを得ない。 「物理と化学」のように、図書が2つ以上の主題を持 つときも、書架分類としては1つしか与えることがで きない。 書誌分類 分類記号に長さに制約がなく、長い分類記号を与える ことができ、詳しい主題を表現することが可能。 必要に応じて2以上の分類記号を与えることも可能。
分類に関する基礎的事項 1.概念と名辞 概念( concept ) ある事柄に対して共通事項を包括し、 抽象・普遍化してとらえた意味内容 名辞( name ) 概念を具体的なことばで表現したもの
2.概念間の関係性 同義関係 コンピュータ、コンピューター、電子計算機、 電算機 彗星、ほうき星 書籍、書物、本、冊子、図書 反意語は、便宜上同義関係の中に含めることが ある 平等と不平等
概念間の関係性(続) 階層関係(上位概念と下位概念) 通常次の 3 種類とする。 ・類種関係 正当な唯一の上位概念-下位概念関係。 事物とその種類を表す。 図書館-公立図書館-町村立図書館 動物-脊椎動物-ほ乳類
階層関係(続) ・一部の全体/部分関係 地理的位置(大阪府と堺市) 身体組織(耳と内耳) 学問分野(物理学と力学) 社会組織(学部と学科)。 ・事例(インスタンス)関係 山と富士山、地震と新潟県中越地震、など。
3.文献主題を構成する各概念間の関係性 意味論的関係と統語論的関係 「大阪府下の公立図書館における総合目録」 ↑ 意 味 論 近畿地方 目録 図書館 的 大阪府 総合目録 公立図館 関 堺市 市立 図書館 係 ↓ ← 統 語 論 的 関 係 →
意味論的関係と統語論的関係(続き) 意味論的関係 個々の文献主題とは無関係に定めることがで きる、概念間の先天的・本来的関係性。 例:近畿地方-大阪府-堺市(全体部分関 係)、目録-総合目録(類種関係) 統語論的関係 その文献でたまたま出会った概念同士の関係 性。文法的な関係。 例:大阪府-総合目録-公立図書館
4.クラス、区分特性、内包、外延 クラス 一つあるいは複数の属性を共通に備える事物の 集合。 例えば、 車・・・「車輪によって動く乗りもの」とい う共通の属性を備えるものすべて。 図書・・書写あるいは印刷され、冊子として 製本されたすべての紙の束。
区分特性(区分原理) クラスを区分するときの原理・特性をいう。 例えば、「車」というクラスを区分するには、 大きさによって 大型車、中型車、小型車 生産国によって 外車、国産車 用途によって 乗用車、トラック、レーシン グカー 車輪の数によって 4輪車、3輪車、2輪車 それぞれ大きさ、生産国、用途、車輪の数によって、車 というクラスが下位クラスに分けられる。このとき、 大きさや生産国を区分特性という。 図書館分類では、区分特性は1回の区分に際しただ1つ しか用いてはならない。
区分特性(続き) 区分特性は 1 回の区分に、 1 つだけ用いる さまざまな区分特性によって区分しうるとき、 例えば「車」であれば、まず車輪の数により、次に用 途により、大きさにより、最後に生産国により、と いうように段階を追って区分する。 相互排他の原理 同じ区分特性によって得られた下位クラスは、必ず 相互排他的である。
内包と外延 あるクラスを規定するのに、その本質的に属性 によって定義する方法を内包による方法という。 そのクラスに属する下位クラスを列挙すること によって、そのクラスを規定する方法を外延に よる方法という。 例:車というクラス 内包・・・車輪によって動く乗り物 外延・・・大型車、小型車、国産車、など車の 種類を列挙する
7.主題分野と事象 主題分野( discipline 、 subject field ) 物理学、図書館学、文学、経済学、などのよ うに学問界で認知された分野の名称。 事象( phenomena ) 図書館、原子、化合、加熱、結婚、自由、な ど個々のことがらを言う。
8.文献的根拠( literary warrant ) 分類表や件名標目表に掲載する概念を採用する 根拠として、文献主題として現れたものを採 用する、という方針。 図書館分類は、事物や学問の抽象的な分類では なく、具体的な文献主題を分類する、という 方針からこのようなことが主張される。
9.要約主題と網羅的主題 資料(情報)の主題をどの程度まで分析するかには、次の 2種類がある。 (1) 資料全体の主題を把握する。 要約法( summarization )という。 「太陽系の話」 → 太陽系 (2) 資料の部分的な主題や周辺的な主題をも把握する。 網羅的索引( exhaustive indexing )、あるいは深層索引 ( depth indexing )という。 太陽、水星、金星、地球、...、彗星、引力、小惑星